世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1147信(2013.01.14)

  • あのニュータウンの小学校に「四つ足の牧師」
  • 中国のキリスト者がインターネット活用
  • 教皇のトゥイッターは出足好調
  • バチカンでは新年からクレジット使えず
  • ユダヤ人は「教会の敵」と聖ピオ10世会指導者
  • 米ワシントン・ナショナル大聖堂でも同性婚
  • 「イエスの妻」断片にはまだ調査が必要?
  • UCAN通信が日本語サイトを開設
  • 《メディア展望》
◎あのニュータウンの小学校に「四つ足の牧師」

 【CJC=東京】米コネチカット州ニュータウンのサンディ・フック小学校を2012年12月14日見舞った大量射殺事件の後、初めて同校児童が1月3日登校したところ、出迎えたのは「四つ足の牧師」と呼ばれる慰安犬ゴールデン・リトリバー7匹だった。
 米宗教専門『RNS』通信によると、ルーテル教会ミズーリ・シノッド系の福祉団体『ルサラン・チャーチ・チャリティーズ』(LCC、本部イリノイ州アディスン)が派遣したもの。
 「学校に行きたがらない児童もいると伝えられたので、『慰安犬』の話をしたところ来てほしいとのことだった。児童たちと向き合う教師にとっても慰安犬は必要だ」とLCCのティム・ヘツナー会長。
 慰安犬プログラムは2008年から開始された。ハリケーン・カトリーナ救援活動の際に、被害者にとってペットの重要さを認識したという。「犬は安全だし、無条件の愛を示す。犬には人の傷を感じ取る独特の能力がある」と同会長。
 現在慰安犬は60匹。6州の信徒の家庭に飼われている。ハリケーン・サンデイの救援に北東部地方に派遣され、竜巻に襲われたミズーリ州ジョプリンにも出動したほか、高齢者の家庭や学校、病院にも派遣されている。昨年、慰安犬とハンドラーの大会を初めて開催したが、活動拡大が必要という点で一致したという。
 活動は、キリスト教宣教の一部でもある。「慈悲、哀れみ、そして苦難の中にある人たちにイエス・キリストの存在を伝える」ことだからだ。
 犬はもちろん回心をすすめはしない。ハンドラーも活動している時は同じだとヘツナー氏。
 「わたしたちは、人々にキリスト教を押しつけない。いつも人々に祈ろう、と呼び掛けるわけでもない。しかし祈りを求められたら、わたしたちはそれに応える。わたしたちがそこにいること自体が多くのことを語っている」と言う。


◎中国のキリスト者がインターネット活用

 【CJC=東京】中国のキリスト者が、インターネットのSNS『微博(ウエイボー)』を使って、信仰を確認しあったり、信仰迫害に反対の発言をするなど、当局の検閲に挑戦している、と米宣教専門『コンパス・ダイレクト・ニュース』が報じた。
 キリスト教バンド『レインボー・カム』が音楽オーディション番組に登場した時には、ネットで投票を呼び掛けた。すると数日で投票数は数千人規模になり上位につけるまでになった、とか。


◎教皇のトゥイッターは出足好調

 【CJC=東京】教皇べネディクト16世がトゥイッターを始めて1カ月、8言語全体でフォロワーは250万人に達した。教皇庁広報評議会顧問のパオロ・パドリニ神父は、教皇にこれほど多くのフォロワーを集められて良かったが、大事なのは教皇が「トゥイッターと共生し、参画しよう」としていること、と言う。
 「教皇が自分の言葉で登場するという事だけを見ても、ソーシャルメディアに参加することは福音伝道だ」と同神父が1月11日、CNA通信に語っている。
 教皇の最初のトゥイートは、2012年12月12日。自己紹介メッセージを掲出した英語のアカウンドへの応答(リトゥイート)は6万4000人を超えた。スペイン語では3万3000人だった。
 1月11日までに教皇が発信したトゥイートは僅か21回、クリスマスには思い出を語り、シリア紛争終結への祈りを求めもした。
 現在、フォロワーは英語で140万人を超え、スペイン語で57万5000人、イタリア語で26万5000人を数えている。フランス語、ドイツ語、ポーランド語、ポルトガル語、アラビア語でも発信している。最も少ないアラビア語でもフォロワーが1万8000人いる。
 米国のバラク・オバマ大統領のフォロワーはほぼ5年で2500万人に達した。ダライラマは600万人という。


◎バチカンでは新年からクレジット使えず

 【CJC=東京】バチカンでは新年早々、クレジットカードが使えなくなり、全て現金支払いになった。イタリア銀行が12月31日、バチカン市国内の端末でのクレジットによる支払いを拒否したため。
 疑惑を持たれた資金の洗浄に関する欧州の規制にバチカンが完全に対応していないことが理由。
 訪問客がほとんど訪れるバチカン美術館に入場するにも、ローマ市内で先に換金して現金で支払うことになった。


◎ユダヤ人は「教会の敵」と聖ピオ10世会指導者

 【CJC=東京】カトリック教会では超保守団体と見られている『聖ピオ10世会』会長のベルナール・フェレイ司教が、ユダヤ人を「教会の敵」とし、ユダヤ人指導者が第二バチカン公会議を支持したことは同公会議が彼らのものであり、教会のものではなかったことを示している、と語った。『カトリック・ヘラルド』紙が報じた。
 ローマ(バチカン)が『聖ピオ10世会』に教会法上の認知を与えることに強く反対する、ユダヤ人、フリーメーソン、近代主義者は「教会の敵」だ、と言う。
 フェレイ会長は、「教会の外におり、何世紀にもわたって教会の敵だった」彼らが、『聖ピオ10世会』に第二バチカン公会議受け入れを強制するようバチカンに働き掛けたのだ、と言う。カナダ・オンタリオ州ニューハンバーグの『アワ・レディ・オブ・マウント・カルメル・アカデミー』での2時間近くの話し合いの際に発言したもの。
 同会長は、バチカンからは何年も、同会がカトリック教会に全面復帰するための方策について、混迷したメッセージを受け取っている、とも語った。バチカンのトップは、公式声明が、教皇べネディクト16世の真意を反映してはいないから、気落ちしないようにとも伝えられた、と言う。


◎米ワシントン・ナショナル大聖堂でも同性婚

 【CJC=東京】米首都ワシントンにあるナショナル大聖堂が、同性婚を司式することを発表した。同大聖堂のディーン・ゲイリー・ホールは、結婚は信仰生活を生きる道具だ、と語っている。
 同大聖堂は、聖公会首座主教とワシントン教区の主教座聖堂とされている。聖公会は2012年の大会で、同性間の結合祝福のための典礼を認めており、同大聖堂の決定は当然の成り行きと受け取られている。
 しかし今回の決定は、同大聖堂が非公式ではあるが、国家の礼拝堂と見なされており、バラク・オバマ大統領の2期目の就任式も行われる場所だけに米国社会に与える影響は小さくない。


◎「イエスの妻」断片にはまだ調査が必要?

 【CJC=東京】米ハーバード神学校の雑誌『ハーバード神学評論』の1月号には、同校のカレン・キング教授の「イエスの妻」と読める聖書パピルス断片についての論文が掲載されると期待を呼んでいたが、試験が遅れているとの理由で、掲載が延期されたことが明らかになった。
 キング教授は、2012年9月にローマで開催された『コプト研究国際協会』の会議で、パピルス断片を発見した、と発表した。
 1月号のために提出された最初の原稿では、パピルスには北部エジプトの古代コプト語で「イエスは彼らに『わたしの妻』」と記されていた、とあったが、後になってその部分が削除されたという。
 断片は縦4センチ横8センチで4世紀のもので、2世紀ごろの福音書を書き写した可能性もある。キング教授らは、『イエスの妻による福音書』ではないか、と見ているようだ。


◎UCAN通信が日本語サイトを開設

 【CJC=東京】アジアのカトリック通信として地歩を固める『UCAN』通信が、1月から日本語サイトを開設した。同通信と日本のカトリック司教協議会が提携を協議してきており、独ケルン大司教区の支援を受け実現した。
 UCAN通信は、英語でニュースを発信していたが、中国語、インドネシア語、韓国語、ベトナム語でも発信するようになった。ベトナム語のサイトは同国教会と提携している。
 日本語サイトは『カトリック新聞オンライン』上に設定された。


《メディア展望》
各紙は年始休刊です。


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