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世界キリスト教情報 第1407信(2018.01.08)

  • 教皇が長崎原爆後の写真「焼き場に立つ少年」配布指示
  • 教皇が大晦日に夕べの祈り、元旦にミサ
  • エジプトのコプト教会近くで銃撃、10人死亡か
  • コンゴ全土で反大統領派弾圧、各地の教会に催涙弾
  • ≪メディア展望≫

 

◎教皇が長崎原爆後の写真「焼き場に立つ少年」配布指示

 【CJC】教皇フランシスコが昨2017年12月30日、バチカン(ローマ教皇庁)広報事務所やバチカン放送など関係メディアに向け、1945年に原爆投下を受けた直後の長崎で撮影された写真入りのカードを配布するよう指示した。

 教皇が年末にカード配布を指示するのは異例。「核なき世界」を訴えてきた教皇が示した強いメッセージと見られる。

 カードには、米国海兵隊の従軍カメラマン故ジョー・ロジャー・オダネル氏が1945年に長崎で撮影した「焼き場に立つ少年」が印刷されている。カードの裏には、教皇の「戦争の結果」という言葉が記載され、教皇自身のサインも添えられている。

 亡くなった弟を背負い、火葬の列に並ぶ少年を撮影した写真に、教皇は「少年の悲しみはかみしめられて血のにじんだ唇に表れている」と、説明も加えた。

 米議会図書館の記録によると、オダネルは4年間をかけて両都市の戦後の様子を記録した。

 米メディア『CNN』のバチカン専門家、ジョン・アレンは自身のウェブサイトで、「新年を前にこの写真を公開したことで教皇の立場に何か実質的なものが付け加わるわけではないが、フランシスコが年末年始の休暇期間中に特定の画像を配布するよう依頼したのは今回が初めて。これは教皇が、写真のメッセージが今特に重要だと考えていることを示唆した」と書き込んでいる。


◎教皇が大晦日に夕べの祈り、元旦にミサ

 【CJC】教皇フランシスコは12月31日夕、バチカン(ローマ教皇庁)のサンピエトロ大聖堂で、「神の母聖マリア」の大祝日の前晩の祈り(第一晩課)を行った。過ぎた1年を神に感謝し、賛歌「テ・デウム」が捧げられ、聖体降福式が行なわれた。

 新年1月1日午前10時、教皇は大祝日とカトリック教会の「第51回世界平和の日」を記念し、大聖堂でミサを司式、同日正午に、教皇はバチカン宮殿の書斎の窓から、広場に集った巡礼者らと共にアンジェラスの祈りを唱える。


◎エジプトのコプト教会近くで銃撃、10人死亡か

 【CJC】エジプトの首都カイロ近郊ヘルワンにあるキリスト教コプト教会の付近で12月29日、銃撃があった。

 同国国営『中東通信』が、保健省の情報として10人が死亡、5人が負傷したと報じている。実行犯は2人組で、1人が逮捕されたという。1人は殺害された。

 エジプトでは2016年12月にカイロ、17年4月に北部タンタとアレクサンドリアでコプト教会が狙われ、計約70人が死亡している。5月には中部ミニヤ県でコプト教徒を乗せたバスが襲撃され、29人が死亡した。

 過激派組織『イラク・シリア・イスラム国』が29日遅く、傘下のアマク通信を通じて犯行声明を出した。

 エジプトではコプト教徒を狙ったイスラム過激派のテロが相次いでおり、政府は新年1月7日のコプト教のクリスマスを控え警備を強化したばかりだった。

 複数の目撃者は米メディア『CNN』に、礼拝を終えて外に出るところだった人々が教会の前で銃撃されたと証言した。2人の襲撃犯を目にしたとの証言もあるが、犯行に関与した人物の数に関する情報は混乱している。

 アブドルファッターフ・サイード・フセイン・ハリール・アッ=シーシ大統領は犠牲者の遺族に弔意を示し、「追い詰められたテロリストのこうした犯行がエジプト国民の決意と固い団結を損なうことはない」と改めて表明した。


◎コンゴ全土で反大統領派弾圧、各地の教会に催涙弾

 【CJC】AFP=時事通信などが国連筋よるとして伝えるところでは、アフリカ中部のコンゴ(旧ザイール)で12月31日、ジョゼフ・カビラ大統領退任を求めるカトリックを中心にした反大統領派の集会を治安部隊が全土で弾圧し、8人が死亡した。カトリックによる31日の抗議を察知した政府は集会を禁じたが、無視された。

 ミサのため信者が集まった各地の教会に催涙弾が撃ち込まれ、銃声が響き、逮捕者が相次いだ。

 キンシャサの大聖堂では、野党指導者の到着と同時に治安部隊が催涙弾を放ち、聖職者が連行される中、「カビラを倒せ」と信者が合唱した。

 カビラ大統領は2016年暮れに任期が切れたが、居座っている。17年中に選挙を行う約束は破られ、大統領選は18年12月23日に予定されている。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(1月7日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★「世界平和の日」(1月1日)メッセージ移住者と難民を受け入れる平和=教皇フランシスコ
★日本の若者 教皇と対話=「勉学」「若者への期待と懸念」など=イエズス会系学校の学生、生徒が質問
★聖コルベ神父から現在、未来まで=「日本の社会奉仕に求められるもの」=東京・上智大学=講演などで考える
★エルサレムの大司教=現状地位の維持求める
★活字追うのが難しい人に人生を豊かにする良書を=ロゴス点字図書館 新館長 西田 友和さん

 

 =KiriShin(年末年始休刊)=http://www/kirishin.com

 

 =クリスチャン新聞(1月7・14日)=http://クリスチャン新聞.com
★普天間教会付属園に米軍ヘリ落下物=保護者ら「命守りたい」事故直後も基地前ゴスペル
★ICAN・川崎氏、NGO担当者ら講演=「核の議論深めて」核政策の不合理、禁止条約の展開
★第58回バックストン聖会を開催="内なるキリスト形成を"=郷家氏説教
★7月に日韓親善大会開催へ=韓国・宣教卓球大会に日本勢参加
★米福音派神学者 スプロール氏逝去

 


 

≪連絡≫2017年「世界のキリスト教・注目ニュース」

 CJC通信を発信する『世界キリスト教情報』は1月8日、2017年の「世界のキリスト教・注目ニュース」をまとめました。

     ※

◎ポピュリズムは「ヒトラー生む」と教皇
 教皇フランシスコは1月21日付のスペイン紙『パイス』に掲載されたインタビューで、ポピュリズム(大衆迎合主義)がナチス・ドイツの独裁者ヒトラーのような「救世主」を生み出すと警告した。
 教皇は「欧州のポピュリズムの例は(ナチス政権が誕生した)1933年のドイツだ」と指摘。「ドイツはアイデンティティーを取り戻す指導者を求め、そこに現れたのがヒトラーだった。彼は国民に選ばれ、国民を破滅させた」と述べた。
 さらに、当時のドイツがアイデンティティーを守るために「壁と有刺鉄線」で自国を防衛しようとしていたと語り、メキシコとの国境に壁を建設し不法移民の流入を阻止しようとするトランプ大統領の構想を批判した。
     ※
◎クムランで60年ぶり12番目の洞窟発見、写本は見つからず
 イスラエルの国立へブライ大学は2月8日、死海の北西岸に位置するクムラン西部の岸壁で、死海文書が保存されていたとみられる12番目の洞窟を発見したと発表した。死海文書の洞窟が発見されるのは60年ぶり。ただ写本自体は20世紀中頃の鉄製のつるはしが2本見つかったことから、アラブの遊牧民族が写本を奪い去った可能性が高い。
     ※
◎司祭不足に教皇が既婚男性の聖職者任命検討へ
 教皇フランシスコが、司祭の不足に対処するため既婚男性の聖職者就任を前向きに検討する方針を示した。米メディア『CNN』が3月11日、ドイツ週刊紙『ディー・ツァイト』とのインタビューの中で明らかにしたと報じている。
 教皇は、聖職者の不足が教会にとって大きな問題になっていると指摘したうえで、聖職者就任資格をめぐる規則の改正に前向きな姿勢を示唆したもの。
 「ビリ・プロバティ(ラテン語で『信頼できる男性』を意味する言葉で、信仰や美徳の面で優れた既婚男性のこと)が選択肢となり得るか検討する必要がある」と教皇は述べた。
     ※
◎エジプトのコプト教会連続爆発、『イスラム国』が犯行声明
 エジプト北部ガルビーヤ県の県都タンタと地中海沿岸のアレクサンドリアで4月9日、コプト教会で相次いで爆発が起き、少なくとも44人が死亡、100人以上が負傷した。過激派組織『イスラム国』が犯行声明を出した。
     ※
◎ファティマの牧童フランシスコとジャシンタ聖人に
 教皇フランシスコは5月13日、ポルトガル訪問の目的地ファティマでミサを捧げ、同地での聖母出現100年を祝うと共に、聖母の出現に会ったフランシスコ・マルトとジャシンタ・マルトの牧童2人を聖人の列に加えた。
 カトリックの教会暦で「ファティマの聖母」を記念するこの日、ファティマの聖母巡礼地には、世界中から熱心な信者らが集い、教皇と共に聖母への崇敬を新たにし、フランシスコとジャシンタ兄妹の列聖の喜びを分かち合った。
     ※
◎教皇が途上国からも含め新枢機卿5人指名
 教皇フランシスコは5月21日、5カ国から新たに5人、ラオス、マリの途上国とスペイン、スウェーデン、エルサルバドルから各1人の枢機卿を指名したと発表した。
 欧州中心主義のカトリック教会の改革を目指す教皇は、伝統に縛られず多様性を重んじた教会改革を推進し、これまでにもアジアやアフリカ、中南米などの出身者を重用している。
     ※
◎教皇が『貧しい人たちの日』を制定
 教皇フランシスコが6月13日、カトリック教会の記念日として、「貧しい人のための世界祈願日」を新たに制定した。
 教皇は、『いつくしみの聖年』の終了後も、全世界のキリスト教共同体が、最も貧しく助けを必要とする人たちへのキリストの愛をより具体的に証しすることを願った。
 「貧しい人のための世界祈願日」は、典礼暦の年間第33主日に定められた。
     ※
◎中国の民主活動家でノーベル賞受けた劉暁波氏が死去
 中国の民主活動家でノーベル平和賞受賞者の劉暁波氏が7月13日、多臓器不全のため遼寧省・瀋陽の病院で死去した。61歳。
 劉氏は妻、劉霞さんや兄、弟など親族に見守られて亡くなった。その際、劉氏は霞さんに、「幸せに暮らしてほしい」との言葉を残したという。
 劉氏は、「非暴力」を貫きつつ、中国共産党の独裁を批判し、民主化運動の象徴となっていた。
     ※
◎福音宣教省長官フィローニ枢機卿が日本を司牧訪問
 バチカン福音宣教省長官のフェルナンド・フィローニ枢機卿が9月17日から26日まで日本を司牧訪問した。
 10日間の日程で各地を訪れ、聖職者・修道者・神学生・信者ら、日本のカトリック共同体と交流しながら、日本の教会の今日の状況に接した。
     ※
◎ICANがノーベル平和賞、WCCと共同記者会見
 ノルウェー・ノーベル委員会は10月6日、今年の平和賞を2007年発足した国際NGO『核兵器廃絶国際キャンペーン』(ICAN)に授与すると発表した。賞金900万スウェーデン・クローナ(約1億2400万円)。
 ノーベル委員会のベリト・レイス=アンデルセン委員長は、核兵器を条約で禁止しようとするICANの「画期的な努力」を授賞理由に挙げた。
 「私たちは、核兵器使用の危険が、ここしばらくなかったほど高まっている世界に生きている」と委員長は述べ、北朝鮮危機に言及した。そして核保有国に対して核兵器の段階的な廃絶に向けた交渉を開始するよう呼びかけた。
     ※
◎米テキサス州の教会で礼拝中に銃乱射27人死亡
 米テキサス州南東部サンアントニオ郊外にあるサザーランドスプリングスの『ファースト・バプテスト教会』で11月5日、日曜礼拝中に、ライフルで武装した男が歩いて教会に入り銃を乱射、少なくとも27人が死亡、24人以上が負傷した。同教会の朝の礼拝には、普段約50人が参加している。
     ※
◎バチカンで核兵器廃絶と軍縮をめぐる国際シンポジウム
 11月10日、バチカンのシノドスホールで「核兵器の無い世界と統合的な軍縮に向けての展望」をテーマに、国際シンポジウムが2日間の日程で開催された。
 7月7日にニューヨークの国連本部で開かれた会議で「核兵器禁止条約」(核兵器の開発、実験、製造、備蓄、移譲、使用及び威嚇としての使用の禁止ならびにその廃絶に関する条約)が、国連加盟国193カ国のうち、124カ国参加のもと、賛成122票、反対、棄権各1票で採択されている。
     ※
◎シナイ半島でモスク襲撃され184人死亡
 エジプト東部シナイ半島北部アリーシュ近くで11月24日、武装集団がモスク(イスラム礼拝所)を襲撃し、少なくとも184人が死亡、120人以上が負傷した。国営テレビなどが伝えた。金曜礼拝に訪れた人々を狙ったとみられる。
 シナイ半島では過激派組織『イスラム国』の傘下の武装組織が活動しているが、これほどの規模の襲撃事件が起きるのはまれ。
     ※
◎トランプ米大統領の「エルサレム首都」認定に世界は戸惑いと反発
 ドナルド・トランプ米大統領が12月6日、エルサレムをイスラエルの首都と認定したことに、世界は戸惑い、反発している。
 中東のイスラム諸国などで8日、「一方的な決定」「撤回せよ」と対米批判が噴出、抗議デモが相次ぎ発生した。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教全てにとっての聖地エルサレムでもイスラム教徒の反発が強まった。
     ※
◎教皇が長崎原爆後の写真「焼き場に立つ少年」配布指示
 教皇フランシスコが12月30日、バチカン広報事務所やバチカン放送など関係メディアに向け、1945年に原爆投下を受けた直後の長崎で撮影された写真入りのカードを配布するよう指示した。
 教皇が年末にカード配布を指示するのは異例。「核なき世界」を訴えてきた教皇が示した強いメッセージと見られる。


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