世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1316信(2016.04.11)

  • 米大統領選候補のサンダース氏がバチカンへ?
  • バチカンはサンダース氏を国際会議に招待したか
  • 同性愛の仏外交官は駐バチカン大使に着任ならず
  • 教皇がギリシャで難民と面会へ
  • 離婚信者に寛容姿勢を示す教皇、同性婚は認めず
  • 視力失う難病の女児が教皇に接見
  • 2015年は50の新しい聖書翻訳を完成
  • ネパールが国の祝日からクリスマス除外
  • パレスチナ自治区建設現場から古代遺跡
  • ローマで4世紀壁画から青銅硬貨
  • ≪メディア展望≫

◎米大統領選候補のサンダース氏がバチカンへ?

 【CJC=東京】米大統領選の民主党候補指名を争うサンダース上院議員は4月8日、バチカン(ローマ教皇庁)で15日に開かれる社会、経済問題に関する会議に出席する考えを明らかにした。米メディアによると、演説を予定しているが、教皇フランシスコと会談するかどうかは不明。

 サンダース氏はユダヤ系。選挙戦から一時離脱することになるが、カトリック教徒の有権者からの支持拡大につながるとの見方もある。


◎バチカンはサンダース氏を国際会議に招待したか

 【CJC=東京】米大統領選の民主党指名争いに出馬しているバーニー・サンダース上院議員(74)が「バチカンからの招待」で社会と経済問題に関する国際会議に出席すると4月8日発表したのに対し、主催者である教皇庁社会科学アカデミーのマーガレット・アーチャー会長が「とてつもない非礼」と非難する異例の事態となった。

 アーチャー会長は、会議出席をサンダース氏側から働きかけてきた、と招待を否定している。

 しかし、アカデミー書記のマルセロ・サンチェス=ソロンド司教が3月30日付けの書簡で正式にサンダース氏の出席を招待している。「南米エクアドルとボリビアの大統領が参加するので、北米からも権威ある発言者が欲しかった」と言う。


◎同性愛の仏外交官は駐バチカン大使に着任ならず

 【CJC=東京】フランス政府は4月6日、同性愛者である外交官のロラン・ステファニニ氏を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の代表部大使に任命した。

 ステファニニは2015年1月に駐バチカン(ローマ教皇庁)大使に任命さていたが、バチカン側が難色を示したため着任できない状況が続いていた。仏政府側が断念したと見られる。

 ステファニニ氏は敬虔(けいけん)なカトリック信徒。自身が同性愛者だと公表していた。


◎教皇がギリシャで難民と面会へ

 【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)は4月7日、教皇フランシスコが16日にギリシャのレスボス島を訪れ、中東などから西欧や北欧行きを望む難民らと面会すると発表した。

 レスボス島では欧州連合(EU)とトルコの合意に基づき、難民のトルコへの送還が始まっている。教皇は訪問により、難民保護の重要性を国際社会に訴えたい考え。

 バチカン報道事務所長のフェデリコ・ロンバルディ神父は、今回の訪問がコンスタンチノープルのエキュメニカル総主教バルトロメオス1世とギリシャのプロコピス・パヴロプロス大統領の招請に応えたもの、と語った。


◎離婚信者に寛容姿勢を示す教皇、同性婚は認めず

 【CJC=東京】教皇フランシスコは4月8日、家族の在り方に関するカトリック教会の指針をまとめた文書を発表し、離婚や再婚をした信者に対する寛容な姿勢が必要だとの立場を示した。同性婚を容認しない従来の方針は維持した。

 欧州メディアによる、として時事通信が報じるところでは、文書は、カトリックが認めていない離婚や再婚を経験した信者がキリスト教徒の一員だと感じられるようにすることが重要と指摘、個々の信者のケースを見て対応を判断するよう教会に求めたが、これまで禁じてきた離婚・再婚者への「聖体拝領」の儀式を行う是非には、明確には踏み込まなかった。


◎視力失う難病の女児が教皇に接見

 【CJC=東京】AFP=時事通信によると、目が見えなくなってしまう前に教皇に会いたい──。遺伝性のまれな疾患で視力が失われつつある米国の女児が4月6日、バチカンで教皇フランシスコ教皇との対面を果たし、願いがかなった。

 女児は米オハイオ州ベルビル在住で、「リジー」が愛称のエリザベス・マイヤーズちゃん(5)。視力と聴力が徐々に失われていくアッシャー症候群2型という難病を患っている。

 リジーちゃんはこの日、バチカンのサンピエトロ広場を両親、妹と共に訪れ、教皇の水曜定例の一般接見で教皇と感動の対面を果たした。リジーちゃんが教皇に話しかけると、教皇はリジーちゃんの頬をなでてロザリオを手渡した。


◎2015年は50の新しい聖書翻訳を完成

 【CJC=東京】聖書協会世界連盟(UBS=本部・英スウィンドン)が発表した『全世界の聖書利用報告2015』によると、同年中に聖書訳出が完成した言語は50に達し、それらの言語を使っているのは1億6000万人と推定されている。

 2015年、28言語共同体の約3300万人が自分の使う言語に訳出された「聖書」を、いずれの形であれ、初めて読めるようになった。内訳は11言語共同体が「初めて」聖書全巻を、6言語共同体が「初めて」新約聖書全体を、11言語共同体が部分訳(分冊)であっても「初めて」ということになる。

 同報告によると、現在73億人が使っている6887言語の中で、563言語(51億人使用)で聖書全巻を読むことが可能。1334言語(6億5800万人使用)で新約聖書を読める。その他の1038言語を使う2億8100万人は部分訳(分冊聖書)しか利用出来ず、さらに残り3952言語の4億9700万人は、自分の言語で聖書を読むことは出来ない。


◎ネパールが国の祝日からクリスマス除外

 【CJC=東京】人口の8割がヒンドゥー教徒のネパールで、政府が国の祝祭日から宗教関係の減少に着手。その一環として、クリスマスの除外を決めたことで、キリスト者側が反発している。

 シャクティ・バスネット自治相は、今回の決定がキリスト者を傷付けるものではなく、増えつつある祝祭日に歯止めを掛けるのが狙いだ、と『アジア・ニュース』に語った。ただキリスト者が政府に撤回を働き掛ける余地はあるとしている。

 『キリスト教全国連合』のCB・ガハトラジ総幹事は「クリスマスが国の祝祭日で無くなれば、民間でクリスマスを祝うのが難しくなる。ヒンズー教徒などのためには83の祭典を認めているのに、キリスト者のためには一つもないことになる」と反発している。

 ネパールでは民主化運動の高まりにつれ、2006年に国王が直接統治を断念、議会はヒンドゥー教の国教を廃止する政教分離を決定した。その一環としてクリスマスが08年から国の祝祭日となった。

 2011年の国勢調査ではカトリック、プロテスタント合わせて人口の1・5%を占めている。2006年には0・5%。経済、教育面での活動が注目されている。


◎パレスチナ自治区建設現場から古代遺跡

 【CJC=東京】AFP通信によると、パレスチナ自治区ガザの建設現場でこのほど発掘された古代の教会遺跡をめぐり、考古学者たちが保存を訴える中、遺跡の扱いについて関係省庁間で対立が起きている。建設現場には、少なくとも7世紀までさかのぼる教会または大聖堂があったと推定されている。

 ガザの観光・遺跡庁や著名な考古学者たちは、遺跡が保護保全されるまで建設工事の中止を求めている。一方、建設用地を所有する宗教庁は商業開発の続行の姿勢で、4月5日、抗議活動にも関わらずブルドーザーを使い工事を断行する場面があった。

 ガザのイスラム大学で考古学を専攻する研究員のムハンマド・アルザラド氏は「守らなければならないとても重要な場所」と話している。


◎ローマで4世紀壁画から青銅硬貨

 【CJC=東京】ローマから毎日新聞が報じるところでは、古代ローマ遺跡コロッセオ近くの初期キリスト教時代の礼拝室跡から4世紀の壁画が発見され、描かれた人物像の左目からローマ帝国の青銅硬貨が出土した。

 発掘に当たった日伊共同チームの山田順・西南学院大准教授は「ローマが多神教社会からキリスト教一神教社会に変容する過程を解明する上で貴重な資料だ」と話している。

 山田氏は「(キリスト教以前の)古代末期の地中海世界では、冥界に渡る船賃として硬貨を死者の目の上に置いて埋葬する習慣はあったが、居住空間にある壁画の人物像の目の位置に埋め込まれていた例は報告されていない」と指摘する。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(4月10日)=https://www.cwjpn.com
★復活祭に爆破テロ=教皇、パキスタン政府に少数派の安全確保求める
★聖年記念の施設を=教皇「福祉弱い地域に」と訴え
★韓国の「カトリック新聞」デジタル化、外国語でも
★東京・文京区=切支丹屋敷跡地の人骨=禁教下、最後の宣教者=調査結果「シドッティ神父の可能性高い」
★アニメで教育精神紹介=上智大学が新入生向け制作

 

 =キリスト新聞(4月9日)=https://www.kirishin.com
★「教会と地域福祉」第5回シンポ=若者の居場所はあるか=碓井真史氏〝使命知らせるのが教会〟
★芦屋市で市民向け「イースター」=10教会が超教派でバリア低める試み
★福音伝道へ異なる伝統学ぶ必要=各派神学校新卒者が教派超え研修会
★「環境的回心」呼び掛ける回勅「ラウダート・シ」めぐり基督教学会シンポ
★テロ犠牲者のため教皇が祈り=WCCもテロ攻撃を厳しく非難

 

 =クリスチャン新聞(4月10日)=https://クリスチャン新聞.com
★OCC宣教セミナーでKGK大嶋主事夫妻講演=信仰継承は日本宣教の課題
★東松島アメイジング・グレイスセンター献堂=地域の希望の灯台に
★我らの市民権は"天"に=第16回国家晩餐祈祷会=TCU・小林高徳氏が講演
★「続いている」を忘れない=被災教会の貸付返済支援コンサート継続=日基教団東日本大震災救援対策本部
★安保関連法が施行=「牧師の会」が抗議と撤廃の声明


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