世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1661信(2022.11.21)

  • 教皇、19、20の両日、イタリア北部アスティを訪問
  • 教皇、バチカン広報省関係者と出会い
  • 韓国映画「誕生」に「千万観客を祈る」と教皇
  • トルコがシリア北部を空爆、爆弾テロ事件の報復か
  • 米最高裁で2014にもリークか=ニューヨ-ク・タイムズ紙
  • 《メディア展望》

 

◎教皇、19、20の両日、イタリア北部アスティを訪問

 【CJC】教皇フランシスコは、11月19、20の両日、イタリア北部ピエモンテ州アスティを訪れた。バチカン・ニュース(日本語)は、同地に住む教皇の又従姉妹(またいとこ)が90歳の誕生日を迎えたことを機会に訪問した、と伝えている。
 初日19日、教皇はアスティ県ポルタコマロに又従姉妹カルラ・ラベッツァーナさんを訪ね、トリノやアスティ地方の親戚たちと私的な時間を過ごした。カルラさんは、8日に90歳の誕生日を祝ったばかり。カルラさんの母イネスさんは、教皇フランシスコ(ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ)の父マリオ・ベルゴリオ氏の従姉妹(いとこ)にあたる。
 教皇とカルラさんとの交流は、1974年、当時司祭であったベルゴリオ神父がフランクフルトに向かう途中、トリノに立ち寄り、連絡を保っていたイタリアの親戚を訪ねたことにさかのぼる。
 その後、ベルゴリオ神父は大司教、枢機卿となり、ローマに行く機会があると、トリノにカルラさんと夫、2人の息子からなる一家を訪ねていたという。
 カルラさんは、パンデミック前の2019年、家族とバチカンを訪れて以来、教皇とは会っていないが、1カ月に1回ほど電話で近況を交換していると語った。
 自宅前で出迎えたカルラさんと教皇は笑顔で抱擁を交わし、集まった他の親類たちと和やかに食卓を囲まれた。
 カルラさんらとの昼食後、教皇はアスティ市の西郊の町、ティリオーレを訪問。同町で暮らす、もう1人の又従姉妹デリア・ガイさん(85)とも話し合った。
 訪問初日夕、教皇は、アスティ市内のアスティ教区司教館に入った。
 教皇は、訪問2日目の20日午前、アスティ教区司教館に、ピエモンテ州のアルベルト・チリオ州知事、アスティ市のマウリツィオ・ラセロ市長など、地元自治体代表の訪問を受けた。
 この席で、アスティ市長は、教皇に同市の名誉市民の称号を贈呈した。「世界平和のための大きな努力と、あらゆる形の差別に対する日頃の連帯と兄弟愛のメッセージ」、また「アスティおよびピエモンテとの強い絆の証し」を贈呈の理由として述べた。
 教皇は、名誉市民の称号に感謝し、自分の祖父母がアスティについて話していたために、アルゼンチンにいた時からアスティは心の中にあり、自身にアスティのゆかりを常に感じていたと語った。
 続いて、教皇はアスティ教区の司教座聖堂で「王であるキリスト」の祭日のミサを地元の信者たちと共に捧げた。その後半「お告げの祈り」を教皇は信者たちと共に唱えた。
 典礼暦で「王であるキリスト」を祝うと共に、教区レベルの「世界青年の日」を記念したこの日、教皇は特に若い信者たちに語りかけた。
 そして、今年の「世界青年の日」と来年夏ポルトガルで開催される「世界青年の日・リスボン大会」の共通テーマである、「マリアは出かけて、急いで山里に向かった」(ルカ1・39)という言葉の観想へと招いた。
 エリザベトを訪問した時のマリアの若さを指摘しながら、教皇は「出かける」「向かう」という二つの動詞を若さの秘訣(ひけつ)として示した。
 マリアは「出かけて、向かった」。マリアは自分のことだけを考えずに、天の高きを見つめ、自分の恐れから抜け出し、助けを必要とする人に手を差し出すために歩き始めた、と教皇は話した。
 今日、わたしたちは順応主義者や携帯電話の奴隷とは異なる、マリアのように世界を変える若者たちを必要としている、と述べた教皇は、マリアのように人々にイエスをもたらし、他者をいたわり、兄弟愛に満ちた社会と平和の夢を実現してほしい、と若者たちに願った。
 「世界は平和に飢えている」と、教皇はウクライナをはじめ戦争に苦しむ世界各地を心に留めつつ、平和のために祈り続けよう、と呼びかけられた。
 この席で教皇は、数日前パレスチナ自治区ガザの難民キャンプで発生した大規模火災で亡くなった子どもたちを含む多くの人々とその遺族に思いを向け、犠牲者の冥福と共に、長い紛争に苦しむ人々への慰めを神に祈り求めた。
 そして、教皇は「平和の元后マリア」に捧げたこのカテドラルで、すべての家族や病者をはじめ、すべての人々を聖母の保護に託して祈った。
 同日午後、アスティの司教座大聖堂でミサをとり行われた教皇は、ローマに帰るためにヘリコプターの待つ市営競技場へと向かった。
 教皇へのサプライズとして、競技場にはアスティ教区全土の小教区から児童・生徒や青年たちが詰めかけ、歌やダンス、大歓声で教皇への親愛をいっぱいに伝えた。
 代表の子どもたちから花束や作品を受け取りながら、心のこもった見送りに笑顔で答えた教皇は、消防士や救急隊員たちにお礼を述べ、地元司教マルコ・プラスターロ師と抱擁を交わした後、午後3時過ぎ、ヘリコプターでアスティを後にした。


◎教皇、バチカン広報省関係者と出会い

 【CJC】教皇フランシスコは11月12日、バチカン広報省の関係者との集いを持った。バチカン・ニュース報道を紹介する。
 広報省は、「シノドスとコミュニケーション=発展させるべき行程」をテーマに、10日から3日間にわたり定例総会を開催していた。
 総会には、日本から同省顧問枢機卿の前田万葉枢機卿が出席した。
 総会最終日、会議参加者と同省職員たちは、バチカン宮殿・クレメンスの間で教皇との出会いに臨んだ。
 教皇は、日ごろ教会の広報に携わる関係者らへ、原稿を用いずに励ましの言葉を述べる共に、この出会いのために用意した原稿を参加者たちに託した。
 その中で教皇は「シノドスとコミュニケーション」という総会テーマに言及しつつ、シノドスは単にコミュニケーションをとるためのものでも、多数派や少数派といった世俗的な論理や見方で教会を考えるものでもない、と指摘した。
 シノドスの歩みの忘れてはならない本質は、神のみ旨に耳を傾け、それを理解し、実践することにある、と教皇は述べた。
 福音の光を今日により効果的にもたらすために、わたしたちが「教会」として神のみ旨を知ろうとするならば、個々の中でなく、教会の生きた「絆」の中で、主に耳を傾けそれを理解することが必要、と記している。
 ナザレのマリアは従妹エリザベトの存在と親愛なくしては「マグニフィカト」を歌うことはできず、そばにヨセフがいなければ、幼子イエスを殺そうとする者たちの憎しみから、御子を守ることはできなかった。またイエスも、ゲツセマネの園に弟子を伴ったように、ご自身の最も決定的な闘いにおいて、「絆」を必要としていた、と教皇は福音書のエピソードを観想した。
 関係を構築するコミュニケーションは、まさにこの「絆に対する召命」を負っていると述べた教皇は、コミュニケーションが寄り添いを可能にし、疎外された人に声を与え、切り捨てられ無視されがちな物事に関心を喚起できるものであるように、と教皇は願った。
 そして、教皇は、コミュニケーションが「絆を作り出す」ために必要なこととして、「人々の孤独を和らげる」、「声なき人に声を与える」、「伝えることの苦労を学ぶ」の三つを挙げた。
 教皇は、広報省の仕事は単に技術職ではない、と述べ、教会のあり方そのものに関わる、その召命を改めて強調した。


◎韓国映画「誕生」に「千万観客を祈る」と教皇

 【CJC】韓国紙「中央日報」(日本語版)によると、教皇フランシスコは11月16日、バチカン市国で行われた韓国映画「誕生」(原題)の試写会で、「千万観客を祈る」と明らかにした。
 この日、ローマ教皇庁シノドスホールでは韓国カトリック初の司祭、金大建(キム・デゴン、1821~1846)神父の一代記を題材にした映画「誕生」の試写会が行われた。このため、バチカンを訪問したパク・フンシク監督や俳優ユン・シユン、俳優ユン・ギョンホ、俳優イ・ムンシクたちは教皇庁パウロ6世記念ホールで教皇フランシスコと個別謁見した。
 教皇は、今回の個別謁見を斡旋した兪興植(ユ・フンシク)枢機卿から映画の企画意図を聞いた後、「韓国の偉大な芸術家たちが金大建神父に関する映画を作ったのが印象的」と話した。教皇は「映画を撮りながら、美しいキリスト人、人間として美しかった方の人生について研究と勉強をしたのは皆さんにとっても祝福だと思う」と述べた。
 映画「誕生」は30日、韓国の劇場で公開される。韓国公開前にバチカン市国で初めて試写会が開かれたのも異例だが、シノドスホールで試写会が行われたのも非常に特別だと主催側は伝えた。
 試写会には、兪興植枢機卿や教皇庁長官および高位聖職者、多くの大使とローマに滞在中の司祭、修道者、信徒など200人余りが参加した。映画が終わった後には、外交官席からイタリア語で「Viva
chiesa Coreana!」(韓国教会万歳)と叫ばれたりもした。
 教皇庁使徒座署名院最高裁判所次官のアンドレア・リパ司教は「韓国教会に対して映画化したことに感謝する」と伝え、「映画自体も素晴らしかった」と評価した。


◎トルコがシリア北部を空爆、爆弾テロ事件の報復か

 【CJC】トルコ国防省は11月20日、シリア北部とイラクで非合法組織クルド労働者党(PKK)と関連組織の拠点を空爆したと発表した。トルコに対するテロ攻撃を排除する目的としている。イスタンブール発共同通信報道を紹介する。
 13日に最大都市イスタンブールで発生した爆弾テロ事件への報復の可能性がある。6人が死亡したテロ事件発生から1週間。エルドアン政権はシリア北部のPKK系クルド人勢力の犯行と断定し、捜査している。


◎米最高裁で2014にもリークか=ニューヨ-ク・タイムズ紙

 【CJC】ワシントン発ロイター通信によると、米紙ニューヨ-ク・タイムズ(NYT)は11月19日、中絶反対運動の元指導者が、避妊を巡る2014年の米連邦最高裁判決について事前に知らされていたと報じた。最高裁は人工妊娠中絶を巡る今年の判決でも草稿の漏えいが問題になっており、調査を求める声が上がっている。
 キリスト教福音派の非営利団体を率いていたシェンク牧師が、団体の大口献金者が最高裁のアリート判事宅で同夫妻と夕食を共にした後間もなく、避妊と宗教上の権利に関する裁判の結果を知ったと明かした。判決が公表される数週間前だった、とNYT。
 アリート判事は同裁判だけでなく、女性に中絶の権利を認めた「ロー対ウェイド判決」を覆す今年の判決でも多数派意見を執筆した。いずれの判決も宗教右派が勝利する内容だった。
 アリート判事は声明で、自身もしくは妻が14年の判決をリークしたとの主張は「完全な誤りだ」と述べた。
 議会上院のダービン司法委員長(民主党)は、委員会が疑惑を検証しているとした上で、最高裁に倫理規定を設ける法案可決を促した。


《メディア展望》
 
 =カトリック新聞(11月20日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
▼教皇、バーレーンを訪問=諸宗教代表者の対話に出席
▼教皇「世界青年の日」メッセージ=イエスを迎える喜びを出かけて、分かち合う
▼FABC50周年総会閉幕=「より良いアジアのために」=政府やNGOとの関わり誓う
▼全国教区広報担当者会議=動画編集を体験
▼新しい『ミサの式次第』=表紙を学生がデザイン=東京・サレジオ高専
 
 =KiriShin(11月11日既報・再録)=https://www.kirishin.com
▼学校特集・前編=東京神学大学×東京基督教大学=「見えざる壁」越えて=交流と神学議論を=神学生有志が共同企画
▼キリスト教功労者に小島誠志、吉崎恵子の両氏
▼WCC総幹事代行=モスクワでキリル総主教と会見
▼実物大に再現した「ノアの箱舟」=全米から天地創造説信者が訪れる
▼訃報=松井直さん(福音館書店元社長)
 
 =クリスチャン新聞(11月13日)=https://クリスチャン新聞.com
▼福音主義神学会西部=「犠牲のシステム」論に浅野淳博氏反駁
▼JEA、全キ災共催=「災害支援の温故知新」テーマに中台孝雄氏=直後の熱気の種火残して
▼「第22回日本CBMC国家朝餐祈祷会」で金子道仁氏=イエスが十字架で勝ち取った平和は困難な中で前進する
▼建売住宅が美しい教会堂に=大阪バイブルチャーチ再出発
▼2年ぶりリアル開催=CS成長セミナー=説教演習、批評で理解深める=大嶋重徳氏が教理的、実践的に指導

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