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世界キリスト教情報 第1380信(2017.07.03)

  • ドイツ連邦議会が同性婚の合法化を可決、9月の総選挙見据え
  • 豪警察がジョージ・ペル枢機卿を訴追=児童ら性的虐待で
  • 教皇、エキュメニカル総主教庁使節に挨拶
  • フランシスコの"足"は日産の電気自動車「リーフ」
  • 中国が温州司教を拘束か、バチカン「深刻な懸念」
  • ノーベル平和賞受賞の劉暁波氏、がんが全身転移
  • イラク軍がモスルの礼拝所奪還
  • 「祈れば病気は治る」と米オレゴン州の両親が我が子死なす
  • 独でマルティン・ルターのフィギュアに論議
  • ≪メディア展望≫

 

◎ドイツ連邦議会が同性婚の合法化を可決、9月の総選挙見据え

 【CJC】ドイツ連邦議会は6月30日、同性婚を合法化する法案を393対226の賛成多数で可決した。合法化によって、同性カップルは結婚に伴う権利を完全に認められ、子供を養子にすることもできる。

 採決には4人が棄権。アンゲラ・メルケル首相は26日、キリスト教民主同盟(CDU)議員に党議拘束をしない方針を示したが、本人は採決の際、反対票を投じた。CDUと連立を組む社会民主党(SPD)は法案を強く支持していた。

 採決の後、首相は記者会見で、自分にとっては結婚とは男女の間のものだが、法案可決によって「社会が落ち着く」ことを期待すると述べた。

 ドイツでは現在、同性カップルは「市民婚」しか認められていない。今後は、「結婚は、異性もしくは同性の2人の人間が終生の前提で始めるもの」と定義することになる。

 メルケル首相は2013年総選挙の際、「子供の福祉」を理由に同性婚に反対し、自分としては「受け入れにくい」問題だと認めていた。

 しかし、26日に女性誌『ブリギッテ』主催のイベントに出席した首相は、他党が合法化を支持しているのを認識し、「全てのための婚姻(同性婚問題)は非常にデリケートな問題だ。各自の良心が問われるテーマだから、党も議員を縛ることなく、各自が判断すべきだ」と発言した。

 連立を組む社民党が前日、ドルトムントで開催した党大会で選挙公約をまとめ、中低所得者への減税などの税改革や失業手当の充実などのほか、同性婚の公認を挙げている。その直後に、首相が同性婚公認の方向を示唆した。

 週刊誌『シュピーゲル』(電子版)は首相の同性婚に関する発言を速報で流した。9月の総選挙で同性婚公認問題は大きな争点となるのを避けるため、と見たためと思われる。

 首相は、イベントの壇上で、地元の選挙区で養子8人と暮らすレズビアンのカップルと夕食を共にし、「人生観が変わる」経験をしたと話した。

 同性婚が合法化されると、同性カップルによる養子の受け入れなどが可能となり、結婚によって得られる権利が全面的に認められる。ドイツの同性カップルには現在、「シビル・ユニオン」(結婚に準じた権利を認める制度=市民婚)しか認められていない。

 欧州では、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク(フェロー諸島を除く)、フィンランド、アイスランド、オランダ、ベルギー、スペイン、ポルトガル、ルクセンブルク、フランス、英国(北アイルランドとジャージー島を除く)では、「市民婚」が法的に結婚として認められている。

 オーストリアとイタリアでは、これまでのドイツと同様、同性カップルには「市民婚」しか認められていない。


◎豪警察がジョージ・ペル枢機卿を訴追=児童ら性的虐待で

 【CJC】オーストラリアのビクトリア州警察は6月29日、バチカン(ローマ教皇庁)の財務事務局長官(財務相に相当)を務めるジョージ・ペル枢機卿(76)が過去に複数の児童を性的に虐待した疑いで訴追したと発表した。現地メディアが報じた。7月18日にメルボルンの治安判事裁判所に出廷を求めている。

 ペル枢機卿は警察の調べに対し、「事実でない」と容疑を否認していた。シドニー大司教区の声明によると、ペル枢機卿は「全ての疑惑を改めて強く否定した。法廷で自身の罪についてきっぱり釈明する日を心待ちにしている」という。

 バチカンは29日、ペル枢機卿に休職願を承認したとの声明を発表したものの、同枢機卿が辞職するわけではない、と強調した。

 枢機卿はこれまでに3回、児童への性的虐待を調べている王立委員会で証言しており、ビクトリア州で1970年代に児童性愛の聖職者への対処で「不手際があった」と認めている。


◎教皇、エキュメニカル総主教庁使節に挨拶

 【CJC】教皇フランシスコは6月27日、正教会のエキュメニカル総主教庁の使節を迎え挨拶した。

 同使節は29日に祝われる使徒聖ペトロ・聖パウロの祭日を前にローマを訪れた。バチカン放送(日本語版)が報じた。

 バチカンはエキュメニカル総主教庁の保護聖人、聖アンデレの日(11月30日)に、また同総主教府はローマの保護聖人、使徒聖ペトロ・聖パウロの日(6月29日)に、それぞれ使節を交換することが恒例となっている。

東西の教会は古くから、聖ペトロと聖パウロの殉教を共に一つの祭日の中で記念してきたが、それは多様性における一致を象徴するものでもあると話された。

 教皇は今年、福者パウロ6世が1967年7月にイスタンブールを訪問し、アテナゴラス総主教が同年10月にローマを訪問してから、50年を記念することを指摘。

 キリストと、キリストの教会に対する愛だけに動かされた、この2人の司牧者の勇気と先見性に満ちた模範が、両教会の完全な一致に向けての歩みを励ましてくれるようにと祈った。


◎フランシスコの"足"は日産の電気自動車「リーフ」

 毎日新聞(東京)の6月27日夕刊のコラム『憂楽帳』によると、2015年11月、地球温暖化対策の新たな枠組みを決める国際会議の開幕前日。市民に代わって物言わぬ靴たちが「行進」し、「パリ協定」の実現を訴えた。その中に教皇フランシスコの履き古された黒い革靴もあった。

 『憂楽帳』は、温暖化に警鐘を鳴らす教皇の連帯メッセージだったと見ている。さらに、教皇が日常の足として選んだ車が日産の電気自動車「リーフ」だと記す。米テスラの電気自動車と比較した末に教皇自身が選んだそうだ。日産の広報担当者は「コンパクトさを好まれたとか。もちろんうれしい」と大歓迎。

 特殊装甲の専用リムジンに乗るトランプ米大統領と比較して、警備の都合上、乗り換えられない事情もあるだろうが、化石燃料を食う車と低炭素車、どちらが未来を照らす選択かははっきりしている、と『憂楽帳』。(CJC)


◎中国が温州司教を拘束か、バチカン「深刻な懸念」

 【CJC】バチカン(ローマ教皇庁)は6月26日、中国・浙江省温州教区のペテロ・シャオ・シュミン(邵祝敏)司教が「無理やり連れ出され」た後、拘束されているとして「深刻な懸念」を表明した。

 グレッグ・バーク広報局長によると、教皇フランシスコは同司教の状態を「深く悲しんでいる」という。

 『ミラノ外国宣教会』が運営するサイト『アジア・ニュース』によると、司教は5月18日から拘束されている。拘束されている場所は不明。

 友人らは、中国当局が司教を公認の中国天主教愛国会に加わらせようとしているのではないかと心配しているという。

 中国国内には公認(官方)教会と地下教会を合わせて約1200万人のカトリック教徒がいると推定されている。AFP通信が報じた。


◎ノーベル平和賞受賞の劉暁波氏、がんが全身転移

 【CJC】中国遼寧省瀋陽市当局は6月29日までに、市内の病院に入院しているノーベル平和賞受賞の民主活動家、劉暁波氏(61)の病状について「肝臓がんが全身に転移している」とした上で、著名な腫瘍専門家がチームで治療に当たっていると発表した。共同通信が報じた。


◎イラク軍がモスルの礼拝所奪還

 【CJC】イラク軍は6月29日、過激派組織『イスラム国』が支配してきたイラク北部モスルにある礼拝所を奪還したと発表した。

 イラクのハイダル・アル・アバディ首相は「イスラム国は終わった」と声明で述べた。


◎「祈れば病気は治る」と米オレゴン州の両親が我が子死なす

 【CJC】米オレゴン州で信仰を重んじるあまり、生まれたばかりの病気の赤ちゃんを医師に診せることなく死なせてしまった両親が逮捕された。英メディア『メトロ』によるとして特報サイト『テクインサイト』が伝えている。

 オレゴン州オレゴン市に住むトラビス・ミッチェル(21)とサラ・ミッチェル(24)は6月12日、殺人罪と虐待の罪で逮捕された。

 2人の間には3月5日に自宅で双子の女子が生まれたが、未熟児だったうえ後から誕生したジニファーちゃんには呼吸障害があり合併症を起こしていた。

 家族と『キリストの弟子教会』会員や助産婦が立ち会っていたが、ジニファーちゃんを病院に搬送することも救急車を呼ぶこともしなかった。

 同教会のメンバーである夫婦は、現代医療に頼らず特別な"油"を用い"祈る"ことで病気を治すことができるという「信仰療法」を選んだ。しかしジニファーちゃんは誕生数時間後に亡くなった。

 『キリストの弟子教会』はペンテコステ運動の流れにあり、オレゴン州とアイダホ州だけで約1000人の会員がいるという。メンバーは聖書を文字通りに解釈、「信仰はすべてを癒す。そして人の死は"神の意志"によるもの」と信じている。


◎独でマルティン・ルターのフィギュアに論議

 宗教改革500周年の今年、マルティン・ルターの国ドイツでも、国の内外に向け、教会だけでなくさまざまな記念行事が行われ、関連グッズもあれこれと発売されている。

 一番人気ではないか、とみられるのが、ルターを模した高さ7センチほどのフィギュア。

 肖像画に知られる、いかめしい本人とは違い、かわいい丸顔。右手にペン、左手には聖書のような本を持っている。

 このフィギュアが最近、ちょっとした物議をかもした、と朝日新聞が報じている。発端は、見開いた本に書かれた「旧約聖書の終わり」との文言。ルター訳聖書は当初の末尾には、「以上」の意味を込めて実際にそう書かれていたそうだ。

 ところがこれに、旧約聖書を聖典とするユダヤ教学者が「ユダヤ教が終わったかのような印象を受ける」とかみついた。改宗に消極的なユダヤ人を批判したルターは、かつてナチスの反ユダヤ主義に利用された事があり、そんな歴史的経緯と誤解が生んだ論争、と同紙特派員。

 結局、「終わり」の文言が削られて、販売は続けられることになった。通販サイトで1個8・6ユーロ(約1千円)という。(CJC)


《メディア展望》

 =カトリック新聞(7月2日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★世界難民の日=教皇フランシスコ=難民と知り合い 理解して
★沖縄慰霊の日=戦争を許さない努力を=那覇教区=カトリック平和巡礼
★マニラ教区が献血運動=タグレ枢機卿誕生日で
★宮崎=旧園舎で「こども食堂」=教会と市民の出会い、花開く
★日本からも投融資="クラスター爆弾"製造企業に=東京で仏教系NPOがセミナー

 

 =KiriShin(7月1日)=http://www.kirishin.com
★学生に寄り添い続けて70年=キリスト者学生会(KGK)11月に記念大会=「遣わされた地」で教会の"礎"に
★日本国際飢餓対策機構=国連組織と協力し南スーダン緊急支援
★宗教改革500年の講演会盛況=キリスト教文化協会・東京基督教大学
★「共謀罪」法成立に各教派から反対声明
★「貧しい人たちの日」=教皇が新たに制定

 

 =クリスチャン新聞(6月25日)=http://クリスチャン新聞.com
★キリスト者有志が「共謀罪」法案廃案を求める声明=加害者にならないために=6日間で賛同署名千人超=法務委員会議員に要請行動
★自民党二階特使団「共生園」を訪問=国境を越えた愛の歴史に学ぶ
★JEA(日本福音同盟)総会開催=新理事選出=「宣教インフラ」各分野で展開
★日本キリスト教奉仕団が連続公開講座=「発達障がいを理解して、ともに歩む」
★毎日神に従う「献身」チャレンジ=神戸青年アナロギア委員会「パッション」

 
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