世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1319信(2016.05.02)

  • ユリウス暦守る正教会が復活祭
  • 中国正教会で60年ぶり叙任の聖職者が復活祭祝う
  • 中国・吉林省で韓国人牧師が遺体で発見
  • 韓国政府が中朝国境地帯での取材活動に注意
  • 「家庭シノドス」後の教皇の使徒的勧告「愛の喜び」
  • 使徒的勧告『愛の喜び』は分裂の危険と独神学者
  • ニューヨークの歴史的教会で火事
  • 教皇の呼びかけで独教区が戦争犠牲者へ50万ユーロ募金
  • ACミランの本田がイタリア杯決勝前日に教皇接見へ
  • ≪メディア展望≫

◎ユリウス暦守る正教会が復活祭

 【CJC=東京】東方正教会のなかで祝祭日をユリウス暦で算出する正教会は、4月31日夜から5日1日にかけて復活祭を祝った。

 ロシア正教会のモスクワおよび全ロシア総主教キリル1世も30日、同教会の公式サイトに掲載した。

 東方正教会のコンスタンティノーポリスのエキュメニカル総主教バルトロメオス1世は4月27日、総主教庁の公式サイトに、復活祭に向けた総主教メッセージを掲載した。


◎中国正教会で60年ぶり叙任の聖職者が復活祭祝う

 【CJC=東京】AFP通信によると、中国東北部・黒竜江省のハルビンで5月1日、60年ぶりに同国本土で正式に叙任された中国正教会の聖職者がイースターの式典を執り行った。

 ハルビン聖母守護教堂のアレクサンドル・遇石・輔祭は、地元の信者たちに囲まれ、教会スラブ語と北京語で祈りをささげ、「喜ばしい日だ。主の復活を祝おう」「ハルビンの東方正教会にとっても復活の日だ」と語った。

 ハルビンには正教会信者のコミュニティーが小規模ながら存在する。高齢化著しい信者たちの多くは、ハルビンが国際都市として栄えた100年前に国際結婚した中国人とロシア人の子孫。

 遇輔祭は元銀行支店長。祖父母は仏教徒。1990年代にモスクワにビジネス留学した際に改宗した。その後サンクトペテルブルクの神学校で学んだが、無神論を公然と掲げる中国共産党の援助により正教会神学校に入学した中国人は、遇輔祭が初めて。

 中国正教会は1980年代に式典を再開したが、叙任聖職者は不在のままで、2000年に高齢の司祭が死去して以降は式典を執行する聖職者が不在の状態が続いていた。


◎中国・吉林省で韓国人牧師が遺体で発見

 【CJC=東京】韓国の聯合通信などによると、中国・吉林省の長白朝鮮族自治県にある長白教会のH牧師が近郊の山で4月30日午後8時ごろ、遺体で発見された。同牧師は、北朝鮮からの脱北者を支援しており、殺害された可能性が高いという。

 牧師は1993年から同自治県で脱北者を支援する活動を行ってきたとされている。

 現地の韓国公館関係者は「長い間、対北宣教活動を行ってきた牧師が遺体で見つかった。中国公安が調べているが、中国の連休が始まり事実関係の確認が難しい状況」と話した。


◎韓国政府が中朝国境地帯での取材活動に注意

 【CJC=東京】韓国外交部は5月2日、中朝国境地帯で活動する韓国の報道関係者に北朝鮮による拉致やテロ行為の可能性が高まっているとし、あらためて注意を呼びかけた。同国の聯合通信が報じた。

 中国にある北朝鮮レストランの従業員が集団で脱北して韓国入りしたことや、中国が国連の対北制裁に加わったことなどを受け、北朝鮮が韓国国民を狙った拉致やテロ行為を起こす可能性が出てきた。

 外交部は3月末と4月半ばにも同様の注意を行っている。


◎「家庭シノドス」後の教皇の使徒的勧告「愛の喜び」

 【CJC=東京】一昨年と昨年の家庭をテーマにした世界代表司教会議(シノドス)の成果を受けて、教皇フランシスコは使徒的勧告『アモリス・レティティア』(仮訳:愛の喜び)を発表した。

 この使徒的勧告は、バチカン(ローマ教皇庁)で開催された「家庭」をめぐる二つのシノドス、2014年10月の第3回臨時総会「福音宣教の観点から見た家庭の司牧的課題」と、15年10月の第14回通常総会「教会と現代世界における家庭の召命と使命」の結論を基礎にしたもの。

 教皇はシノドス後のこの勧告を通し、家庭司牧に対する全教会への指針を示した。

 使徒的勧告『アモリス・レティティア』は、序章に続く、以下の9章から構成されている。

 1章 みことばの光に照らして
 2章 現実と家庭の挑戦
 3章 イエスに向かう眼差し:家庭の召命
 4章 結婚における愛
 5章 愛は豊かになる
 6章 いくつかの司牧的展望
 7章 子どもの教育の強化
 8章 弱さを見守り、判断し、補う
 9章 夫婦と家族の霊性 


◎使徒的勧告『愛の喜び』は分裂の危険と独神学者

 【CJC=東京】著名なドイツの著名な神学者ロベルト・シュペーマンが、教皇フランシスコの使徒的勧告『アモリス・レティティア』(仮訳:愛の喜び)を、前任教皇ベネディクト16世の教説とは対極的なもので、教会を分裂に導き兼ねない、と警告した。

 ベネディクト16世に近いとされる同神学者が、米国『カトリック通信』とのインタビューで語った。


◎ニューヨークの歴史的教会で火事

 【CJC=東京】ニューヨーク中心部のセルビア正教会聖サヴァ大聖堂が5月1日夕、火事に見舞われた。信徒たちがイースターを祝い、帰宅した後のこと。死傷者はなかった。

 マンハッタン島の西25番街とブロードウェイの交差点の近くにある同大聖堂で発火したのは午後7時直前。消防士170人以上が現場に急行したが、炎と煙が聖堂から吹き出すすさまじさ。

 聖サヴァ大聖堂は1855年、米聖公会聖十字会堂として開設された。


◎教皇の呼びかけで独教区が戦争犠牲者へ50万ユーロ募金

 【CJC=東京】ドイツのカトリック教区が3週間でウクライナ人道支援用に50万ユーロを募金した。ロシアのスプートニク通信が報じた。

 教皇フランシスコは4月24日、ウクライナ東部紛争の被災者のため、欧州のすべての教区に、人道支援のための献金を求めた。

 「私たちの時代は他にもたくさんの危機があるので、ウクライナでどれほどの惨苦が続いているかを忘れがちだ。フランシスコ教皇は、この事実にヨーロッパのすべての国が注目をむけるよう呼びかけた。ドイツの司教とカトリック教徒たちは進んで戦災者を助けるために貢献をした」とある枢機卿は述べている。


◎ACミランの本田がイタリア杯決勝前日に教皇接見へ

 【CJC=東京】イタリア紙ガゼッタ・デロ・スポルト4月29日付けによると、ACミランの日本代表FW本田圭佑(29)が初めて、ローマ教皇と接見する運びとなった。日刊スポーツが報じた。

 5月21日のユベントスとのイタリア杯決勝前日に開催地ローマで、教皇フランシスコに両クラブで接見するという。

 中田はローマ時代、クラブの一員としてなど、当時の教皇と何度か対面している。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(5月1日)=https://www.cwjpn.com
★福岡教区=熊本地震被災者のため「支援室」立ち上げ
★不眠不休の支援続く=熊本YMCA、避難所2カ所を担当
★全壊の聖堂 再建=須賀川教会で献堂式=福島
★世界広報の日教皇メッセージ=コミュニケーションといつくしみ
★安田久雄大司教 逝去

 

 =キリスト新聞(4月30日・休刊)=https://www.kirishin.com

 

 =クリスチャン新聞(5月1日)=https://クリスチャン新聞.com
★熊本・大分連続地震=疲労と不安にじむ
★「隠された宝」見つけられるのは私たちだけ=イエスを知ることは大きな宝=J+Passion Tokyo 2016
★「CS教師セミナー2016」に200人=教会の将来展望し種をまく=子どもとユースの居場所作りも
★インドネシア保守派イスラム教徒=キリスト教会閉鎖強制
★エクアドル地震=死者500人以上=相次ぐ余震の不安の中で=サマリタンズ・パース、ワールド・ビジョン緊急支援、教会協力へ

 
≪デスク手帖≫

 カトリック新聞5月1日付けは1面で、福岡教区が熊本地震被災者のため「支援室」を立ち上げたことをトップにしている。現地9教会の被害状況と支援への呼び掛けも掲載。
 感心したのは、中4段で『不眠不休の支援続く熊本YMCA、避難所2カ所を担当』と見出しが立っていたこと。記事は、同YMCAと神学生時代から親交があった広島教区宇部教会主任の片柳弘史神父(イエズス会)が窮状を聞きつけ4月18、20日には支援物資を運び込んだと。

 
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