世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1330信(2016.07.18)

  • ロシアで『伝道規制法』成立、いかなる種類の伝道も禁止
  • バチカン広報事務所長交代、ロンバルディ神父から米人信徒ブルク氏へ
  • 教皇、アルバニアのプレンヌシ大司教らを列福へ
  • 教皇故ヨハネ・パウロ2世の暗殺未遂犯が司祭に?
  • 「ラマダン」を機に『ハギアソフィア』利用で議論
  • 英国国教会最古のロチェスター教区が財政難
  • ≪メディア展望≫

 

◎ロシアで『伝道規制法』成立、いかなる種類の伝道も禁止

 【CJC】ロシアのウラジミール・プーチン大統領が7月7日、教会の建物や敷地以外では、いかなる種類の伝道も禁じる『伝道規制法』に署名し、同法が正式に成立した。

 米宣教専門ANS通信によると、宣教団体『グレート・コミッション・メディア・ミニストリーズ』のハヌウ・ハウッカ会長は、「この新しい事態は1929年のソ連に似ている。信仰の表明は当時、残っていた教会の中だけで許されていた。言ってみれば昔と同じ状況に戻ってしまったのだ」と語った。

 『伝道規制法』は、次のように定めている。(1)信徒以外と神について議論することは宣教活動とみなされ処罰される。(2)宣教活動はその都度、政府の許可を必要とする。乗っている列車の中で許可証なしに信仰の証しをすれば拘束され罰金5万ルーブル(約10万5000円)を課される。(3)個人宅での宗教活動は許可されない。現状はロシアの7000教会は個人宅で会合している。(4)市民は、隣人の宗教活動を当局に通報する義務が課され、違反は処罰される。(5)個人が自宅で祈ったり、聖書を読むことは認められるが、非信者のいない時に限られる。(6)教会堂内で、神に立ち帰るよう人々に勧めることは許されない。礼拝は許されるが、非信者を「キリストの弟子」にすることは違法となる。(7)教会は資産を購入出来るが、そこを礼拝の場所としてはならない。(8)外国からのゲストは、ロシア当局から就労許可証を得ていない限り教会で語ることは許されない。(9)ロシア以外から来た友人や親類が個人宅で信仰の分かち合いをした時は、罰金を課され、国外追放処分。

 ハウッカ氏は「ロシアは扉を閉ざそうとしている。『伝道規制法』はロシア憲法にも、主なる神から教会に与えられた目的や使命とも全く相いれない」として、世界中のキリスト者たちに、ロシアの教会と共に祈ってほしいと呼び掛けている。


◎バチカン広報事務所長交代、ロンバルディ神父から米人信徒ブルク氏へ

 【CJC】教皇フランシスコは7月11日、バチカン広報事務所長、フェデリコ・ロンバルディ神父(イエズス会)の引退願いを受理、後任として現副所長グレッグ・ブルク氏を任命した。交代は8月1日付け。

 教皇はこれに伴い、新副所長にパロマ・ガルシア・オベヘロ氏を任命した。

 ブルク氏は1959年、米セントルイス生まれ。コロンビア大学卒。シカゴのUPI、ロイター通信などを経て、ローマで『ナショナル・カトリック・レジスター』『タイム』誌、『フォックス・ニュース』特派員などを務めた。2002年、教皇庁国務省総務局・広報顧問。15年12月、バチカン広報事務所副所長に就任した。保守的な修道組織(属人区)『オプス・デイ』会員。

 副所長となったオベヘロ氏は1975年、スペイン生まれ。98年よりラジオ局『カデナ・コペ』の編集・番組進行を務めた。2012年より『カデナ・コペ』などのテレビ局・ニュース社のイタリアとバチカン特派員として働いた。ニューヨーク大学留学経験もある。

 バチカン広報事務所長を10年間務めたロンバルディ神父は、1942年、イタリア生まれ。73年より『チヴィルタ・カットリカ』誌」の編集に携わり、77年、副編集長。84年から90年まで、イエズス会イタリア管区長。91年からバチカン放送局放送局長、放送総局長、06年7月からバチカン広報事務所長として活躍した。

 教皇は15年6月、バチカンの情報システム諸機関が一致して運営できるよう再編するため、『広報事務局』(ダリオ・ビガノ長官)を設置した。高齢の聖職者に代えて若手の信徒に「広報」を委ねた、今回の人事もその一環と見られる。


◎教皇、アルバニアのプレンヌシ大司教らを列福へ

 【CJC】教皇フランシスコは7月13日、アルバニア・ドゥラツオ教区のヴィンセンシオ・プレンヌシ大司教とその伴侶たち37人列福承認の手紙をアルバニアの司教たちに送った。

 列福調査の結果、共産主義政権の厳しい抑圧によるプレンヌシ大司教と37人の死を「信仰と祖国のための殉教の証し」として教皇は承認、アルバニア司教協議会会長マッサフラ大司教に、正式に列福の許可を下した。

 11月5日の列福式は、シュコドラ(スクタリ)の聖ステファノ司教座大聖堂広場で、教皇庁列聖省長官アンジェロ・アマート枢機卿が執行する。アルバニア出身のカルカッタのマザー・テレサの列聖式の2ヵ月後に新たな殉教者らの列福式が行われることに、マッサフラ大司教は「教会とアルバニア国家にとって歴史的な出来事となるだろう」と語っている。

 バチカン放送(日本語電子版)によると、共産主義政権は、アルバニアのカトリック教会をバチカンとの関係から引き離し、国家勢力の中に組み込もうとした。あくまでバチカンとのつながりを守ろうとしたプレンヌシ大司教と思いを同じくする37人に残虐な拷問を加え殺害した。これらの殉教者の中にはフラン・ジニ司教やイエズス会士、フランシスコ会士、教区司祭、ドイツ人宣教師、イタリア人宣教師やクロアチア人司祭なども含まれている。


◎教皇故ヨハネ・パウロ2世の暗殺未遂犯が司祭に?

 【CJC】米ボストン・グローブ紙が運営するウェブサイトによると、教皇故ヨハネ・パウロ2世の暗殺未遂犯メフメト・アリ・アジャ氏(58)が、カトリックの司祭になることを望んでいる。

 1981年にヨハネ・パウロ2世を銃撃し、重傷を負わせたアジャ氏は、大聖年の2000年に教皇の恩赦によって釈放されたが、現在は「トルコで時間を無駄にしている」という。

 ただアジャ氏はここ数年、暗殺を試みた動機も含め、一連の奇妙な発言をしており、今回発言もその信ぴょう性がどれほどのものか疑わしいと見られている。


◎「ラマダン」を機に『ハギアソフィア』利用で議論

 【CJC】イスラム教徒の断食月「ラマダン」は終わったばかりだが、トルコ宗務庁は「ラマダンの期間中はムアッジンの祈りとコーランの朗唱をイスタンブールの歴史的名所『ハギアソフィア』博物館で行うことを許可した。

 かつては東方キリスト教会の大聖堂でもあっただけに、ギリシャ側からの異議も出された。東方正教会のコンスタンティノポリ・エキュメニカル総主教バルトロメオス1世は「イスラム教最大の祭りを尊重する。彼らの信仰を尊重するが、彼らも私たちの信仰や祖先たちの礼拝場所も尊重して欲しい」と述べた。

 「ハギアソフィア(アヤソフィア)のような記念建造物に対する」尊重は相互的であるべきだと同総主教は言う。「ハギアソフィアは長年にわたってキリスト教会の建造物であり、私たち国民全体の歴史と自らの存在自体をも示してきた」

 ただそのような積極利用を懸念する声もある。トルコの歴史学者イルベル・オルタイリ氏は、日刊紙『ヒュッリイェト』に、礼拝者や観光客による呼吸でさえも、継続的な修復を必要とする古代の建築物に対する脅威と述べている。同氏はハギアソフィアの公開は限られた日数にするよう勧告している。「文化遺産の保護には、人類の文化的冒険という長い旅に対する尊重が必要」と言う。


◎英国国教会最古のロチェスター教区が財政難

 【CJC】初代カンタベリー大司教(カトリック)アウグスティヌスが604年に創設したとされる英国国教会ロチェスター教区が「ここ数年」、赤字が続いている。

 同教区のジェームズ・ラングスタッフ主教と教区財務委員長は、同教区の聖職者や小教区委員、小教区教会協議会に宛てた書簡の中で、「教区が直面している財政難」について説明している。

 同教区は信徒130万人、239教会。2015年の会計では、収支差が60万4000ポンド(約8430万円)赤字になった。「この赤字は、積立金の取り崩しでまかなってきたが、それもほとんどを既に使い果たしている」と主教。

 今年の予算として55万7000ポンド(約7780万円)の赤字が承認されているが、「この赤字を補填しきれない」として、聖職者の削減や、報酬削減などを図る一方、献金増額を主教は呼び掛けている。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(7月17日)=https://www.cwjpn.com
★教皇=苦しみに無関心な人のため祈りを=貧しい人に呼び掛ける
★教皇フランシスコ=「開かれた教会」推進=反対勢力気に掛けず
★日本カトリック難民移住移動者委員会=人身取引問題対処へ=ネットワークづくり始動=タリタ・クム=プロジェクトチーム日本準備会
★広まる誤りを指摘=学者ら「沖縄の基地」小冊子=沖縄国際大学教授・佐藤学さんに聞く
★日本の信者 横ばい=2015年「カトリック教会現勢」

 

 =キリスト新聞(7月16日)=https://www.kirishin.com
★日本キリスト教教育学会、明治学院大で大会=学生の「内なる声」を聴く=これまでのキリスト教教育を批判的・反省的に振り返る
★〝キリスト者は隣人として闘って〟=「らい予防法」廃止から20年、回復者が証言
★神学的視点から市場経済を考察=H・コックス教授がICUで講演
★「聖戦と十字軍」テーマにシンポ=京都ユダヤ思想学会で一神教研究者ら
★WCC中央委、DRCの復帰を決定=18年にはタンザニアで世界宣教会議

 

 =クリスチャン新聞(7月17日)=https://クリスチャン新聞.com
★「この国はどこへ行くのか」 =権力が「獣化」しても証言の力で立ち向かう=緊急連続セミナー=ヨハネ黙示録13章から岡山英雄氏講演
★バングラデシュ・ラルシュ=マイメンシン コミュニティで障がいのある人と共に生きる=岩本直美さん=小さな者が平和へ導く
★「バングラデシュの多くの人が、優しく、善良な人たちです」=〝日々、神の国を見せてもらった〟=JOCS派遣ワーカー岩本直美さんが報告
★ルワンダ「癒やしと和解」プロジェクト佐々木和之氏=〝敵〟と新しい関係紡ぐ
★ラブ・ソナタ日本宣教フォーラム ターゲット伝道(最終回)=40代男性に焦点 「非常口」で伝道集会

 
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