世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1352信(2016.12.19)

  • アレッポで市民ら数千人の避難停止
  • カイロの教会爆破で『イスラム国』が犯行声明
  • 米の教会銃乱射で黒人9人を殺害した白人被告に有罪評決
  • 豪の日系団体『AJCN』が慰安婦像移動申し立て
  • 豪の慰安婦像に抗議する日系団体に脅迫メール
  • 教皇が誕生日前祝いは「縁起悪い」?
  • 教皇が80歳の誕生日にホームレスを朝食へ招待
  • 米で牧師が子どもたちに「サンタはいない」と説教
  • ≪メディア展望≫

 

◎アレッポで市民ら数千人の避難停止

 【CJC】米メディア『CNN』(日本語版)によると、シリア政府軍がほぼ全域を制圧した同国北部アレッポをめぐる情勢で、国際赤十字委員会(ICRC)は12月16日、同市東部の反体制派が残る地区から数千人が避難する作戦が停止したと発表した。

 赤十字やシリア赤新月社のスタッフ、世界保健機関(WHO)の関係者はアレッポ東部から立ち去るよう指示を受けた。

 ICRCの中東担当報道官はCNNの取材に、「避難は停止された」と指摘、「避難を前進させられるよう関係勢力が合意に達することを望んでいる」と述べた。

 国営シリア・アラブ通信(SANA)は、武装組織『ヌスラ戦線』がアレッポにとどまる民間人1250人の脱出を阻止したと報じている。SANAはまた、避難措置を一時的に停止した理由について、避難者の一部が武器や高度な通信機器を持ち出し停戦合意が破られたためだと伝えた。

 英国に本拠を置くNGO『シリア人権監視団」は、一部地域からの数百人規模の退避が遅れていることへの抗議として反体制派が停戦を破ったとの見解を示した。

 国連でシリアでの人道支援を指揮するヤン・エグランド氏は、「非常に成功していたアレッポ東部からの避難が停止した。孤児を含む数千人の市民が脱出を待っている」と語った。


◎カイロの教会爆破で『イスラム国』が犯行声明

 【CJC】エジプト首都カイロにあるコプト教会で、12月11日に発生し25人が犠牲になった爆弾攻撃について、イスラム過激派組織『イスラム国』が13日、犯行声明を出した。AFP通信が報じた。

 ソーシャルメディア上で拡散した声明で、事件はアブ・アブドラ・マスリという通称の人物による自爆攻撃だったと『イスラム国』が発表。さらに、「エジプトやあらゆる場所の異端者や背教者」に対する攻撃を継続するとしている。

 アブデルファタハ・アル=シーシー大統領は12日、自爆犯の身元をマフムード・シャフィーク・モハメド・モスタファ容疑者(22)と断定した。内務省によると、同容疑者は現場に残った遺体の一部に対するDNA検査から実行犯と特定された。


◎米の教会銃乱射で黒人9人を殺害した白人被告に有罪評決

 【CJC】米サウスカロライナ州チャールストンの教会で2015年6月17日、黒人の男女9人を殺害した銃乱射事件で、サウスカロライナ州の連邦裁判所の陪審は12月15日、ディラン・ルーフ被告に有罪評決を下した。

 米メディア『ハフィントン・ポスト』(日本語版)にょると、ルーフ被告は連邦検察からヘイトクライム(憎悪犯罪)、信教の自由に対する妨害など33の罪で起訴されていた。

 当時21歳だったルーフ被告は、黒人の信徒が集まる『エマニュエル・アフリカン・メソジスト・エピスコパル教会』で聖書勉強会が開かれていたとき、教会内に足を踏み入れた。信者たちが集まっている席に着席してから、銃を取り出し、突然銃を乱射した。

 逮捕後、ルーフ被告はFBI捜査官に「俺は有罪だよ。誰が見たって有罪だ」と語っていた。自分が事件を起こしたのは、黒人男性が毎日白人女性をレイプしており、白人は二級市民になってしまったからだ、などと動機を語っていた。

 同教会は人種差別が原因でメソジスト教会を追われた黒人たちにより1816年に設立されたが、ここもまた差別の被害に遭い続けてきた歴史がある。1822年には白人至上主義者が放火して全焼し、1834年には地元の法律で黒人教会が禁止となり、信者は秘密裏に集まるしかなくなった。

 陪審団は1月3日に、ルーフ被告が死刑か終身刑になるかの判決を下すという。


◎豪の日系団体『AJCN』が慰安婦像移動申し立て

 【CJC】シドニー近郊の教会敷地内に韓国系市民団体の依頼で仮設置された旧日本軍の従軍慰安婦問題を象徴する少女像について、現地で抗議活動を展開する住民らの組織『オーストラリア・ジャパン・コミュニティー・ネットワーク』(AJCN)は、少女像を移動するよう求め、オーストラリア人権委員会に調停を申し立てた。共同通信が報じた。

 同国の人種差別禁止法は人種や民族を理由にした差別を禁止している。『AJCN』は、不特定多数の人の目に触れる場所への設置は日本人への憎悪をあおり、人種差別禁止法違反と主張、少女像の屋内への移動を求めている。

 少女像は8月、シドニー近郊カンタベリー・バンクスタウンにある『韓国人会館』で除幕式が行われ、その後、教会敷地に移された。


◎豪の慰安婦像に抗議する日系団体に脅迫メール

 【CJC】オーストラリア・シドニー近郊の教会敷地内に韓国系団体の依頼で設置された慰安婦像をめぐり、現地で抗議活動を展開する住民らの組織『オーストラリア・ジャパン・コミュニティー・ネットワーク』(AJCN)に脅迫メールが届いていたことが12月18日、分かった。産経新聞が報じた。

 AJCNは差出人を韓国に住む人物と特定、地元警察に届け出る方針。メールは英文で「できるだけ残酷な方法で命乞いをさせながら殺したい」などと記されている。

 メールは15日に届いた。教会敷地内の慰安婦像を公道に面した場所に移設する動きがあることから、AJCNは14日、豪州の人種差別禁止法に違反するとして同国人権委員会に申し立てを行っていた。

 教会の牧師は慰安婦像について「慰安婦だけでなく紛争やDV(ドメスティックバイオレンス)の被害者女性を象徴するもの」として対日非難ではないとしているが、碑文は日本だけに言及している。また、同牧師は「加害者に謝罪させる」と発言したこともある。


◎教皇が誕生日前祝いは「縁起悪い」?

 【CJC】教皇フランシスコは12月14日、バチカン(ローマ教皇庁)のサンピエトロ広場での水曜恒例の一般接見で、信者らから17日に迎える80歳の誕生日へのお祝いの言葉を贈られた。

 教皇は「ありがとう」と笑顔で応じた後、「でも誕生日の前祝いは私の国(アルゼンチン)では縁起が悪いこと」と冗談交じりに語り、広場は笑いに包まれた。

 2013年に就任した教皇は、世界の首脳らも一目を置くほどの影響力を持つ。独自のスタイルでカトリック教会の改革に取り組んでいる。ただバチカン内外での保守派の高位聖職者の抵抗にも直面している。


◎教皇が80歳の誕生日にホームレスを朝食へ招待

 【CJC】教皇フランシスコは12月17日、80歳の誕生日を迎えた。教皇はこの日、バチカン(ローマ教皇庁)にホームレスの8人を招いて朝食をともにした。

 米メディア『CNN』によると、朝食のメニューはペストリーと肉類、イタリア製のヘーゼルナッツとチョコのスプレッド「ヌテラ」、オレンジジュースなど。教皇の出身国アルゼンチンの菓子も振る舞われた。

 ホームレスの男性6人と女性2人は当日の朝、サンピエトロ大聖堂周辺で選ばれた。イタリア人4人とルーマニア人2人、東欧モルドバと南米ペルーから各1人と、国際色豊かな顔ぶれ。

 教皇には誕生日を祝う5万通以上のメールが寄せられた。大半が英語圏からで、次にスペイン語、イタリア語のメールが多く、1000通以上がラテン語で書かれていた。

 教皇はツイッターを通し、祝ってくれた人々に感謝すると述べた。教皇のツイートを読む「フォロワー」は1000万人を超えている。


◎米で牧師が子どもたちに「サンタはいない」と説教

 【CJC】米アラスカ州の『ラストフロンティア・エバンジェリズム』という福音派の教会に属しているデイビッド・グリシャム牧師。日ごろからクリスマスシーズンにサンタクロースで盛り上がることに違和感を感じている。

 クリスマスはイエス・キリストが2016年前に生まれた日。その誕生を祝うのが本来の姿なのだが、それなのになぜイエス・キリストでもないサンタクロースが注目されるのか。そこに納得がいかないと言う。

 「このことは幼い子どもに強く伝える必要がある」と感じたグリシャム牧師はテキサス州アーリントンの『パークプレイス・ショッピングモール』に12月11日乗り込み、サンタクロースに会うのを楽しみにしていた親子に語りかけた。

 「今日はみんなに伝えたいことがある。サンタクロースなんて本当はいない!
クリスマスはイエス・キリストのことを考える日だ。今から2016年前、イエス様はベツレヘムという小さな町でお生まれになった。これがクリスマスの真実だ」

 「今日みんなが会おうとしている男はサンタクロースの格好をしただけの人。サンタクロースなんて存在しないんだ」

 サンタクロースが実在しないことは周知の事実だし、クリスマスの日の意味も、彼の主張する通りだが、現場はざわつき、父親らしい数人から「やめろよ」「子どもが驚くだろう」と追い払われた。

 牧師は自らビデオに収録、フェイスブックに投稿したことで話題となった。彼はカンザス州トピカを拠点とする「神はホモが嫌い」など同性愛者排斥運動で知られたウエストボロ・バプティスト教会の支援者で、「ゲイ・プライド・パレード」には常に抗議に参加することでも知られている。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(12月25日)=https://www.cwjpn.com
★教皇=暗闇にこそ希望の光=一般謁見で降誕準備の講話
★糸永司教 逝去=鹿児島教区の名誉司教
★イエズス孝女会葉山修道院の旧館=国の登録文化財に=家具・調度もそのまま使用
★ムスリムの学生に配慮=上智大学=戒律に即した食堂開設
★第6回アジア・太平洋カトリックHIV/AIDS(エイズ)連合会議=マニラで啓発の実践学ぶ

 

 =キリスト新聞(12月25日・クリスマス新年号)=https://www.kirishin.com
★特集・SNS時代のツイッター宣教=〝ラクして福音〟上馬キリスト教会=フォロワー1万人超の実績
★『旧約新約聖書神学事典』刊行記念=廣石望ゼミ〝特別講義〟=事・辞典はこうして使いこなせ
★「キリスト教学Quo vadis?」=立教大学文学部キリスト教学科が創設70周年でシンポ
★礼拝と同様に力を込めて伝道を=日基教団福音主義教会連合がシンポジウム
★宗教改革500年を前に日韓平和礼拝=日本ルーテル教団の教職者が渡韓

 

 =クリスチャン新聞(12月18・25日クリスマス特別号)=https://クリスチャン新聞.com
★「聖書信仰と信教の自由」=信教の自由セミナーJEA社会委と神学委共催で
★元富士フイルム社長がスピーチ=聖霊を悲しませてはいけないと=国会クリスマス晩餐会2016
★ポリセントリック(多中心的)な宣教パラダイムへの転換=WEAパナマ宣教会議=JEA品川謙一総主事報告
★"教会で福祉に触れる機会を"=TCUケアチャーチセミナーで若い世代ら
★福音主義神学会=「聖書信仰」議論のなか聖書テキストに集中

 
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