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世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1065信(2011.06.20)

  • カトリック・ルーテル・メノナイトが3方向対話へ
  • 英国国教会とメソジスト教会が一致強化へ
  • 家事労働者に関する条約をILO採択
  • 英妊娠中絶反対団体がBBC放送を厳しく批判
  • バチカンが『聖ピオ10世会』復帰に一歩か
  • 米でカトリック教会での結婚式減少
  • 携帯電話で牧師・宣教師を訓練
  • 《短信》
  • 《メディア展望》

◎カトリック・ルーテル・メノナイトが3方向対話へ

 【CJC=東京】ルーテル世界連盟は6月9〜14日、常議員会をジュネーブのエキュメニカル・センターで開催した。常議員会は11日、2012〜17年戦略計画を採択、また最終日の14日、ローマ・カトリック教会、メノナイト世界会議との間で3方向の協議を行なう計画を承認、3派から各4人の代表による対話委員会設立をマルチン・ユンゲ総幹事に提案した。
 常議員会は、加盟教会と、対話委員会へのルーテル派代表を選出するに当たって性、地域、他派との親密度、問題意識などを検討することを求めた。またルーテル・ペンテコステ国際委員会への準備を進め、経過を次の評議会で報告するよう、ユンゲ総幹事に求めている。
 次回常議員会はジュネーブで来年6月14〜20日に開催される。今回リベリアのA・エリヤ・ジナ常議員(29)にスイスがビザを発給せず、出席出来なかった。スイス政府が態度を変えない場合、開催場所変更も想定されている。同常議員はのビザ発給拒否は、個人的な事情というより内戦による混乱が影響している、と見られる。


◎英国国教会とメソジスト教会が一致強化へ

 【CJC=東京】英国国教会とメソジスト教会の指導層は、一致強化への協力を将来、より積極的に推進するように、との要請を受けた。
 ENIニュースによると、国教会連絡事務所が6月16日発表した声明は、一致推進のため2003年のメソジスト教会との「カベナント」(協約)で設けられた合同遂行委員会(JIC)が、伝統と宣教をもっと広範に協力して行なうとの提案を盛り込んだ報告書『カベナントに於ける前進』を作成した、と発表した。報告書は、今夏に開催される両派の総会で審議される。JICの役割は「カベナントの遂行をモニター、推進する」こと。
 英国各地での両派協力の進展度合いは様々。「2003年を振り返ってみると、両派の関係が密接になり、わたしたちの協約が英国における教会一致に前向きな影響を与えるということに疑いはなかった」とJICのピーター・ホウドル共同議長は語る。
 「わたしたちのエキュメニカル精神を力付けるものは善いもの、すばらしいものであるが、両派の間の結び付きは、メソジスト教会で聖職についた人が、アングリカン教会で完全に認知される、とわたしが思い描いているものには決してならないだろう」とケント州スタリーのメソジスト教会牧師のヒュー=ナイジェル・シーハン氏。「わたしを正当な聖職者とアングリカンが見ない限り、40年前にラムゼイ大主教とメソジスト教会が思い描いていたような形の結合はありえない」と言う。
 シーハン氏は、ラムゼイ氏がカンタベリー大主教だった当時、アングリカンとメソジストの完全一致のために祈り、活動した。
 英国国教会にとって、交流できる聖職者は各国聖公会で叙階された人だけ。シーハン氏はJIC報告書を、両派とも会員が減少している時に発表された、として歓迎する、と語った。そして1960、70年代の、エキュメニズム支持が強かった時代の精神が復活するよう祈っている。「わたしが見る限り、全ては過ぎ去った。火は消えてしまった。カベナントが作られたにしても、それに100%支持されることは決してないだろう」と言う。


◎家事労働者に関する条約をILO採択

 【CJC=東京】国際労働機構(ILO、加盟183国)はジュネーブで開催した第100回総会で6月16日、『家事労働者(ドメスティック・ワーカーズ)のためのディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に関する条約』を賛成396票、反対16票、棄権63票で採択した。フアン・ソマビア事務局長は「ILOの基準体系を初めてインフォーマル経済に持ち込んだ画期的な出来事」と述べた。
 カトリック系救援組織『国際カリタス』は、全世界で数百万人と推定される家事労働者を保護するための重要な一歩と歓迎している。
 カリタスは家事労働者の就労事情を改善するため今回のような条約採択を呼び掛けてきた。国境を超えて就労する家事労働者を軽視することなくその尊厳のためにカリタスは当初から活動している。
 政治担当のマルティナ・リーブシュ氏は「家事労働は家庭生活に密接に結び付いており、幼児保育や高齢者介護を任せられる存在であるにも関わらず、その待遇は劣悪だ」と述べている。


◎英妊娠中絶反対団体がBBC放送を厳しく批判

 【CJC=東京】英国の妊娠中絶反対団体『ケア・ノット・キリング』が公営BBC放送を厳しく批判している。自殺幇助を扱ったドキュメンタリー番組に関するもので、「模倣自殺」を生み出しかねず、結果的に安楽死の宣伝になった、という。
 『ケア・ノット・キリング』は、影響されやすい人たちを動揺させる結果を招きかねない、として自殺を劇的なまた栄光あるものとするようなストーリーを放映しないよう求めている。


◎バチカンが『聖ピオ10世会』復帰に一歩か

 【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)と伝統主義者の修道会『聖ピオ10世会』との神学的対話が終了した模様、と仏紙『フィガロ』が6月17日報じた。同会が聖座との間に聖餐関係を回復するために行なわれた対話と見られるが、対話参加者は進展度合いについて沈黙を守っている。
 同紙は、沈黙が23年にわたる同会の破門に終止符を打つに至る重要段階に来たことを示すもの、と報じている。
 同会は、フランスのマルセル・ルフェーブル大司教によって1970年に創立された。典礼でのラテン語使用の厳守とトリエント・ミサ執行を主張、第二バチカン公会議以降の典礼改革を認めていない。
 88年、ルフェーブル大司教は聖座の認可なく同会司祭4人を司教に叙階した。事態を重視した教皇ヨハネ・パウロ2世は使徒的書簡『エクレジア・デイ』(神の教会)を発布、大司教の無認可叙階を非難した。
 一方で、同会と教皇庁との対話は継続され、2009年1月には教皇ベネディクト16世が同会所属司教の破門を取り消し、全メンバーが教会と完全な一致に速やかに戻るという期待を表明した。教皇は2007年7月に自発教令『スンモールム・ポンティフィクム』で、各教区において司教が、信徒の要望があった時に旧来のラテン語によるミサを許可する権限を与えており、同会との関係修復への道を開いている。
 同会のフランツ・シュミットバーガー神父は、『オプス・デイ』と似たような属人区を目指す、と語ったと独KNA通信は09年6月に報じている。


◎米でカトリック教会での結婚式減少

 【CJC=東京】米カトリック教会で信徒が1700万人増加した間に、結婚式が6割も減少したことが明らかになった。『アワ・サンデー・ビジター』誌が発表した調査によると、1972年信徒1000人当たり結婚式は8・6回だったのが2010年には2・6回に減少している。
 同誌は、この減少を、聖職者による性的虐待にも比べるべき「信仰の一つの危機」と捉え、「カトリック信徒の多くは、教会で秘跡としての結婚を行うことが一般の民事的な結婚とは違うのだ、といういことに気がついていない」として、適切な対応が必要、と主張している。


◎携帯電話で牧師・宣教師を訓練

 【CJC=東京】『聖書大学』というのがあって、そこに入学し500時間の授業を受けることを想像する。外国からだったらビザがまず必要だし、旅費、授業料に生活費まで加えたら、相当の額に上るところを、携帯電話で受講するなら13ドル(約1000円)で済む、という牧師・宣教師訓練プログラムがオーストラリアで発表された。
 創設者のジョン・エミストン氏は、東南アジアで活動する牧師で専門的な訓練を受けていない人たちのために2001年、『サイバーミッションズ』を設立した。
 今回コンピューターとインターネットを利用して開発したプログラムは、対象は地球規模に広がり、毎年100万人もの人が訓練を受けられるようになった。仏教国ブータンは、キリスト教伝道が困難だが、そこでも数十人がひそかに利用している。


≪短信≫CJC通信速報(Twitter:cjcpress)から。

▽国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は6月20日、難民や避難民が2010年末までに世界で計4370万人に上ったとする年次報告書を発表。前年比40万人増、過去15年で最多となった。

▽教皇ベネディクト16世は6月19日、イタリア半島内のサン・マリノ=モンテフェルトロ教区を司牧訪問を行い、まずサン・マリノ共和国を訪れた。同国は世界に現存する共和国の中で最も古い。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(6月19日)=http://www.cwjpn.com
★広島教区に新司教=中央協議会事務局長・前田万葉神父が被選司教に
★来場者数、過去最多に=カトリック学校フェア
★液状化 施設が被害=千葉・旭市=ロザリオ聖母会
★教皇、環境保護呼び掛け=人類に危険のない新しい生活様式を
★リビアの司教=勢力間の紛争を危惧=NATO空爆を批判

 =キリスト新聞(6月18日)=http://www.kirishin.com
★ホームレス支援22年=奥田知志牧師が講演="自由になるための絆を"
★日基教団奥羽教区=総会で声明="自然エネルギーへの転換を"
★独ドレスデンで「キルヘンターク」=脱原発へ向けて討議
★早稲田奉仕園スコットホールにギャラリー="発表の場として活用を"
★日基教団駒場エデン教会制作=オリジナルCDで被災者励ます

 =クリスチャン新聞(6月19日)=http://jpnews.org
★福島県民に飲料水100万本=幼児に安心届ける「いのちの水」スタート
★仙台でPraise Station=「東北へ」賛美歌う=震災・救援へて再結集
★市民がつくる福祉社会=東京基督教大学に公共福祉研究センター創設
★目的に従う教会形成強調=第17回開拓伝道セミナーで河野勇一氏
★旧東独ドレスデンで教会大会=脱原発環境の創出も討議


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