世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1284信(2015.08.31)

  • 米南部バプテスト会議が宣教師800人削減へ
  • カーター元大統領に接したいと会衆が教会に殺到
  • アーシア・ビビさんの父が娘との接見可能に
  • 米キリスト教指導者がイランと6カ国の核協議の成果支持
  • 移民窒息死は「人類への犯罪」と教皇
  • キューバで革命以降初のカトリック教会建設進む
  • 米カンザス州の中学校でキリスト描いた絵撤去
  • サンクトペテルブルクで「悪魔の彫刻」壊される
  • 文鮮明氏死去3年で金正恩第1書記が遺族に弔電
  • ≪メディア展望≫


◎米南部バプテスト会議が宣教師800人削減へ

 【CJC=東京】米週刊誌『クリスチャニティ・トゥデイ』によると、南部バプテスト連盟国際宣教部(IMB-SBC)は8月27日、宣教師600〜800人と担当スタッフを削減する、と発表した。同部門の赤字2100万ドル(約25億円)削減のためとしている。まず自主退任を呼びかける。IMBは現在スタッフ450人、所属宣教師4700人を擁している。
 IMBの活動資金は指定献金と、同派協力プログラムからの基金によるものが大半。他のは備蓄金取り崩し、米国外の資産売却による。
 デービッド・プラット部長は「使い過ぎをそのままにはしておけない。短期的には財務上の責任を果たさなければならず、長期的には組織安定を目指す。行動しなければならない」と声明で述べている。
 2015年6月現在、IMBの備蓄金は1億6800万ドル、予算3億100万ドル。その中で新たに宣教師42人を任命している。
 経費節減のため、他派の宣教師との提携も模索する。「福音が未だ届いていない人々に向かって、弟子を生み、教会を増やす国際的戦略をまとめるかが課題」だ」とプラット氏は指摘している。


◎カーター元大統領に接したいと会衆が教会に殺到

 【CJC=東京】米国のジミー・カーター元大統領(90)が8月12日、「最近の肝臓の手術でがんが見つかり、私の体内の他の部位にも転移している」と明らかにした。しかし長年務めている日曜学校教師は続ける、と語った。
 カーター氏が属しているジョージア州プレインズのマラナタ・バプテスト教会は、これまでの元大統領の話を聞きたいという人が集まっていたが、今回の発表を聞いて教会に押し寄せる会衆が急増した。中には数時間もドライブして来た人もいた。
 カーター氏は通常の日曜学校だけでなく、特別に「バイブルクラス」を近くの学校で行ったほど。その後、教会へ戻って、参会者と記念撮影をした。
 カーター氏の孫で元ジョージア州上院議員のジェイソン・カーター氏は、ツイッター上で、祖父がマラナタで日曜学校で教えたのは689回になった、と述べている。


◎アーシア・ビビさんの父が娘との接見可能に

 【CJC=東京】パキスタンで冒とく罪により2010年に死刑判決を受け収監中のアーシア・ビビさんの父ソラン・マシ氏に娘との接見が認められた。同氏の弁護士が8月25日、カトリック通信『UCAN』に明らかにした。
 死刑執行は7月に最高裁判所により延期が決定されている。


◎米キリスト教指導者がイランと6カ国の核協議の成果支持

 【CJC=東京】米キリスト教の指導者が、イランと6カ国の核協議の成果を支持し、議会に対し、イエス・キリストの理性を思い起こし、この歴史的な合意に反対しないよう求めた。
 宗教指導者51人は議会への書簡の中で、「わたしたちは、戦争で唯一核爆弾を使用した国の宗教指導者として、自国でも全世界でも軍縮の機会が得られた時には、勇気をもって語る義務がある」としている。
 連邦上院の民主党のリーダー、ハリー・リード氏は8月23日、27人目の上院議員として、イランとの合意への支持を表明した。合意に反対する共和党やイスラエル支持者との対立が激しくなっている。


◎移民窒息死は「人類への犯罪」と教皇

 【CJC=東京】AFP=時事通信によると、教皇フランシスコは8月30日、オーストリアで高速道路に放置されたトラックから71人の遺体が見つかった事件について、「人類全体を侮辱する犯罪」と非難し、再発防止への協力を訴えた。
 遺体はシリアから逃れた移民とみられ、トラック内で窒息死したと見られている。


◎キューバで革命以降初のカトリック教会建設進む

 【CJC=東京】キューバの首都ハバナの郊外で、カトリック教会の建設が進められ、来年には完成する見通し。1959年の社会主義革命以降初めてのことで、教会側が求めてきた宗教活動の自由化がどれほど進むか内外の注目を集めている。
 建設現場では、作業員たちが資材を運び入れたり、建物の骨組みの中で内装を施したりしていると、NHKニュースが報じた。建設責任者の男性は「これまで教会を修理したことはあったが、基礎から造るのは今回が初めて。教会と政府の関係は大幅に改善してきていると思う」と話している。


◎米カンザス州の中学校でキリスト描いた絵撤去

 【CJC=東京】米カンザス州は、市民団体『宗教からの自由基金』
の要請に応じ、州内の中学校で1950年代から飾られていたキリストの絵画を8月27日撤去することを決めた。
 同団体は速やかな対応を歓迎しているが、全米から抗議の声も寄せられている。
 学校側は、元来の所有者や提供者が引き取りを望まない時には別の受け入れ先を探す。地元教会などが引き取りを申し出ている。


◎サンクトペテルブルクで「悪魔の彫刻」壊される

 【CJC=東京】ロシア西部サンクトペテルブルクで、建物の正面に飾られていた100年の歴史を持つ悪魔メフィストフェレスのレリーフ(浮き彫り)が破壊される事件があり、市内で8月30日、1000人以上が集まって抗議デモが行われた。AFP通信が報じた。
 「サンクトペテルブルクのコサック」と自称する正体不明の集団が犯行声明を出しており、警察は宗教的動機に基づいた破壊行為とみて捜査している。
 「サンクトペテルブルクのコサック」は、公開書簡でレリーフについて「あからさまな悪魔崇拝」を奨励しており、教会の教義に反するため容認できないと主張している。ただ、市内に昔からある複数のコサック組織は、この集団を知らないと述べている。


◎文鮮明氏死去3年で金正恩第1書記が遺族に弔電

 【CJC=東京】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は8月30日、世界基督教統一神霊協会(統一教会)の創始者、文鮮明(ムン・ソンミョン)氏の死去から9月3日で3年となるのを前に、遺族に弔電を送った。朝鮮中央通信が伝えた。
 韓国の聯合ニュースも、統一教会側が伝えたとして、遺族に弔電を送ったことを報じている。
 弔電で金第1書記は「文先生は民族の和解と団結、国の統一と世界平和のために多くの努力を傾けた」と述べた。金第1書記は文氏が2012年に死去した際にも弔電を送っている。
 文氏は1991年に訪朝し、金日成(キム・イルソン)主席と会談している。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(8月30日)=https://www.cwjpn.com
★教皇フランシスコ=仕事と家庭の時間 両立を=生産性とは何? 誰のため?
★香港の枢機卿=中国当局を非難=続く十字架撤去に抗議
★日本カトリック医師会=最後の医療支援(メディカルミッション)=フィリピンで30年以上奉仕
★"戦争法案"に反対=全国の宗教者 東京で集会・デモ
★「積極的平和」主義=本来の意味を説く=「平和学」の父 東京で対談

 =キリスト新聞(8月29日・休刊)=https://www.kirishin.com

 =クリスチャン新聞(8月30日)=https://クリスチャン新聞.com
★戦後70年 各地で8・15集会=政府の出方 見張って=同盟基督「8・15平和祈祷会」で石浜ミカル氏
★千鳥ヶ淵8・15平和祈祷会=戦争の聖句どう読む?
★日キ教会・靖国神社問題講演会で島田善次氏=沖縄が見せる日本の軍事化
★名古屋8・15平和集会で池住義憲氏講演=「不服従の権利」行使を
★平和遺族会全国連絡会で木村草太氏講演=「存立危機」不明は違憲=西川重則氏「安保法廃案で根拠ある首相談話に」

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