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世界キリスト教情報 第1444信(2018.09.24)

  • バチカンと中国が司教任命について暫定合意
  • 中国の全司教らとの交わりを教皇が承認
  • バチカン国務長官、中国との司教任命めぐる暫定合意で声明
  • 台湾はバチカンとの友好をアピール
  • 教皇がリトアニア・ラトビア・エストニアの3国訪問
  • ニューヨークの教会が聖職者暴行を31億円で和解
  • 米国務長官、ウイグル人拘束めぐり異例の中国批判
  • 国際平和デーに国連本部で鐘鳴らし平和訴え
  • ≪メディア展望≫

 

◎バチカンと中国が司教任命について暫定合意

 【CJC】バチカン・ニュース(日本語電子版)が9月22日、バチカン(ローマ教皇庁)と中国が北京で会談、その中で双方が、司教の任命をめぐる暫定合意に署名したと報じた。この合意は、両者の段階的な相互の歩みよりを経て、中国国民、世界平和への貢献を願い行われた、という。

 バチカンと中国間で、カトリック教会についての共通関心をめぐり続けられてきた交渉で、北京で22日開かれたバチカンのアントワン・カミレーリ外務局次長と、中国の王超・外交部副部長による会談の中で、両代表が、司教の任命をめぐる暫定合意書に署名した。

 バチカン・ニュースは、暫定合意が、長い慎重な交渉を経た、段階的な双方の歩み寄りの成果によるもので、その具体化については定期的に評価を行うことが予定されている、としている。

 合意書は、教会の活動にとって大きな影響を及ぼす司教任命問題を扱っており、双方レベルでのより大きな協力のための条件を形作るものとなる。

 バチカン・ニュースは、この合意が当局の豊かで先見性ある対話プロセスの発展に寄与し、中国のカトリック教会の活動と、中国国民、そして世界平和に貢献するよう、双方の期待が表された、としている。

 双方の折衝について、中国共産党系メディアの環球時報(英語版=グローバル・タイムズ)は19日付で、バチカンが9月末にも中国に代表団を送ると報じた。長年の対立案件である司教任命権に関する問題を協議し、交渉が順調に進めば合意文書に署名するとの見方を伝えていた。バチカン側の予測情報は公式には流れなかった。


◎中国の全司教らとの交わりを教皇が承認

 【CJC】教皇フランシスコは、これまで教皇の承認を得ていなかった中国の司教らを正式に認めた。バチカン・ニュース(日本語電子版)が報じた。

 教皇は、中国における福音宣教を支援するために、これまで教皇の認可を得ずに叙階された司教ら8人を、教会の完全な交わりの中にあるものとして承認した。このうち1人は、昨年亡くなっているが、生前、聖座との和解の意志を表明していた。

 教皇は、この選択により、過去の傷を克服し、中国のすべてのカトリック信者との完全な交わりを実現するための、新しい道程が開かれることを要望した。

 そして、中国のカトリック共同体に、福音を新たに告げるために、より兄弟愛に満ちた協力を生き、教会を通してイエス・キリストと、御父の赦しと救いの愛を証しするよう招いた。


◎バチカン国務長官、中国との司教任命めぐる暫定合意で声明

 【CJC】バチカン(ローマ教皇庁)国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿は9月22日、教皇フランシスコは中国のカトリック共同体に和解の努力を託されている、として司教任命をめぐる暫定合意について次のように声明を発表した。

 「バチカンと中国間で署名された、司教任命をめぐる暫定合意は、大きな意味を持つ。それは特に中国のカトリック教会の活動や、バチカンと中国の当局間の対話のためはもとより、国際レベルで多くの緊張が見られる今日、世界平和の基礎づくりのためにも重要なもの」

 「バチカンの目的は、司牧的なもの。つまり、地方教会がより大きな自由、自主性、組織の状態を享受し、福音宣教の使命に取り組み、人間と社会の統合的発展に寄与できるように助けること」

 「今初めて、中国のすべての司教たちは、教皇との一致の中にある。教皇フランシスコは、その先任の教皇たちと同様、特別な関心と配慮をもって中国の人々を見つめている。ここには一致が必要であり、信頼と新たな飛躍が必要。そして、ペトロの後継者と彼らの国の当局から認められた、良い司牧者たちが必要。合意はこうした目的から生まれた。この合意が、皆の協力のもと、このプロセスを助けることができるよう期待しよう」

 「中国のカトリック共同体、司教、司祭、修道者、そして信徒の皆さんに、教皇は、過去と現在の無理解を克服する助けとなる具体的態度をもって、兄弟間の真の和解の精神を生きるようにと、特別な努力を託している。こうしてこそ、中国のカトリック信者たちは、自分たちの信仰を証しし、祖国への純真な愛を生き、すべての民族との対話と平和の推進のために自らを開くことができる」


◎台湾はバチカンとの友好をアピール

 【CJC】バチカン(ローマ教皇庁)が9月22日、国交のない中国と司教任命問題について暫定合意に達したことから、双方の関係正常化につながる可能性も指摘されている。

 台湾の通信社『中央社』は、台湾にとってバチカンは外交関係を結ぶ17カ国のうち唯一の欧州における「国交国」であり、外交部(外務省)が同日、「76年目に入った台湾との外交関係に影響しない」とする報道文を発表し、引き続き人道援助や文化教育、環境保護、宗教の自由など多分野で協力を強化していく姿勢を強調した、と報じている。

 10月14日にバチカンで行われる福者パウロ6世教皇らの列聖式にも代表団を派遣するという。

 バチカンと中国は1951年に断交し、司教の任命権を巡って長年対立してきたが、教皇フランシスコは2013年3月の就任以来、中国との関係改善を図っていた。

 李世明・駐バチカン大使は、暫定合意の最大の意義は、「中共」が初めてローマ教皇の地位を認め、従来堅持してきた「国外勢力に内政干渉させない」主張を打破したことにあると述べた。また「中共」が今回見せた柔軟性は歴史修正主義の勝利だとし、両岸問題についても、事実と異なる「一つの中国」を柔軟に修正し、理性的かつ良性の対話を再開してこそ地域と世界の平和、安定につながるとの見方を示した。


◎教皇がリトアニア・ラトビア・エストニアの3国訪問

 【CJC】教皇フランシスコは、9月22日から4日間の日程で、リトアニア、ラトビア、エストニアの、バルト3国を司牧訪問に出発した。

 バチカン・ニュースによると、教皇は出発を前に、訪問先3カ国の国民に、ビデオを通しメッセージを送った。

 この中で教皇は、カトリック教会の司牧者として訪れながらも、これらの国々のすべての人々を抱擁し、平和と善意、未来への希望のメッセージを伝えたいと述べている。

 教皇はこの訪問が、バルト3国の最初の独立宣言から100周年を祝う年と重なることに触れながら、現在の自由を可能とした過去の人々の犠牲を想起した。

 自由とは、絶え間なく守り、新世代に伝えられるべき、貴重な遺産であると述べた教皇は、暴力と迫害の暗い時代も、自由のともし火は消えることなく、神から与えられたすべての人の尊厳が尊重され、正義と兄弟愛の社会を築くために皆が協力する、未来への希望を掻き立ててきたと強調した。

 22日朝、ローマ・フィウミチーノ空港を特別機で出発した教皇は、現地時間同日昼前、最初の訪問国リトアニアの首都ヴィリニュスに到着した。

 ヴィリニュス国際空港で、教皇はダリア・グリボウスカイテ大統領に迎えられ、民族衣装の子どもたちから花束を受け取った。

 空港で歓迎式に臨まれた教皇は、大統領の表敬訪問と要人との会見のため、ヴィリニュス市内の大統領官邸へと向かった。

 教皇は、25日までのバルト3国訪問中、宿泊先をヴィリニュスに定め、同地を基点に各国・各地を訪問する。

 バルト3国訪問2日目の23日(日)、教皇は、リトアニア第二の都市、カウナスに向かい、ネムナスとネリスの両川が合流するサンタコス公園で、ミサを捧げた。

 会場にはおよそ10万人の信者が集い、オーケストラやコーラスの調べがミサを彩った。

 教皇は、キリスト者の人生には、常に十字架の時があり、その苦しみには終わりがないように見える時もあると述べつつ、占領や強制連行、密告や裏切りの只中に置かれた不安と苦悩、シベリアやゲットーという言葉に触れる時の戦慄を体験した、リトアニアの人々の歴史を振り返った。

 教皇は、「イエスは今日、誰をわたしたちの真ん中に立たせるでしょうか。誰がわたしたちの間で最も小さき者、最も貧しい人たちでしょうか。独立宣言100年において、わたしたちが受け入れるべき人々は誰でしょうか」と問い、地域における少数民族や、職を求め移民せざるを得なかった人々、孤立したお年寄り、人生の意味を見いだせない若者たちなどの存在を示した。

 教皇は「外に向かう教会」を強調。自分の何かを失うように感じて、社会の片隅の人々に尽くすことを恐れるようではいけないと、人々を励ました。


◎ニューヨークの教会が聖職者暴行を31億円で和解

 【CJC】米カトリック教会の聖職者らによる子どもへの性的虐待問題で、ニューヨークのブルックリン教区は9月18日、被害者4人に対して計2750万ドル(約31億円)の和解金を支払うことで合意した。1人当たりの和解金は約7億7千万円で、この問題で最大規模。米紙ニューヨーク・タイムズが報じた。

 同紙によると、被害者の男性らは2003~09年に教会の宗教教員だった男に繰り返し性的暴行を受けたという。被害者は当時8~12歳だった。被害者の1人の親が通報して発覚。男は09年に逮捕され、禁錮15年の刑に服しているという。

 ブルックリン教区では他にも聖職者による性的暴行疑惑が多数発覚し、被害者との示談が進んでいるが、今回の和解金は個人に支払うケースとしては最も高額な部類に入るという。


◎米国務長官、ウイグル人拘束めぐり異例の中国批判

 【CJC】マイク・ポンペオ米国務長官が9月21日、中国政府に対し、イスラム教徒の少数民族ウイグル人を多数拘束していると異例の強い論調で批判した。AFP通信などが報じた。

 中国が過激主義の抑止を口実に、西部の新疆ウイグル自治区でウイグル人を多数拘束しているとの国連報告を受け、ポンペオ国務長官は、「数十万人、事によると数百万人のウイグル人が、いわゆる再教育キャンプに強制的に収容され、重度の政治的な洗脳をはじめとする虐待に耐えている」「彼らは宗教的信仰を奪われている」と指摘した。

 米議会の超党派議員団は8月末、ポンペオ国務長官とスティーブ・ムニューシン財務長官に宛てた書簡の中で、ウイグル人の強制収容に関わっているとして、中国当局者らに制裁を科すよう求めていた。

 ポンペオ国務長官は米国による制裁措置の導入については言及しなかった。


◎国際平和デーに国連本部で鐘鳴らし平和訴え

 【CJC】国際平和デーの9月21日、ニューヨークの国連本部で、日本から贈られた「平和の鐘」を鳴らし、世界の紛争の終結を訴える式典が開かれた。アントニオ・グテレス事務総長や別所浩郎国連大使、国連平和大使の米俳優マイケル・ダグラスさんらが参加した。

 グテレス事務総長は「世界各地で紛争は大幅に増え、人々は苦しんでいる。でも私たちは諦めない」と述べ、平和への誓いを新たにした。

 共同通信によると、平和の鐘は、第2次大戦で多くの戦友を失い、後に愛媛県宇和島市長を務めた故中川千代治さんが、60カ国以上の貨幣やローマ教皇から贈られた金貨を溶かして造った。中川さんは1954年、鐘を国連に寄贈した。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(9月23日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★教皇=来年の訪日を希望=日本からの巡礼訪問団に語る
★教皇フランシスコ=全司教協議会会長を招集=性虐待被害を防ぐ世界会議に
★愛が 罪への隷属 断ち切る=教皇の一般謁見講話
★「生徒主体」の部活動へ=静岡聖光学院で「サミット」開催
★菊地功大司教=パリウム授与式ミサ=東京教区

 

 =KiriShin(9月21日)=http://www.kirishin.com
★「迷える時代」だからこそ=精神科医・香山リカ氏が語る教会への"期待"
★"律法的な束縛ではなく希望を"=性教育研究会で大嶋重徳氏
★『すべての壁をぶっ壊せ』=出版記念礼拝で「牧師ビール」販売
★愛農高校で120回目の聖書研究会=世代を超えて「伝え方」学ぶ
★キリスト教出版販売協会=総会で新幹事長に新藤敦氏

 

 =クリスチャン新聞(9月23日)=http://クリスチャン新聞.com
★「4/14の窓」第3回全国カンファレンス開催="次世代への「約束」信じ歩め"
★土台陥没、壁に亀裂、液状化=道南、札幌清田区に集中=北海道地震=教会被害状況明らかに
★ホクミン=道内の被災教会の情報収集=不安抱える住民のため祈りを=札幌、富川にボランティアのためのベース設置
★中国語、英語、健康体操、詩、日本舞踊...=「ありがとう」をいろんな形で 「ありがと音頭フェスティバル」
★屋根が飛ばされ、十字架が傾き、窓が壊れ...=台風21号の爪痕 教会にも

 
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