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世界キリスト教情報 第1342信(2016.10.10)

  • 2018年のシノドスは「若者」をテーマに
  • スポーツと信仰の世界会議開幕式に教皇出席
  • 教皇がカンタベリー大主教と夕べの祈り
  • ポーランドの中絶禁止法案が反対多数で否決
  • 麻薬取引を公然非難したアルゼンチンの司祭殺害
  • 次期国連事務総長へグテーレス氏任命確実に
  • バルセロナ市がサグラダ・ファミリア教会に建設業許可証取得要請?
  • キリシタン資料の修復を和紙の技術で
  • ≪メディア展望≫

 

◎2018年のシノドスは「若者」をテーマに

 【CJC】バチカン放送(日本語電子版)によると、教皇フランシスコは、次回2018年10月にバチカン(ローマ教皇庁)で開催する世界代表司教会議(シノドス)「第15回通常総会」のシノドスのテーマに「若者」を選んだ。

 諸国の司教協議会、東方典礼カトリック教会、修道会総長連盟、前回のシノドス出席司教らの意見を参考にし、「若者たち、信仰と召命の判断(仮訳)」を、テーマとして設定したもの。

 若者たちに対する司牧を促すこのテーマは、最近行われた「家庭」をテーマとした二つのシノドスで浮かび上がった課題と、シノドス後の教皇の使徒的勧告『アモリス・レティティア』(仮訳=愛の喜び)」の内容を引き継ぐもの。


◎スポーツと信仰の世界会議開幕式に教皇出席

 【CJC】スポーツと信仰に関する最初の世界会議『人間性のためのスポーツ』が10月5日から7日までの日程で、バチカン(ローマ教皇庁)で始まった。

 教皇フランシスコは、国連の潘基文事務総長や国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が出席した開幕式で「スポーツは民族や宗教の壁を越えて全ての人が参加し、社会に偉大な価値をもたらす」と呼び掛けた。


◎教皇がカンタベリー大主教と夕べの祈り

 【CJC】バチカン放送(日本語電子版)によると、教皇フランシスコは10月5日、英国国教会カンタベリー大主教のジャスティン・ウェルビー氏と共に、ローマ市内の『モンテ・チェリオの聖アンドレア・聖グレゴリオ教会』で夕べの祈りを行った。

 この祈りの集いは、1966年の教皇パウロ6世とマイケル・ラムゼー大主教の歴史的出会いから、今年で50年を迎えることを記念して行われた。

 『モンテ・チェリオの聖アンドレア・聖グレゴリオ教会』と英国のキリスト教とは深い結びつきがある。

 教皇グレゴリウス1世(大聖グレゴリウス、在位590〜604)は、聖ベネディクトの影響を深く受け、ローマのチェリオの丘に修道院を建て、自ら修道者として生活。575年、この場所に聖アンドレアに捧げた教会を献堂した。

 教皇に選出されたグレゴリウス1世は、596年、ブリタニア宣教のため、聖アンドレア修道院の院長であったアウグスティヌス(カンタベリーのアウグスティヌス)をはじめとする修道士たちを現地に派遣した。

 集いの言葉で教皇は、大聖グレゴリウスが1400年以上前にブリタニアに派遣した神のしもべ・アウグスティヌスが、最初のカンタベリー大司教となり、仲間たちと共に人々に福音のメッセージをを告げ知らせた、その歴史を回想。今日わたしたちもまた、神の御国の喜ばしい知らせを伝えるために、兄弟たちを派遣したいと呼びかけられた。

 この機会に、カトリック教会の司教と、英国国教会の主教、各19人が、2人1組となって協力し、それぞれの大陸で、言葉と行いを通して、最も弱い人々に奉仕し、福音を述べる使命を託された。

 教皇とウェルビー大主教によって署名された共同宣言では、完全な一致の障害となっている諸問題を乗り越えるべく、神学対話だけに留まらず、特に自然保護や、福祉・支援、平和構築などにおいて、行動や実質を伴ったエキュメニズムの道を歩んで行きたいという趣旨が強調された。

 ウェルビー大主教と英国国教会の使節は翌6日、バチカン宮殿で教皇に迎えられ、会談した。


◎ポーランドの中絶禁止法案が反対多数で否決

 【CJC】ポーランド議会下院は10月6日、与党『法と正義』が成立を目指していた、人工妊娠中絶をほぼ全面的に禁止する法案を賛成58、反対352、棄権18で否決した。中絶禁止法案に反対する女性たちの抗議の声が、政治家を動かした形となった。

 国民の90%以上がカトリックのポーランドでは、ヨーロッパの中で最も厳しい中絶禁止法が1993年施行されている。中絶が認められるのはレイプ、近親相姦、母体に危険が及ぶ時、胎児に先天性異常がある時で、違反した場合、最高で禁錮2年の量刑が科される。

 今回の改正中絶禁止法案は、中絶が母体に危険が及ぶ場合だけに限られ、量刑は最高で禁錮5年まで引き上げられるというものだった。この中絶規制の強化案、当初はカトリック教会の支持も受けていたが、司教たちから「中絶をした女性を投獄するのは支持できない」という声が上がっていた。

 首都ワルシャワ、グダニスク、ウッジ、ヴロツワフ、クラクフなど各都市でおよそ10万人が参加した大規模デモが起き、女性たちは黒い服に身を包み、「私たちには医者が必要だ。宣教者じゃない!」などと抗議の声を上げた。


◎麻薬取引を公然非難したアルゼンチンの司祭殺害

 【CJC】アルゼンチン北部サン・ミゲル・デ・トゥクマンで、麻薬取引を公然非難していたフアン・エラルド・ヴィローチェ神父の遺体が10月5日、司祭館で発見された。カトリック・ワールド・ニュースが報じた。

 麻薬取引非難以後、度重なる脅迫に生命の危険を感じた神父は転任を志願、受け入れられたが、「ノベナ」(9日間の連続祈祷)を全うしたいと異動を留保していた。

 トゥクマン大司教区は「事実が敏速に明らかになることを望み、司法の動きに信頼している。わたしたちに関係することには全て協力する」との声明を発表した。


◎次期国連事務総長へグテーレス氏任命確実に

 【CJC】今年で2期10年の任期を終える国連のパン・ギムン(潘基文)事務総長の後任として安全保障理事会は10月5日、ポルトガルの元の首相、アントニオ・グテーレス前国連難民高等弁務官を唯一の候補として国連総会に勧告することを決めた。

 グテーレス氏はポルトガルの首都リスボン生まれの67歳、カトリック。社会党の国会議員を経て1995年から2002年まで首相を務めたあと、2005年からは、国連の難民高等弁務官として、イラク、ミャンマー、ソマリア、シリアなど、世界各地で難民問題に取り組み、日本もたびたび訪れ、政府や企業などを精力的に回って難民支援を呼びかけてきた。

 グテーレス氏が国連の次の事務総長に選出されることが確実になったことについて、同氏が妊娠中絶と同性婚に反対していることから、同性愛活動家の中には、同氏を「ホモホビック」(同性愛嫌悪)と非難する人もいる。ただ同氏は2015年に、「誰も自分の性的指向や性同一性を理由に脅かされない世界」を求める、と発言している。


◎バルセロナ市がサグラダ・ファミリア教会に建設業許可証取得要請?

 【CJC】スペインのメデイア『ラ・バングアルディア』によると、アダ・コラウ市長率いるバルセロナ市役所は近く、サグラダ・ファミリア教会と話し合いをし、建設業許可証をどのように取得できるか解決策を模索する意向。

 サグラダ・ファミリア教会は現在まで、電気、水道、ガス代を支払っていたものの、バルセロナ市に対する税金を納めたことがない。

 1882年3月19日に着工後、134年間も建設業許可を申請していなかったという。これまでバルセロナ市長が現在までサグラダ・ファミリア教会に要請してこなかったため。

 建設業許可証を取得した場合、建築物の予算の3・35%が税金として徴収される予定。

 教会は年間2500万ユーロ(1ユーロは約115円)の予算なので、単純に計算すると、大司教区は年間約84万ユーロが徴収される。

 ただ、サグラダ・ファミリア教会が世界遺産に登録されていることから最大95%減額される可能性はある。

 サグラダ・ファミリア教会の報道担当によると、この地域はその昔サン・マルティ市があり、アントニ・ガウディは1885年に建設許可証を取得していた。しかしその後97年に同市はバルセロナ市に併合され、その際、建築基準に適合しなかったとか。


◎キリシタン資料の修復を和紙の技術で

 【CJC】江戸時代のキリシタン禁制についての史料に関するバチカン(ローマ教皇庁)と日本の研究グループによるワークショップが10月5〜6日、バチカン図書館などで開かれ、文書の保存や修復の取り組みが紹介された。和紙を使った修復技術の実演もあり、欧州の専門家らが参加した。共同通信社が報じた。

 史料は1932〜50年に大分県を拠点に活動したイタリア出身の宣教師マリオ・マレガ神父(サレジオ会)が同県臼杵市などで集めたもの。1万点以上がバチカン図書館で2011年に発見された。

 これを機会に、バチカン図書館と日本の共同研究として『マレガ・プロジェクト』が、史料の調査や目録化とデジタルデータ化による保存のために、準備段階を経て2013年11月、日本側の大学共同利用機関法人『人間文化研究機構』(総括責任者=国文学研究資料館)と同図書館との契約により正式に発足した。

 発見された文書群は、大半が新出の未整理状態にある。これらを世界に向けて公開するため、『マレガ・プロジェクト』は内外の研究機関・関係者の協力を得て目録作成や保存修復、デジタル画像作成、データベースの作成・公開などの基本事業と同時に、この文書の学術的価値や可能性を情報発信するこ目指している。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(10月9日)=http://www.cwjpn.com
★教皇 西アジア2カ国歴訪=ジョージア訪問 平和と一致求める旅
=アゼルバイジャン訪問 違いの尊重と対話促す
★空爆続くシリア北部=教皇、市民への支援訴える
★罪人のための教会=教皇=「悔い改め」と「ゆるし」語る
★日本カトリック難民移住移動者委員会=現代の"奴隷制度"学ぶ
★国際フェスタ開催=横浜教区の末吉町教会で

 

 =キリスト新聞(10月8日)=http://www.kirishin.com
★日本賛美歌学会 第16回大会・東京=賛美歌を〝共有〟する!?=歌集編纂の関係者が教派超え議論
★教会と地域福祉をつなげるために=引地達也氏・最上義氏がアーモンドの会で発題
★マザー・テレサ列聖記念に映画祭=千葉茂樹監督が撮影時の思い出語る
★「キリスト教書100選」フェア開催=八重洲ブックセンター本店皮切りに全国で
★伊アッシジで宗教対話集会=60カ国から500人超が参加

 

 =クリスチャン新聞(10月9日)=http://クリスチャン新聞.com
★1,600人が参加=第6回日本伝道会議開催=「再生へのRe-vision」=ライト氏「教会は神のミッションのため存在」
★青年の声を聴けるか=NCC「宣教会議2018」に向けプレ集会
★国内法に影響を与えてきた人権条約=ヘイトスピーチ解消法成立は一歩前進=青山学院大学神学科同窓会主催公開講座で申惠(シンヘボン)氏講演
★小坂忠氏プロデビュー50周年=大阪・東京で記念コンサートwithユーオーディア
★トランプ氏のヒラリー氏批判演説を牧師が中断


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