◎米大統領、「AIの危険性まだ分からず」=ハイテク企業に安全確認責任ある
【CJC】ワシントン4日発ロイター通信は、バイデン米大統領が4日、AI(人工知能)が危険かどうかはまだ分からないとしながらも、ハイテク企業には製品を公開する前に安全性を確認する責任があると述べた。
バイデン氏はホワイトハウスで開かれた科学技術に関する大統領諮問委員会の会議の冒頭で、AIは疾病治療や気候変動対応などで役立つ可能性があるが、潜在的なリスクに対応することも重要と指摘。「ハイテク企業には、製品を公表する前に安全性を確認する責任がある」と述べた。AIは危険かとの質問には「まだ分からない。その可能性もある」と応じた。
また、精神衛生上を含め適切な保護措置がなければ強力なテクノロジーが害をもたらす可能性があり、そのことはソーシャルメディアによってすでに示されていると言及。その上で、ハイテク企業による個人情報収集の制限、子どもを対象とした広告禁止、製品開発における健全さと安全の優先を定めた超党派のプライバシー法制定を議会に改めて要請した。
またニューヨーク州の大陪審に起訴されたドナルド・トランプ前大統領が4日、ニューヨーク市内の裁判所に出頭し、不倫関係にあったとされる女性への口止め料の支払いを巡る虚偽記載疑惑に絡む34件の罪状を否認したが、バイデン大統領はコメントを控えた。
◎中国、カトリックの上海教区に一方的に司教任命=バチカンが非難
【CJC】バチカン市4日発ロイター通信によると、バチカン(ローマ教皇庁)は4月4日、中国が国内最大のカトリック教区である上海の司教を一方的に任命したと明らかにし、任命に関する暫定合意の明確な違反との見解を示した。合意は2018年、2度目の延長が行われていた。
バチカンは、江蘇省海門の司教を上海教区に配置替えしたとの中国の決定を「数日前に」通知され、4日の報道で正式な就任を知ったと説明した。
上海教区はウェブサイトで、就任式に200人余りが参列したと伝えた。
◎聖金曜日「主の受難の儀式」=教皇がバチカンで執行
【CJC】ウクライナ軍の大反攻、口火切るのはクリミア大橋破壊か。2023年2月下旬、ウクライナに対してロシア軍の総攻撃が再びあると予想するものが出された。バチカン・ニュース(日本語版)によって事態を展望する。
その総攻撃は、ロシア軍総参謀長が指揮を任されたこともあり、かなり大規模なものになるとの予想が多かった。
だが、3月末までの地上戦を見た限りでは、総攻撃にはほど遠く、バフムトなど東部の拠点を占拠しようとした、犠牲を顧みない歩兵主体の攻撃だった。
ロシア地上軍は兵員の損害が多く攻撃衝力がなくなり、限界を迎えつつある。そして、残存兵力は逐次防御に転移している模様だ。ロシア軍は攻撃できないレベルまで落ちてしまったのだ。
これからの防御も、ウクライナ軍の強大な反撃を受ければ、打ち破られ、その組織は瓦解すると予想されるようになった。
今後の戦闘の注目点は、ウクライナ軍がロシア軍の最大の弱点を増幅すること。つまり、重要拠点を破壊し混乱させること。その後、反撃をいつどのように行うかだ。
イエス・キリストの十字架上での受難と死を記念する4月7日夕、教皇フランシスコはバチカンの聖ペトロ(サンピエトロ)大聖堂で「主の受難の儀式」を行った。この儀式には、およそ4千人が参列した。
キリストの十字架上での受難と死を観想する「主の受難の儀式」は、ことばの典礼、十字架の崇敬、聖体拝領の3部からなる。
儀式の冒頭、教皇は祭壇の前で長い沈黙の祈りを捧げられた。
ことばの典礼の第一朗読「イザヤ書」(52、13~53、12)では、主の僕の苦難と死について、第二朗読「ヘブライ人への手紙」(4、14~16、5、7~9)では、多くの苦しみを受け、永遠の救いの源となった偉大な大祭司、神の子イエスについて、人々は耳を傾けた。
そして、福音朗読では、「ヨハネ福音書」(18、1~19、42)から「わたしたちの主イエス・キリストの受難」が3人の助祭によって朗唱の形で読まれた。イエスが息を引き取る場面で、人々はこうべを垂れひざまずいた。
教皇付説教師ラニエーレ・カンタラメッサ枢機卿による説教に続き、聖金曜日の共同祈願が唱えられた。
「十字架の崇敬」では、十字架を手にした助祭が信者たちの間を祭壇に向かって進みつつ、三度立ち止まり、止まるごとに十字架を掲げた。大聖堂に響く「世の救い主、キリストがつけられた木の十字架を見つめよ」との朗唱が人々を十字架の崇敬へと招いた。
最初に十字架を迎えた教皇が十字架上のイエスに接吻されると、その後、聖職者や、修道者、信者たちの代表が一人ひとり十字架を崇敬した。
最後に再び十字架を受け取った教皇は、それを高く掲げ会衆に示された。
後半、聖ペトロ大聖堂の主席司祭、マウロ・ガンベッティ枢機卿によって、聖体拝領式が行われた。
儀式終了後、会衆は沈黙のうちに解散した。
◎イラン、公共の場に監視カメラ=スカーフ不着用の女性特定へ
【CJC】イラン警察当局は4月8日、髪を覆うスカーフの着用義務に違反する女性の増加を抑えるため、公共の場や大通りに監視カメラを設置し、違反した女性を特定して罰すると発表した。
警察当局は8日、髪を覆うスカーフの着用義務に違反する女性の増加を抑えるため、公共の場や大通りに監視カメラを設置し、違反した女性を特定して罰すると発表した。ロイター通信が当局傘下のミザン通信などによって伝えた。
当局は、ヒジャブ(髪を隠すスカーフ)着用を求める法律への抵抗はイランの精神を汚し、不安を広げるとしている。企業経営者に対しては、「社会的規範の遵守の真剣な監視」を呼びかけた。
イランでは昨年9月、22歳の女性がヒジャブの着用が不適切として道徳警察に拘束され、死亡して以来、ヒジャブを着用しない女性が増えている。
◎「聖週間」始まる=教皇、バチカンで「受難の主日」ミサ
【CJC】カトリック教会の典礼暦は4月2日、復活祭直前の1週間「聖週間」を迎えた。初日「受難の主日」、教皇フランシスコは、バチカンでミサをおこなわれた。バチカン・ニュースの報道を紹介する。
呼吸器感染症のために入院していたローマのジェメッリ病院を前日4月1日に退院した教皇は、この朝「受難の主日」のミサをバチカンの聖ペトロ(サンピエトロ)広場で行われた。
ミサには、およそ6万人の信者が参加した。
「枝の主日」とも呼ばれる「受難の主日」は、イエスのエルサレム入城の際、民衆が歓呼してイエスを迎え、その足元に服や木の枝を敷いた出来事を思い起こし、ミサの前にオリーブやしゅろなどの枝を手に宗教行列が行われる。
この宗教行列で用いられる「枝」の中には、「パルムレロ」と呼ばれる、しゅろの葉を編んだものもある。バチカンには、16世紀、教皇シスト5世の時代より、イタリアのリグーリア地方から「パルムレロ」がもたらされてきた。
広場に白いジープで到着した教皇は、オベリスク前でミサ参加者らが持つ枝を祝別。この後、聖職者・修道者・信徒の代表らが、賛歌の調べの中、枝を掲げ、大聖堂前の祭壇に向かって行列した。
続いて捧げられたミサでは、教皇は「開祭」「ことばの典礼」「閉祭」を、枢機卿団の副主席レオナルド・サンドリ枢機卿が「感謝の典礼」を司式した。
ミサ中の福音朗読では、マタイ福音書から主の受難(27、11~54)が朗読された。
教皇は説教で、「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」(マタイ27、46)という、十字架上のイエスが受難の苦しみの頂点で叫ばれた言葉を観想された。
「神から愛された御ひとり子イエスが、これほどの状況までに至ったのはなぜなのか。その答えはただ一つ、わたしたちのためであった」と教皇は強調。
「イエスはわたしたちと共にいるために究極まで連帯された。それはわたしたちの誰一人、孤独や悲嘆の中に見捨てられないためであった」と述べられた。
十字架上のイエスは絶望にとらわれたままでいることなく、神に祈り、神にご自身を託される。「『わたしの神よ、わたしの神よ、なぜわたしをお見捨てになるのか』(詩編22、2)という詩編の言葉を叫びながら、イエスはご自身の霊を御父の御手にゆだね(参照=ルカ23、46)、見捨てられた中で神に信頼された。それだけではない。その究極の状態の中で、ご自分を見捨てた弟子たちを愛し続け、ご自分を十字架につけた者たちを赦された」と教皇は指摘。
「こうして、わたしたちの悪の深淵はより大きな愛にひたされ、分裂は交わりに変わり、離れていたものは近づき、闇は光となり、わたしたちの惨めさはいつくしみに抱擁された」と語られた。
「イエスのわたしたちにあまねく捧げられた愛は、わたしたちの石の心を憐れみと優しさ、同情に満ちた肉の心に変えることができる。見捨てられたキリストは、見捨てられた人たちを探すようにとわたしたちを動かす。なぜなら、彼らの中には、貧しさだけでなく、見捨てられたイエス、わたしたちを救うため人間の状態の奥底まで降りて来られたイエスがおられるからである」と教皇は話された。
「今日、人々の間に、多くの『見捨てられたキリスト』がいる」と述べた教皇は、「イエスはこれらの見捨てられた人たちを見つめ、心にかけるようにと願われる。拒絶され、疎外された人たちはキリストの生きたイコンだからである」と説かれた。
ミサの終わりに、教皇は「お告げの祈り」を唱えられた。
そして、儀式終了後、教皇は専用ジープで、聖ペトロ広場と広場前の大通りにあふれる巡礼者たちの間を一巡された。
◎教皇が呼吸器感染症で数日入院=バチカン発表
【CJC】ローマ教皇庁(バチカン)は3月29日、教皇フランシスコ(86)が呼吸器の感染症でローマ市内のアゴスティーノ・ジェメッリ総合病院に入院した。バチカン・ニュースが発表した。
バチカンのマッテオ・ブルーニ広報局長によると、教皇は数日前から呼吸困難を訴えていた。同日午後にアゴスティーノ・ジェメッリ総合病院で検査を受け、呼吸器の感染症が判明した。感染症は新型コロナウイルスではないとしている。
バチカンは当初、教皇が「事前に予定されていた検査のため病院に入った」と説明していたが、夜に発表内容をあらためた。各国メディアからの問い合わせが相次いだためとみられる。
マッテオ・ブルーニ広報局長は3月31日午後、教皇はご自分の病室に付属する礼拝堂で祈りのための時間を持たれ、その後、聖体を受けられた、と発表した。
次いで教皇は、ジェメッリ総合病院の小児腫瘍科の病棟を訪問し、生後数週間の男の子に洗礼をさずけられた。
この訪問の際、教皇は居合わせた医療スタッフらに向かい、キリストの十字架を毎日証しするように召された人たちの肉体上の苦しみや精神的苦悩を和らげることに貢献するすべての人々への思いを述べ、その自己犠牲と奉仕の精神に感謝を表された。
教皇はこの訪問の後、ご自分の病棟に戻った。
教皇フランシスコは、4月1日午前、ジェメッリ総合病院を退院、バチカンに戻った。
退院の朝、教皇は、同病院の母体であるサクロ・クオーレ・カトリック大学の総長をはじめ、同病院責任者、そして教皇を担当した医師や看護師ら医療スタッフらに感謝を述べられた。
午前10時半過ぎ、ジェメッリ病院を後にされた教皇は、病院の外で車を止められ、待機していた患者や家族、報道陣らに挨拶された。
人々と言葉を交わす中で、教皇は、前晩、娘を亡くし深い悲しみの中にある両親に寄り添い、祈りを捧げられた。
この後、教皇はローマ市内の聖マリア大聖堂に向かい、同大聖堂に伝わる聖母子画「サルス・ポプリ・ロマーニ」(ローマ人の救い、の意味)の前でしばし祈られた。
教皇はこの祈りを通して、ジェメッリ病院で出会った小児腫瘍科と小児神経科の子どもたち、また病気や、親しい人々の喪失のために苦しむすべての人々を聖母に託されたという。
教皇は、同日午前11時半頃、バチカンに戻った。
◎フィンランドのNATO加盟確定、トルコが批准
【CJC】アンカラ発ロイター通信によると、トルコ議会は3月30日、フィンランドの北大西洋条約機構(NATO)加盟を認める法案を承認した。これでNATO加盟30カ国全ての批准手続きが完了し、フィンランドのNATO加盟が確定した。
トルコのエルドアン大統領は今月、フィンランドがテロ対策強化や防衛関連輸出の自由化で具体的な措置を講じたと評価。議会がフィンランドのNATO加盟批准手続きを開始すると言明していた。
フィンランド政府はトルコ議会の採決を受けて声明を出し、「NATOへの加盟はフィンランドの安全保障を強化し、バルト海地域と北欧の安定性と安全性を高める」とした。
フィンランドのマリン首相はトルコ議会の採決後、「フィンランドは現在も将来もスウェーデンと共に立ち、同国の申請を支持する」と述べた。
スウェーデンに関してはハンガリーでも、加盟承認を巡る議会の採決は予定されていない。
NATOのストルテンベルグ事務総長は、トルコとハンガリーに対し、両国の申請を批准するよう促している。
米国や加盟国は7月11日にリトアニアで開催されるNATO首脳会議で、両国が正式に加盟することを期待している。
米国務省は、トルコのフィンランド加盟承認を歓迎すると発表。スウェーデンの加盟についても迅速に批准するよう求めた。
NATOのストルテンベルグ事務総長はトルコとハンガリーに対し、両国の申請を批准するよう促している。
◎ダヴィデ像を生徒に見せ校長辞任=米フロリダ州の騒ぎに専門家の対応は?
【CJC】米フロリダ州の小中学校で、イタリア・ルネッサンスの代表的作家ミケランジェロによる「ダヴィデ」像の写真を教師が授業で6年生に見せ、校長が辞職に追い込まれた問題で、像を所蔵するイタリア・フィレンツェの美術館が当の学校の教師や生徒たちを招待した。
英メディア「BBC」によると、ダヴィデ像の写真が「ポルノ」的だという親の苦情が、校長の辞職につながったという報道を受けて、フィレンツェのアカデミア美術館のセシリー・ホルベルク館長は、ルネッサンス美術を学んでいたクラスを同館に招待した。
ホルベルク館長は、校長は「ほめられるべきで、罰せられるべきではない」と指摘。「ダヴィデ像は紛れもなく、ルネッサンス期の芸術と文化の象徴で、ダヴィデ像を見せずにルネッサンスの話をするなど意味がない」と述べた。
旧約聖書に登場するダヴィデを全裸で表した全身像は、欧州で史上最も有名な美術作品の一つ。神への信心と石を投げるための武器だけを手に、巨人ゴリアテに立ち向かったその姿を刻んだ全長5メートル17センチの彫像だ。
米フロリダ州タラハシー郡のタラハシー・クラシカル学校でこのほど、ルネッサンス美術を11歳と12歳の生徒に教える授業で、ダヴィデ像が紹介された。同校は、独自の歴史古典教育を重視する認可校。
この学校では例年、ダヴィデ像を生徒に見せる際には事前に保護者へ連絡していたものの、今回は連絡をしていなかったことから、1人の親が学校に抗議した。ほかに2人の親が、事前連絡が欲しかったと学校に苦情を伝えたという。同校のホープ・カラスクイラ校長は3月23日、辞任するか解雇されるか選ぶよう学校の理事会に告げられたため辞任したと、地元紙タラハシー・デモクラットに明らかにした。
◎イスラエル議会、ユダヤ人定住禁止の法律を修正
【CJC】エルサレム21日発ロイター通信によると、イスラエル議会は3月21日、ヨルダン川西岸の四つのユダヤ人入植地を巡り、退去を命じた2005年の法律の修正案を可決した。
法律の特定条項を削除することで、ユダヤ系住民は立ち退きを命じられたこれらの入植地にイスラエル軍の承認を条件に戻ることができる。
イスラエル政府とパレスチナ自治政府の当局者は19日、情勢悪化につながる言動の自制で一致したばかり。ネタニヤフ政権の強権的な姿勢が浮き彫りになった。
米国務省のパテル副報道官は「緊張が高まる中での法改正は挑発的だ」と指摘。イスラム教のラマダン(断食月)やユダヤ教の過越祭、キリスト教の復活祭休暇に向け情勢を沈静化しようとする取り組みに逆行すると非難した。
欧州連合(EU)も緊張緩和の努力に逆効果をもたらすとの声明を発表した。
◎北朝鮮に拘束されたキム・グクキ牧師の妻「生存確認だけでも」
【CJC】北朝鮮で宣教活動中に逮捕され、8年間拘束されているキム・グクキ牧師の妻、キム・ヒスンさんが夫に送る手紙を公開した。米政府系放送局「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)が3月10日報じた。キム牧師の家族がメディアに心情を明かしたのは初めてだと、VOAは伝えた。韓国メディア「東亜日報」(日本語版)によって紹介する。
キムさんは手紙で、「寂しくても頑張ってください。今年、あなたは70歳です。一緒に迎えたいです」とし、「健康はいかがですか。あなたが生きていることだけでも確認できればいいのに」と切ない気持ちを表した。また、「国内だけでなく世界の多くの国であなたが無事に釈放されて戻ってくることを祈っています」とし、「あなたは一人ではない。多くの人があなたのために努力している」とメッセージを伝えた。
大韓イエス教長老会合同に所属するキム牧師は、国内でホームレスなど社会的弱者を支えていたが、2003年に宣教のために中朝国境地帯である中国遼寧省丹東に派遣された。キム牧師は脱北者や「コッチェビ(浮浪児)」など北朝鮮住民のための「脱北者シェルター」を運営し、北朝鮮に医薬品や農機具などを送り、宣教活動をしたという。15年に北朝鮮当局に逮捕され、スパイ罪と国家転覆陰謀罪の疑いで無期労働教化刑を宣告された。
キム牧師夫妻の知人が、「権寧世(クォン・ヨンセ)統一部長官が7日、拘束者の家族に会って励ました。米国務省もキム牧師の釈放に関心を示し、キム・ヒスンさんが勇気を得たようだ」と伝えたと、VOAは報じた。
米国務省は1月、全世界の政治犯釈放キャンペーンでキム牧師を紹介し、「キム牧師をはじめ、すべての政治犯の釈放を求める声に参加してほしい」と呼びかけた。
北朝鮮には現在、キム牧師のほかにもキム・ジョンウク、チェ・チュンギル氏や脱北者出身の韓国人6人が拘束されている。
◎教皇、台湾の仏教の僧侶たちと会見
【CJC】バチカン・ニュース(日本語版)などが伝えるところによると、教皇フランシスコは3月16日、台湾からローマを訪れた仏教の僧侶たちに挨拶を送った。
教皇が会見したのは、台湾の「人間仏教」を掲げる仏教関係者とカトリック教会関係者からなるグループで、このたび諸宗教対話と教育的な「巡礼」を目的にローマを訪れた。
この出会いで教皇は、同グループのバチカン訪問は、仏教とキリスト教のそれぞれの信者が自らの信仰に根差しつつ育んだ、友愛と協力の精神を証しするもの、と述べた。
また、教皇はこの席で、仏教教団「仏光山」の開祖で慈善団体「国際仏光会」の創始者、仏法の教えを人の世で実践する「人間仏教」の推進に尽力した星雲法師=俗名李国深=が2月5日、95歳で死去したことに触れ、星雲法師の諸宗教対話への貢献を思い起こした。
星雲法師は晩年病に苦しみ、2011年と16年の二度にわたり脳梗塞を発症していた。
今回の訪問は「出会いの文化」を育てるためのまたとない機会である、と述べた教皇は、出会いを通して他者に自らを開くことで、その中に友情や兄弟愛を見出し、それによって自分自身をもより良く知ることができる、と語った。
また、出会いの文化は橋を築き、他者が精神的より所としている宗教的価値や原則に対し、窓を開かせる、とも話した。
人類と地球がスピードをもって変化し続ける今日、出会いのオアシスがより必要となっている、と教皇は指摘。
かつてそうであったように、今日もまた、伝統宗教が持つ叡智と人間性をもって、新たな教育活動に刺激をもたらし、世界に普遍的な兄弟愛を育てることができるようにと願った。
◎「DKZ」のギョンユン、"カルト宗教信者"めぐる物議に謝罪
【CJC】韓国のボーイズグループ「DKZ」ギョンユンが、"カルト宗教"をめぐる物議に謝罪した。
ギョンユンは、ネットフリックス(Netflix)「すべては神のために=裏切られた信仰」でチョン・ミョンソク総裁による女性信者への性的暴行が暴露された「キリスト教福音宣教会(JMS)」の信者だったとして波紋を広げた。韓国メディア「ワウコリア」によって紹介する。
最初に疑惑が浮上した際、「両親が通っていた(JMS)教会は、正常な信仰の場所だと思っていた」と説明したギョンユンだったが、自身がJMS音楽団出身だったことが明らかとなり、その後「自分は2世信者であり、脱会した」と説明を一転させて再び物議を醸した。
以下、ギョンユンが発表した謝罪文要旨。
まず、僕のせいで一番驚き、失望したであろうファンに心から謝罪します。
僕を見守り応援し、愛してくださった方々にいつも良いニュースを伝えようとしましたが、僕の至らなさによって、つらい時間を過ごさせてしまったと思います。
ファンの方々の前に出る勇気がありませんでした。とても強い恐怖を感じました。
誰よりも僕を大切に思い、応援してくれた方々だからこそ、愚かなことに、さらに躊躇(ちゅうちょ)しました。
それで、どのような言葉で話し始めるべきか、どのように謝罪すべきかを悩み、これ以上、遅くなってはいけないという思いから、こうしてここに来ました。
僕の未熟な対処によって、多くの方々を失望させてしまいました。過去に悩むことなく言及したことが、より大きな誤解を呼び、時間を戻したいと思うくらいの反省と自責の念にかられています。
最後に、失望させてしまった方々に改めて謝罪申し上げます。
《メディア展望》
=カトリック新聞(3月12日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
▼「アジア大陸別シノドス」=参加型の教会へ議論深める
▼教皇フランシスコ=挙行の規制を明確化=公会議前の「特別形式」ミサ
▼被災地訪問の教皇特使=シリアへの経済制裁は「誰のためにもならない」
▼入管法「新政府案」に反対全国一斉デモ
▼日本ダルク創設者=近藤恒夫さん逝去から1年=追悼ミサ・しのぶ会
=KiriShin(3月11日)=https://www.kirishin.com
▼「狭山事件」から60年="再審の扉開く最後の大詰め"=キリスト教諸教派・団体代表ら東京高裁へ要請
▼「信教の自由を守る日」=櫻井義秀氏が講演=「統一協会問題、法律では解決不可能」
▼中国が全人代開幕=23年成長率目標「5%前後」
▼ミュンヘン会議でウクライナ大統領=兵器供与の加速呼びかけ
▼米マイアミ=胎児は無実と妊婦の被告が保釈要求
=クリスチャン新聞(3月12日)=https://クリスチャン新聞.com
▼「オープン・ドアーズ」世界迫害状況2023=76か国が依然深刻な迫害下
▼トルコ・シリア大地震=被害深刻 現地JCFが視察
▼14階建てアパート一瞬でがれきの山に=レポート イスタンブールJCF 末富敦子
▼ロシアのウクライナ侵攻から1年=紛争の影響、子どもらに色濃く=WVと連携団体がインタビュー調査
▼「グリュックスクレー」バレンタインコンサート=神に愛されて生きる幸せをシェア
◎中国が全人代開幕、23年成長率目標「5%前後」
【CJC】中国の第14期全国人民代表大会(全人代)が3月5日、北京の人民大会堂で開幕した。ロイター通信(日本語)によって伝える。
李克強首相は政府活動報告で、2023年の経済成長率の目標を5%前後とし、昨年の目標(5.5%前後)より低く設定した。
23年の財政赤字目標は対国内総生産(GDP)比で3.0%とした。昨年の目標は2.8%前後。
消費者物価指数(CPI)上昇率の目標は3%前後に設定、22年の目標と同水準とした。CPIは昨年は2.0%上昇した。
李首相は政府活動報告で、経済の安定と消費拡大の必要性を強調。都市部では今年、約1200万人の雇用を創出するとし、昨年の目標である少なくとも1100万人を上回る目標を掲げた。不動産部門にリスクが残っているとも警告した。
複数の関係筋は全人代に先立ちロイター通信に、今年の成長率目標は5~5.5%になるとしており、一部は最大6%の可能性もあると述べていた。実際の目標は予想レンジの下限となった。
2023年予算案を公表した中国政府は、国防費として前年比7.2%増となる1兆5500億元(約2240億ドル)を計上した。昨年の増加率を若干上回った。
国防費増加率は8年連続で1桁台となった。例年通り内訳は明らかにせず、全体の金額と増加率のみ公表した。
李首相は政府活動報告で、台湾との関係の平和的な発展を促進し、中国の「平和的統一」のプロセスを進めるべきとする一方、台湾独立の動きに対しては断固とした措置を取って反対していく姿勢を改めて示した。
中国はここ3年ほどの間に台湾周辺で軍事活動を活発化させており、昨年8月にはペロシ米下院議長(当時)の訪台に反発し軍事演習を実施している。
中国は他にも、対米関係の冷え込みや人口動態の悪化など、多くの課題に直面している。出生率が急落し、昨年は1961年の飢饉の年以来、初の人口減に見舞われた。
◎教皇、今年4月にハンガリー司牧訪問
【CJC】バチカン・ニュース(日本語)によると、教皇フランシスコが、今年4月下旬、ハンガリーを司牧訪問することが明らかになった。
バチカンのマッテオ・ブルーニ広報局長の声明によれば、教皇はハンガリーの政府、カトリック教会の招待に答え、4月28日から30日まで、司牧訪問する。
教皇のハンガリー司牧訪問の告知と共に、詳細な日程が発表された。
4月28日(金)午前、教皇はローマからブダペストに到着。現地の国際空港での出迎えを受けた後、大統領官邸で歓迎式に臨み、大統領への表敬を行う。続いて、首相と会談。旧カルメル会修道院において各界代表、駐在外交団との会見。午後、聖ステファノ教会で、司教、司祭、修道者など、ハンガリーの教会関係者との出会いを持つ。
4月29日(土)午前、教皇は、福者ラースロー・バッチャーニ・ストラットマン学園の子どもたちを私的に訪問。ハンガリーの聖エリザベト教会で貧しい人や難民と出会う。午後、ブダペスト・スポーツアリーナで若者たちとの集い。続いて、バチカン大使館でイエズス会会員らと会見する。
4月30日(日)午前、教皇はブダペスト市内コシュート・ラヨシュ広場でミサを行う。午後、パズマニ・ペーター・カトリック大学で、大学・文化関係者との出会い。ブダペスト国際空港での送別式を経て、ローマへ戻る。
◎ウクライナにおける戦争から1年、教皇の祈りとアピール
【CJC】バチカン・ニュースがまとめた「回顧録」を紹介する。
2022年2月24日のウクライナへのロシアによる軍事侵攻開始から、1年が経過した。
侵攻開始の前日、2月23日、教皇は一般謁見の席で、ウクライナ情勢の緊迫に深い悲しみと、苦悩、不安を表明。「神は平和の神、戦争の神ではありません。神は皆の父であり、誰かのものではありません。わたしたちが必要とするのは兄弟であり、敵ではありません。国家間の共存を破壊し、国際法を軽んじながら、人々の苦しみを増すようなあらゆる行動を控えるよう、関係するすべて当事者たちにお願いします」と呼びかけた。
しかし、その翌日24日朝、ロシア軍はウクライナの北部、東部、南部に侵入し攻撃を開始。バチカン国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿は、「皆が憂慮していた悲劇的な展開が、残念ながら現実になろうとしている。しかし、まだ努力の時間はあり、協議の余地はある。まだ、知恵を用いて一部の利害を優先させることを防ぎ、皆の正当な願いを守り、世界を戦争の狂気と恐怖から免れさせることはできる」と声明した。
戦争勃発直後から、教皇のアピールは頻度を増していった。27日のお告げの祈りで、教皇は「戦争をする者は、人間性を忘れます」、「あらゆる紛争において、戦争の狂気の代償を身をもって払う真の犠牲者は普通の市民たちです」と述べ、避難者のための人道回廊を開くよう訴えた。
2022年の「灰の水曜日」、3月2日、教皇の呼びかけで「平和のための断食の日」が行われた。同日の一般謁見で、教皇はお年寄りたちをはじめ、ウクライナの人々に連帯を示すと同時に、避難民のために「国境と心と家の扉」を開いたポーランドの人々に感謝を述べた。
3月6日、教皇はお告げの祈りで、「ウクライナでは血と涙が流されています」、「これは単なる軍事作戦ではありません。死と破壊と悲惨をもたらすだけの戦争です」と強調。母と子たちをはじめとする避難民に思いを寄せ、人道的支援を願った。また、教皇は、教皇慈善活動室のコンラート・クライェフスキ枢機卿と、人間開発省のマイケル・チェルニー枢機卿をウクライナの人々の支援のために現地へ派遣したことを明らかにした。
3月13日のお告げの祈りで、教皇は「おとめマリアの名を冠した都市マリウポリは、ウクライナを破壊しつつある耐えがたい戦争によって、今や殉教の町となりました」と悲しみを表し、「神の名において願います。この殺戮を止めてください」と嘆願。
教皇のウクライナ情勢に対する言及、アピール、祈りは、毎週の一般謁見やお告げの祈りにおいてだけでなく、様々な機会を通し行われた。
教皇は、3月25日、バチカンでとり行われた共同回心式の中で、全人類、特にロシアとウクライナをマリアの汚れなき御心に奉献。「戦争の嵐の中でわたしたちを遭難させないでください」、「憎しみを消し、復讐をなだめ、赦しを教えてください」、「戦争からわたしたちを解放し、核兵器の脅威から世界を守ってください」「戦争を止め、世界に平和をととのえてください」と聖母に祈りを捧げた。
4月6日の一般謁見で、教皇はウクライナ・キーウ近郊ブチャでの市民に対する殺戮を非難した。
「『戦争を止め、武器を置き、死と破壊の種をまくのをやめよ』という、犠牲者たちの無実の血が上げる叫びは、天にまで届いています」と述べた。「この国旗は戦場から、苦しみに痛めつけられた町、ブチャから来たものです」と教皇はブチャから届けられたウクライナ国旗を広げられた。
5月1日のレジーナ・チェリの祈りで、教皇はカトリック教会の伝統で聖母に捧げられた5月、毎日のロザリオの祈りを平和のために捧げるようすべての信者たちに願った。
5月8日「ポンペイの聖母」の記念日、教皇は正午の祈りで、イタリア南部ポンペイの聖母巡礼聖堂に集った信者たちと心を合わせ、ウクライナの人々の苦しみと涙を聖母に示し、平和を祈願された。
「聖母月」最終日、5月31日、教皇はローマの聖マリア大聖堂の「平和の元后マリア」像前で、世界の聖母巡礼聖と中継で結ばれた、ロザリオの祈りの集いを持った。教皇はこの中で「平和の大きな恵み」を求め、人々の回心、暴力や復讐心に満ちた心の変容を祈った。
教皇は、6月1日の一般謁見で、ウクライナの小麦の輸出停滞に懸念を表明。この問題を解決し、普遍的な人権である「食料への権利」を保証するためにあらゆる努力を惜しまぬよう、また小麦という基本的な食料を戦争の武器として用いることがないよう、アピール。
9月中旬に行われたカザフスタン訪問からの帰国途中、教皇は記者会見で、「すべての人に対話の可能性は与えなくてはならない。対話によって何かが変わる、他の見方や考え方を与える、という可能性は常にある」と常に対話に開かれた姿勢を強調、「さもなくば、平和への唯一の理性的な扉を閉ざしてしまうことになる」と語った。
教皇は、10月2日正午の祈りで、「ウクライナにおける戦争の状況は深刻かつ破壊的、懸念すべきものになっている」、「この恐ろしい理解不能な戦争は収まるどころか、流血の事態を増大させながら、さらに広がろうとしている」と深い憂慮を表明。「人類が再び核の脅威に直面していることはもってのほかである」と述べた。教皇はロシア連邦大統領に対し、この暴力と死の連鎖を自国民への愛のためにも止めるようにと訴え、同時に、ウクライナ大統領に対し、平和のための真剣な提案に心を開くよう信頼をもって呼びかけた。
12月8日、「無原罪の聖マリア」の祭日、教皇はローマ市内スペイン広場の聖母のモニュメントの前で祈りを捧げた。「無原罪のおとめよ、長い間平和を主に祈ってきたウクライナの人々の感謝を、今日ここでお伝えするはずでした」と教皇は言葉を詰まらせながら聖母に語りかけ、「あなたが十字架の下で御子のそばに留まられたように、あなたが彼らと、苦しむすべての人々と、共におられることを知っています」、「愛が憎しみを超え、真理が欺瞞に勝利し、赦しが侮辱にまさり、平和が戦争に打ち勝つと、信じ、希望し続けることができますように」と祈願した。
12月25日、2022年度降誕祭の「ウルビ・エト・オルビ」で、教皇はウクライナに思いを向け、「ウクライナの人々は、10ヵ月にわたる戦争による破壊のために、この降誕祭を暗さと寒さの中で、あるいは自分の家から遠く離れた場所で過ごしています。苦しむすべての人々を助けるために、わたしたちがすばやく具体的な行動を取ることができるよう、また武力を鎮める力を持った人の精神を照らし、この言語道断の戦争を直ちに終わらせることができるよう、主が助けて下さいますように」と祈った。
教皇は、2023年1月1日のカトリック教会の「世界平和の日」のメッセージの中で、「新型コロナウイルスによるパンデミックが最悪の状態を脱したかと思われた時、もう一つの恐ろしい災難が人類を襲った」とウクライナにおける戦争に言及。この戦争が無実の人たちの命を奪い、人々を不安に陥れているだけでなく、小麦や燃料問題に代表されるように、遠く離れている人々にまで苦しみを与えている状況を示した。
教皇は「この戦争は他の地域で起きているすべての戦争と同様、全人類の敗北を表すもの」と強調。適切な解決がまだ模索されるこの戦争に対し、わたしたちはどうすべきなのかと問いながら、まず心を改め、自分や自国のことだけに関心を向けずに、普遍的な兄弟愛の精神のもと、共通善の光に照らし考えることから始めなくてはならない、と招いている。
さらに、1月9日、駐バチカン外交団への年頭の言葉で、教皇は、「今日いまだに核の脅威は回避されず、世界を恐怖と不安に陥れている」と述べ、「核兵器の所有は倫理に反する」、「核兵器による脅しの下では、いつもわれわれ全員が敗者である」と明言。ウクライナにおける戦争の死と破壊、周辺地域のみならず世界全域に与えている影響を見つめつつ、この意味のない戦争を直ちに止めるようアピールを新たにした。
◎ブラジル貧民街の個人宅、「今年の家」に 建築専門サイトが選出
【CJC】AFP=時事通信によると、ブラジル南東部ミナスジェライス州ベロオリゾンテ郊外のファベーラ(スラム街)にある一見質素な家が、世界的建築専門サイトで「今年の家」に選ばれた。
建築関連ニュースサイト「アーキデーリー」主催の「ビルディング・オブ・ザ・イヤー2023」の住宅部門でトップに選ばれたのは、アーティストのカドゥ・ドスアンジョスさん(32)の自宅。2階建てで床面積は66平方メートル。デザインを手掛けたのは、ファベーラで無償もしくは低価格でサービスを提供する「LAC」だ。
インドやメキシコ、ドイツ、ベトナムなどからエントリーのあった競合を押しのけての選出となった。
「アーキデーリー」は「ドスアンジョス邸」について、地域にある一般的な材料を用いつつ、採光や風通しにも配慮し、良好な居住環境を創出したモデルケースと評価している。
ドスアンジョスさんは、「受賞を大変誇りに思う。ファベーラといえば暴力や土砂崩れ被害についての報道ばかりだから」と語った。「きょう、この家は世界一の高みにある」
◎クフ王のピラミッドで未知の空間発見、構造解明に期待
【CJC】カイロ2日発ロイター通信(日本語)によると、エジプト観光・考古省は3月2日、首都カイロ近郊のギザにあるクフ王のピラミッド内部に通路のような空間が見つかったと発表した。4500年の歴史を持つ大ピラミッドにおける新発見につながる可能性もある。
見つかった空間は長さが約9メートル。2015年に始まった「スキャンピラミッド」プロジェクトによる成果で、3Dシミュレーションや宇宙線を利用した新技術を駆使してピラミッド内部構造の調査が行われた。
学術誌「ネイチャー」に掲載された論文によると、今回の発見はピラミッドの構造解明につながる可能性があるほか、切妻型になっている新たな空間の目的についても調査が行われる。
エジプト考古最高評議会のモスタファ・ワジリ議長は、今後もスキャンによる調査を続けるとし「通路の奥に何が見つかるかを把握したい」と述べた。
宇宙線が大気に衝突して生じる「ミュー粒子」を利用した調査には、名古屋大学の技術が用いられた。
≪メディア展望≫
=カトリック新聞(2月26日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
▼教皇=トルコとシリアの大地震で国際社会の連携呼びかける
▼教皇=アフリカ訪問後に、武器取引が「最大の災い」
▼教皇、青年に呼びかけ=人身取引や搾取との闘いで「人間の尊厳の宣教者」に
▼カリタスジャパン=トルコ南東部地震=救援募金を開始
▼ニカラグア独裁政権=司教に禁錮26年実刑判決
=KiriShin(3月1日)=https://www.kirishin.com
▼シリーズ「2世」の呻き=宗教界こそ目を向けるべき
▼日本オリベットアッセンブリー教団=本部を天城山荘に移転
▼日本基督教団=網中彰子氏が女性初の総幹事に
▼日本キリスト教婦人矯風会が声明=平和外交求め、原発回帰に反対
▼キリスト教専門古書店、友愛書房が2月で閉店
=クリスチャン新聞(2月19日)=https://クリスチャン新聞.com
▼ヘイトクライム闘いの地で「第37回外キ協全国協議会」開催=「差別許さない」で一つに
▼トルコ南東部で地震=各キリスト教支援団体=緊急支援開始
▼JCE7宣言文第二次案公開
▼「善き隣人バンク」クラウドファンディング開始=孤独抱える人々の命つなぐ"お話し相手"
◎ミュンヘン会議開幕=ウクライナ大統領、兵器供与の加速呼びかけ
【CJC】ミュンヘン発ロイター通信によると、ウクライナのゼレンスキー大統領は2月17日開幕したミュンヘン安全保障会議でオンライン演説し、ロシアの侵攻を打ち負かすために兵器供与を加速させるよう同盟国に訴え、ためらいや遅れは他国の安全保障をも脅かすと警鐘を鳴らした。
ゼレンスキー大統領は、旧約聖書で巨人ゴリアテと戦ったダビデを引用、「決意は決して抽象的なものではない。ダビデがゴリアテを倒したのは話し合いの力ではなく、行動の力によるものだ」と述べた。
その上で「遅れは常に誤りだ」とし、世界の安全のために「ゴリアテを打ち負かす必要がある」と連携を呼びかけた。
また、ウクライナがロシアによる侵攻の終点とはならず、プーチン大統領が他の旧ソ連諸国にも照準を合わせていることは「明白」とし、西側諸国がウクライナへの戦車供給を巡り協議を行っている間、ロシアはウクライナの隣国モルドバを「窒息させる」方策を検討していると警告した。
ミュンヘン会議には世界の国家元首や閣僚ら100人超が出席。ロシアは招待されていない。
ドイツのショルツ首相は「現時点でわれわれにできることは、できる限りの支援をすることだ」とし、ドイツが欧州においてウクライナへの最大の兵器供与国であり続けると表明した。
フランスのマクロン大統領も、ウクライナがロシアに反抗できるよう軍事支援を強化する必要があると強調。「今はロシアと対話する時ではない」とした上で、「われわれは今日(支援や努力を)強化し、長引く紛争に備える用意がある。それがロシアを交渉の席に戻し、永続的な平和を構築する唯一の方法だ」と述べた。
北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は「NATOの同盟国とパートナー国が必要な限りウクライナと共に立ち上がるというのが私からウクライナの人々への最大のメッセージ」と語った。
◎ブラジル貧民街の個人宅、「今年の家」に 建築専門サイトが選出
【CJC】AFP=時事通信によると、ブラジル南東部ミナスジェライス州ベロオリゾンテ郊外のファベーラ(スラム街)にある一見質素な家が、世界的建築専門サイトで「今年の家」に選ばれた。
建築関連ニュースサイト「アーキデーリー」主催の「ビルディング・オブ・ザ・イヤー2023」の住宅部門でトップに選ばれたのは、アーティストのカドゥ・ドスアンジョスさん(32)の自宅。2階建てで床面積は66平方メートル。デザインを手掛けたのは、ファベーラで無償もしくは低価格でサービスを提供する「LAC」だ。
インドやメキシコ、ドイツ、ベトナムなどからエントリーのあった競合を押しのけての選出となった。
「アーキデーリー」は「ドスアンジョス邸」について、地域にある一般的な材料を用いつつ、採光や風通しにも配慮し、良好な居住環境を創出したモデルケースと評価している。
ドスアンジョスさんは、「受賞を大変誇りに思う。ファベーラといえば暴力や土砂崩れ被害についての報道ばかりだから」と語った。「きょう、この家は世界一の高みにある」
◎胎児は無実、妊婦の被告が保釈要求=米マイアミ
【CJC】AFP通信(日本語版)が報じるところでは、米フロリダ州で殺人罪に問われ、勾留中の妊婦ナタリア・ハレル被告(24)被告が、まだ生まれていない子どもは無実であり「不法に拘束されている」として、自身の保釈を求めていることが分かった。ウィリアム・ノリス弁護士が2月23日、明らかにした。
ナタリア・ハレル被告は、昨年7月にマイアミで配車サービス「ウーバー」(Uber)で手配された車に乗っていた際、女性を撃ち殺したとして殺人罪に問われ、約7カ月にわたり勾留されている。ハレル被告は逮捕時、妊娠約6週だった。
裁判所に提出された申し立てによると、胎児は「いかなる犯罪も犯していない」にもかかわらず「劣悪な状態」で監禁されており、母親が保釈されない限り、「監獄のコンクリートの床の上で生を受ける可能性が高い」と指摘している。
さらに、勾留中の母親は適切な医療の提供を受けていないという。
ウィリアム・ノリス弁護士は胎児の父親に雇われていると明かし、胎児に代わって申し立てを行ったと述べた。この申し立てで、「生まれていない子どもも人である」という考えを強く主張している。
◎「福音宣教の主役としての聖霊」をめぐって=教皇一般謁見
【CJC】教皇フランシスコは、2月22日、バチカンのパウロ6世ホールで、水曜恒例の一般謁見を行われた。
謁見中のカテケーシスで、教皇は「福音宣教の情熱:信者の使徒的熱意」の考察として、「福音宣教の主役:聖霊」をテーマに話された。バチカン・ニュースによって紹介する。
教皇カテケーシスの要旨は次のとおり。
「イエスは近寄って来て(弟子たちに)言われた。『わたしは天と地の一切の権能を授かっている。だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。』」(マタイ28・18~20)
「福音宣教の情熱」をめぐるカテケーシスで、今日は、「あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授けなさい」(参照=マタイ28・19)というイエスの言葉から考察を再び始めよう。
復活されたイエスは、「あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい」と言われた。それは相手を教化したり、強制的に改宗を迫るのではなく、イエスとの関係の中に入り、イエスを知り、愛する可能性を一人ひとりに与えるように、ということである。
また、イエスは「行って、洗礼を授けなさい」と言われる。「洗礼」とは「浸すこと」を意味する。それは典礼的な行為を示す以前に、自らの命を父と子と聖霊の中に浸し、わたしたちのそばに、父、兄弟、霊としておられる神の存在に毎日喜びを感じることを表している。
イエスが弟子たち、そしてわたしたちに「行きなさい」と言われる時、それは言葉だけでなく、聖霊と共に伝えられる。なぜなら、聖霊のおかげによってのみ、キリストからの使命を受け取り、それを継続することができるからである(参照=ヨハネ20・21~22)。実際、使徒たちは、聖霊降臨の日が訪れ、聖霊が彼らの上に降りるまで、恐れから高間に閉じこもっていた(参照=使徒言行録2・1~13)。福音の告知は、聖霊の力においてのみ実現される。聖霊は宣教者たちに先立ち、彼らの心を準備される。聖霊こそ「福音宣教の原動力」である。
「使徒言行録」のすべてのページが、福音の告知の主役が、ペトロやパウロたちではなく、聖霊であることを伝えている。「使徒言行録」に記される初代教会には、今日の教会と同じように、慰めもあれば、悩めることもあった。たとえば、当時の教会は、信仰に入った異邦人たち、ユダヤ人ではない人たちに対し、モーセの慣習に従わせるかどうかで意見が分かれていた。これを識別するために、使徒たちが集まり、「エルサレム使徒会議」と呼ばれる教会史上初の会議を行った。そこで彼らは伝統と革新の適当な妥協を図ることもできたが、先に使徒たちの上に降り、やがて同様に異邦人たちの上にも注がれた、聖霊の働きに従った。
使徒たちは最終的に、「聖霊とわたしたちは、次の必要な事柄以外、一切あなたがたに重荷を負わせないことに決めました」(参照=使徒言行録15・28)と、律法に関わるほとんどの義務を取り去った。彼らは感受性や意見の相違にも関わらず、分裂することなく、聖霊に耳を傾けたのである。
聖霊は今日にも有効な一つのことを教えている。それは、あらゆる宗教的伝統は、イエスとの出会いに助けられるならば、有益である、ということである。今日のわたしたちにも恩恵をもたらした、この最初の会議の歴史的決議は、教会においてはすべてが福音宣教の必要に応じて形作られる、という「福音宣教の原則」に促されたものであった。保守派あるいは急進派の意見にではなく、イエスが人々の生活に届くようにという必要に従うのである。それゆえ、一つひとつの選択や使用、組織や伝統は、キリストを告げることを助けるという物差しに従って判断されるべきである。
このように、聖霊は教会の歩みに光を与える。聖霊は心の中の光であるだけでなく、教会を導く光でもある。聖霊は、物事を明確にし判断や識別を助ける。そのため、四旬節が始まった今日はもとより、しばしば聖霊に祈り求める必要がある。なぜなら、教会が機会や場所、共同体や活動グループを持っていても、聖霊に祈らなければ、宣教の火は消えてしまうからである。使徒パウロも「霊の火を消してはいけません」(1テサロニケ・5~19)と言っている。しばしば聖霊に祈り、わたしたちの中に毎日その光を灯してくださいと願おう。
教会は、聖霊から出発し、また再出発する。わたしたちの司牧計画が、社会学的な調査や分析、諸問題や課題のリストから始まるのは当然重要であるが、最も大切なのは、聖霊の体験から出発することなのである。
◎牧師の説教まで書いた「チャットGPT」=「まだ牧師レベルではない」
【CJC】「今日、私たちは愛する父を思い出します。聖書では、『すべての人が一人ずつ死に、その後に審判がある』と言われました。父は今、死と審判を迎えていますが、私たちは永遠の命を考えることができます。聖書では、『死んだ者はもはや死ぬことはなく、その命は死から抜け出さない」(ヨハネの手紙11・26)と言われました。私たちはいつもあなたを愛しています」
韓国メディア「東亜日報」(日本語版)が、このような書き出しの聖句を掲載した。一見すると、葬儀での牧師の故人への祈りのようだ。しかし、これは「亡くなった父のために聖書を引用した祈りを作ってほしい」という要請に、対話型人工知能(AI)サービス「チャットGPT」が作った内容の一部だ。
ある教会関係者は、「内容の誤りなどはともかく、祈りの形式は備えているように見える」とし、「牧師の説教レベルではないが、信徒が突然の状況に応じて参考にすることはできそうだ」と話した。本文を中心に置き、意味を与えて締めくくる祈りの文、説教の枠組みは整っているということだ。
引用した聖書の巻名には誤りがあった。「チャットGPT」が引用した箇所は「ヨハネの手紙11・26」だが、実際これと似た内容はヨハネの福音書11章26節にある。また、聖書は国内外に多数の翻訳本があるためか、現われている改訳改訂版とは翻訳に違いがあった。改訳改訂版ヨハネの福音書11章26節には、「生きていてわたしを信じる者はみな、永遠に決して死ぬことがありません。あなたは、このことを信じますか」とある。
「チャットGPT」に「チャットGPTの説教の問題点は何か」と尋ねると、「作成した説教や祈りは、いかなる哲学的な信念や宗教的な目的も持たない、入力された資料を基に自動生成された文章」と答えた。そして、「このため、私を使用して作成された説教は信仰の根本を含まず、また誤った信仰を広める恐れがある」と警告した。
《メディア展望》
=カトリック新聞(2月26日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
▼教皇=トルコとシリアの大地震で、国際社会の連携呼びかける
▼教皇、アフリカ訪問後に=武器取引が「最大の災い」
▼教皇、青年に呼びかけ=人身取引や搾取との闘いで「人間の尊厳の宣教者」に
▼ニカラグア独裁政権=司教に禁錮26年実刑判決
▼エルサレムで聖像破壊=ユダヤ教徒観光客を逮捕
=KiriShin(2月21日)=https://www.kirishin.com
▼トルコ・シリア地震=死者4万人以上=各団体が緊急の支援と祈り
▼シリア、EUに地震支援要請=約30万人避難の報道
▼カトリック正平協、JOCが声明=『福音と社会』書評は「深刻な二重加害」
▼ラルシュ共同体が報告書=「虐待防止できなかった組織的責任」
▼モルモン教の巨大ファンド=米SECが「情報開示」で調査
=クリスチャン新聞(2月26日)=https://クリスチャン新聞.com
▼トルコ大地震=シリアでは WVJ現地スタッフ「トルコに比べ情報量少ない」=国内避難民に追い打ち
▼韓国スタディツアー参加者が証しと講演=同盟基督「教会と国家」委員会、青年部と共催
▼「第57回2・11東京集会」で稲正樹氏=「国葬・改憲から新しい戦前、ヤスクニの道が見えてきた」
▼ウクライナ・ロシア侵攻から一年 苦難の中、伝道と協力の祝福も
▼JCE7・九州地区大会=社会・若者・家庭を語る
◎四旬節メッセージ=教皇、イエスと共にタボル山に登るよう招く
【CJC】2023年度の四旬節を迎えるにあたり、教皇フランシスコのメッセージが発表された。
カトリック教会の典礼暦は、2月22日の「灰の水曜日」と共に、復活祭の準備期間、「四旬節」に入る。
バチカン・ニュースによると、「四旬節」をより有意義に過ごすため、毎年、教皇によるメッセージが発表される。
教皇フランシスコは、2023年度の四旬節のために、「四旬節の登攀(とうはん)、シノドスの道のり(仮訳)」と題したメッセージを発表した。
このメッセージで、マタイ、マルコ、ルカの三つの福音書に記される「主の変容」のエピソードを観想した教皇は、イエスと一緒にタボル山に登り、イエスの神なる輝きを体験し、それによって信仰を強め、イエスと共に歩き続けることができるようにと願われている。
教皇は、主の変容の出来事に、弟子たちの無理解に対するイエスの答えを見出された。実際、シモン・ペトロは、イエスに対し「あなたはメシア、生ける神の子です」と信仰を告白したにも関わらず、そのすぐ後でイエスの受難と十字架の予告をはねつける。イエスはそのようなペトロを、「サタン、引き下がれ。あなたはわたしの邪魔をする者。神のことを思わず、人間のことを思っている」(マタイ16・23)と叱られた。そして、そのことから「六日の後、イエスは、ペトロ、それにヤコブとその兄弟ヨハネだけを連れて、高い山に登られた」(同17・1)のである。
主の変容の福音は、毎年四旬節第二主日に朗読されることを教皇は紹介しつつ、この四旬節に、主はわたしたちを連れ出し、ご自身と一緒に「高い山に登り」、聖なる神の民と共に特別な「登攀」を体験するよう招いておられる、と述べている。
四旬節の登攀は努力を要するものである。この登攀は、わたしたちの信仰や忍耐の欠如を克服し、イエスの十字架の歩みに従えるよう、常に恵みによって励まされる。師イエスを深く知り、その神の救いの神秘を受け入れるには、師に連れ出され、高い山に登り、生温さや虚飾から離れなければならない。教皇は、この努力と犠牲を要する上り坂の歩みを、現在教会が取り組んでいるシノドスの歩みとも重ねられた。
イエスはタボル山に3人の弟子を連れて行かれた。彼らは比類ない特別な出来事の証人として選ばれたのである。イエスはこの恵みの体験が孤立したものではなく、分かち合われるものであることを望まれた。イエスと弟子たちのタボル山登攀と同じように、わたしたちの四旬節の歩みは、「道」である師、唯一の師であるイエスに従い、皆で「共に」歩むシノドス的歩みである、と教皇は記されている。
やがてエピソードは重大な時を迎える。福音書は「イエスの姿が彼らの目の前で変わり、顔は太陽のように輝き、服は光のように白くなった」(同17・2)と語っている。教皇は、これこそが登攀が目指すまさに「頂点」であると言う。登攀の終わりに、高い山の上に共にいる三人の弟子たちに、イエスは、超自然的な光に輝く、栄光の中にあるご自身の姿を見せるという恵みを与えたのである。この美しい神的光景は、タボル山に登った弟子たちのあらゆる苦労を完全に超越するものであった。教皇は、山を登っている最中は険しい道だけを見つめていても、最後には驚くべき素晴らしい展望が開けるもの、と説きつつ、シノドスの歩みも最後には、神の御旨とその御国への奉仕をより良く理解させる素晴らしい結果が待っているだろう、と励ましている。
タボル山での弟子たちの経験は、イエスの隣に現れたモーセとエリヤを見ることによってより豊かなものとなった(参照=同17・3)。教皇はモーセとエリヤがそれぞれ「律法」と「預言」を象徴する存在であると指摘。シノドスの歩みもまた、教会の伝統に根差すと同時に、新しいものに向かって開いていると語っている。
四旬節の登攀の歩みと、シノドスの歩みは、どちらも個人と教会の「変容」を目標とするもの、と述べた教皇は、この「変容」を実現するための二つの「小径」を提示している。
まずその一つは、タボル山でのイエスの変容の出来事を前に観想する弟子たちが聞いた「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者。これに聞け」(参照=同17・5)という神の声である。教皇は、四旬節はわたしたちに話しかける神の声に耳を傾ける恵みの時であると強調。典礼の中の神の御言葉、毎日の聖書の読書はもとより、助けを必要とする兄弟姉妹たちの顔やストーリーの中に主の声を聞くようにと招かれた。さらに、教皇は、シノドス的な教会のために、教会の中の兄弟たちと互いに耳を傾け合うように勧められた。
弟子たちは御父の声を聞いて「ひれ伏し、非常に恐れた」。しかし、「イエスは近づき、彼らに手を触れて言われた。『起きなさい。恐れることはない。』彼らが顔を上げて見ると、イエスのほかにはだれもいなかった」(同17・6~8)。ここに四旬節の二つ目の小径を示された教皇は、毎日の労苦や辛さ、矛盾など、現実と向き合うことを恐れ、特殊で恍惚とした宗教体験の中に逃げ込んだままではいけない、と述べられた。
四旬節は主の復活へと向かう歩みであり、その静修期間は、イエスの受難と十字架を信仰と希望と愛のもとに体験しながら復活へと到達できるよう、わたしたちを準備するものと教皇は説いた。そして、山から降りた後も、わたしたちが日常生活の中でシノドス性を作り出す者となるために、ここで体験した恵みに支えられることを祈られた。
◎教皇、ニュージーランドのサイクロン被災者に寄り添う
【CJC】バチカン・ニュースによると、教皇フランシスコは2月19日、日曜正午の祈りで、地震で深刻な被害を受けたシリアとトルコ、戦争に苦しむウクライナ、サイクロンに襲われたニュージーランドに思いを向け、自然災害や戦争などのために苦しむ人々に寄り添いを表した。
この集いで教皇は、「イエスの愛は、わたしたちが困難にある人々の状況に心を動かされることを願われている」と強調、特に地震により多数の犠牲者を出したシリアとトルコ、劇的な日常をおくるウクライナの国民、また紛争や、貧困、自由の欠如、環境破壊等に苦しむ世界各地の多くの人々に思いを向けた。
こうした中、教皇はここ数日サイクロンによる大きな被害を受けたニュージーランドの人々に精神的一致を表明、苦しむ人たちを常に忘れないように、と述べながら、教皇は配慮に満ちた具体的な慈愛の業を呼びかけた。
◎ミュンヘン会議開幕=ウクライナ大統領、兵器供与の加速呼びかけ
【CJC】ミュンヘン発ロイター通信によると、ウクライナのゼレンスキー大統領は2月17日開幕したミュンヘン安全保障会議でオンライン演説し、ロシアの侵攻を打ち負かすために兵器供与を加速させるよう同盟国に訴え、ためらいや遅れは他国の安全保障をも脅かすと警鐘を鳴らした。
ゼレンスキー大統領は、旧約聖書で巨人ゴリアテと戦ったダビデを引用、「決意は決して抽象的なものではない。ダビデがゴリアテを倒したのは話し合いの力ではなく、行動の力によるものだ」と述べた。
また、ウクライナがロシアによる侵攻の終点とはならず、プーチン大統領が他の旧ソ連諸国にも照準を合わせていることは「明白」とし、西側諸国がウクライナへの戦車供給を巡り協議を行っている間、ロシアはウクライナの隣国モルドバを「窒息させる」方策を検討していると警告した。
ドイツのショルツ首相は「現時点でわれわれにできることは、できる限りの支援をすることだ」とし、ドイツが欧州においてウクライナへの最大の兵器供与国であり続けると表明した。
フランスのマクロン大統領も、ウクライナがロシアに反抗できるよう軍事支援を強化する必要があると強調。「今はロシアと対話する時ではない」とした上で、「われわれは今日(支援や努力を)強化し、長引く紛争に備える用意がある。それがロシアを交渉の席に戻し、永続的な平和を構築する唯一の方法だ」と述べた。
北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は「NATOの同盟国とパートナー国が必要な限りウクライナと共に立ち上がるというのが私からウクライナの人々への最大のメッセージ」と語った。
◎5月競売、世界最古のヘブライ語聖書公開
【CJC】競売大手サザビーズは2月15日、ニューヨークで5月に競売に出される1000年以上前のヘブライ語聖書を公開した。ニューヨーク発AFP=時事通信によって紹介する。これまでに発見されたヘブライ語聖書の中で最古とされる。
出品されるのは「サスーン写本」で、9世紀後半~10世紀初頭に書かれた。落札価格は歴史的文書としては過去最高の5000万ドル(約67億円)に届く可能性がある。
写本の名は、ユダヤ教古文書の個人収集家デービッド・ソロモン・サスーン(1880~1942)にちなんでいる。
ヘブライ語聖書全24巻を収録した写本として現代まで残る二つのうちの一つ。紀元前3世紀にさかのぼる死海文書(死海写本)と、現代版ヘブライ語聖書の架け橋とされる。
サザビーズによると、初期のヘブライ語聖書として有名な他の2点、アレッポ写本よりも完全で、レニングラード写本よりも古い。競売に出品されるのは30年以上ぶりだという。
《メディア展望》
=カトリック新聞(2月19日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
▼教皇=コンゴと南スーダン訪問
▼長崎教区=日本26聖人殉教記念ミサ=1200人が信仰しのぶ
▼カリタスジャパン=四旬節キャンペーン=「愛の献金」呼びかけ始まる
▼『聖週間の典礼』=暫定新改訂版、3月中旬に発刊
=KiriShin(2月11日・既報)=https://www.kirishin.com
=クリスチャン新聞(2月19日)=https://クリスチャン新聞.com
▼ヘイトクライム闘いの地で「第37回外キ協全国協議会」開催=「差別許さない」で一つに
▼トルコ南東部で地震=各キリスト教支援団体、緊急支援開始
▼JCE7宣言文第二次案公開=地区大会開催=現場から意見
▼「善き隣人バンク」クラウドファンディング開始=孤独抱える人々の命つなぐ"お話し相手"
▼県内の防災ネットワークつながり、「神奈川教会防災ネット」設立へ
◎ニカラグアが政治犯222人を国外追放=全員米国に
【CJC】サンパウロ発時事通信報道によると、中米ニカラグア政府は2月9日、三権を掌握して独裁色を強める反米左派オルテガ大統領(77)による弾圧を受け、投獄されていた政治犯222人を国外追放した。米国のブリンケン国務長官は同日、全員の受け入れを表明した。
首都マナグアの控訴裁は政治犯222人について「国の独立、主権、民族自決権を弱体化させ、暴力とテロ、経済的混乱を扇動した」などと断罪。「祖国の裏切り者であり、市民権は永遠に停止される」とした上で国外追放処分を言い渡した。
終身大統領を目指すオルテガ氏は、2021年11月の選挙に際し反体制派の政治家やジャーナリストらを次々と投獄。政敵を完全排除して4期連続当選を果たした。その後、人権侵害を批判する欧米諸国や国際NGO、カトリック教会と対立し、関係者の逮捕や追放を繰り返している。
◎ロシア、3月に日量50万バレル減産=西側諸国の制裁に対抗
【CJC】ロシアのノバク副首相は2月10日、3月に原油生産を日量50万バレル減らすと表明した。ロンドン発時事通信が報じた。
同国の原油生産量の約5%に相当する。ウクライナ侵攻を続けるロシアへの制裁として、西側諸国がロシア産の原油や石油製品の価格に上限を設けたことへの対抗措置。ロイター通信などが伝えた。
ノバク氏は、減産は自主的な対応だと説明。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」とは正式な協議を行っていないと明らかにした。
ロシアのタス通信は、ノバク氏が記者団に「われわれは生産した原油を全量販売している」と述べたとし、西側諸国が主導する対ロ制裁に加わる国に警告した。
◎黒人警官が黒人を殴り殺す、アメリカの暴力に際限はない
【CJC】米テネシー州メンフィスの教会で2月初めに黒人男性のタイリー・ニコルズ(享年29)の葬儀が行われ、黒人牧師が追悼の言葉を送った。
ニコルズは1月、危険運転を理由にメンフィス警察の警官から3分間にわたって殴られ、2日後に病院で死亡。
暴行した黒人警官5人は第2級殺人罪などで訴追されたが、暴行時の映像が公開され、全米に衝撃と抗議デモが広がった。
◎世界人身取引に反対する祈りと啓発の日、教皇がビデオ通じメッセージ
【CJC】カトリック教会の暦で聖ジュゼッピーナ・バキータの日(2月8日)が、「世界人身取引に反対する祈りと啓発の日」として記念され、教皇フランシスコはビデオを通しメッセージを発した。
バチカン・ニュースによると、聖ジュゼッピーナ・バキータ(1868=スーダン~1947=イタリア)は、7歳で奴隷商人に誘拐され、その時のトラウマにより自分の名前とアイデンティティーを失った。バキータ(幸運な者)という名前を与えられ、奴隷として何度も取引され、心身共に壮絶な体験をした。
16歳でイタリア領事の家庭に引き取られ、ようやく平穏な生活を得た。その後、領事の友人一家の娘の子守りとして、イタリアに渡った。一家の夫婦が再びアフリカに戻った時、彼らの娘と共に一時ベネチアのカノッサ修道女会に預けられ、その時キリスト教信仰に深く接することになった。一家が娘とバキータを連れ戻しに来た時、20歳になっていた彼女は、洗礼を受けてそのまま修道院に残りたいと、勇気をもって決意。やがて、その願いはかなえられ、信仰の歩みのうちに修道女となり、その愛徳によって人々を感化した。
女子修道会の国際総長会議(UISG)は、聖バキータの日(2月8日)を「世界人身取引に反対する祈りと啓発の日」として定め、人身取引についてよく知り、人身取引をなくすために、また被害者たちのために祈るよう招いている。
教皇はビデオメッセージで、人身取引の被害者の保護者、聖バキータの日に、「第9回世界人身取引に反対する祈りと啓発の日(テーマ=尊厳のために歩む)」を記念するすべての人々に精神的一致を示した。
教皇は、特に若い人々に、自分たちの、また出会う人々の尊厳を大切にしながら、希望を生き生きと保つことに貢献するように、キリストこそ真の喜びであることを知り、神のみことばと共に喜びを心に持つようにと招かれた。
人身取引は尊厳を歪め、搾取し服従させることは自由を制限し、人を使い捨ての存在にしてしまう、と教皇は話した。
教皇は、困難なこの時代にあって、特に若い人をはじめ、すべての人は、キリストとその福音から来る光を広げるための、善のネットワークを築くよう呼ばれている、と強調した。
教皇は、人身取引に反対し、誰も取り残されることがないように、尊厳のために歩もう、と呼びかけた。
そして、「目を開いて歩み」、若い人をはじめ、多くの人が取引され、冷酷に搾取されるそのプロセスを見極め、「注意深い心で歩み」、自由と尊厳の日々の道のりを発見し、支え、「希望の足取りで歩み」、人身取引反対の行動を推進し、「手を取り合って歩み」、互いに支え合い、出会いの文化を築くよう、アピールした。
《メディア展望》
=カトリック新聞(2月12日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
▼教皇=インタビューで恐れへの対処法を指南
▼世界宗教者平和会議(WCRP)が学習会=「平和構築の実践」考える=講演とパネルディスカッション=田中優子氏が基調講演
▼ミャンマーの教会指導者、ボ枢機卿たちが礼拝施設の保護を訴える=チャンター村のミャンマー最古、大切な礼拝の場「被昇天の聖母教会が放火され、破壊されてしまいました」と教皇
▼教皇=説教を「8分から10分までに収め、その中で必ず一つの考え方や気持ち、イメージを盛り込んで」と求める
▼市営住宅の高齢者に食料支援=NPOに教会も協力=神奈川・小田原市
=KiriShin(2月11日)=https://www.kirishin.com
▼シリーズ=「2世」の呻き=ありのままの自分愛せず(あん=統一教会2世)
▼日本キリスト教団東北教区センター=「エマオ」開館20周年で記念誌
▼抱撲「希望のまちプロジェクト」=寄せられる期待=各地でPR活動
▼教皇、同性愛禁止する法律を非難=英国国教会の指導者たちも支持
▼フランスのライシテと「宗教リスク」=田中浩喜(宗教情報リサーチセンター研究員)
=クリスチャン新聞(2月12日)=https://クリスチャン新聞.com
▼人が育つ・家庭が育つ・教会が育つ=『D6』出版記念講演会
▼海運・運送会社ともスクラム=希望の車いすらNPО4団体=戦火のウクライナへ車いすを
▼ミャンマー軍事クーデタ―2年=宗教者ら祈り=日本も無関係ではない
▼映画「対峙」=被害者・加害者の両親=その対話の行方は?
▼神学生佐々木結さんを講師に日本基督教団草津教会でワークショップ=「これからの教会を考える」
▼信仰告白として芸術を考える=古代神殿から近世まで=志学会講演会で中谷博幸さん講演
◎ロシアがクリスマス中、「一方的停戦」入り=ウクライナ拒否
【CJC】ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻を巡り、東方正教のクリスマス(1月7日)に合わせた6日正午からの停戦を軍・国防省に命じた。期間は36時間。ウクライナにも呼び掛けたが、ゼレンスキー大統領は拒否し、祝祭を「隠れみの」に態勢を立て直すのが狙いだと非難した。時事通信の報道によって事態の推移を紹介する。
停戦の具体的な動きは、昨年2月の侵攻開始後初めて。ロシア正教会トップのキリル総主教が5日、「全当事者」に提案したのを受けた形だが、実質的にプーチン政権が主導したもようだ。
プーチン氏との「蜜月」で知られる総主教は「正教信徒が降誕祭(クリスマス)前夜から当日の祈とうに参加できるようにするため」だと訴えた。これまで「祖国の難局」に際して団結すべきだと信徒を鼓舞し、侵攻に全面協力していた。
ウクライナのポドリャク大統領府顧問は5日、ツイッターで「ロシア正教会は世界の正教の権威ではなく、戦争のプロパガンダを流すばかりだ」と痛烈に批判。唐突なクリスマス停戦を「わな」と一蹴し、警戒を怠らないよう促した。
クリスマス停戦を巡っては、ロシア側にも懸念の声がある。軍出身のグルリョフ下院議員は「ウクライナ人は正教を裏切った。1月7日ではなく(西側諸国と同じ)12月25日に祝うようになった」と述べ、祝祭に際した停戦は困難と強調。相手ばかりが攻撃すれば、大損害を被る恐れもあると警告した。
ロシアが「停戦」の理由とした東方正教のクリスマス(7日)の祈とうが6日夜、両国で始まった。「信徒が前夜と当日の祈とうに参加できるように」と停戦を提案したロシア正教会のキリル総主教は、モスクワの救世主キリスト大聖堂で儀式を執り行った。ロシア通信によると、プーチン大統領はクレムリンの生神女福音大聖堂に足を運んだ。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は6日夜、自国民に向けて祝福の動画メッセージを公表。「われわれは全員でウクライナの大家族だ。勝利を信じて団結している」と強調した。
◎イスラエル警察、キリスト教墓地荒らしで10代少年2人逮捕
【CJC】サウジアラビアのリヤドで発行されている日刊英字紙「アラブ・ニュース」(日本語版)がエルサレム発で報じるところでは、イスラエル警察は1月6日、エルサレムのプロテスタント墓地にある複数の墓が倒され土台から引き抜かれているのが1日発見された事件に関連して10代の少年2人を逮捕した。
少年たちは20基以上の墓を破壊したと供述している。
170年以上の歴史を持つこの墓地にはエルサレムの著名な軍人や聖職者が眠っている。
米国大使館パレスチナ担当事務所は5日遅く、この宗教的な場所がまたも標的とされたことに「懸念」を表明した。墓地が荒らされたのはこの10年で2度目だ。
同事務所は「宗教的な場所の破壊行為は誰によるものであれ容認できない。エルサレムは全ての住民のための都市でなければならない」と述べた。
イスラエル警察は容疑者の名前を公表していないが、2人は18歳と14歳でイスラエル中心部の住民という。
犯行時の防犯カメラの映像には、ユダヤ教の頭蓋帽をかぶりツィーツィート(戒律を順守するユダヤ教徒が着用する結び目のある儀式用の房)を着けた若い男性2人が十字架を倒し、墓石を破壊し、墓に向かって瓦礫を投げつける様子が映っていた。
イスラエル警察は、「宗教的な施設や場所に対するいかなる損壊行為も重大な問題であり、エルサレムに存在する独自で繊細な生活構造を害するものである」としたうえで、この行為は「意図的な破壊行為」と述べた。
エルサレムの裁判所は6日、審理を行って少年2人の勾留期間を延長した。
◎名誉教皇ベネディクト16世の葬儀が1月5日、バチカンで
【CJC】名誉教皇ベネディクト16世の葬儀が1月5日、バチカンで教皇フランシスコによって行われた。バチカン・ニュース(日本語版)によって経緯を紹介する。
葬儀ミサが行われた聖ペトロ(サン・ピエトロ)広場には、ローマ、イタリアからはもとより、世界各国から多くの参列者が集い、故名誉教皇の冥福を共に祈った。
儀式には、葬儀を主宰する教皇フランシスコをはじめ、120人以上の枢機卿、400人以上の司教、およそ4000人の司祭が参加した。
名誉教皇の葬儀のため、イタリアとドイツ両国からそれぞれの大統領率いる公式使節が参列したほか、ヨーロッパを中心にした世界各国から、元首や首相、政府や王室の代表が出席した。
また、正教会、プロテスタントの諸教会の使節、ローマのユダヤ教共同体、イタリアとローマのイスラム教関係者の代表も参列した。
ミサ開始前には、大聖堂内からベネディクト16世の棺が「セディアーリ」と呼ばれる職員らによって広場に運ばれ、信者らによるロザリオの祈りが行われた。
入祭の行列に続き、葬儀ミサが始まった。
ミサでは、「みことばの典礼」とそれに伴う説教を教皇が、後半の「感謝の典礼」を枢機卿会主席のジョヴァンニ・バッティスタ・レ枢機卿がとり行った。
通常、前任教皇の葬儀を、後継者の教皇が行うことはまれ。ある教皇の逝去後、葬儀の段階は「使徒座空位」期間であり、後継教皇を選出するコンクラーベ(教皇選挙)はまだ行われていないため。
しかし、ベネディクト16世の場合、生前退位であったため、後継者の教皇フランシスコがその葬儀を行うことになった。
前任教皇の葬儀を、後継教皇が行った前例としては、ナポレオン軍の「捕虜」となり、1799年にフランスのヴァランスで亡くなったピウス6世の葬儀を、遺体がローマに返還された、帰天から3年後の1802年に、後継者のピウス7世が行ったケースがある。
教皇フランシスコは葬儀ミサの説教で、「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます」(ルカ23・46)というイエスの十字架上での最後の言葉が表す、御父の御手にたえず自らを捧げ続けたイエスの生涯を観想した。
師イエスに従う者として、感謝と、祈り、聖霊の慰めに支えられ、神と人々のために献身した牧者、イエスの忠実な友であったベネディクト16世を思い起こした。
簡素で厳かな儀式は、会場全体を祈りで包み、わき上がる聖歌の合唱が、宗教音楽をはじめ、音楽に深く親しんだ故名誉教皇をしのばせた。
聖体拝領後、告別の儀式が行われた。司式者のレ枢機卿がベネディクト16世の棺を聖水で祝別し、献香を行い、次いで、教皇フランシスコが告別の祈りを唱えた。
それまで静まり返っていた広場から、割れるような拍手と共に、「Santo
subito!」(「すぐに、聖人に」)という叫びと、オマージュのために「ベネディクト」と呼ぶ声が会衆の中から響いた。
故名誉教皇の棺は、入場の時と同様に、再びセディアーリらに担がれた。棺を迎える枢機卿たちの行列が大聖堂内に入っていった。
棺が教皇フランシスコの前に止まると、教皇は棺に向かって十字架のしるしをし、その上に手を置いてしばし祈られた。
最後に、棺は故名誉教皇の秘書ゲンスヴァイン司教らにつきそわれ、埋葬が行われる大聖堂内へと入り、大聖堂正面入り口は赤い覆いによって左右から閉じられた。
霧の中で始まったミサの終わりには、雲間から薄青い空がのぞいた。大聖堂の鐘が鳴る中、ベネディクト16世の葬儀ミサは閉祭した。
◎ベネディクト16世の墓、一般公開、訪問可能に
【CJC】バチカン・ニュースによると、故名誉教皇ベネディクト16世の墓が、1月8日、一般に公開され、墓前への訪問が可能となった。
バチカンの聖ペトロ(サンピエトロ)大聖堂の下(グロッテ)には、地下聖堂があり、前世紀以降の歴代の教皇たちをはじめ、多くの教皇たちの墓がある。
故ベネディクト16世は、1月5日、バチカンの広場で行われた葬儀の後、同日、大聖堂地下に埋葬された。
ベネディクト16世が生前希望されたとおり、その墓は、前任者の聖ヨハネ・パウロ2世の墓が以前あった場所につくられた。
聖ヨハネ・パウロ2世の墓は、2011年5月1日に同教皇が列福された後、聖堂地下から、本堂の、ミケランジェロのピエタ像に近い、聖セバスティアノ礼拝堂に移された。
ベネディクト16世の墓は、大理石のシンプルなもので、墓碑銘は「Benedictus PP XVI」とだけ記されている。
故名誉教皇の墓が公開された8日、朝から訪れた人たちが列を作り、墓前で静かに祈りを捧げていた。
◎「神の正義は、愛と憐れみから来る正義」教皇、日曜正午の祈り
【CJC】教皇フランシスコは1月8日、正午の「お告げの祈り」をバチカンの広場の巡礼者と共に唱えられた。バチカン・ニュースが報じた。
「主の洗礼」の祝日を迎えたこの日、教皇は集いの中で、マタイ福音書の、イエスがヨルダン川のほとりでヨハネから洗礼を受ける場面(3・13~17)を取り上げ、説教を行った。
**********
教皇の説教の要旨は次のとおり。
「主の洗礼」を祝う今日、福音書はわたしたちに驚くべき光景を見せてくれる。ナザレ
での隠れた生活から、イエスが初めて公の場に姿を現したのだ。イエスはヨハネから洗礼を受けるために、ヨルダン川のほとりにやって来たのだった(マタイ3・13~17)。
しかし、イエスが罪びとたちの間に混じっているのを見て、わたしたちは驚き、自問する。神の聖なる人、罪のない、神の御子イエスは、なぜこのような選択をしたのだろうか。
その答えはイエスのヨハネに向けた言葉の中に見つけることができる。「今は、止めないでほしい。正しいことをすべて行うのは、我々にふさわしいことです」(同3・15)。「正しいことをすべて行う」とは、どういう意味だろうか。
イエスは洗礼を受けることで、わたしたちに神の正義を啓示する。イエスはそれをこの世にもたらすためにやって来こられた。
わたしたちはしばしば正義について狭い考えを持っている。そして、正義とは、過ちを犯した人がその報いを受け、そうして犯した過ちを償うことだ、と考えがちである。しかし、神の正義は、聖書が教えるように、もっとずっと大きなものである。
神の正義は、過ちを犯した人を罪に定めることを最終目的とするのではなく、その人の救いと再生、その人を義とすることを目的としている。それは愛から、神の御心そのものである深い憐れみといつくしみから来る正義である。御父は、わたしたちが悪に押しつぶされ、罪と弱さに打ちひしがれているのを見て、憐みをもよおす方である。
すなわち、神の正義とは、罰やこらしめをふりまくことではなく、使徒聖パウロが言うように(参照
ローマ3・22~31)、ご自分の子らを悪のわなから解放し、いやし、再び立ち上がらせ、義とされることにある。
これによって、ヨルダン川のほとりでイエスが啓示したその使命の意味を理解することができるだろう。イエスは神の正義を完成するために来られた。その神の正義とは、罪びとを救うことであった。ご自分の肩に世の罪を背負い、わたしたちがおぼれないように、奈落の水、死まで降りて来られた。
イエスは、真の神の正義とは、救ういつくしみ、わたしたち人間が置かれた状況を分かち合い寄り添う愛、われわれの苦しみへの連帯、わたしたちの闇の中に入り光を再びもたらすことであると教えてくれる。
ベネディクト16世はこう強調している。「神はわたしたちをお救いになろうと、自ら死の深みの底まで降りられました。すべての人、たとえもう空を見ることができないほど低いところまで落ちた人でも、神の御手を見出し、それにつかまり、闇から抜け出し、再び光を見ることができるようになるためでした。人は光のためにつくられているからです」(説教=2008年1月13日)。
わたしたち、イエスの弟子たちは、他者との関係、また教会や社会において、人を良い人と悪い人に分け隔て、裁き、罪に定める冷たさではなく、兄弟姉妹が立ち上がれるようにと、その傷や弱さを分かち合い、受け入れるいつくしみをもって正義を行うよう招かれている。分け隔てるのではなく、分かち合うことである。
わたしたちはイエスのように行わなければならない。分かち合い、重荷を背負い合い、いつくしみをもって見つめ合い、助け合うことである。自分をふり返ってみよう。わたしは分裂させる人か、それとも、分かち合う人だろうか、と。
イエスをお産みになった聖母に祈ろう。イエスが来られたのは、わたしたちの弱さの中に入り、わたしたちに再びいのちを与えるためであった。
◎イラン、反政府デモめぐり新たに2人死刑に
【CJC】イランは1月6日、昨年から国内各地で続く反政府デモに関連し、モハマド・マフディ・カラミ氏とサイード・モハマド・ホセイニ氏の死刑を執行した。2人は、抗議運動中に治安部隊員を殺害したとして、昨年12月に有罪判決を受けていた。イランの最高裁判所は3日、死刑判決を支持した。抗議運動に関する死刑は4例目となった。
拠点をイラン国外に置く「人権活動家通信」(HRANA)によると、これまでに子ども70人を含む少なくとも516人のデモ参加者が死亡し、1万9262人が逮捕されている。また、保安要員68人の死亡も報告されている。
カラミ氏の家族は、司法当局に死刑を取りやめるよう訴えていた。死刑執行前にカラミ氏との面会に許可は下りなかった、と述べている。
イランの司法当局が運営する「ミザン通信」は、2人が、準軍事組織の幹部ルホラ・アジャミアン氏の殺害の「主犯」だったと報じた。検察側は、殺害された抗議参加者を弔う人々がアジャミアン氏を裸にし、殺したと説明している。
現在、ほかに3人が同じ件で死刑判決を、11人が禁錮刑を受けているという。
国際人権擁護団体アムネスティ・インターナショナルは、裁判は「でっちあげ」だと非難。イラン当局はほかに少なくとも26人について、死刑を求めていると指摘した。
イラン当局は昨年12月にも、モフセン・シェカリ氏とマジドレザ・ラフナヴァルド氏について同様に、準軍事組織のメンバーを攻撃したとして、死刑を執行している。
◎サッカー元ブラジル代表ペレの葬列行われる
【CJC】昨2022年12月29日に82歳で死去したサッカー元ブラジル代表ペレ(本名=エドソン・アランテス・ド・ナシメント)氏の葬列が1月3日行われ、多くの市民が史上最高の選手と広く称されるペレ氏に最後の別れを告げた。AFP=時事通信によって伝える。
国全体が3日間にわたって喪に服した後、同国南東部のサントスではペレ氏の通夜と葬列が行われ、ルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ大統領を筆頭にファンや政治家、サッカー界の重鎮らが、「王様」に弔意を示した。
通夜の最後に、礼服を着た警官10人が黒いひつぎのふたを閉め、カトリック式の儀式が短く行われた。その後、サントス・FCの黒と白のストライプのフラッグと、緑と黄色のブラジル国旗がかけられたひつぎは、消防車の上に置かれ、市内をめぐる大規模な葬列が始まった。
途中には、ペレ氏の100歳の母親セレステさんの住む家に立ち寄り、最後はスタジアム近くの霊園に入って、家族と近親者による葬儀が営まれた。ひつぎはその後、世界一高い墓所としてギネス世界記録に認定されている霊廟(れいびょう)に収められた。
霊園によると、ペレ氏の遺体は防腐処理を施してひつぎに納められ、サッカースタジアムを模した広さ200平方メートルの部屋の中央に置かれるという。
《メディア展望》
=カトリック新聞(年初休刊=次号は1月22日付け)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
=KiriShin(年初休刊=次号は1月11日付け)=https://www.kirishin.com
=クリスチャン新聞(年初休刊=次号は1月22日付け)=https://クリスチャン新聞.com
◎名誉教皇ベネディクト16世、逝去
【CJC】バチカン・ニュースによると、名誉教皇ベネディクト16世は、2022年12月31日午前9時34分、バチカン市国で逝去した。
バチカン広報局は、「名誉教皇ベネディクト16世が、2022年12月31日午前9時34分、バチカン市国のマーテル・エクレジエ修道院において逝去されたことを、悲しみをもってお伝えする」と声明を出した。
95歳であったベネディクト16世は、2013年2月28日の退位の数カ月後より、同修道院で祈りの生活を送っていた。
教皇フランシスコは、12月28日、バチカンで行われた一般謁見で、ベネディクト16世の重い病状に触れ、「沈黙のうちに教会を支えている」名誉教皇を「主が最後まで彼を慰め、支えてくださるよう」、特別な祈りを信者らに願っていた。
31日正午、バチカンのマッテオ・ブルーニ広報局長は、ベネディクト16世の葬儀等について発表した。
名誉教皇ベネディクト16世の遺体は、別れを告げる信者たちのために、2023年1月2日朝より、バチカンの聖ペトロ(サン・ピエトロ)大聖堂に安置される。
名誉教皇の葬儀は、1月5日午前9時30分より、バチカンの聖ペトロ(サン・ピエトロ)広場で、教皇フランシスコによってとり行われる。ブルーニ広報局長によれば、名誉教皇はご自身が生前からそうであったように、葬儀も簡素であることを望まれていた。
また、同広報局長は、ベネディクト16世が12月28日、マーテル・エクレジエ修道院で、ミサの終わりに、病者の塗油の秘跡を受けられたことを明らかにした。
31日夕方、ベネディクト16世の葬儀等に関するより詳しい情報がバチカン広報局より発表された。
名誉教皇ベネディクト16世の遺体は、マーテル・エクレジエ修道院内に1月2日の朝まで留まる。この間、公式な弔問や、公の祈りは予定されていない。
同日午前9時から、ベネディクト16世の遺体がバチカンの聖ペトロ大聖堂に、別れを告げる信者たちのために安置される。
5日午前9時30分から、ベネディクト16世の葬儀が、バチカンの聖ペトロ広場で教皇フランシスコによりとり行われる。参列のための入場券は予定されていない。
◎教皇フランシスコ、12月25日正午に主の降誕メッセージと祝福
【CJC】バチカン・ニュース(日本語版)によると、主の降誕祭を迎えた12月25日正午、教皇フランシスコは、聖ペトロ(サンピエトロ)大聖堂の中央バルコニーに立ち、ローマと全世界に向けたメッセージと祝福「ウルビ・エト・オルビ」(都市と世界へ)を発した。
降誕祭を迎えたローマは、おだやかな青空に恵まれた。バチカンの聖ペトロ広場には教皇のメッセージに耳を傾け、祝福を受けるため、世界各国からの巡礼者が集まった。
教皇のメッセージはおよそ次の通り。
ローマと全世界の親愛なる兄弟姉妹の皆さん、主のご降誕おめでとうございます。
おとめマリアから生まれた主イエスが、信頼と希望の源である神の愛を、そして、それと共に平和の賜物を、すべての皆さんにもたらしますように。その平和を天使たちはベツレヘムの羊飼いたちに告げました。「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ」(ルカ2・14)。
イエスはわたしたちの間に、沈黙と夜の闇のうちにおいでになりました。それは神のみ言葉が注目を浴びることも、人々の騒ぐ声をも必要としなかったからです。主ご自身が、人生の意味を与え、歩みを照らすみ言葉だからです。「その光は」と福音書は言います、「まことの光で、世に来てすべての人を照らすのである」(ヨハネ1・9)と。
イエスはわたしたちの間にお生まれになる、「人と共におられる神」です。イエスはわたしたちの毎日の人生を共にしてくださるために、喜び、悲しみ、希望、不安のすべてをわたしたちと分かち合うためにおいでになります。寒さの中に、貧しい人々の一人としてお生まれになります。すべてを必要とし、暖かさと身を寄せる場を求めてわたしたちの心を叩きます。
兄弟姉妹の皆さん、ベツレヘムの方を向きましょう。そこでは平和の君の赤子としての最初の泣き声が聞こえてきます。そうです、イエスご自身が「わたしたちの平和」です。この世が与えることのできない平和、神なる御父がこの世に御子を送ることで人類に賜る平和です。
イエス・キリストは、また「平和の道」でもあります。イエスは、その受肉、受難、死、復活を通し、敵意と戦争の闇に押しつぶされた閉じた世界から、兄弟愛と平和のうちに自由に生きることのできる開かれた世界への道を切り開きました。兄弟姉妹の皆さん、この道を進みましょう。しかし、そのためには、イエスの後ろを歩いていくためには、わたしたちの行く手を妨げ、阻む、重荷を脱ぎ捨てなければなりません。
これらの重荷とは何でしょうか。この「がらくた」とは何でしょうか。それらは、ヘロデ王とその取り巻きたちに、イエスの降誕を認め、受け入れることを阻んでいたのと同じ負の情熱、すなわち権力と富への執着、傲慢(ごうまん)、偽善、いつわりです。これらの重荷はベツレヘムへ向かうのを妨げ、主の降誕の恵みから締め出し、平和の道への入り口を塞いでしまいます。事実、わたしたちに平和の君が与えられる一方で、人類の上を戦争の風が冷たく吹き続けるのを、悲しみをもって認めざるを得ません。
もし、降誕がイエスと平和の降誕であることを望むのならば、ベツレヘムを眺め、わたしたちのためにお生まれになった幼子の御顔を見つめましょう。そして、その小さく汚れない御顔に、平和を熱望する世界各地の子どもたちの顔を認めましょう。
わたしたちの目は、ウクライナの兄弟姉妹たちの顔をいっぱいに映し出します。ウクライナの人々は、10カ月にわたる戦争による破壊のために、この降誕祭を暗さと寒さの中で、あるいは自分の家から遠く離れた場所で過ごしています。苦しむすべての人々を助けるために、わたしたちがすばやく具体的な行動を取ることができるよう、また武力を鎮める力を持った人の精神を照らし、この言語道断の戦争を直ちに終わらせることができるよう、主が助けて下さいますように。
わたしたちの時代は、この第3次世界大戦の他の舞台となっている、別の諸地域においても、深刻な平和の飢餓を体験しています。シリアを思いましょう。そこでは、別の段階に入ったものの、終わることのない紛争にいまだ苦しめられています。聖地を思いましょう。そこでは、ここ数カ月暴力と衝突が増え、死者や負傷者を出しています。主の誕生を見たその地において、パレスチナとイスラエルの人々が対話と相互信頼の追求をとり戻すことができるよう主に祈り求めましょう。
幼子イエスが中東全域で暮らすキリスト教共同体を支えてくださいますように。これらそれぞれの国で、異なる宗教に属する人々の間において、兄弟的共存の素晴らしさを経験することができますように。特にレバノンをお助けくださいますように。同国が国際共同体の支援と兄弟愛と連帯の力によって、ようやく再び立ち上がることができますように。
キリストの光が、サハラ砂漠の周辺の乾燥したサヘル地域を照らしてくださいますように。そこでは、衝突と暴力によって人民間の平和的共存と伝統が混乱に陥っています。あらゆる流血の事態が収まるよう、イエメンでの恒久的な和平、ミャンマーとイランにおける和解へと導いてください。
アメリカ大陸における政治責任者らとすべての善意の人々に、様々な国で起きている政治・社会的緊張を和らげるための努力を促してください。わたしは特に長い間苦しんでいるハイチの人々を思っています。
この日々、ごちそうの並ぶ食卓を皆で再び囲むのは好ましいことです。しかし、その間にも、「パンの家」を意味するベツレヘムから視線をそらさないようにしましょう。そして、毎日、大量の食物が無駄にされ、武器のために財源が使われる中、飢えに苦しんでいる人々、特に子どもたちのことを考えましょう。
ウクライナにおける戦争は最近その状況をさらに悪化させ、アフガニスタンやアフリカの角(つの)地域の諸国をはじめ、全人類を飢餓の危機にさらしています。すべての戦争が飢えを引き起こし、すでに苦しんでいる人たちへ食料供給を妨げつつ、食料そのものを武器として利用することを、わたしたちは知っています。
親愛なる兄弟姉妹の皆さん、慰めと、暖かさ、食べるものを求めてわたしたちの扉を叩く、多くの難民、避難民を忘れないようにしましょう。疎外された人々、孤独な人々、孤児たち、人々の叡智でありながら見捨てられがちな高齢者たち、罪だけを見られ人間として見られることのない受刑者たちを忘れないようにしましょう。
皆さん、ベツレヘムは神の単純さをわたしたちに示してくれます。神はご自身を知恵ある者や賢い者には隠して、幼子のような者に、純粋で開かれた心を持つ者に、お示しになりました。羊飼いたちのように、わたしたちもすぐに出かけ、わたしたちの救いのために人となられた神の、想像を絶する出来事に胸を打たれましょう。すべての善の源である方は自ら貧しくなられ、わたしたちの乏しき人間性を乞われます。神の愛に心動かされ、イエスに従いましょう。イエスはわたしたちをご自身の充満に与らせるために、その栄光を脱ぎ捨てられました。
すべての皆さんに、主のご降誕のお喜びを申し上げます。
◎セルビア大統領、コソボ北部の抗議停止を要請
【CJC】2008年にセルビアからの独立を宣言したコソボの北部でセルビア系住民による抗議行動が激化し、セルビア当局者は12月28日、アレクサンダル・ブチッチ大統領が抗議行動を停止するよう要請したことを明らかにした。ロイター通信報道として共同通信が伝えた。
セルビア系の元警察官が12月10日に拘束され、住民の抗議行動につながった。米国とEUは28日、コソボ北部で緊張が続いていると懸念を表明。共同声明で「最大限の自制と緊張を緩和するための行動を直ちに求める」と訴えた。
セルビア系の元警察官は他の警察官に暴行を加えたとして拘束され、反発した住民が警察と銃撃戦を繰り広げるなどした。
◎「ベラルーシはウクライナ侵攻に参戦しないよう望む」=レズニコフ国防相
【CJC】キーウ発ロイター通信によると、ウクライナのレズニコフ国防相は12月20日、ロシアがウクライナに対する新たな攻撃を開始するためにベラルーシで攻撃部隊を準備する可能性があるとしながらも、ベラルーシが参戦しないことを望む、と述べた。
ベラルーシはロシアによるウクライナ侵攻に直接加わっていないが、ウクライナ当局によると、2月24日の侵攻開始以来、ロシア軍はベラルーシの飛行場を使用してウクライナへの攻撃を続けている。
レズニコフ国防相の発言に先立ち、ウクライナ軍のセルヒー・ナエフ統合司令官は、ミサイル攻撃を行うウクライナの標的を特定するためにロシア軍機がベラルーシ領空で訓練していると明らかにし、ウクライナ軍は「脅威のレベルを下げるためにあらゆる手段を講じている」と述べていた。
レズニコフ国防相を含むウクライナ当局者は、ロシアのプーチン大統領が19日に国防相と外相を伴ってベラルーシを訪問し、ルカシェンコ大統領と会談したことを受け、ウクライナ侵攻を巡りロシアがベラルーシに、より直接的な役割を果たすことを望んでいるとの見方が出ている。
◎プーチン大統領、習主席の新年初め訪問を期待
【CJC】ロイター通信報道によると、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は12月30日、中国の習近平国家主席が新年初めに国賓として公式訪問することを期待していると述べた。
プーチン氏はまた、中国との軍事協力を促進することを目指していると述べたが、中国の国営放送局(CCTV)は、これについて言及していない。
米国は、中国がロシアに味方することを「懸念している」と述べ、ウクライナとの戦争でロシアに軍事支援を提供したり、西側諸国の制裁を回避するのを助けたりした場合について北京に警告したことを確認した。
国務省の報道官は「我々は北京の活動を注視している。北京は中立を主張しているが、その行動は、依然としてロシアとの緊密な関係にあることを示している」と指摘した。
《メディア展望》
=カトリック新聞(1月1日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
教皇「世界平和の日」メッセージ=受け全ての危機は関連し合う
教皇の一般謁見講話=目を覚ましている信者に
カトリック新聞創刊100周年に寄せて(日本カトリック司教協議会 会長 東京大司教 菊地功)
司教のための社会問題研修会=「日本の軍拡の現状」と平和
=KiriShin(1月1日・年初休刊)=https://www.kirishin.com
=クリスチャン新聞(1月1・8日)=https://クリスチャン新聞.com
ミャンマー軍事クーデター2年 緊迫状況今も=「人も自分も助かる道求めたい」=クーデター直後からオンライン祈祷会開き続けた渡邉さん
「憲法改正、何が問題?」テーマに星出卓也氏="お墨付き"与える憲法明記=第34回JEA信教の自由セミナー
第2回難民・移民フェス=川口市で=誰も難民紛争問題に無関係ではありえない
聖書同盟ディボーション誌『みことばの光』=新サイクルに工夫 グループ活用も
廃炉作業を阻む高い放射線=地元に痛み強いる処理水放出(木田恵嗣=郡山キリスト福音教会牧師)
◎教皇「子どもが戦争の餌食に」=バチカンでクリスマスイブのミサ
【CJC】教皇フランシスコは12月24日夜、バチカンの聖ペトロ(サンピエトロ)大聖堂で降誕祭(クリスマス)イブのミサを行った。
バチカン・ニュース(日本語)などによると、この夜、聖ペトロ大聖堂は、地元ローマをはじめ、世界各国の信者たちでいっぱいになった。約7千人が参列したとも見られる。
ミサの冒頭、救い主の誕生を宣言する「カレンダ」が朗唱された。「カレンダ」に続き、助祭が祭壇前のまぐさ桶の覆いを取り、中に寝かされた幼子イエス像を現した。
幼子イエス像への助祭による献香と、世界の民族衣装を着た子どもたちによる献花が行われる中、広場には大聖堂の鐘楼から祝いの鐘が鳴り響いた。
ミサの説教で教皇は、人々が忘れているクリスマスの意味を再び見出す場所として、幼子イエスが寝かされた「飼い葉桶」を示し、「飼い葉桶」を通して神が伝える、「寄り添い」「貧しさ」「具体性」という三つのメッセージについて説いた。
説教中、特に戦争や、貧困、不正義の犠牲となった子どもたちに思いを向けた教皇は、切り捨てられ、見捨てられた場所、「飼い葉桶」に寝かされたこの幼子の中に、すべての子どもたちの姿があると話した。
◇
バチカン・ニュース(日本語)が伝える教皇によるミサの説教は次の通り。
この夜はわたしたちの生活にまだ何かを訴えているでしょうか。イエスの降誕から2000年が経ち、多くの降誕祭が装飾や贈り物と共に祝われ、わたしたちが記念する神秘が多大な消費主義に包まれた後、ここで一つの危険に行き当たります。クリスマスについてわたしたちは多くのことを知っていても、その意味を忘れているのです。
では、どのようにしてクリスマスの意味を再び見出すことができるでしょうか。特に、それをどこに探しに行けばいいのでしょうか。イエスの誕生の福音は、まさにそのために記されています。それはわたしたちの手を取り、神がお望みになる場所へわたしたちを連れ戻すのです。
イエスの誕生の福音は、わたしたちと同じような状況から始まります。すべての人がある記念すべき重要な出来事に没頭し、あわただしくしています。それは非常に大がかりな住民登録で、多くの準備を必要とするものでした。その意味で、当時の雰囲気は、今日のクリスマスにおいてわたしたちを包む雰囲気とどこか似たものでした。しかし、福音のストーリーは、世俗的な光景から遠ざかりながら、強調したい別の場面をクローズアップしていくのです。
場面は一見価値のない小さな道具の上に止まります。それは福音の中で3回も言及され、その上にストーリーの登場人物たちを集めるものです。まず、マリアがイエスを「飼い葉桶に寝かせ」(ルカ2・7)ます。次に天使たちが「布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子」(同2・12)の存在を羊飼いたちに告げます。そこで、羊飼いたちは、「飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子」(同2・16)を探し当てるのです。
「飼い葉桶」、降誕祭の意味を再び取り戻すにはこれを見つめなければなりません。しかし、「飼い葉桶」はなぜこれほどにも重要なのでしょうか。それは、ほかでもない、キリストがこの世という場面に入る時にたずさえているしるしだからです。それはキリストがご自分を現された時のマニフェスト、歴史を再生するために、神がお生まれになった時の手段だからです。では、「飼い葉桶」を通して神がわたしたちに伝えたいことは何でしょうか。それは少なくとも三つあります。「寄り添い」、「貧しさ」、「具体性」です。
(1)「寄り添い」。「飼い葉桶」は、餌を家畜の口の近くに持っていき、それを早く食べさせるために用いるものです。こうして、それは人類の姿を象徴します。それは消費における貪欲さです。なぜなら、家畜小屋の動物たちが餌を食べている間に、世の中の人間たちは権力と富に飢え、まわりの人々、彼らの兄弟たちをもむさぼるからです。なんと多くの戦争があることでしょう。いまだ今日、どれだけの場所で尊厳と自由が侵害されていることでしょうか。
人間の貪欲さの犠牲になるのは、いつでも主に不安定で弱い立場の人々です。このクリスマスにも、お金と権力と享楽に飢えた人類は、イエスに「場所がなかった」(参照
同2・7)ように、最も小さき人々、多くの生まれてくる子たち、貧しい人々、忘れられた人々に場所を与えようとしません。わたしは特に戦争や、貧困、不正義の犠牲となった子どもたちを思います。しかし、イエスはまさにそこに、切り捨てられ、見捨てられた「飼い葉桶」の幼子となって来るのです。このベツレヘムの幼子の中に、すべての子どもたちがいます。それは、子どもたちの眼差しで、生活や政治や歴史を見つめるようにとの招きでもあるのです。
拒絶された、居心地の悪い「飼い葉桶」に、神は落ち着きます。神がそこにおいでになったのは、そこに人類の問題があるからです。それは所有と消費への焦りと貪欲から生まれた無関心です。キリストはそこにお生まれになり、わたしたちはその飼い葉桶の中にキリストを間近に見出すのです。キリストは食べ物をむさぼる場所に、わたしたちの食べ物となるために来られました。神はご自分の子らをむさぼる父ではありません。
むしろ、イエスの中におられる御父は、わたしたちをご自分の子とされ、その優しさで養ってくださいます。神はわたしたちの心に触れ、歴史を変える唯一の力は愛であると教えるためにやって来られます。わたしたちから距離をとることのない、力強く、寄り添われる、謙遜な神、天の玉座におられた方が、飼い葉桶に寝かされています。
兄弟姉妹の皆さん、神は今晩あなたの近くに来られます。それは神にとってあなたが大切だからです。飼い葉桶から、いのちの食べ物となって、イエスはあなたに言われます。「あなたがいろいろな出来事に疲れ切り、もしあなたが罪の意識と自分が不十分であるという思いに蝕(むしば)まれているならば、もしあなたが正義に飢え渇いているならば、神であるわたしはあなたと共にいる。わたしはあなたの暮らしを知っている。わたしはそれをあの飼い葉桶の中で体験した。あなたの惨めさと身の上に起きたことを知っている。あなたのそばにいつもいて、これからもいることを伝えるために、わたしは生まれた」。
幼子となられた神の最初のメッセージである、ご降誕の飼い葉桶は、神がわたしたちと共におられ、わたしたちを愛し、わたしたちを探されるということを伝えています。元気を出しましょう。恐れや、諦め、失望に負けてはなりません。神は飼い葉桶の中に、まさにあなたがどん底と思っていた場所に、あなたを再び立ち上がらせるためにお生まれになりました。イエスが救いを望まれない、救うことができない、いかなる悪も罪もありません。降誕祭とは、神が近くにいるという意味です。信頼を取り戻しましょう。
(2)ベツレヘムの飼い葉桶は、わたしたちへの「寄り添い」と共に、「貧しさ」を伝えています。事実、飼い葉桶のまわりには、ほとんど何もありません。茂みと何匹かの動物、それくらいです。人々は宿屋で暖をとり、寒い家畜小屋を宿とすることはありませんでした。それでも、イエスはそこにお生まれになりました。飼い葉桶は、まわりには何もなくても、そこにイエスを愛する人々がいたことを思い出させます。それはマリアとヨセフ、そして羊飼いたちです。皆が貧しい人たちであり、富と大きな可能性を持たなくとも、愛情と驚きにあふれていました。貧しい飼い葉桶は真のいのちの豊かさを表していました。それはお金や権力ではなく、絆であり、人々でした。
その中で最も中心的な人物、一番の豊かさは、イエスその人でした。しかし、わたしたちはイエスのそばにいたいと思いますか?
イエスに近づき、その貧しさを愛せますか? それとも、自分の関心の中に楽をしてとどまっている方がよいですか?
特に、イエスがいる場所、すなわち、わたしたちの世界の貧しい飼い葉桶を訪ねたいと思いますか?
イエスがおられるのはそこなのです。そして、わたしたちは貧しいイエスを礼拝し、貧しい人々の中におられるイエスに奉仕する教会であるようにと召されているのです。それは、ある聖なる司教が言ったとおりです。
「教会は不正義の構造を変えるための努力を支え祝福し、ただ一つの条件を提示する。それは、社会、経済、政治の変容が真に貧しい人々のための恩恵となることである」(O・A・ロメロ、新年の司牧メッセージ、1980年1月1日)。確かに、ベツレヘムの洞窟の簡素な美しさを抱擁するために、世俗的なぬくもりを捨てることは容易ではないでしょう。しかし、貧しい人々を除いては真のクリスマスではありえないことを思い出しましょう。貧しい人々を考えずに降誕祭を祝うこともできます。しかしそれはイエスの降誕祭ではありません。兄弟姉妹の皆さん、降誕において神は貧しい存在です。慈愛の心がよみがえりますように。
(3)最後のところにやってきました。飼い葉桶はわたしたちに「具体性」を伝えます。実際、飼い葉桶に寝かされた幼子の姿は、わたしたちを驚かせる、ある意味生々しいまでの光景です。それは神がまさに肉となられたことを思い出させます。こうなると、神に対する論理も思考も敬虔な感情も十分ではありません。貧しく生まれ、貧しく生き、貧しく亡くなられるであろうイエスは、ご自身の貧しさについて多くを語ることはありませんでしたが、わたしたちのためにその貧しさを徹底的に貫かれました。
飼い葉桶から十字架に至るまで、イエスのわたしたちへの愛は明白で具体的でした。その誕生から死に至るまで、大工の息子は木の荒い手触り、人間の生きることの厳しさを包容しました。わたしたちを口先だけで愛されたのではありません。その愛は真摯(しんし)なものでした。
イエスは外見だけに満足しませんでした。イエスが人となられたのは、適当な意図のためではありません。飼い葉桶の中に生まれたイエスは、口先や見せかけではない、礼拝と慈愛の業からなる具体的な信仰を求めました。飼い葉桶に裸で生まれ、やがて裸で十字架につけられるイエスは、わたしたちに真理を求めます。物事の真の姿を見つめ、言い訳や、正当化、偽善を、飼い葉桶の足もとに捨てるようにと命じます。マリアによって布に優しくくるまれたイエスは、わたしたちを愛で包むことを望まれます。神は見せかけではなく、具体性を求められます。
何か良いことを行わずして、このクリスマスを終わらせてはいけません。降誕祭がイエスのお祝い、イエスの誕生日であるからには、イエスに喜ばれる贈り物をしようではありませんか。ご降誕において、神は具体的です。神の名のもと、希望を失った人に、少しでもそれを取り戻させることができますように。
飼い葉桶の中に寝かされたイエスよ、わたしたちはあなたを見つめます。あなたはこれほどにも「近く」に、いつもわたしたちに寄り添ってくださいます。主よ、感謝します。わたしたちは貧しいあなたを見つめます。あなたの貧しさは、真の豊かさとは、物の中ではなく、人々の中に、特に貧しい人々の中にあることをわたしたちに教えます。わたしたちが貧しい人々の中にいるあなたの存在に気づかず、あなたに奉仕できなかったことがあったならば、どうかお赦(ゆる)しください。わたしたちはあなたの具体性を見つめます。なぜならあなたのわたしたちへの愛が具体的だからです。わたしたちの信仰に肉といのちをもたらすことができるよう、助けてください。アーメン。
◎ベラルーシ外相が「謎の急死」毒殺か=異例の「国葬」執行
【CJC】ウクライナ侵略を続けるロシアに軍事拠点を提供しているベラルーシのウラジーミル・マケイ外相(64)が11月26日、首都ミンスク郊外の自宅で急死した。しかし、ベラルーシ政府は死因について一切明かしておらず、さまざまな憶測を生んでいる。産経新聞12月20日報道を紹介する。
背景には、マケイ氏が政権内で最も西側欧米諸国と近い関係にあり、ロシアから再三ウクライナ戦争への参戦を求められているベラルーシのルカシェンコ大統領に対し、戦争関与への〝ブレーキ〟をかけていたとされる事情がある。ロシア当局が関与した謀殺との見方もくすぶっている。
64歳で急死したマケイ氏の葬儀は11月29日に、ルカシェンコ大統領の意向により、国家元首ではない要人に対しては異例の「国葬」として執り行われた。マケイ氏が、「欧州最後の独裁者」とも呼ばれるルカシェンコ氏の信任が厚い、最側近の閣僚であったことを物語っている。
◎李在明代表、カトリック大主教を訪問「より良い世の中にしたいが容易でない」=韓国
【CJC】韓国メディア『ワウコリア』によると、「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が天主教(カトリック)ソウル大主教区長の鄭淳沢(チョン・スンテク)大主教に会い「最大限、より良い世の中を作ろうと努力するのに容易ではない」と明らかにした。
李代表は12月20日、カトリックソウル大主教区庁を訪問し、鄭大主教を表敬訪問した席で、大統領選候補だった3月、チョン大主教が「政治は人を幸せにすること」と言った言葉に言及した。
彼は「クリスマスが近づいてくるのにイエス様の意思が疎外され暗いところに光になろうとしたのではないか」として「政治というものが本質的には疎外され難しいところに光を与えることなので宗教の目的と大きく外れていないようだ」と話した。
◎ブラジルの守護聖人アパレシーダを祀る聖堂でローソクの包みが燃えて黒煙
【CJC】ブラジル・サンパウロ州内陸部のアパレシーダ・ド・ノルテ市で12月21日朝、国の守護聖人ノッサ・セニョーラ・アパレシーダを祀っているアパレシーダ聖母大聖堂でローソクの包みが燃えて黒煙が立ち込め、関係者や市民が慌てる事態が起きた。現地邦字紙『ブラジル日報』によって紹介する。
出火が起きたのは午前8時頃で、場所は聖堂を訪れた信者たちがローソクを灯しておく、カペラ・ダス・ヴェラスと呼ばれる部屋。
聖堂関係者によると、この部屋のベンチの上に置かれていたローソクのパッケージが燃えたが、聖堂配属の消防隊がすぐに消火活動を行った。そのため、カペラの窓周辺に煤による黒ずみが残ったものの、建物そのものへの損傷やけが人などは出ていないという。この部屋は常に火が灯されている。
◎マニラの教会に高山右近像=信仰貫いた「福者」崇敬
【CJC】マニラ発共同通信によると、江戸幕府の禁教令で追放され、マニラで没したキリシタン大名高山右近(1552~1615年)の像が12月21日、同市のサンミゲル教会に設置された。マラカニアン宮殿(大統領府)の近くにある同教会で、アドビンクラ・マニラ大司教が像を前に祝福の儀式を行った。
12月21日は右近がマニラに到着した日とされ、同市が18年に「高山右近の日」に制定した。儀式には越川和彦駐フィリピン大使も出席した。
高山右近は、大名の地位を捨てて信仰を貫いた殉教者として、2017年にローマ教皇庁から「聖人」に次ぐ地位の「福者」の称号を与えられた。キリスト教が盛んなフィリピンで崇敬されている。
◎「梨泰院犠牲者の母親が失神...言葉の暴力をやめろ」=4大宗教団体が訴え=2次加害に対する捜査も要請
【CJC】韓国紙『ハンギョレ新聞』によると、同国の4大宗教団体の宗教家たちが、梨泰院(イテウォン)惨事の犠牲者と遺族に対する2次加害の中止と警察の即時捜査を要請した。
大韓仏教曹渓宗社会労働委員会、カトリック・イエズス会人権連帯、韓国キリスト教教会協議会正義平和委員会、円仏教市民社会ネットワークの4大宗教団体の宗教人たちは12月21日、「梨泰院惨事犠牲者と遺族のための宗教人の国民への訴え」と題する文章で、「犠牲者に向けられた口にするのもはばかられる無差別的な嫌悪、蔑視、侮辱が相次いでいる」とし、「先日には、焼香所を守りながら苦痛に耐えているある犠牲者の母親が、面前に降り注ぐ嘲笑に衝撃を受けて失神する事件まで起きてしまった」と述べた。
また、「遺族は私たちと互いになくては生きていけない大切な隣人であり家族であって、蔑視、批判や責任転嫁、非難や嘲笑などの侮辱的な言葉の暴力は直ちにやめよ」とし、「2次加害に対する警察の即時捜査と遺族の社会的保護のための早急な対策」を求めた。
4大宗教団体は「手を取り合って泣いても内蔵をえぐるような痛みが鎮まらない遺族たちに対し、むしろ呪いの言葉を浴びせる彼らを見て、私たちは共同体が存在する理由を改めて問う」としている。
《メディア展望》
=カトリック新聞(12月25日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
教皇、「国際障害者デーに」=受け入れることの意味を説く
教皇フランシスコ=馬小屋の前で静かに祈る
教皇フランシスコの回勅=バチカン公式サイトが日本語版を公開
諸宗教の祈りの集い開き=死刑執行停止求める=「死刑を止めよう」宗教者ネットワーク
=KiriShin(12月25日=再掲)=https://www.kirishin.com
賀川ハルとともに生きた3年=小説「春いちばん」著者=玉岡かおるさんインタビュー
牧師が覚醒剤使用の疑いで逮捕=自立・厚生支援で受賞歴
盲伝「創立70周年記念感謝会」=雲然俊美氏がメッセージ
「防衛政策の抜本的見直しを」=NCCが首相と防衛相に要望書
ロシア軍の少数民族部隊=教皇「最も残酷」=ロシア外相は非難
=クリスチャン新聞(12月18・25日=再掲)=https://クリスチャン新聞.com
「第10回戦争に関する証言集会」で山口陽一氏=特攻青年の死と信仰とは=「死ぬことは益」と結びつく
盲伝が70周年記念礼拝・感謝会=共なる信仰の歩みこれからも
次世代献身者起こる機会に=様々なキ教団体協力=uniTed 2022
日本初のプロテスタント教会の歴史と今=横浜海岸教会150年=聖書に聞いて生きる
商店街にクリスマスの灯=ホッと安らぐ物語を暮らしの中に
◎教皇、「クリスマス・プレゼントは質素に」、代わりにウクライナへの寄付呼び掛け
【CJC】教皇フランシスコは12月14日、クリスマスを祝うことは良いことだとしながらも、今年はプレゼントの購入を控えて、そのお金をウクライナに寄付するよう呼び掛けた。AFP通信、米メディア『CNN』などによって紹介する。
教皇は、「私たちの心の中でウクライナの人々とともにクリスマスを迎えよう」と語った。
教皇は、ウクライナの人々がとても傷ついていると述べ、寒波や、食料や医薬品の不足に言及、「私たちの心の中でウクライナの人々とともにクリスマスを迎えよう」と語った。
フランシスコ教皇は、クリスマスを祝うことは良いことだとしながらも、「しかし、お金をかけずに、もっと質素なプレゼントを用意し、節約した分をウクライナの人々に送ろう」と呼びかけた。
◎教皇、辞表に署名済み。職務果たせなくなった場合に備えて
【CJC】教皇フランシスコ(86)が、職務が果たせなくなった場合に備えて、辞表にすでに署名していることがわかった。スペイン紙『ABC』のインタビューで明らかにした、とローマ発『CNN』が報じた。
『ABC』が12月18日18日報じた。同紙が、教皇に対して、健康問題や事故などによって突然職務を遂行できなくなった場合はどうなるのかについて質問したところ、署名済みの辞表を用意してあると明らかにした。
教皇によれば、署名を行ったのは何年も前で、辞表は当時のバチカンのタルチジオ・ベルトーネ国務長官に預けたという。同長官は2013年に退任した。
教皇は、辞表に署名してベルトーネ氏に預けたとしたが、その辞表をベルトーネ氏が誰に渡したのかは分からないと述べた。教皇によれば、辞表の存在を公にしたのは今回が初めて。
◎教皇の「少数民族が最も残忍」発言めぐりバチカンがロシア側に謝罪?
【CJC】ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、「ロシアの少数民族が残忍な行為をしている」と主張した教皇フランシスコの発言について、ロシア外務省のザハロフ情報局長は12月15日、バチカン側から謝罪があった、と発言した。バチカンのマテオ・ブルーニ報道官は、この件に関して「外交的な接触があった」ことは認めた。
ロシアで主流の宗教はロシア正教会で、チェチェン民族は主にイスラム教、ブリヤート民族は仏教を信仰しているとされる。教皇の発言にロシアでは反発が広がっていた。
◎米、同性婚の権利を連邦レベルで擁護する「結婚尊重法案」成立
【CJC】バイデン米大統領(民主党)は12月13日、同性婚の権利を連邦レベルで擁護する「結婚尊重法案」に署名し、同法が成立した。トランプ前政権下で保守化が進んだ最高裁が、同性婚を憲法上の権利と認める2015年の判決を覆しても同性婚の権利が守られることになる。
一方、性別や人種にかかわらず結婚を認めると明記した。保守派に配慮し、各州に同性婚の合法化は求めなかった。
◎米ビリー・グラハム・ライブラリーに韓国の牧師にちなんで名付けられた「ビリー・キム・ホール」設立
【CJC】米国の著名な福音伝道者であるビリー・グラハム牧師を称える記念図書館に韓国のキム・ジャンファン牧師(88)の名前にちなんだ「ビリー・キム・ホール」が建てられた。「ビリー・キム」はキム牧師の英語名。韓国紙『中央日報』(日本語版)が報じた。
米ノースカロライナ州シャーロットにあるビリー・グラハム・ライブラリーで12月13日、「ビリー・キム・ホール」の開館式が行われた。
開館式でビリー・グラハム牧師の息子で「ビリー・グラハム伝道協会」(BGEA)代表のフランクリン・グラハム牧師は「記念図書館を拡張リモデリングして図書館とセンターを訪問する人々の集会とセミナーなどのための多目的ホールを新築した」と述べた。
開館式で、フランクリン・グラハム牧師、マイク・ペンス前副大統領とテープカットを行ったキム牧師は「これからもっと熱心に福音を伝えたい。神様にすべての栄光を捧げる」と感想を述べた。
《メディア展望》
=カトリック新聞(12月18日・既報)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
=KiriShin(12月25日)=https://www.kirishin.com
賀川ハルとともに生きた3年=小説「春いちばん」著者=玉岡かおるさんインタビュー
牧師が覚醒剤使用の疑いで逮捕=自立・厚生支援で受賞歴
盲伝「創立70周年記念感謝会」=雲然俊美氏がメッセージ
「防衛政策の抜本的見直しを」=NCCが首相と防衛相に要望書
ロシア軍の少数民族部隊=教皇「最も残酷」=ロシア外相は非難
=クリスチャン新聞(12月18・25日)=https://クリスチャン新聞.com
「第10回戦争に関する証言集会」で山口陽一氏=特攻青年の死と信仰とは=「死ぬことは益」と結びつく
盲伝が70周年記念礼拝・感謝会=共なる信仰の歩みこれからも
次世代献身者起こる機会に=様々なキ教団体協力=uniTed 2022
日本初のプロテスタント教会の歴史と今=横浜海岸教会150年=聖書に聞いて生きる
商店街にクリスマスの灯=ホッと安らぐ物語を暮らしの中に
◎「ノーベル平和賞は民主と人権活動のための賞」=今年の受賞者が評価
【CJC】オスロ発共同通信によると、今年のノーベル平和賞に決まったウクライナの人権団体「市民自由センター」(CCL)とロシアの人権団体「メモリアル」の代表らが12月9日、授賞式が10日に行われるのを前にオスロで記者会見した。CCLのマトイチュク代表は、受賞は「自由と民主主義のために戦ってきた人々と人権活動家のためのものだ」と評価した。
同代表は、ロシア軍が学校や病院など民間インフラの破壊を続けているウクライナ侵攻は、ロシアがシリアなどで続けてきた戦争犯罪が裁かれなかった結果起きたものだと指摘し、ロシアのプーチン大統領は戦争犯罪を裁く国際法廷で「遅かれ早かれ裁かれる」、と述べた。
◎オスロの市庁舎でノーベル平和賞授賞式
【CJC】2022年ノーベル平和賞の授賞式が12月10日、ノルウェー・オスロの市庁舎で行われた。共同受賞したウクライナの人権団体『市民自由センター』(CCL)とロシアの人権団体『メモリアル』の代表、ベラルーシの人権活動家アレシ・ビャリャツキ氏(妻が代理出席)は、ロシアのプーチン大統領の「常軌を逸した犯罪的な」ウクライナ侵攻に最大限の抵抗を継続するよう世界に訴えた。AFP通信(日本語)によって紹介する。
2007年に設立されたCCLは、ウクライナでのロシア軍の戦争犯罪疑惑を記録してきた。住宅、教会、学校、病院への砲撃、避難ルートへの爆撃、住民の強制移住、拷問など、侵攻開始からの9カ月間に記録された事案は2万7000件を超える。
『メモリアル』のヤン・ラチンスキー代表は、ロシアには旧ソビエト連邦から引き継いだ「帝国主義的な野心」が「今なおまん延している」と非難。プーチン大統領とその「イデオロギーのしもべたち」は反ファシスト闘争を「自らの政治的利益のために」乗っ取り、ロシアへの抵抗を「ファシズム」と呼び、「ウクライナに対する常軌を逸した犯罪的な侵略戦争を正当化するためのイデオロギー」として利用していると糾弾した。
1989年設立の『メモリアル』は、旧ソ連の独裁者スターリン時代の大粛清に関する調査・実証を行い、ロシアにおける人権侵害を記録してきた。ロシア政府による野党とメディアへの弾圧が強まる中、昨年末にロシア最高裁判所から解散命令を受け、平和賞受賞の発表直後に事務所を差し押さえられた。
ビャリャツキ氏は、ベラルーシの人権団体『ビアスナ』の創設者。ルカシェンコ大統領に抗議する大規模デモへの弾圧の一環で昨年7月に拘束され、裁判が行われないまま勾留されている。
◎教皇、「世界青年の日」リスボン大会のボランティアたちに励まし
【CJC】バチカン・ニュースによると、教皇フランシスコは、来夏開催の「世界青年の日」リスボン大会のボランティアたちにビデオメッセージをおくられた。
毎年12月5日は、国連により制定された「経済・社会開発のための国際ボランティア・デー」。ボランティアの役割と社会における貢献を広く認知させ、人々のボランティアへ参加を促すと共に、ボランティア活動に対する環境づくりと支援を各国に願うもの。
この記念日に際し、教皇フランシスコは、2023年8月開催の「世界青年の日」リスボン大会のボランティアたちに、ビデオを通しメッセージを寄せた。
この中で教皇は、「教会への司牧訪問でよく驚かされることは、ボランティアの人々の活力です」と指摘した。
教会には司教や、司祭、修道者や、信徒たちがいるが、ボランティアは既成の「枠を超えて」物事を忍耐強くおし進める特別な活気に満ちている、と話した。
たとえば病者のためのボランティアは、1日の自由な時間を病者のために捧げていることに教皇は触れつつ、「ボランティアは神の恵み」と強調した。
教皇は「皆さんは教会の力、教会の宣教の一つのあり方です」「恐れず進みましょう」と語りかけながら、ボランティアの人々の寛大に感謝し、祝福を与えた。
◎教皇、ウクライナ侵攻に言及して涙流し震える=「無原罪の御宿り」の祭日の祈りの途中で
【CJC】教皇フランシスコは12月8日、「無原罪の御宿り」の祭日に合わせて、ローマにある有名なスペイン階段を訪れ、伝統的な祈りを捧げた。
ロシアが侵攻を続けるウクライナの人々の苦しみについて触れると、教皇は感情を抑えきれずに涙を流して、声を詰まらせ、嗚咽(おえつ)を抑えるかのようにしばし身を震わせた。
その後、落ち着きを取り戻すと、群衆から拍手喝采を浴びた、と英メディア『BBC』(日本語)が報じた。
◎ウクライナ、ミサイル拠点攻撃関与認める=ニューヨーク・タイムズ紙報道
【CJC】ウクライナと国境を接するロシア中部クルスク州で12月6日、ドローン攻撃があり、飛行場の燃料タンクが炎上して黒煙が上がった。スタロボイト知事が通信アプリで明らかにした。迎撃戦闘機が駐留していたもようだが、負傷者はいないという。独立系メディアによると、隣接するブリャンスク州にもドローンが飛来し、燃料タンク近くで爆発が起きた。
ロシア中部では、長距離爆撃機の拠点2カ所を狙ったウクライナによるドローン攻撃が5日あり、3人が死亡したばかりで、ドローン攻撃は2日連続、とワシントン発時事通信などが報じている。
5日の攻撃について、米紙『ニューヨーク・タイムズ』が同日、ウクライナ政府高官が自国の関与を認めたと伝えた。ニューヨーク発共同通信が報じた。基地はウクライナのインフラに対するミサイル攻撃の出撃拠点になっていたとされる。同紙はこれまでで最も明確なロシア領土への攻撃だとした。
プーチン大統領は6日、国内の状況に関する安全保障会議を開いた。政権系メディアは通信アプリで、5日にドローンが内陸の奥深くまで500キロ以上も侵入した点や、核兵器搭載可能な爆撃機が標的となった点で「従来の攻撃と大きく異なる」と指摘。ウクライナ侵攻が新たな局面に入ったという認識を示した。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は5日の演説で「ロシアから70発のミサイルが発射され、その多くが撃墜された」と語った。首都周辺のキーウ(キエフ)州や南部の港湾都市オデッサなどが攻撃され、少なくとも4人が死亡、各地で再び停電や断水が起きているという。ミサイル発射はロシア国防省も発表しており、ドローン攻撃に報復したもようだ。
◎イラン、治安当局者刺した罪で死刑判決受けた抗議デモ参加者に初の死刑執行
【CJC】イラン司法当局は12月8日、反スカーフデモで首都テヘランの道路を封鎖し治安当局者を刺したとして、社会の秩序を乱した罪などで死刑判決を言い渡されたデモ参加者の死刑が執行されたと発表した。
テヘラン発共同通信が、イランメディアによるとして報じたところでは、デモが9月中旬から始まって以降、死刑執行は初めて。
イランでは髪を隠すスカーフのかぶり方が不適切だとして当局に拘束されたマフサ・アミニさん=当時(22)=が急死し、これに抗議するデモが散発的に続いており、治安当局は徹底的に弾圧している。
ノルウェー拠点の人権団体イラン・ヒューマンライツによると、少なくとも458人が治安当局に殺害された。
◎「話し合いによる問題解決を」=ミャンマーのボ枢機卿が提言
【CJC】ミャンマー・カトリック司教協議会会長のチャールズ・マウン・ボ枢機卿は12月1日、同国の政治状況に関して「話し合いで問題を解決すべき」と提言した。
米専門メディア『ラジオ・フリー・エイシア』が、ミャンマーで発生している国軍と市民防衛隊(PDF)の戦闘および国軍による民家の放火や空爆に関してボ枢機卿に質問した。枢機卿は「すべての勢力が参加し話し合ってこそ問題の解決につながる。暴力では何も解決せず、戦争は死と破壊をもたらすだけだ」とコメントした。
国軍は11月23日、枢機卿の故郷であるザガイン管区キンウー郡モンラ村に侵攻し、民家200軒に放火した。子ども1人を含む3人が焼き殺されたという。
◎「エルサレムに平和を」、旧市街に来るただ1人のサンタ
【CJC】エルサレム発AFP=時事によると、毎年12月になると、イスラエル占領下の東エルサレムにはキリスト教徒がクリスマスを祝いに集まり、街は緑と赤に輝く。エルサレムの旧市街には数十の教会があるが、クリスマスシーズンにやって来るサンタクロースは、パレスチナ人のイッサ・カシシエさん1人だけだ。
カシシエさんは7年前、築700年の自宅の1階を改造して「サンタクロースの家」を始めた。家ではキャンディーやホットワインが提供され、サンタの膝の上に座ることもできる。
エルサレム旧市街は、キリスト教徒だけでなく、ユダヤ教徒とイスラム教徒にとっても聖地だ。カシシエさん自身はキリスト教徒だが、「このサンタクロースの家には、あらゆる宗教(の信者)が訪れる。誰でも歓迎する」と語る。
カシシエさんが子どもの頃、父親は子どもたちのためにサンタに扮(ふん)して楽しませてくれた。その時の衣装を15年前に見つけたのが、サンタになろうと決めたきっかけとなった。
それ以来、デンマークで毎年開催される「世界サンタクロース会議」に参加したり、米国の「サンタクロース学校」で学んだりして、研鑽(けんさん)を積んできた。米ミシガン州にある「チャールズ・W・ハワード・サンタクロース・スクール」から発行された、エルサレムで唯一の公認サンタの証明書も持っている。
サンタに扮するに際し、エルサレムが抱えるデリケートな問題も熟知している。エルサレムは、数十年に及ぶパレスチナ紛争の中心地。
「エルサレムから愛と平和のメッセージを伝えるのは特別だ」とカシシエさんは語った。「エルサレムに平和が訪れたら、世界が平和になる」、とカシシエさん。
《メディア展望》
=カトリック新聞(12月11日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
▼教皇、侵攻9カ月で送るウクライナ国民への手紙=耐え忍ぶ勇気と愛を称賛
▼教皇=東方教会総主教に伝える=同じ日に復活祭祝いたい
▼シノドスへの今後の歩み=「大陸ステージ」へ=バチカンの事務局「作業文書」発表
▼教皇、伊北部で親戚訪問=「王であるキリスト」祝う
▼教皇、教令で布告=国際カリタス事務局長ら解任と臨時管理者の任命
▼ナイジェリアの修道者ら女性への暴力阻止に動く
=カトリック新聞(12月18日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
▼香港のゼン枢機卿ら=条例違反で罰金刑に
▼バチカン、「遺憾」を表明=中国が合意に反し司教異動
▼教皇、『アメリカ』誌に語る=教会の分極化や女性の登用
▼教皇=来年1月と2月にコンゴと南スーダン訪問
▼正義と平和協議会が講演と座談会=「宗教と政治」をテーマに=宗教団体は「よき共同社会」示す時
=KiriShin(12月11日・年末休刊)=https://www.kirishin.com
=クリスチャン新聞(12月11日・年末休刊)=https://クリスチャン新聞.com
◎クリスマス目前、ベツレヘムやバチカンでツリー点灯
【CJC】イエス・キリストの生誕の地とされるパレスチナ暫定自治区のベツレヘムでは12月3日、キリストが生まれたとされる洞穴の上に建てられた「聖誕教会」の前に、毎年恒例の、高さ10メートルを超えるクリスマスツリーが飾られ、カウントダウンに続いて、盛大な花火の打ち上げとともに点灯式が行われた。新型コロナウイルスの感染対策として導入された渡航制限の解除を受け観光客が大勢訪れた。
バチカンのサンピエトロ広場でも、毎年恒例のクリスマスツリーの電飾の点灯が行われた。キリスト降臨の場面を再現した模型「プレゼピオ」も設置された。サンピエトロ大聖堂を背に、高さ約30メートルのツリーが輝き始めると、広場に集まった人々が拍手し歓声も上がった。
サンピエトロ広場にツリーを飾ることは、1982年に当時の教皇、故ヨハネ・パウロ2世が始めたという。
◎バチカン・サイトにサイバー攻撃=ウクライナ大使はロシア非難
【CJC】AFP通信(日本語)によると、教皇庁(バチカン)の公式ウェブサイトが11月30日午後から夜にかけ、閲覧できない状態となった。サイバー攻撃を受けたとみられる。ウクライナの駐バチカン大使は、ロシアによるものだと非難している。
ロシア政府は11月29日、教皇フランシスコがウクライナに侵攻するロシア軍について、最も残虐なのは「ロシアの伝統に属さない」「チェチェン人、ブリヤート人ら少数民族」だと28日公開のインタビューで発言したことに「憤り」を示していた。
ウクライナのアンドリー・ユラシュ駐バチカン大使はツイッターに、「ロシアのテロリストがきょう、バチカン市国のウェブサイトに侵入し、バチカン各部署のオンラインページの多くがアクセス不能となった」と英語で投稿した。「ロシアのハッカーがまたしてもロシア政治の本性を証明した」とし、サイバー攻撃は教皇の「直近の重要な声明への反応」の可能性が高いと主張した。
◎教皇、ロシア軍の少数民族部隊が「最も残酷」=ロシアは反発
【CJC】英メディア「BBC」が11月29日伝えたところでは、教皇フランシスコは、米イエズス会系雑誌「アメリカ」によるインタビューの中で、チェチェン人とブリヤート人部隊が「最も残酷だ」と述べた。
また1930年代に旧ソビエト連邦がウクライナで引き起こした大飢饉(ききん)「ホロドモール」はジェノサイド(集団虐殺)に当たると述べた。
インタビューの中で教皇は、ロシアのウクライナ侵攻を直接的に非難するのをためらっているように見えるのはなぜかと質問を受けた。
教皇はこれに対し、「部隊の残酷さについて多くの情報」を受け取っていると説明した。「一般的に、最も残虐なのはロシアの伝統に沿っていないロシア人、例えばチェチェン人やブリヤート人などだろう」と述べた。一方で、「侵略しているのはロシア国家だ」と付け加えた。
教皇はまた、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と電話で数回、会談したと明らかにした。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とも、在バチカン・ロシア大使を通じて連絡を取ったという。
ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、これらの発言を非難。「もはやロシア恐怖症どころではなく、どう呼んでいいのかさえわからないレベルの曲解だ」と述べた。
ザハロワ氏はその後、通信アプリのテレグラムに、「私たちはブリヤート人、チェチェン人、そして多国籍・多民族から成る私たちの国の他の代表者たちと共に、一つの家族だ」と書き込んだ。
◎教皇の発言は「非キリスト教的」=ロシア外相が非難
【CJC】教皇フランシスコが、ウクライナ侵攻で「最も残虐」なのはロシアの少数民族の部隊だと発言したことについて、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は12月1日、教皇の発言は「非キリスト教的」だと述べた。AFP通信(日本語)報道を紹介する。
ラブロフ氏はテレビ放送された発言の中で「フランシスコ教皇は対話を呼び掛けているが、最近、理解し難い発言をした。完全に非キリスト教的で、ロシアの2共和国を名指し、戦争中なら虐殺に及びかねないというような特定のカテゴリーに分類した」との考えを示した。
ロシア政府は、9月に部分動員令を出した際、他の地域と比べ不釣り合いに多い人数をシベリア、カフカス両地域から動員したとされる。また、ウクライナで戦死した兵士は、ロシア民族に比べ、貧困層の多い地方部の少数民族出身者が多いという指摘もある。
一方で、ロシア軍が民間人を殺害したとされるウクライナ・ブチャなどでは、少数民族出身のロシア兵が極めて大きな役割を担ったとする見方もある。
◎米、中国のコロナ規制デモ受け、平和的な抗議活動の権利支持表明
【CJC】米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官が11月28日、中国の国民が平和的に新型コロナウイルス規制に対する抗議活動を行う権利を支持すると表明し、全土に波及する抗議活動によるサプライチェーンへの影響は見られないと述べた。ワシントン発ロイター通信(日本語)が同日報じた。
中国では新型コロナウイルス新規感染者が5日連続で過去最多を更新、週末には上海や北京など各地で抗議活動が行われ、上海ではデモ隊と警察が衝突するなど、習近平体制下で異例の事態となっている。
カービー氏は記者団に対し「人々は集会する権利や、問題視する政策や法律、指示に対し平和的に抗議する権利が認められるべきだ」とし、「ホワイトハウスは平和的な抗議の権利を支持する」と言明した。
習近平・中国国家主席の退陣を求めるデモ隊に対するバイデン大統領の反応を問われたカービー氏は「大統領は世界中のデモ参加者の主張を代弁するつもりはない」と答えた。
◎史上初、キリスト教徒が半数下回る=英国勢調査
【CJC】英イングランドとウェールズで、キリスト教徒が人口の半数を下回ったことが、11月29日公表された2021年実施の国勢調査結果で分かった。こうしたことは統計が始まって以降で初めてという。ロンドン発時事通信によって紹介する。
「自分はキリスト教徒」と申告した人は46.2%で、11年の調査時点(59.3%)から大幅に下落。一方、イスラム教徒は4.9%から6.5%に上昇し、「無宗教」も25.2%から37.2%に増えた。その他はヒンズー教やシーク教など。英国の国勢調査は10年ごとに実施されている。
《メディア展望》
=カトリック新聞(12月4日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
▼教皇インタビュー=ウクライナ侵攻=停戦のためなら何でもする
▼教皇=カトリック校教員に=イデオロギー支配へ注意促す
▼教皇の一般謁見講話=悲しみは神に近づく招き
▼アルぺ神父の列福調査団=列聖省が日本に派遣
▼日本カトリック書人協会=半世紀以上の活動に幕
=KiriShin(12月1日)=https://www.kirishin.com
▼第27回国連気候枠組み条約締約国会議=「地獄へのハイウエー走る」危機に世界の教会は"無駄にする時間はない"
▼東アジアのリアル=「我哀しむ故に我在り」の不在を考える(洪伊杓)
▼熊本で第60回朝祷会全国大会=久々の再会喜び合う
▼宗教者、記者交え「信仰の意味」問う=「たとえ教会が少なくなっても」
▼米上院選決選投票=中絶反対派候補に中絶強要疑惑
=クリスチャン新聞(11月27日)=https://クリスチャン新聞.com
▼「日本に住む外国人と共に生きる」テーマに福田崇氏=「諸国民導く主の願う方向へ」=第11回首都圏宣教セミナー
▼教会堂事例30以上=田淵諭教授=多摩美術大学で「光と祈りの建築展」
▼ラブ・ソナタ宮崎=「ゴスペルナイト」で大田裕作氏=「あなたを罪に定めない」
▼ギフトと共に"つながり"届ける=ОBJ=クリスマス・ギビング・キャンペーン
▼WCC総幹事代行=モスクワでキリル総主教と会見
=クリスチャン新聞(12月4日)=https://クリスチャン新聞.com
▼横田早紀江さんを囲む拡大祈祷会3年ぶり=「もう少しだよ」と神が=めぐみさん拉致から45年
▼奪わず栽培する資源で平和=風力発電研究者牛山泉氏講演=第五回聖書的環境シンポ
▼世界は私たちの町にある=「日本に住む外国人と...」=首都圏宣教セミナー=横山誠氏発題
▼「簡素にして豊かな建築」=大阪教会献堂100年=ヴォーリズ建築が語る日本宣教
▼福音功労賞に三橋信昌、竿代照夫、三谷六郎、唄野隆、柏木哲夫の5氏=主と人に仕え、広がる
◎バチカンが中国の司教任命に「遺憾の意」、暫定合意違反と苦言
【CJC】ローマ教皇庁(バチカン)は11月26日、中国でバチカンの認めていない司教が任命されたことに、「驚きと遺憾の意」を表明した。バチカンと中国が2018年に締結した暫定合意違反と主張している。ローマ発AFP=時事通信が報じた。
バチカンは声明で、中国江西省南昌市で11月24日、同省教区補佐司教の「任命式」が執り行われたと指摘、「対話の精神や、司教任命に関する暫定合意に反している」と苦言を呈した。
また、司教任命の背景に地元当局の政治圧力があったとの見方を示し、「このようなことが繰り返されないよう望む」と指摘した。
◎香港裁判所、政府への抗議活動の参加者支援の陳日君枢機卿など6人に有罪判決
【CJC】香港の裁判所は11月25日、3年前の政府に対する抗議活動参加者を支援してきたカトリック香港教区の元司教、陳日君枢機卿(90)を含む6人に対し、条例違反の罪で有罪判決を言い渡し、罰金の支払いを命じた。NHKが26日早朝、「NEWS
WEB」で報じた。
この裁判は、陳枢機卿や人気歌手のデニス・ホー氏など6人が、3年前の政府に対する抗議活動に参加して逮捕されたりけがをしたりした人を支援するための基金を政府に届け出ずに運営したとして「社団条例」違反の罪に問われたもの。
被告は全員、無罪を主張してきたが、裁判所は、基金には政治目的があり、届け出が必要だったとして6人に有罪判決を言い渡し、最高で4000香港ドル、日本円で7万円余りの罰金の支払いを命じた。
陳枢機卿は、刑務所や拘置所を訪問して収監されている活動家たちを激励するなど、長年にわたり民主派を支持してきたことで知られ、ことし5月に逮捕された際には米政府などから中国や香港政府を非難する声が上がった。
◎教皇の膝のけが、スペインのサッカーチーム医師が治療
【CJC】スペインのプロサッカーチーム「アトレティコ・マドリード」の主任医師が、ローマ教皇庁(バチカン)から招かれて、教皇フランシスコ(85)の膝のけがの治療に当たっていることを明らかにした。米メディア「CNN」(日本語)が報じた。
整形外科・外傷専門医のホセ・マリア・ビヤロン氏はスペインのラジオ局「COPE」に対し、バチカンからの要請を受け、教皇の治療のために専門の医師団が渡航したことを確認。車いすに乗った教皇を診察し、動きを良くして関節炎の進行を遅らせることができるかどうか検討していると説明した。
教皇は今年、アフリカのコンゴ民主共和国と南スーダン訪問を中止した。その前に医師からは、さらに20日の治療を受けて右膝を休めなければ、カナダ訪問も断念を強いられるかもしれないと告げられていた。
教皇は7月にロイター通信の取材で自身のけがに初めて言及。靱帯(じんたい)に炎症がある状態で足を踏み外し、ひざに「小さなひび」が入ったと打ち明けていた。
患者としての教皇は「非常に接しやすい」半面、手術を望まないという点では「とても頑固」だとビヤロン医師は形容する。「教皇に同意してもらえるよう、私たちは保存的療法を提案しなければならなかった」「初回の訪問は相談だけだったので、また戻りたいと思っている」とビヤロン医師は話している。
◎アフガン=公共の場でむち打ち刑執行、タリバンが最高裁に進言
【CJC】アフガニスタンを統治するイスラム主義組織「タリバン」の最高裁は11月21日、北東部タハル州で11日に19人が公共の場でむち打ち刑に処されたと明らかにした。シャリア(イスラム法)の厳格な解釈を刑事司法に適用することを示す動きとみられる、とカブール発ロイター通信が報じている。
最高裁の広報担当は「シャリアによる厳格な捜査と検討を経て、各自39回のむち打ちの刑が言い渡された」と説明。このうち9人が女性だったと述べた。この刑執行はタリバンによる組織化された体罰刑適用を示す大きな兆候だが、全土規模で実施されるかはまだ不明。
裁判所の説明によると、タリバンの精神的指導者が11月に判事らと面会し、シャリアに合致した刑罰を行うべきと進言した。
◎ウクライナ保安局がロシアの「破壊工作」の拠点阻止へキーウの修道院捜索
【CJC】米メディア「CNN」(日本語版)は、ウクライナ保安局(SBU)が11月24日までに、ロシアの特務機関による破壊工作が疑われる活動を封じ込める対策の一環として首都キーウにあるウクライナ正教会(モスクワ総主教派)の歴史的なキーウ・ペチェールシク修道院を捜索した、と伝えた。同修道院は11世紀に建立され、ユネスコの世界遺産に登録されている。
ロシア大統領府はSBUの今回の捜索について、ロシア正教会に対するウクライナ側の敵意を示す新たな事例と非難した。
ロシア正教会も「威嚇行為」と批判。同教会の報道担当者はSNS上で、ロシア、ウクライナやベラルーシで奉仕しているロシア正教会はこれまでも破壊を狙い神を冒涜(ぼうとく)する当局によって標的にされてきたと主張した。
◎米上院選決選投票で中絶反対派候補に「中絶強要」疑惑
【CJC】AFP通信が11月23日、ロサンゼルス発として報じるところでは、米中間選挙で決選投票にもつれ込んだジョージア州の連邦上院選で、妊娠中絶反対派の共和党候補ハーシェル・ウォーカー氏に中絶を迫られたとする女性が名乗り出た。
女性は22日、ロサンゼルスで開いた記者会見で「あなたはジョージア州の有権者にうそをつくことも含めて、上院議員になるためなら何でもするつもりなのか」「公衆の面前で私の目を見て、私のことを知らないと言える度胸があるのか?」と非難した。
女性は1987年11月に既婚者だったウォーカー氏と交際を開始し、93年4月に妊娠に気付いたと主張している。自分一人で中絶手術を受けに行く途中でためらって引き返したが、ウォーカー氏に車で中絶クリニックへ連れ戻されたという。
ウォーカー氏をめぐっては先月にも別の女性が名乗り出て、2009年に中絶手術を受け、費用をウォーカー氏が負担したと主張した。ウォーカー氏はどちらの疑惑も否定している。
◎南スーダンに聖公会大学が開校
【CJC】英専門紙「チャーチ・タイムズ」によると、南スーダン聖公会の全主教が出席して11月13日、ジュバで「南スーダン聖公会大学」が開校した。同大学は、南スーダン高等教育担当相から、法学士と神学士の資格を授与する認可を受けている。
同大学長を務めるジャスティン・バディ大主教が感謝と祝福を行い、大学の発足を祝った。副学長にはメソジスト派の牧師で新約聖書学者のピーター・エンザー氏が任命された。
バディ大主教は、同性婚を認めている地域聖公会に批判的な「南半球聖公会フェローシップ」(英国教会グローバル・サウス・フェローシップ)(GSFA)議長でもある。
【注】キリスト教徒を中心に数十の民族が暮らす多民族国家の南スーダンは、2011年に193番目の国連加盟国となった。今回の「聖公会大学」開校が、多民族国家に与える影響にはなお注視が必要。(CJC)
《メディア展望》
=カトリック新聞(11月27日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
▼アフリカ大陸の司教団=土地問題の正義実現を気候変動会議に訴える
▼フランスの枢機卿=35年前の少女虐待認める
▼教皇、バーレーン訪問機中記者会見で訴える=女性に平等の権利と機会を
▼YouTubeで分かち合いの力を伝える=自分の言葉で語る祈りも(カトリック一信徒の『御言葉の分かち合い』チャンネル=開設者・多田めぐみ)
▼アルペなんみんセンター=神奈川県弁護士会人権賞を受賞
=KiriShin(11月21日)=https://www.kirishin.com
▼学校特集・後編=東京神学大学×東京基督教大学=互いの聖書理解に"誤解"?=学生ら今後に期待=真剣な取り組みは共通
▼聖路加国際病院チャプレン「性暴力」訴訟=原告・被告らが本人・証人尋問
▼ウクライナの首座大司教と教皇がバチカンで会談
▼仏カトリック教会=司教の性加害疑惑を公表
▼英国国教会オックスフォード主教=同性婚禁止に終止符打つよう要請
=クリスチャン新聞(11月20日)=https://クリスチャン新聞.com
▼ラブ・ソナタ宮崎=対面・オンラインで千人超参加=「神の愛と恵み」響き合う
▼避難所情報一目で分かる「災救マップ」=「災害時こそキリスト者に期待」=「関キ災第7回懇談会」で稲場圭信氏講演
▼WVJ「クリスマス募金箱」希望者に=恵泉女学園中学1年生生徒ら発送作業
▼「光と祈りの建築」を回顧=田淵諭・多摩美教授=退職記念展開催
◎教皇、19、20の両日、イタリア北部アスティを訪問
【CJC】教皇フランシスコは、11月19、20の両日、イタリア北部ピエモンテ州アスティを訪れた。バチカン・ニュース(日本語)は、同地に住む教皇の又従姉妹(またいとこ)が90歳の誕生日を迎えたことを機会に訪問した、と伝えている。
初日19日、教皇はアスティ県ポルタコマロに又従姉妹カルラ・ラベッツァーナさんを訪ね、トリノやアスティ地方の親戚たちと私的な時間を過ごした。カルラさんは、8日に90歳の誕生日を祝ったばかり。カルラさんの母イネスさんは、教皇フランシスコ(ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ)の父マリオ・ベルゴリオ氏の従姉妹(いとこ)にあたる。
教皇とカルラさんとの交流は、1974年、当時司祭であったベルゴリオ神父がフランクフルトに向かう途中、トリノに立ち寄り、連絡を保っていたイタリアの親戚を訪ねたことにさかのぼる。
その後、ベルゴリオ神父は大司教、枢機卿となり、ローマに行く機会があると、トリノにカルラさんと夫、2人の息子からなる一家を訪ねていたという。
カルラさんは、パンデミック前の2019年、家族とバチカンを訪れて以来、教皇とは会っていないが、1カ月に1回ほど電話で近況を交換していると語った。
自宅前で出迎えたカルラさんと教皇は笑顔で抱擁を交わし、集まった他の親類たちと和やかに食卓を囲まれた。
カルラさんらとの昼食後、教皇はアスティ市の西郊の町、ティリオーレを訪問。同町で暮らす、もう1人の又従姉妹デリア・ガイさん(85)とも話し合った。
訪問初日夕、教皇は、アスティ市内のアスティ教区司教館に入った。
教皇は、訪問2日目の20日午前、アスティ教区司教館に、ピエモンテ州のアルベルト・チリオ州知事、アスティ市のマウリツィオ・ラセロ市長など、地元自治体代表の訪問を受けた。
この席で、アスティ市長は、教皇に同市の名誉市民の称号を贈呈した。「世界平和のための大きな努力と、あらゆる形の差別に対する日頃の連帯と兄弟愛のメッセージ」、また「アスティおよびピエモンテとの強い絆の証し」を贈呈の理由として述べた。
教皇は、名誉市民の称号に感謝し、自分の祖父母がアスティについて話していたために、アルゼンチンにいた時からアスティは心の中にあり、自身にアスティのゆかりを常に感じていたと語った。
続いて、教皇はアスティ教区の司教座聖堂で「王であるキリスト」の祭日のミサを地元の信者たちと共に捧げた。その後半「お告げの祈り」を教皇は信者たちと共に唱えた。
典礼暦で「王であるキリスト」を祝うと共に、教区レベルの「世界青年の日」を記念したこの日、教皇は特に若い信者たちに語りかけた。
そして、今年の「世界青年の日」と来年夏ポルトガルで開催される「世界青年の日・リスボン大会」の共通テーマである、「マリアは出かけて、急いで山里に向かった」(ルカ1・39)という言葉の観想へと招いた。
エリザベトを訪問した時のマリアの若さを指摘しながら、教皇は「出かける」「向かう」という二つの動詞を若さの秘訣(ひけつ)として示した。
マリアは「出かけて、向かった」。マリアは自分のことだけを考えずに、天の高きを見つめ、自分の恐れから抜け出し、助けを必要とする人に手を差し出すために歩き始めた、と教皇は話した。
今日、わたしたちは順応主義者や携帯電話の奴隷とは異なる、マリアのように世界を変える若者たちを必要としている、と述べた教皇は、マリアのように人々にイエスをもたらし、他者をいたわり、兄弟愛に満ちた社会と平和の夢を実現してほしい、と若者たちに願った。
「世界は平和に飢えている」と、教皇はウクライナをはじめ戦争に苦しむ世界各地を心に留めつつ、平和のために祈り続けよう、と呼びかけられた。
この席で教皇は、数日前パレスチナ自治区ガザの難民キャンプで発生した大規模火災で亡くなった子どもたちを含む多くの人々とその遺族に思いを向け、犠牲者の冥福と共に、長い紛争に苦しむ人々への慰めを神に祈り求めた。
そして、教皇は「平和の元后マリア」に捧げたこのカテドラルで、すべての家族や病者をはじめ、すべての人々を聖母の保護に託して祈った。
同日午後、アスティの司教座大聖堂でミサをとり行われた教皇は、ローマに帰るためにヘリコプターの待つ市営競技場へと向かった。
教皇へのサプライズとして、競技場にはアスティ教区全土の小教区から児童・生徒や青年たちが詰めかけ、歌やダンス、大歓声で教皇への親愛をいっぱいに伝えた。
代表の子どもたちから花束や作品を受け取りながら、心のこもった見送りに笑顔で答えた教皇は、消防士や救急隊員たちにお礼を述べ、地元司教マルコ・プラスターロ師と抱擁を交わした後、午後3時過ぎ、ヘリコプターでアスティを後にした。
◎教皇、バチカン広報省関係者と出会い
【CJC】教皇フランシスコは11月12日、バチカン広報省の関係者との集いを持った。バチカン・ニュース報道を紹介する。
広報省は、「シノドスとコミュニケーション=発展させるべき行程」をテーマに、10日から3日間にわたり定例総会を開催していた。
総会には、日本から同省顧問枢機卿の前田万葉枢機卿が出席した。
総会最終日、会議参加者と同省職員たちは、バチカン宮殿・クレメンスの間で教皇との出会いに臨んだ。
教皇は、日ごろ教会の広報に携わる関係者らへ、原稿を用いずに励ましの言葉を述べる共に、この出会いのために用意した原稿を参加者たちに託した。
その中で教皇は「シノドスとコミュニケーション」という総会テーマに言及しつつ、シノドスは単にコミュニケーションをとるためのものでも、多数派や少数派といった世俗的な論理や見方で教会を考えるものでもない、と指摘した。
シノドスの歩みの忘れてはならない本質は、神のみ旨に耳を傾け、それを理解し、実践することにある、と教皇は述べた。
福音の光を今日により効果的にもたらすために、わたしたちが「教会」として神のみ旨を知ろうとするならば、個々の中でなく、教会の生きた「絆」の中で、主に耳を傾けそれを理解することが必要、と記している。
ナザレのマリアは従妹エリザベトの存在と親愛なくしては「マグニフィカト」を歌うことはできず、そばにヨセフがいなければ、幼子イエスを殺そうとする者たちの憎しみから、御子を守ることはできなかった。またイエスも、ゲツセマネの園に弟子を伴ったように、ご自身の最も決定的な闘いにおいて、「絆」を必要としていた、と教皇は福音書のエピソードを観想した。
関係を構築するコミュニケーションは、まさにこの「絆に対する召命」を負っていると述べた教皇は、コミュニケーションが寄り添いを可能にし、疎外された人に声を与え、切り捨てられ無視されがちな物事に関心を喚起できるものであるように、と教皇は願った。
そして、教皇は、コミュニケーションが「絆を作り出す」ために必要なこととして、「人々の孤独を和らげる」、「声なき人に声を与える」、「伝えることの苦労を学ぶ」の三つを挙げた。
教皇は、広報省の仕事は単に技術職ではない、と述べ、教会のあり方そのものに関わる、その召命を改めて強調した。
◎韓国映画「誕生」に「千万観客を祈る」と教皇
【CJC】韓国紙「中央日報」(日本語版)によると、教皇フランシスコは11月16日、バチカン市国で行われた韓国映画「誕生」(原題)の試写会で、「千万観客を祈る」と明らかにした。
この日、ローマ教皇庁シノドスホールでは韓国カトリック初の司祭、金大建(キム・デゴン、1821~1846)神父の一代記を題材にした映画「誕生」の試写会が行われた。このため、バチカンを訪問したパク・フンシク監督や俳優ユン・シユン、俳優ユン・ギョンホ、俳優イ・ムンシクたちは教皇庁パウロ6世記念ホールで教皇フランシスコと個別謁見した。
教皇は、今回の個別謁見を斡旋した兪興植(ユ・フンシク)枢機卿から映画の企画意図を聞いた後、「韓国の偉大な芸術家たちが金大建神父に関する映画を作ったのが印象的」と話した。教皇は「映画を撮りながら、美しいキリスト人、人間として美しかった方の人生について研究と勉強をしたのは皆さんにとっても祝福だと思う」と述べた。
映画「誕生」は30日、韓国の劇場で公開される。韓国公開前にバチカン市国で初めて試写会が開かれたのも異例だが、シノドスホールで試写会が行われたのも非常に特別だと主催側は伝えた。
試写会には、兪興植枢機卿や教皇庁長官および高位聖職者、多くの大使とローマに滞在中の司祭、修道者、信徒など200人余りが参加した。映画が終わった後には、外交官席からイタリア語で「Viva
chiesa Coreana!」(韓国教会万歳)と叫ばれたりもした。
教皇庁使徒座署名院最高裁判所次官のアンドレア・リパ司教は「韓国教会に対して映画化したことに感謝する」と伝え、「映画自体も素晴らしかった」と評価した。
◎トルコがシリア北部を空爆、爆弾テロ事件の報復か
【CJC】トルコ国防省は11月20日、シリア北部とイラクで非合法組織クルド労働者党(PKK)と関連組織の拠点を空爆したと発表した。トルコに対するテロ攻撃を排除する目的としている。イスタンブール発共同通信報道を紹介する。
13日に最大都市イスタンブールで発生した爆弾テロ事件への報復の可能性がある。6人が死亡したテロ事件発生から1週間。エルドアン政権はシリア北部のPKK系クルド人勢力の犯行と断定し、捜査している。
◎米最高裁で2014にもリークか=ニューヨ-ク・タイムズ紙
【CJC】ワシントン発ロイター通信によると、米紙ニューヨ-ク・タイムズ(NYT)は11月19日、中絶反対運動の元指導者が、避妊を巡る2014年の米連邦最高裁判決について事前に知らされていたと報じた。最高裁は人工妊娠中絶を巡る今年の判決でも草稿の漏えいが問題になっており、調査を求める声が上がっている。
キリスト教福音派の非営利団体を率いていたシェンク牧師が、団体の大口献金者が最高裁のアリート判事宅で同夫妻と夕食を共にした後間もなく、避妊と宗教上の権利に関する裁判の結果を知ったと明かした。判決が公表される数週間前だった、とNYT。
アリート判事は同裁判だけでなく、女性に中絶の権利を認めた「ロー対ウェイド判決」を覆す今年の判決でも多数派意見を執筆した。いずれの判決も宗教右派が勝利する内容だった。
アリート判事は声明で、自身もしくは妻が14年の判決をリークしたとの主張は「完全な誤りだ」と述べた。
議会上院のダービン司法委員長(民主党)は、委員会が疑惑を検証しているとした上で、最高裁に倫理規定を設ける法案可決を促した。
《メディア展望》
=カトリック新聞(11月20日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
▼教皇、バーレーンを訪問=諸宗教代表者の対話に出席
▼教皇「世界青年の日」メッセージ=イエスを迎える喜びを出かけて、分かち合う
▼FABC50周年総会閉幕=「より良いアジアのために」=政府やNGOとの関わり誓う
▼全国教区広報担当者会議=動画編集を体験
▼新しい『ミサの式次第』=表紙を学生がデザイン=東京・サレジオ高専
=KiriShin(11月11日既報・再録)=https://www.kirishin.com
▼学校特集・前編=東京神学大学×東京基督教大学=「見えざる壁」越えて=交流と神学議論を=神学生有志が共同企画
▼キリスト教功労者に小島誠志、吉崎恵子の両氏
▼WCC総幹事代行=モスクワでキリル総主教と会見
▼実物大に再現した「ノアの箱舟」=全米から天地創造説信者が訪れる
▼訃報=松井直さん(福音館書店元社長)
=クリスチャン新聞(11月13日)=https://クリスチャン新聞.com
▼福音主義神学会西部=「犠牲のシステム」論に浅野淳博氏反駁
▼JEA、全キ災共催=「災害支援の温故知新」テーマに中台孝雄氏=直後の熱気の種火残して
▼「第22回日本CBMC国家朝餐祈祷会」で金子道仁氏=イエスが十字架で勝ち取った平和は困難な中で前進する
▼建売住宅が美しい教会堂に=大阪バイブルチャーチ再出発
▼2年ぶりリアル開催=CS成長セミナー=説教演習、批評で理解深める=大嶋重徳氏が教理的、実践的に指導