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世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1635信(2022.05.23)

  • 教皇、U2ボノと女子教育などで見解一致
  • バチカン外務局長ギャラガー大司教、ウクライナを訪問
  • カリフォルニアの教会銃撃事件はヘイトクライム、と当局発表
  • 米教会銃撃容疑者は台湾出身=地元警察が訂正
  • イスラム教シーア派組織ヒズボラ連合が過半数割れ=レバノン総選挙
  • 《メディア展望》

 

◎教皇、U2ボノと女子教育などで見解一致

 【CJC】教皇フランシスコ(85)が5月19日、教皇が設立した教育進行機関「スコラス・オクレンテス」の会合に出席した。教皇は膝と足に痛みのため、会合では終始車いすに座っていた。
 「スコラス・オクレンテス」は教皇がブエノスアイレス大司教時代にアルゼンチンで設立。現在、多くの途上国を中心に世界70カ国以上に拡大している。
 ローマ大学で行われた会合では、アイルランドのロックバンド「U2」のボノ(62)が教皇に「極度の貧困と戦う上で女子教育は強大な力となる。聖下(教皇)には、気候変動危機においても女性は同様に強力な役割を果たすとお考えになるかうかがいたい」と質問した。教皇は「われわれは常に、母なる大地と言うが、父なる大地とは言わない」と答えてボノと会場から笑いを誘い、「女性は男性よりも調和について心得ている」という見解を示した。ローマ発ロイター通信が報じた。


◎バチカン外務局長ギャラガー大司教、ウクライナを訪問

 【CJC】バチカンの外務局長ポール・リチャード・ギャラガー大司教は5月18日から20日まで、ウクライナを訪問した。
 この訪問は、戦争に苦しむウクライナの人々に教皇フランシスコの寄り添いを伝えることを目的としたもの、とバチカン・ニュースが報じた。
 ギャラガー大司教は、初日、ポーランド南東部コルチョバからウクライナに入った同大司教は、アンドリー・ユラシュ駐バチカン大使と、ラテン典礼のリヴィウ大司教でウクライナ司教協議会会長のミエチスラウ・モクシツキ師に迎えられた。
 モクシツキ師の案内を受けてリヴィウ教区のラテン典礼大司教館を訪れたギャラガー大司教は、教皇フランシスコの名のもとに、ウクライナの人々と国・街の上に平和を祈り、祝福をおくった。
 リヴィウでは、ラテン典礼の大司教、ギリシャ典礼カトリックの大司教と、それぞれ会見した他、避難民を受け入れているリヴィウの小教区や修道院を訪問した。
 ギャラガー大司教は、リヴィウの州知事、市長と会見の後、首都キーウに移動。ギリシャ典礼カトリック、キーウ・ハールィチ大司教区の大司教との出会いを持った。
 ギャラガー大司教は、最終日の20日午前、多数の市民が犠牲になった、首都キーウ近郊の町ブチャ、ヴォルツェル、イルピンなどを訪れ、深刻な破壊の跡を目にした。特にブチャでは正教会の聖堂を訪問、集団墓地で祈りを捧げた。また、ヴォルツェルでは神学校が受けた被害状況を視察した。
 この後、ギャラガー大司教は、ウクライナのドミトロ・クレバ外相と会談、その後、共同記者会見を行った。大司教は、「訪問を通し、この国の傷に手で触れることになった」と語った。
 同大司教は、特に同日朝訪問したブチャについて、ヨーロッパにおいて「最も恐ろしいことが起きた場所として、残念ながら21世紀の歴史に残るだろう」と述べた。
 そして、「これは『平和はあって当然のものと思ってはいけない』という、わたしたちへの警鐘である。平和は神の賜物であると同時に、宗教や政治的帰属を超えた善意の人々の絶え間ない努力を必要とするものである。その努力がなければ、この危険はわたしたちのものとなる。ブチャはそれを雄弁に語っている」と話した。
 大司教は、「多数の死者、あらゆる種類の暴力、都市の破壊、家族の離散、非常に多くの難民」に対する教皇フランシスコの大きな悲しみを伝えた。
 「教皇庁は真の和平プロセスに協力する用意がある」と述べつつ、そのためには当事者双方からの要請が必要、と同大司教は語った。
 一方で、カトリック教会は、即時のあるいは長期にわたる人々の精神的・物質的必要に応えるよう努力している、と話した。
 最後に、ギャラガー大司教はウクライナ当局に謝意を表すと共に、カトリック教会をはじめキリスト教諸教会の平和と連帯のための取り組みに感謝を述べた。


◎カリフォルニアの教会銃撃事件はヘイトクライム、と当局発表

 【CJC】米カリフォルニア州のキリスト教会で5月15日に発生した銃撃事件について、オレンジ郡保安官事務所は16日、「政治的な動機によるヘイト事件だった」という見解を発表した。
 事件が起きた時、教会では台湾長老派教会の信者約50人による昼食会が開かれていた。52歳の医師ジョン・チェン氏が、発砲を止めさせるために容疑者に向かって突進し、撃たれ死亡した。他に66歳から92歳の5人が負傷した。
 当局は68歳の中国系アメリカ人デヴィッド・チョウ容疑者を逮捕した。同容疑者は、ネバダ州ラスベガスからカリフォルニア州ラグナウッズまで移動して、台湾系の信者たちを銃撃したという。
 16日の記者会見で、ドン・バーンズ保安官は、チョウ容疑者が「台湾コミュニティをターゲットにしていた」と説明、「容疑者が中国と台湾の政治的な緊張に腹を立てて信者を狙った」という当局の見解を明らかにし「集めた情報から、政治的動機に基づいたヘイト事件だと判断した」と述べた。


◎米教会銃撃容疑者は台湾出身=地元警察が訂正

 【CJC】ロサンゼルス発時事通信によると、米西部カリフォルニア州ラグーナ・ウッズの教会で起きた銃撃事件で、地元警察は5月17日、デビッド・チョウ容疑者は中国出身ではなく台湾出身だったと訂正発表した。「事情聴取したところ、台湾で生まれて育ったと供述した」と説明している。
 警察は16日、容疑者は「中国出身」と述べていた。


◎イスラム教シーア派組織ヒズボラ連合が過半数割れ=レバノン総選挙

 【CJC】カイロ発時事通信などによると、中東レバノンで5月15日に投票が行われた国民議会(一院制、定数128)選挙は5月17日、開票結果が公表され、イスラム教シーア派組織ヒズボラを中心とした政党連合が過半数を割り込んだ。
 イランが支援するヒズボラと他のシーア派政党、ヒズボラと連携するキリスト教政党を合わせた連合は、2018年の前回選挙で71議席を獲得したが、ロイター通信によれば、今回は62議席にとどまった。一方、イランと対立するサウジアラビアと関係が深いとされるキリスト教政党「レバノン軍団党」が議席を伸ばし、変革を訴える独立系候補も10人以上が当選した。


《メディア展望》
 
 =カトリック新聞(5月22日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
▼教皇、岸田首相と会談=核の使用「考えられない」
▼教皇「世界工法の日」メッセージ=真の対話には聴くことが不可欠
▼教皇の一般謁見講話=高齢者は信仰の模範に
▼第34回校長・理事長・総長管区長の集い=カトリック教育=「新たな可能性」はすでにある
▼駐日教皇庁大使が特別講座=原子力と教会の過去・未来
 
 =KiriShin(5月21日)=http://www.kirishin.com
▼日本基督教団霊南坂教会=海渡り、よみがえる響き=ハルモニウム修復への願い=教会遺産 後世にどう残す?
▼13年ぶりに韓国で開催=ローザンヌ世界宣教会議
▼「ヒトラーにユダヤ人の血」=ロシア外相発言でイスラエル反発
▼教皇、キリル総主教を叱責=プーチン氏の「侍者になるな」
▼香港、陳日君枢機卿や歌手を国安法違反容疑で逮捕
 
 =クリスチャン新聞(5月22日)=http://クリスチャン新聞.com
▼教会とLGBTQ=まず当事者の声を=社会の変化と広がる気づき
▼小坂忠氏逝去=日本のキリスト教音楽界を牽引
▼バプ連・憲法フェス=「9条は祈り、生き方」=YWCA・西原美香子氏
▼オープンバイブル関西教区聖会=「笑う門に救いあり」=日本文化で伝える福音
▼いま注目の聖書プロジェクトとは?=メディア変化が神学に影響

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