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世界キリスト教情報 第1346信(2016.11.07)

  • バチカンが司教任命方法で中国と合意か
  • カトリック教会の女性司祭禁止は不変、と教皇
  • イタリア地震は「同性カップルの権利認めた罰」と強硬派神父
  • 「宗教改革は終わったのか」と福音派の中から懸念の声
  • 米黒人教会に放火、「トランプ氏に投票を」落書き
  • クレムリン近くでウラジーミル大公の像除幕
  • ≪メディア展望≫

 

◎バチカンが司教任命方法で中国と合意か

 【CJC】中国に無神論の共産主義政権が実現してからというもの、宗教も共産党の支配、監督下に置かれた。外国からの影響を排除することも強調される中で、カトリック、プロテスタント双方も「中国化」を迫られた。

 プロテスタント教会は、中国人自身の力で教会を支える「自養」、中国人自身で教会を運営する「自治」、中国人自身の力で伝道する「自伝」の「三自愛国運動」を打ち出し、政府の承認を受けて「中国基督教三自愛国運動委員会」が成立した。

 カトリック教会はバチカン(ローマ教皇庁)から独立した「天主教愛国会」を政府は公認したが、あくまでバチカンに忠誠を尽くす司教たちは、公認教会には加盟せず、非公認の「地下教会」を結成した。

 政府は厳しい抑圧を「地下教会」に加える中で、司教任命権を持つ教皇が任命した司教を拘束するなど「迫害」する一方で、独自に任命した司教を教皇も認めることを要求した。

 断絶している外交関係を復活させ、中国の教会と信徒への援助を願う教皇フランシスコは、特使を任命、司教の任命方法を巡る作業部会で合意草案をまとめた、との情報が流れた。

 復交には、現在バチカンが外交関係を維持している台湾政府との断交を北京側は前提としていることからも、中国本土以外の中国語圏の教会からは、無神論政権にバチカンが屈したという懸念も表面化している。

 香港の名誉司教、陳日君枢機卿は、「合意に達するとの希望」に重要な原則で妥協するのではないか、と米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』に語った。

 「教皇は、共産主義について実態を知らない」と言う。教皇がアルゼンチンにいた頃、共産主義者は抑圧するというよりは抑圧される対象と見ていたが、中国の教会は、共産主義者の抑圧に耐えているのだ、と指摘する。

 伝えられる合意の下では、バチカンは中国側が任命した司教のほとんどを認め、北京側は、バチカンの新司教任命権を認める、とされているが、その司教は公認の「天主教愛国会」が準備したリストから選ぶ。リストに載るのは政府の権威を認めるものだけだ。また現在、抑圧され、拘束もされている「地下教会」の司教や司祭の処遇問題は未解決のままだという。

 「地下教会を犠牲にして協定が結ばれるとは、聖なる権威を無神論政府に委ねることになる。バチカンがそんな軽率な方法を取るとは思わない」と匿名を条件にしながら語る聖職者も。


◎カトリック教会の女性司祭禁止は不変、と教皇

 【CJC】教皇フランシスコは11月1日、カトリック教会における女性司祭禁止は永久不変との考えを示した。

 スウェーデン訪問からローマに戻る機中、海外からの帰国途上で恒例の同行記者団との会見で述べた。

 スウェーデンの女性記者から、スウェーデンで教皇を迎えたルター派教会のトップは女性だったが、カトリック教会で今後数十年以内に女性聖職者が任命される可能性はあるかと質問され、教皇は「これについては、聖ヨハネ・パウロ2世が最終的に明言されている。それは有効だ」と述べた。

 ヨハネ・パウロ2世は1994年の文書で、女性聖職者誕生への可能性を閉ざす発言をした。バチカン(ローマ教皇庁)は、この教義はカトリックの伝統のなかで不可謬絶対の部分との立場を示している。

 記者が「それは永久のことか」と質すと、教皇は「聖ヨハネ・パウロ2世の文書を精読すると、そういう方向性になる」と述べた。


◎イタリア地震は「同性カップルの権利認めた罰」と強硬派神父

 【CJC】イタリア中部の地震で数百人が死亡し、1万数千人が家を失う被害が出たことについて、強硬派神学者として知られるジョバンニ・カバルコリ神父が地震当日、カトリック系ラジオ局『ラジオ・マリア』で、地震は「同性のカップルらに結婚に準じた法的な権利を与える『シビル・ユニオン(共同生活者)法』を認めたことに神が与えた罰」だと発言した。AFP通信(日本語版)が報じた。

 イタリア中部では10月30日にマグニチュード(M)6・6の地震が発生した。同国の地震としては36年ぶりの強さで、同じ地域を襲った強い地震としてはここ2カ月で3度目。

 イタリア・メデイアの報道によると、バチカン(ローマ教皇庁)国務省長官代理のジョヴァンニ・アンジェロ・ベッチウ大司教はカバルコリ神父の発言について「信徒に不快感を与え、信徒以外の人に恥をさらす」ものだとの見解を示した。同大司教は地震の被災者に許しを求めるとともに、教皇フランシスコは被災者と連帯し、被災者を支援する考えであることを改めて示した。

 それでもカバルコリ神父は、別のラジオ局で地震の原因は「人間の罪業」だと述べ、バチカンには(信徒などに教理を解説する時に使われる)教理問答を読むよう促したという。

 イタリアでは同性カップルの『シビル・ユニオン』を認める法律が10月施行されたばかり。欧州連合(EU)加盟28カ国のなかで、同性カップルに対する法的保護が存在しない最後の国として、EUの人権裁判所から是正の勧告を受けていた。


◎「宗教改革は終わったのか」と福音派の中から懸念の声

 【CJC】カトリック教会の教義やその実践に関する情報をプロテスタント特に福音派の牧師や神学者たちに正確に提供することを目指してローマに設立された団体『レフォルマンダ・イニシアティブ』が、、マルティン・ルターによる宗教改革から500年を迎えるのを機会に、カトリック教会について「福音派の確信の声明宗教改革は終わったのか」を10月24日発表した。

 声明は、一部のプロテスタントとカトリックによる「エキュメニカルな交わり」が前進したため、西方教会の分裂を引き起こした神学的な諸論争はもはや障害にならないという主張に疑問を呈するものとなっている。

 狙いは、「義認の教理に関する共同宣言」につながったルーテル、カトリック両教会の対話にもかかわらず、カトリック教会は依然として信仰のみを通しての救いを信じていないと指摘する。そしてカトリック教会が聖書の最高の権威を受け入れず、マリアの無原罪懐胎、聖母の被昇天、教皇の無謬性を信じている点を挙げている。

 そして「500年前に宗教改革を生んだ問題は、21世紀でもなお、教会全体に対して存在する。福音派は宗教改革者たちと共に、私たちの最終的な権威が聖書であり、私たちは信仰のみにより義とされるという根本的な信仰に立つ」と締めくくっている。

 声明署名者の中には、独立福音派教会交友会(FIEC)のジョン・スティーブンス国内ディレクター、英ケンブリッジにある聖書研究図書館『ティンダル・ハウス』のピーター・ウィリアムズ館長、米フェニックス神学校のウェイン・グルーデム教授らがいる。

 声明は英語の他に、スペイン語、イタリア語、スロバキア語、ポルトガル語、スウェーデン語、ルーマニア語でも出されている。


◎米黒人教会に放火、「トランプ氏に投票を」落書き

 【CJC】人口3万5000人の米ミシシッピ州グリーンビルにある黒人主体の『ホープウェル・ミッショナリー・バプティスト教会』が11月1日夜ほぼ全焼した。

 教会の外壁には米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏への投票を呼び掛ける言葉がスプレーで落書きされていた。

 捜査当局は2日、放火による火事と断定、容疑者1人を取り調べていると発表した。

 エリック・シモンズ市長は、記者会見で「教会の外壁には『トランプ氏に投票を』という言葉が落書きされていた」と述べ、「憎むべきひきょうな行為」と放火を批判した。

 ネット上の募金サイト『ゴー・ファンド・ミー』では、歴史ある教会を再建しようと募金が立ち上げられた。AFP通信は2日夜の時点で目標額の1万ドル(1ドルは約103円)を上回る1万1500ドルが集まったと報じている。


◎クレムリン近くでウラジーミル大公の像除幕

 【CJC】ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は11月4日、クレムリン近くに建てられた自身と同名の歴史上の偉人でロシア正教会の聖人としてあがめられているウラジーミル大公像の除幕式を行った。AFP通信が報じた。

 高さ17メートルの像は、988年にロシアの前身、キエフ大公国をキリスト教国にしたウラジーミル大公を模したもの。

 クレムリンの塀からわずか数メートルしか離れていない場所に巨大な像を設置する計画には、地元住民や自然保護活動家から批判の声が上がったほか、国連教育科学文化機関(ユネスコ)もクレムリンの世界遺産登録が取り消される恐れが出てくると懸念を表明していた。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(11月6日)=http://www.cwjpn.com
★移住者を歓迎すること=身体的な慈善のわざに=教皇の一般謁見講話
★教皇、イラクで続く戦闘に=市民への「残虐」行為批判
★バチカン=埋葬で新指針=重要事項は司教協議会判断
★自発教令の邦訳完成=婚姻無効訴訟を簡素化
★日本の司祭1428人=平均年齢63歳

 

 =キリスト新聞(11月5日)=http://www.kirishin.com
★前橋教会130周年記念講演=〝特異点〟としての存在意義=内田樹氏×釈徹宗氏「ハタから」語る
★日基教団第40回総会=石橋秀雄議長再選
★「教会と女性」テーマにエキュメニカル協会研究会
★メディア宣教の意義を再確認=CGNTV10周年で感謝礼拝
★東洋英和女学院大で連続セミナー=「日本の近代化とキリスト教学校」テーマに

 

 =クリスチャン新聞(11月6日)=http://クリスチャン新聞.com
★日本救世軍120周年記念し全国大会開催=アンドレ・コックス 救世軍大将メッセージ=世界変えるため成長を
★元韓国代表選手=夕食会で証し=信仰・祈りによって勝利した= 第2回ピンポンまつり卓球大会
★30年かけ東京に帰ってきた=「故郷の家・東京」竣工式
★34年かけ原典から翻訳=モンゴル語聖書完成
★モーセ最期の地=ネボ山記念聖堂10年ぶり再公開

 
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