世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1300信(2015.12.21)

  • 結婚無効裁判の新規則の遂行・遵守に関する教皇教書
  • 教皇が2月にメキシコ訪問、「麻薬・貧困」視察
  • マザー・テレサを聖人に=教皇が列聖に必要な奇跡承認
  • 北朝鮮が韓国系カナダ人牧師に終身刑
  • クリスマス控え、仏内相が警備強化呼び掛け
  • イスラエル軍がキリスト生誕を祝うパレスチナ人の会場襲撃
  • 米で「ゾンビのキリスト」クリスマス飾りが物議
  • 独ベルリンの教会で「スター・ウォーズ」公開記念礼拝
  • ≪メディア展望≫

◎結婚無効裁判の新規則の遂行・遵守に関する教皇教書

 【CJC=東京】教皇フランシスコは、結婚無効裁判の新しい規則の遂行・遵守についての教書に12月7日署名した。
 バチカン放送(日本語電子版)によると、教皇は2015年9月、結婚無効裁判の効率化を促す二つの自発教令、『ミティス・ユデックス・ドミヌス・イエズス』および『ミティス・エト・ミゼリコルス・イエズス』を8月15日付けで発布した。この2教令は、「いつくしみの聖年」が開幕した12月8日から施行が開始された。
 これより先の12月7日、教皇が署名した「結婚無効裁判の新しい規則の遂行・遵守についての教書」では、上記自発教令の施行に伴い、新しい裁判プロセス対応のため、改革の具体的内容に相反する既存規則の廃止を確認すると共に、ローマ控訴院における結婚無効裁判上の諸規則の改正を記している。
 教書は、新しく施行される規則によって、教会が傷ついた家族への寄添いの精神を表し、配偶関係上の破綻に苦しむ人々が教会の組織を通してキリストの癒しの業に与ることができるよう要望している。


◎教皇が2月にメキシコ訪問、「麻薬・貧困」視察

 【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)は12月12日、教皇フランシスコが来年2月12〜18日の日程でメキシコを訪問すると発表した。
 麻薬犯罪や貧困対策が課題の問題とされている北部チワワ州など米国との国境地域を訪れる予定。移民問題や麻薬撲滅への取り組みを重要視する教皇の姿勢を示すものとなろう。
 アルゼンチン出身でもあることから、教皇はカトリック信徒が多い中南米で人気が高い。2013年の教皇就任後、初の外遊先となったブラジルを皮切りに、15年にはエクアドルとボリビア、パラグアイ、キューバを訪問している。


◎マザー・テレサを聖人に=教皇が列聖に必要な奇跡承認

 【CJC=東京】教皇フランシスコは12月17日、マザー・テレサ列聖承認文書に署名した。同日午後、教皇はバチカン(ローマ教皇庁)列聖列福省長官、アンジェロ・アマート枢機卿への会見で、福者マザー・テレサの取り次ぎによる奇跡を承認した。
 バチカン放送(日本語電子版)によると、福者を列聖するためは奇跡が必要。今回の奇跡は2008年ブラジルで実現したもので、非常に重い脳の病気にかかっていた男性が瞬時に完全に回復したこと。


◎北朝鮮が韓国系カナダ人牧師に終身刑

 【CJC=東京】北朝鮮で拘束されていた韓国系カナダ人のイム・ヒョンス牧師(60)に12月16日、終身刑が言い渡された。朝鮮中央通信が報じた。体制転覆をはかった罪などに問われた。
 朝鮮中央通信はイム牧師について、「反北朝鮮の宗教活動を行い、海外の韓国・北朝鮮人の間でデマを広め、『脱北者支援』プログラムにおいて北朝鮮の市民をおびき寄せて拉致する米国(と韓国)の保守系団体の活動に積極的にかかわった」と伝えている。同牧師は「自らが犯したあらゆる凶悪犯罪について自供した」という。
 同牧師は、1986年に韓国からカナダへ移住。トロントの教会で牧師を務め、北朝鮮には100回以上渡航していた。2015年1月30日に中国経由で北朝鮮入りし、2月に拘束された。人道支援プロジェクトへの参加が目的だったという。


◎クリスマス控え、仏内相が警備強化呼び掛け

 【CJC=東京】フランスのベルナール・カズヌーブ内相は、11月13日のパリ同時テロ事件を受け、クリスマスの教会周辺警備を強化するよう勧告した。
 AFP通信が警察筋によるとして12月18日、明らかにしたところでは、カズヌーブ内相は警察や各自治体当局への通達で、教会区の治安対策を強化するよう要請した。
 教会は襲撃される可能性のある標的として「象徴的な格好の存在」だと同内相は指摘、教会の入り口の数を制限し、「放置された小包やかばんには特に注意するよう」呼び掛け、不審な行為があった時は警察に通報しなくてはならないと強調している。
 フランスのキリスト教会は、カトリック系が4万5000カ所、主流プロテスタント系が4000教会、福音派系が2600教会あるという。


◎イスラエル軍がキリスト生誕を祝うパレスチナ人の会場襲撃

 【CJC=東京】ラジオ・イラン(日本語電子版)によると、イスラエル軍が12月18日、ヨルダン川西岸南部の町ベツレヘムで、キリストの生誕を祝うパレスチナ人キリスト者の会場を襲撃、銃弾や催涙ガスを発射した。
 この襲撃で、パレスチナ人キリスト者6人が負傷、100人が催涙ガスの影響で呼吸困難になった。


◎米で「ゾンビのキリスト」クリスマス飾りが物議

 【CJC=東京】米国ではクリスマスが近づくと、民家の庭などでキリスト生誕シーンを再現した飾りを見かける。オハイオ州シンシナティ郊外の住宅地にこのほど、登場人物をゾンビでそろえた飾りが出現して物議を醸した、とCNNテレビが報じている。
 話題の主、ジェイセン・ディクソン氏が自宅の前庭に建てた馬小屋の生誕シーンには、ゾンビ姿のキリストや聖母マリア、父ヨセフが配置されている。同氏は10月末のハロウィーンに近くで開催している出し物の人形などを使い回そうと思い立った。
 ディクソン氏はフェイスブックで生誕シーンを「素晴らしい芸術作品」と紹介し、自分たちが不信心な家族というわけではないと主張している。
 しかしこの飾りには「神がまゆをひそめている」と書いた文書が届くなど、批判的な声が集中。さらに12月2日には町当局から、「建築規制に反するのでただちに撤去するように」との通知を受けた。
 行政当局はCNNの取材に対し、「飾りの内容は無関係。高さが4・5メートルもあり、前庭の建造物は高さ1・5メートルまでにとどめるという町の規則に違反しているからだ」と説明した。撤去または改修に応じない場合、500ドル(約6万円)の罰金を科される。
 ディクソン氏は、罰金に備えてネット上で資金集めを始めたが、その後、規則に違反していた屋根部分を撤去した。当局の罰金命令は撤回されたという。


◎独ベルリンの教会で「スター・ウォーズ」公開記念礼拝

 【CJC=東京】ドイツ・ベルリンの教会で12月20日、SF映画「スター・ウォーズ」シリーズ公開記念礼拝が行われた。牧師がライトセーバーを手に、キリスト教と「スター・ウォーズ」の共通点を挙げながら、コスプレ姿の信者を前に説教した。
 会場となったミッテ区のシオン教会の礼拝には、約500人が参列した。「スター・ウォーズ」シリーズ最新作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(仮訳)のワールドプレミアに惹かれたと見られる。
 子どもたちは映画の中で使用される架空の武器「ライトセーバー」のおもちゃを持って参列した。
 レンガ造りの会堂では、オルガン奏者が映画のテーマ曲を演奏。牧師補の1人が映画のセリフを読み上げて礼拝が始まった。祭壇の横に設置されたスクリーンには、ルーク・スカイウォーカーがダース・ベイダーと対決し、暗黒面には落ちないと皇帝に宣言する場面が映し出されたという。
 スカイウォーカーの行動は暴力の回避が重要であることを示している、と説教では語られ、これは善をもって悪に打ち勝つよう説く新約聖書のなかのメッセージでもあると指摘された。
 この礼拝を「罪深い」と批判する投稿もソーシャルメディアにあったが、牧師は「現代の課題に向き合わなければ信仰を貫くことはできない」と述べたという。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(12月20日)=https://www.cwjpn.com
★特別聖年始まる=教皇「裁きよりもいつくしみを」
★福岡「教区の日」=取り組みの実りに感謝=大名町教会
★超教派で記念礼拝=世界エイズデー=東京
★わすれない=復興支援の現場から=岩手・釜石="共感された者"として
★茨城県の日立教会に事務局を置く=「船員さんに帽子を送る会」=海上での孤独で厳しい仕事に=カードを添えた暖かい贈り物

 =キリスト新聞(12月25日)=https://www.kirishin.com
★戦後70年企画=連続インタビュ 2015年12月25日
★法学者とSEALDs学生が議論=平和憲法と安保法テーマに国際基督教大シンポ
★HIV陽性者・エイズ患者憶え=東京で世界エイズ・デー記念礼拝
★バプ連、戦後70年の信仰的声明
★COP21に教皇も強く期待

 =クリスチャン新聞(12月20・27日)=https://クリスチャン新聞.com
★秘密保護法完全施行の日=牧師の会がスタディ・セッション=現憲法は一字一句変わっていない
★栃木・県北牧師会創立30周年記念集会=もてなしの心で継続・発展
★東海聖書神学塾30周年=「常にフロンティア精神を」
★クリスチャンの母親=平和を願い缶バッジ制作=卵キャラに「たいせつな命 戦争しない」
★現地ルポ=行き場所のない放射性汚染廃棄物 住民不安=首都圏にも広がる放射能汚染

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