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世界キリスト教情報 第1450信(2018.11.05)

  • パキスタンで死刑判決のキリスト教徒が逆転無罪、強硬派は猛反発
  • 妻と子の目前で米国人宣教師殺害される=カメルーン派遣1カ月
  • 米国ユダヤ教会銃撃に連邦地裁が憎悪犯罪で起訴
  • アイルランドが「神への冒涜罪」廃止へ
  • ウクライナが正教会独立巡り総主教庁と協力協定に署名
  • 中米移民が集団で「北上」
  • ≪メディア展望≫

 

◎パキスタンで死刑判決のキリスト教徒が逆転無罪、強硬派は猛反発

 【CJC】パキスタン最高裁が10月31日、2010年にイスラム教に対する冒とく罪で死刑判決を受けていたキリスト教徒女性アシア・ビビさんに、改めて無罪判決を下したが、これに反発したイスラム強硬派の宗教政党『TLP』が激しい抗議を繰り広げている。ロイター通信が報じた。

 抗議者はカラチやラホールなどで道路を封鎖、これらの都市と首都イスラマバードでは私学が休校となった。

 ビビさんは、近隣住民がイスラム教徒でないことを理由にビビさんが自分たちのグラスから水を飲むことに反対した際にイスラム教に対し冒涜的な発言をしたとして、初めて冒涜法が適用され死刑判決を受けていた。しかし今回、最高裁が、証拠不十分と判断したもの。

 『TLP』の幹部が判事は死に値すると発言し、これを受けてカーン首相が31日夜のテレビ中継で、抗議者に対し道路封鎖が長引けば政府は阻止に出ると警告した。


◎妻と子の目前で米国人宣教師殺害される=カメルーン派遣1カ月

 【CJC】米紙『ワシントン・ポスト』報道によると、カメルーンに派遣されていた米国人宣教師が10月30日、妻と子どもの目の前で射殺された。インディアナ州のエリック・ホルコム知事が発表した声明では、殺害されたのは8人の子を持つチャールズ・ウェスコ宣教師(43)。同州ウォーソーにある『ビリーバーズ・バプテスト教会』から、10月初めにカメルーンに派遣されたばかりだった。

 同教会のデイブ・ハルヤマン担任牧師が語ったところでは、ウェスコ一家はカメルーン北西部バメンダに滞在していた。この地域は、カメルーンでは少数派の「英語話者」が多い北西州と南西州の2州で『南カメルーン連邦共和国』(アンバゾニア共和国)の名で分離独立を求めている。南カメルーンの分離独立運動の背景にはフランス語話者の方が政治などを中心的に支配して有利にある事や経済格差への不満がある

 ハルヤマン牧師によると、ウェスコ牧師と妻のステファニーさん、8人の子どものうちの息子1人が別の宣教師と買い物に出掛けていたときに、ウェスコ牧師らが乗っていた車に向かって発砲されたという。

 AFP通信によると、カメルーンのジョゼフ・ベティ・アソモ国防相は10月31日、国営ラジオ放送で、犯行は4人の「テロリスト」によるものだと述べた。アソモ国防相が犯人らを「テロリスト」と呼んでいるのは、カメルーン軍が事件の背後にあるとする、英語話者の分離主義者らの主張に対応したものと見られる。


◎米国ユダヤ教会銃撃に連邦地裁が憎悪犯罪で起訴

 【CJC】米東部ペンシルベニア州ピッツバーグの『シナゴーグ』(ユダヤ教会堂)で10月27日朝、男が銃を乱射し11人が死亡、警官4人を含む6人が負傷した事件で、同州の連邦地裁の大陪審は10月31日、憎悪犯罪(ヘイトクライム)などでロバート・バウアーズ容疑者(46)を起訴した。バウアーズ被告は11月1日、同地裁の罪状認否で無罪を主張した。

 同銃撃事件は「ユダヤ人社会を標的にした米史上最悪規模の事件」(米ユダヤ人団体)とされる。ドナルド・トランプ大統領の過激な発言が事件を誘発したとの批判が出ており、中間選挙に与える影響にも関心が高まった。


◎アイルランドが「神への冒涜罪」廃止へ

 【CJC】アイルランドで10月26日、神への冒涜(ぼうとく)を禁じた憲法の規定の是非を問う国民投票が行われた。AFP通信によると、27日に発表された投票結果、65%の賛成でこの規定は廃止されることになった。

 アイルランドが憲法を制定して独立した1937年以降、この罪で起訴された例はない。

 しかし2015年に英テレビのパーソナリティー、スティーブン・フライ氏がインタビュー中に神を「ばか者」呼わばりした容疑で警察が捜査に乗り出したことで、この条項批判が高まった。


◎ウクライナが正教会独立巡り総主教庁と協力協定に署名

 【CJC】ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領は11月3日、トルコのイスタンブールを訪れ、東方正教会で最高権威を持つとされる『コンスタンチノープルのエキュメニカル総主教』バルトロメオス1世と会談した。ウクライナ正教会が近くロシア正教会からの独立することを控え、両者は協力協定に署名した。

 ロシア正教会と連携を取ってきたロシア政府は反発を強めている。ウラジミル・プーチン大統領は10月31日、「我々にとって共通の課題は(ウクライナとの)信仰的な歴史的な統一を維持すること」と述べた。コンスタンチノープル総主教庁がウクライナ正教会の独立を認める決定を下して以来、この問題について初めての発言で、「独立」に反対する意向を明確にした。

 ポロシェンコ大統領は、ウクライナ正教会の独立に向けて積極的に動いてきた。来年3月の大統領選を控え、低迷する支持率の底上げにつなげる狙いもあるようだ。


◎中米移民が集団で「北上」

 【CJC】中米各地から米国を目指して北上中の「キャラバン」と呼ばれる移民集団が相次いでいる。単独行動よりも安全なうえ、米中間選挙前のタイミングで注目を集めれば、支援も得やすいという狙いが見られる。

 第1陣約4000人はメキシコ南部のオアハカ州に到達した。第2陣はグアテマラと国境を接する南東部チアパス州に、第3陣はグアテマラ側のメキシコ国境近くに到達した。さらにエルサルバドル国内で第4陣が発見された。

 中米から多数が集団で米国を目指す理由の一つは劣悪な国内情勢。「キャラバン」を構成するホンジュラス、エルサルバドル、グアテマラといった中米諸国は全体的に目立った産業がなく貧困率が高い。加えて麻薬を扱う犯罪組織が横行し、急激に治安が悪化している。

 移民集団はメキシコシティを経由して米国との国境沿いの街を目指すとみられる。今後のルートは明らかではないが、米国行きを目指す多くの移民が集まる米カリフォルニア州に接する北西部ティフアナなどが候補と見られる。ティフアナをはじめ国境近くの街はすでに移民も多く、数千人規模の移民集団が到達すれば混乱は必至だ。

 移民集団からのメキシコへの難民申請も急増している。メキシコ政府によると10月31日までの申請数は2934と、1週間足らずで7割増えた。背景にはトランプ大統領の中米移民に対する厳しい姿勢や、メキシコ側が支援策で難民申請を促していることがありそうだ。

 集団のうち927人はメキシコ当局に対してすでに帰国の意向を示しており、近く送還される。メキシコ政府は難民申請数や帰国希望者数は今後も増える見通しだとしている。

 移民集団がメキシコ滞在に切り替えたり、帰国を決めたりする背景には米国のドナルド・トランプ大統領の強硬姿勢がある。トランプ大統領は10月31日、移民集団の入国阻止のため国境付近に最大1万5000人規模の兵士を派遣する可能性を示唆するほか、火器の使用にも言及するなど発言をエスカレートさせている。移民の間では国境まで旅を続けて難民申請をしても受け入れられないのではとの不安が広がっている。

 メキシコ政府が北上をやめさせることを念頭にした支援策も要因の一つだ。難民申請をしてグアテマラ国境に近い南東部にとどまることを条件に一時滞在許可を出して就労や医療、さらに子どもの教育に関しても支援を実施すると約束している。幼い子ども連れで長旅が難しい移民などを中心に、旅をやめてメキシコでの滞在を選んでいるようだ。

 難民申請が増えているといって移民集団の勢いが落ちているとも言えない。最初にメキシコ入りした集団はまだ4000人規模の勢力を保っているうえ、グアテマラ国内を含めれば合計4集団が別々に北上しており、これから集団に加わる人たちもでているためだ。

 メキシコシティは市内にある複合運動施設のサッカー場内に仮設の宿泊施設を整備し、移民を収容する計画。到着した移民は用意された簡単な食事をとっているほか、宿泊施設の完成を待ちながら、サッカー場の観客席で横になるなどして休憩し、数日間の休憩後に再び北上を続けるとみられる。

 アミエバ市長は「移民は我々の仲間であり、必要なものは準備していきたい」と話している。施設は「5000人の収容が可能で、妊婦や子供などには専用のスペースを確保する」という。カトリック教会も市内に複数の収容場所を準備し、本格化する移民集団の到着に備えている。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(11月4日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★教皇=若者たちにゆるし願う=青年シノドス閉会ミサ
★前田万葉枢機卿=特使としてマニラへ=大聖堂再建60周年記念ミサ
★僕らは仲間=国籍や言葉の違い超え集う=大阪教区 国際協力の日
★祈りと活動 独自の進化=宮城県・カリタス南三陸ベース
★「使い捨て文化」やめて=プラスチックに頼らない生活を=海洋汚染問題 講演会=東京・吉祥寺教会

 

 =KiriShin(11月1日)=http://www.kirishin.com
★死刑と向き合う宗教者の姿=映画『教誨師』対談=佐向大監督×川上直哉牧師
★柴山昌彦文科相「教育勅語」発言=宗教者が撤回求め共同声明
★「立教女学院に建学の精神を取り戻す会」が公開質問状=財政難の理由に疑義
★世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会=新理事長に植松誠主教
★ダビデ張グループ詐欺罪で起訴=今年1月の家宅捜索経て

 

 =クリスチャン新聞(11月4日)=http://クリスチャン新聞.com
★ツアーでゆかりの地見学=細川ガラシャの信仰に触れる
★長岡京市=オペラ「細川ガラシャ物語」公演=婚礼、洗礼、殉教の3幕で
★「なんで教会、必要やねん?」=牧師、信徒で考える 神戸神学アナロギア委員会セミナー
★「JEA宣教フォーラム@東海」で中西雅裕氏=「ゆるやかな協力」は神のわざ
★牧師夫婦でラジオトーク=若者に届く番組を=がっつりコミュニケーション!!

 
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