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世界キリスト教情報 第1377信(2017.06.12)

  • 米国の「パリ協定」離脱にキリスト教会は深刻な懸念
  • 韓国の文在寅政権が承認した訪朝団、北が相次いで拒否
  • 世界教会協議会が「一致」へ常議員会
  • 神学校閉鎖、司教不在の上海で新司祭4人、助祭4人
  • バチカン紙が教会の意思決定に女性の参画を主張
  • 『カトリック・カリスマティック・リニューアル』運動50周年
  • 英ランカスター司教が『新求道共同体』の典礼に規制
  • ロシア連邦保安局が米『サイエントロジー教会』の支部を強制捜査
  • ヨシュア記10章の記述は日食が原因とイスラエルの学者
  • ≪メディア展望≫

 

◎米国の「パリ協定」離脱にキリスト教会は深刻な懸念

 【CJC】ドナルド・トランプ米大統領は6月1日、地球温暖化対策の国際枠組「パリ協定」から離脱することを表明した。トランプ氏は、協定に縛られることで雇用喪失や賃金低下などを招き、米国の労働者に負担を強いている、と離脱の理由を説明しているが、世界のキリスト教指導者は相次ぎ懸念の意向を表明している。

 トランプ氏と5月24日、バチカン(ローマ教皇庁)で会談した教皇フランシスコは、平和の象徴とされるオリーブの木の彫り物と環境保護の重要性について記した書物を贈呈し「この木のように平和をつくってほしい」などと要請、バチカン側の同席者協定残留を促していただけに、離脱は想定外のことと受け取られているのは確かだ。

 世界教会協議会(WCC) や世界ルーテル連盟、プロテスタント各派の奉仕救援組織『教会行動一致』(ACT)も離脱に「深い失望」の意を示している。

 WCCのオラフ・フィクセ=トゥベイト総幹事は、「これは悲劇だ。人間性と私たち共通の場の未来に向けての本物の責任あるリーダーシップを示す機会を逸してしまった」と語った。「倫理的にも経済的にも持続出来ない決定」と言う。


◎韓国の文在寅政権が承認した訪朝団、北が相次いで拒否

 【CJC】北朝鮮は6月5日、対北朝鮮人道支援を目的とする韓国の民間団体の訪朝を相次いで不許可にした。韓国紙『朝鮮日報』(日本語電子版)によると、北朝鮮は、この2日に採択された国連安保理の対北朝鮮制裁決議やこれに関する韓国政府の姿勢を問題視し、5日になって『韓国宗教人平和会議』と『韓国キリスト教教会協議会』の訪問を許可しないと通知してきた。

 カトリック・プロテスタント・仏教・円仏教など宗教7団体が参加する『韓国宗教人平和会議』は2日に韓国政府統一部(省に相当)から訪朝の承認を受けたが、5日午後4時ごろ、北朝鮮側がファクスで「国連制裁決議を韓国が積極的に支持している状態で、南北が対面平和を話し合うのは時期的に適切ではない」と回答してきたという。10日から5日間の日程で訪朝を推進してきた『韓国教会協議会』も同じ内容のファックスを受け取っている。


◎世界教会協議会が「一致」へ常議員会

 【CJC】世界教会協議会(WCC)常議員会は6月7日から6日間、ジュネーブ近郊ボセーの『エキュメニカル研究所』で開かれた。今回の焦点は「一致」「戦略計画の革新」「財務戦略」「建設計画」「第11回大会準備」「WCC70周年式典」など。

 常議員会報告で、オラフ・フィクセ=トゥベイト総幹事は、WCCの目的、目標が今、関係性を持っている時代にあることを指摘した。

 この現実の前に、一致を探り直すことが必要だとして、総幹事は、「さまざまな働きの局面で、WCCは」教会の一致に貢献し、WCCが示せる一致は、人類の一致に貢献する」と語った。


◎神学校閉鎖、司教不在の上海で新司祭4人、助祭4人

 【CJC】カトリック系『アジア・ニュース』が伝えるところでは、上海の聖ペトロ教会で6月6日、司祭4人が隣接する江蘇省海門教区のシェン・ビン司教により叙階された。タデオ・マ・キン上海司教は2012年以来、自宅に軟禁されており、公式な外部接触や司牧実行は禁止されている。

 シェン司教は天主教(カトリック)愛国会と司教会議副会長。教皇の承認を受けた司教であり、中国政府からも認められている。叙階の際の補助役は上海教区のウー・ジャンリン、グー・ザンジュン神父が行った。

 助祭が神学校での訓練を受けることなしに司祭に叙階されるのは極めて異例。上海神学校が2012年以来政府によって閉鎖されているため。

 翌7日には助祭に4人がシェン司教により叙階された。


◎バチカン紙が教会の意思決定に女性の参画を主張

 【CJC】バチカン(ローマ教皇庁)の機関紙『ロッセルバトレ・ロマノ』は6月7日付け1面で、女性の宗教共同体への召命は、教会の意思決定にそれら女性の参画がなされない限り急減が続くとの歴史学者ルセッタ・スカラッフィアの主張を掲載した。

 「今日の若い女性は、評価されない奉仕の役割を受け入れること、さらに自分たちの声が、教会の現在と将来について決定されるような状況では決して聞かれないことに、本当に戦っている」と言う。

 女性「宗教者」は人々の本当に近くにいて、「福音化への新しいアイデアの宝庫」になっている、とスカラッフィア氏はさらに主張している。


◎『カトリック・カリスマティック・リニューアル』運動50周年

 【CJC】教皇フランシスコは6月3日、ローマで行われた『カトリック・カリスマティック・リニューアル』運動50周年式典で講演した。式典にはイタリア内外から約3万人が参加した。ペンテコステ派、福音派の牧師数十人も招待に答え、出席した。運動はペンテコステ派に似ており、聖霊の賜物を強調もする。

 教皇は、一致と「兄弟としての友愛」を強調した。「一致への道で私たちに力を与える」と言う。それを証明できる」と教皇。「私たちの間に一致を作り出す」のは聖霊だと付け加えた。

 かつてのように、教皇はキリスト教信仰のために多くの人が迫害されている今、「血のエキュメニズム」について語った。「キリスト者の間の一致がますます必要とされる」からだと言う。

 キリスト者は、少なくとも「共に歩き、共に働くべきだ」と教皇は語った。互いに愛することは、もう一つの命令であり、「私たちの違いを一緒に説明する」のは良いことであり、これはいつも「行い」の中で果たされるべきだとしている。


◎英ランカスター司教が『新求道共同体』の典礼に規制

 【CJC】英カトリック教会ランカスター教区のマイケル・キャンベル司教が運動体『新求道共同体』に典礼規範を6月6日発表した。同団体の活動に対する「懸念が増大している」ためと言う。『カトリック・ヘラルド』紙が報じた。

 同司教の発表は、ミサを教会、聖堂の祭壇だけで行われるべきであり、信徒は聖体を受けたら「遅滞なく」食すべきだというもので、7月1日から実施すると言う。

 今回の指示は、『新求道共同体』で行われている、信徒がすべて聖体を受けてから食すという独自の方法に関するもの。

 キャンベル司教は、司祭たちはそれぞれの小教区(各個教会)で行われる特別な典礼に制限を加える権限があるとしている。

 『新求道共同体』側は、このような規制が行われるのは「完全に驚き」だとして、実施方法やその理由について説明させてほしい、と司教に要請しているのに、と反発している。


◎ロシア連邦保安局が米『サイエントロジー教会』の支部を強制捜査

 【CJC】ロシア連邦保安局(FSB)は6月6日、憎悪の扇動や違法な起業、過激派グループの組織化に対する捜査の一環として、米フロリダ州に本部を置く『サイエントロジー教会』のサンクトペテルブルク支部に対する強制捜査を行った。AFP通信が報じた。

 ロシアでは4月にも最高裁判所が『エホバの証人』の活動を禁止し、資産を没収するとの判決を下し、法務省も同団体を「過激派組織」と批判していた。

 FSBがロシアの通信社に向け発表した声明によると、今回の捜査は当初、『サイエントロジー教会』の布教用教材の売り上げをめぐって開始された。

 ロシア最高裁は2016年、法務省の訴えにより『サイエントロジー教会』のモスクワ支部の閉鎖を命じた。同省は『サイエントロジー教会』の出版物の多くが過激主義的と判断し、同団体を「セクト」と呼んでいる。

 『サイエントロジー教会』は1954年にSF作家、L・ロン・ハバートによって米国で創設され、1993年に同国で宗教団体として認められた。


◎ヨシュア記10章の記述は日食が原因とイスラエルの学者

 【CJC】イスラエルの学者が、聖書ヨシュア記10章にある「日よとどまれ」の記述を裏付ける「証拠」を発見した、とカリスマ・ニュースが報じている。

 ヨシュア記10章12〜14節は、ギブオンでアモリ人に対するヨシュアとイスラエルの人々の戦いの物語を次のように記している。

 主がアモリ人をイスラエルの人々に渡された日、ヨシュアはイスラエルの人々の見ている前で主をたたえて言った。「日よとどまれギブオンの上に/月よとどまれアヤロンの谷に。」
 日はとどまり/月は動きをやめた/民が敵を打ち破るまで。『ヤシャルの書』にこう記されているように、日はまる一日、中天にとどまり、急いで傾こうとしなかった。
 主がこの日のように人の訴えを聞き届けられたことは、後にも先にもなかった。主はイスラエルのために戦われたのである。(日本聖書協会新共同訳)

 科学者たちは、この出来事は皆既日食によるものと、結論づけた。米航空宇宙局(NASA)から得た解析データは、周辺地域一帯に紀元前1500年から同1000年の間に皆既日食があったことを示している。正確には紀元前1207年10月30日午後4時28分に起きたとまで分かったそうだ。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(6月11日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★米国のパリ協定離脱=同国司教団 遺憾を表明
★教皇フランシスコ=南スーダン訪問を断念
★フィリピンの大司教=変装して小教区巡る
★教皇庁大使=熊本の被災地訪問=祈りささげ住民ら励ます
★"南北の平和"でバチカンへ=大司教、韓国大統領特使に

 

 =キリスト新聞(6月10日)=http://www.kirishin.com
★映画『ローマ法王になる日まで』公開=教皇像の裾野広げる
★「教勢の危機」にどう向き合う?=日本聖書神学校で教会間交流の可能性探る
★〝知性と霊性分離しないことが重要〟=TCUがホイートン大学学長招き講演
★〝「片隅」へのまなざしを評価〟=カトリック映画賞に『この世界の片隅に』
★「共謀罪」法案の衆院通貨にカトリック正平協が反対表明

 

 =クリスチャン新聞(6月11日)=http://クリスチャン新聞.com
★NCC教育部「平和教育資料センター」開設=歴史に学び、信仰的な未来望む
★内戦続き国民半数が食料不足=南スーダン飢饉緊急支援
★「教会と政治」フォーラムで朝岡勝氏=教会は神の前で世の罪を担う
★トッド・ホワイト氏「こんな人生でもあげますと」=ダニエル・コレンダ氏 「イエスの血には力がある」=CfaN=東京ファイヤーカンファレンス
★西南学院=創立百周年に当たっての平和宣言ウェブ上で公表

 
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