世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1315信(2016.04.04)

  • パキスタン・キリスト者が政府に過激派対策要請
  • パキスタン政府に教皇が「キリスト者保護を」
  • パレスチナ自治政府がキリスト教聖職者逮捕
  • ロンドンで発見された4世紀窯元の破片に「キリスト」を示す文字
  • 米で60代父親がゲイ告白した20代息子を射殺
  • 北米で『ゴッズ・ノット・デッド 2』が興業成績4位に初登場
  • ≪メディア展望≫

◎パキスタン・キリスト者が政府に過激派対策要請

 【CJC=東京】英国パキスタン・キリスト教協議会(BPCA)が、世界中の政府が少数派宗教保護の開始を要請する行動を進めている。宗教専門サイト『レリジョン・トゥデー』が報じた。

 要請は、イースター(復活祭)の3月27日夜、パキスタン東部ラホールの公園で爆発があり、70人以上が死亡、多数が負傷したことを受けたもの。爆発による負傷者も300人以上。被害者の多くは女性や子ども。

 「大虐殺は、イースターを祝うことに楽しみにしている子どもたちを意図的に狙ったもので、衝撃は世界中に広がった」とBPCAのウィルソン・チョウドリ会長が要請書で指摘している。

 「イエスの墓からの復活は、この呼び掛けの焦点であり、熱い信仰に立つ反省となろう。私たちは、抑圧者に対する人類の一致を求めるさまざまな宗教的背景を持つ発言者となるだろう」と同会長。

 パキスタンのタリバンから分裂した過激派組織『ジャマート・ウル・アフラル』は、「イースターを祝っていたキリスト者たちを攻撃した」と地元紙に明らかにしている。

 BPCAは、テロの被害者と家族を支援するための献金ページをインターネット上に開設した。

 「献金は、被害者の医療品確保、医療費支払い、埋葬費支払い、長期リハビリ支援、心的外傷カウンセリングなどに充てられる」と言う。

 パキスタンのキリスト者迫害を認知するようインド、英、米など各国への請願も始められた。

 「パキスタン政府に国内の過激派を取り締まるよう呼び掛ける。今回の爆破攻撃に関わった人は逮捕され、罰されなければならない。被害家族は、損なわれた生活の再建のため、補償されなければならない」と要請書は指摘している。


◎パキスタン政府に教皇が「キリスト者保護を」

 【CJC=東京】教皇フランシスコは3月28日、パキスタン政府に対し、同国の宗教少数派キリスト者を保護するよう求めた。

 パキスタン東部ラホールで復活祭を祝うキリスト教徒ら多数が死傷した27日の自爆テロを受けた要請。イスラム武装勢力『パキスタンのタリバン運動』(TTP)の分派組織『ジャマート・ウル・アハラル』が声明を発表し、「キリスト者を標的とした」と犯行を認めている。

 教皇は「忌まわしい攻撃で復活祭が血塗られた」「卑劣かつ無分別な犯罪」と非難。パキスタン当局に「国民、なかでも、最も弱い宗教少数派に安全と平静を取り戻すべく最善を尽くすように」と求めた。


◎パレスチナ自治政府がキリスト教聖職者逮捕

 【CJC=東京】パレスチナ自治政府公安当局がシリア正教会のスウェリオス・マルキ・ムラド大主教を逮捕していたことが明らかになった。同氏は1996年以来、『聖地とヨルダンの名義主教』という名称を保持している、同派の有力な存在。

 聖地には各教派の13教会があり、シリア正教会はその一つ。信徒は聖地だけでなく、トルコ、レバノン、シリア、イラク、インドにも存在する。聖地ではエルサレムとベツレヘムに信徒約5000人が居住する。

 ベツレヘム検察庁のラセム・バダウィ長官は、大主教の逮捕は、 シリア人共同体のある女性からの苦情を受けてのこと、と述べている。苦情の中身については明らかにしなかったが、尋問を受けたものの拘留決定はされていないと言う。

 大主教は、ベツレヘムの会議場で開催されているシリア遺産展示からの帰途、車列を停止させられ、警察署に連行された。


◎ロンドンで発見された4世紀窯元の破片に「キリスト」を示す文字

 【CJC=東京】英紙『ガーディアン』によると、1970年代にロンドン西部ブレントフォード・ハイ・ストリート付近で発見された窯元の破片に、「キリスト」を示すギリシャ語の最初の2文字があることが判明、3月下旬からロンドン博物館に展示されている。

 この破片が発見された現場は、ローマ時代のロンドンのテムズ川の近くにあり、4世紀にはキリスト者の共同体が存在していたことを示すものとして注目される。

 考古学コレクションの専門家アダム・コルシーニ氏はガーディアン紙に、この発見が貴重なものなのは確かで、「ローマ時代のロンドンとその後背地でキリスト教が実践されたと一つの破片から断定は出来ないが、少なくとも4世紀には、キリスト者がローマ時代のブレントフォードに存在したことを示している」と言う。


◎米で60代父親がゲイ告白した20代息子を射殺

 【CJC=東京】同性愛であることをカミングアウトする者が急増している米国でも、決してそれを受け入れようとしない家族も多い。ネットメディア『テクインサイト』がその典型例としてロサンゼルスの敬虔なキリスト者家庭を、『ロサンゼルス・タイムズ』ほかの報道として伝えている。

 息子が同性愛者であることを常に恥じていたというキリスト者の両親。2月下旬、ロサンゼルス市北西部の自宅で息子と母親が遺体となって発見され、父親は殺人の疑いで逮捕された。

 警察は、散弾銃で撃たれ裏庭で死亡している29歳のアミール・イッサ氏(29)、および母親(名前などは明らかにされず)の遺体を浴室で発見し、現場にいた父親のシェハダ・イッサ(69)から事情を聴いた。

 取り調べに対し、シェハダは「浴室の妻が死亡していることに気付き、強盗が押し入ったと思って銃で身構えた。すると目の前にナイフを持ったアミールが現れて撃たざるを得なかった」と正当防衛を主張した。

 しかし現場からナイフが発見されないこと、父親が「息子は我が家の恥さらし。殺してやりたい」と口走っていたことが隣人からの情報で判明し、アミールさん殺害容疑での起訴が決まった。検察当局は引き続き母親が死亡した経緯について調べを進めている。


◎北米で『ゴッズ・ノット・デッド 2』が興業成績4位に初登場

 【CJC=東京】4月1日〜3日の『全米週末興業成績』が発表された。スーパーマンとバットマンが世紀の対決を繰り広げる実写版映画『バットマンvsスーパーマン―正義の誕生』が2週連続トップ。累計興行収入は2億6145万7793ドルで、3億ドル達成も間近。

 2位も前週同様『ズートピア』。続く『マイ・ビッグ・ファット・グリーク・ウエディング』も2週連続で3位にランクイン。

 2014年公開の『神は死んだのか』の続編となる『ゴッズ・ノット・デッド 2』が4位に初登場した。前作同様、キリスト教信仰をテーマにした映画。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(4月3日)=https://www.cwjpn.com
★教皇=復活祭は希望の祭日=「苦しむ人に支援の手を」
★こうのとりのゆりかごIN関西=大阪市で発足記念大会=赤ちゃんの緊急保護のために
★教皇=難民らの足を洗う=「違いあっても皆神の子ども」
★名誉教皇ベネディクト16世=健康状態 懸念ない
★ネットワークミーティング in 四国=全国の青年を"お接待"=「お遍路」にちなみ企画=愛媛・松山市

 

 =キリスト新聞(4月2日)=https://www.kirishin.com
★「愛のうちに共に育つ」教育を=神奈川・湘南地区カトリック学校が教会で魅力紹介=宣教をけん引してきた力は失われていない
★知里幸恵演じる女優・舞香さん=「笹塚ファクトリー」最終公演から新たな一歩
★「新約聖書の読み方」でシンポ=日本語注解書の執筆陣が意見交換
★翻訳は「文化の違い超え意味を伝達」=聖書事業懇談会・横浜(日本聖書協会)
★教皇訪日の実現「適切な機会に」=教皇庁外務局長が岸田外相に

 

 =クリスチャン新聞(4月3日)=https://クリスチャン新聞.com
★モンゴル語原典翻訳が本格始動=聖書翻訳事業代表のバヤルジャルガル氏が来日講演
★「この町に癒しを、リバイバルを」=毎週土曜日朝に「石巻ゲッセマネ祈り会」
★ルーテル学院・江藤直純氏「宗教改革とエキュメニズム」講演=聖書原点に福音を分かち合う=NCC教育委「神学校新卒者エキュメニズム研修会」で
★原発差し止め、被ばく訴訟の井戸謙一弁護士が講演=福島の声なき家族のために
★「〝区切り〟ではなく、これまでのようにこれからも」=いわて教会ネット=第5回3・11集会

 
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