世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1400信(2017.11.20)

  • WCC常議員会は平和・正義・一致を強調
  • オーストラリアが12月にも同性婚合法化
  • IRA党首、来年引退を表明
  • 米公民権運動指導者ジャクソン牧師がパーキンソン病公表
  • キリスト教保守派が出資して米首都に聖書博物館
  • 「魔女狩り」で大けが、パプアの少女を救出
  • 伊ランボルギーニが限定特別仕様車を教皇に贈呈
  • ≪メディア展望≫

 

◎WCC常議員会は平和・正義・一致を強調

 【CJC】WCC(世界教会協議会=本部ジュネーブ)は常議員会を11月17日から23日までヨルダンの首都アンマンで開催した。招請者を代表して、東方正教会のテオフィロス3世総主教は、開会の言葉で、難局に直面しているここ中東でWCC常議員会が開催されること自体が意義あることとし、WCCがこれまでの働きを評価し、前途を見定めるため、平和、正義、一致を強調した。

 総主教は「ここ中東が難局の中にある時に、皆が集まった」として、キリスト教共同体が、多民族、多文化、多宗教なことを特徴とする中東で、重要な一部であり、本来的な存在なのだ、と指摘した。

 「WCCが、わたしたちの存在と自由に対する新しい脅威からキリスト教共同体の立ち位置を維持するため、中東での役割を果たすという使命を守ってほしい」と総主教は締めくくった。

 中央委員会のアグネス・アブオム議長は、2013年の釜山大会で、確認されたWCCの基盤が正義と平和への巡礼に関わることであったと述べた。「正義と平和の巡礼は信頼によって彩られている」と言う。

 「わたしたちは、互いに知らないまま、一緒に旅を始めた。しかし共に働くため、慎重ではあるが大胆な手段を取った。今では互いを知るようになった」という。

 一緒に用心深い処置を取ることで、互いに快適ではない問題をも提起できる段階に来たと思う、とアブオム議長。「わたしたちの旅は愛、苦難、人、そして神の創造に集中していた」。

 総幹事報告でオラフ・フィクセ=トゥベイト氏は、全世界に及ぶ正義と平和にかかるWCCの働きの中での一致を強調した。

 「紛争や衝突がしばしば見られる中東で、平和ともてなしが満ちている集まっている」として、総幹事は「中東の現実をよりよく知るために、さらにキリスト者の存在と証しという豊かな伝統をもって、すべてが正義と平和のため共に生きる道を志していることを知るためにも、わたしたちはここにいる」と指摘した。


◎オーストラリアが12月にも同性婚合法化

 【CJC】オーストラリアで行われた郵便による国民投票で同性婚支持が過半数に達した。

 ロイター通信によると、任意参加の郵便投票の形で約2カ月かけて行われた国民投票の結果が統計局から11月15日発表され、同性婚合法化への賛成票が全体の61.6%、反対は38.4%だった。有権者の約80%が参加した。

 これを受け、12月初めまでに合法化法案が可決される見通し。法案が可決すれば、オーストラリアは26番目の同性婚合法化国となる。


◎IRA党首、来年引退を表明

 【CJC】アイルランドのカトリック過激派『アイルランド共和軍』(IRA)の政治組織だったシン・フェイン党で1983年から党首を務めていたジェリー・アダムズ氏(69)が11月18日、来年引退すると表明した。

 今年3月にはIRAの元指導者で英領北アイルランドの自治政府副首相を務めた同党のマーティン・マクギネス氏が66歳で死去している。

 カトリック、プロテスタント両派の対立が激化した「北アイルランド紛争」の一幕の区切りとなろう。


◎米公民権運動指導者ジャクソン牧師がパーキンソン病公表

 【CJC】米公民権運動の黒人指導者ジェシー・ジャクソン牧師(76)は11月17日、パーキンソン病にかかっていることを公表した。

 AFP通信などによると、アフリカ系米国人の平等な権利のために米国の公民権運動を主導した故マーティン・ルーサー・キング牧師と共に働いたことがあり、現在は米シカゴの非営利団体の責任者を務めているジャクソン氏は、「日常の決まりきった仕事をすることも難しくなってきている」と明かした。

 同氏は「家族とわたしは約3年前に変化に気付いた。しばらくは仕事を中断して医師にかかることに気が進まなかった」と述べている。

 パーキンソン病と診断されたのは2015年で、「一連の検査の結果、医師はパーキンソン病だと診断した。父を倒した病気だ」と言う。その後は病気の進行を遅らせる理学療法や回顧録の執筆に取り組んできた。

 ジャクソン氏は、自身がパーキンソン病と診断されたことを、この病気について他の人たちが理解を深める機会にしたいとも述べている。

 パーキンソン病は原因がなお不明で、根本的な治療法もない。患者は世界に700万〜千万人と見られている。ボクシングの故モハメド・アリ氏、故ヨハネ・パウロ2世教皇も患者だった。


◎キリスト教保守派が出資して米首都に聖書博物館

 【CJC】米首都ワシントンの中心部に11月17日、『聖書博物館』が開館した。「あらゆる宗教、宗派、さらに無宗教の人も歓迎する」という。

 博物館は、国立博物館などが並ぶナショナル・モールの近くにあり、地下や屋上を含めると8階建て。総床面積約4万平方メートル。聖書に関わる遺物や古文書のほか、タッチスクリーンやビデオなどハイテクを利用した展示もある。新約聖書の時代の町並みも再現されている。

 同博物館の発案者で主要な出資者でもあるスティーブ・グリーン氏は、手芸品チェーン『ホビー・ロビー』の経営者で、キリスト教保守派として知られる。聖書に関する収集品も同博物館に寄贈している。

 入場料は無料。ただ成人は15ドル(約1700円)、子どもは10ドルの寄付を勧められている。


◎「魔女狩り」で大けが、パプアの少女を救出

 【CJC】パプアニューギニア中部エンガ州の村で、魔術を使ったとして村人から激しい拷問を受けた少女がキリスト教宣教師らに救出された。オーストラリア公共放送ABCの11月20日報道として時事通信が伝えた。

 少女の年齢は6歳前後。村人らによって熱した刃物で切り付けられ、体の広い範囲に傷ややけどを負った。少女は現在、病院で手当てを受けている。

 少女は2013年に同じく魔術を使ったとして焼き殺された女性の子どもとみられる。

 救出した宣教師の話では、地元社会で「魔術は親から子に受け継がれる」と信じられており、村で悪いことが起きているため、この少女に矛先が向かった。

 エンガ州では過去1カ月間に女性20人が魔術に絡んで暴力を受けている。


◎伊ランボルギーニが限定特別仕様車を教皇に贈呈

 【CJC】イタリアの高級スポーツ車メーカー『アウトモビリ・ランボルギーニ』は11月15日、限定特別仕様車の「ウラカン・RWD」を教皇フランシスコに贈呈した。

 この車は、約610馬力のスポーツカー。ランボルギーニのカスタマイズ部門『アドペルソナム』が製作、バチカン市国の国旗に用いられている白色をベースに、「ウラカン」のシルエットに沿って黄色が施されている。

 バチカン(ローマ教皇庁)で開催された贈呈セレモニーには、教皇とランボルギーニ社のステファノ・ドメニカリCEOのほかに、特別仕様車を製作した技術者2人などが参加した。

 教皇はこの車両を専用車として使用する代わりに、2018年5月12日に行われる競売大手『サザビーズ』のオークションに出品する。その収益は教皇から慈善事業団体などに寄付され、人身売買の被害者やイラクで迫害を受けたキリスト者の住宅や教会の再建などに充てられる。

 教皇は光沢のあるボンネットにサインを走り書きした。「ウラカン」の通常価格約20万ユーロ(約2660万円)を上回る値での落札が予想されている。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(11月19日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
★移住者めぐる諸問題の方策=カトリック大学に研究求める=教皇フランシスコ
★教皇ヨハネ・パウロ1世=英雄的徳を認定される=列福への最初の一歩に
★教皇の一般謁見講話=ミサでスマホはやめよう
★情報 どう受け止める?=全国の教区広報担当者が研修
★神学生と交流の1日=福岡キャンパス神学院祭

 

 =KiriShin(11月21日)=https://www/kirishin.com
★ボクらは何を学んできたのか=学校×教育×神学座談会
★95カ条は「悔い改め」のすすめ=宗教改革記念日にルター研講演会
★激変するメディア環境と編集者=「ネット炎上」は現代の「魔女狩り」
★「核兵器のない平和な世界へ」=日本宗平協が宗教者アピール採択
★ルーテル世界連盟とカトリック教会=「一致へのさらなる歩みを」

 

 =クリスチャン新聞(11月19日)=https://クリスチャン新聞.com
★KGK70周年記念大会=草創期以来の卒業生・主事、現役学生が一堂に=福音に生きる"礎"を継承
★音楽で祝う=宗教改革500年記念日=理性と感性で味わう
★ホーリネス100周年記念集会=「同根」一堂に=「苦難の恵み」現在にも意義
★「神が仕えてくださる」ルターの礼拝改革を体験=神戸ルーテル神学校60年・宗教改革500年記念で
★宗教改革500年の年に=華人教会が日本宣教=青山学院でピアノコンサート

 
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