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世界キリスト教情報 第1451信(2018.11.12)

  • 香港の陳日君枢機卿が教皇に中国地下教会への弾圧強調
  • マザーテレサの修道会がインドの養子縁組制度に復帰
  • バチカンが2018年のクリスマス切手発売
  • 逆転無罪のアーシア・ビビさん、拘置所から他所に移送
  • カメルーンで拉致された生徒78人解放、校長と教員なお拘束
  • 米外交誌編集者がウイグル報道で情報提供者行方不明伝える
  • ナザレ・イリトはナザレの一部じゃない、と市名変更へ
  • ≪短信≫
  • ≪メディア展望≫

 

◎香港の陳日君枢機卿が教皇に中国地下教会への弾圧強調

 【CJC】カトリック通信『UCAN』の報じるところでは、香港教区の元司教、ヨセフ陳日君枢機卿は、教皇フランシスコに中国政府非公認の「地下教会」が直面している危機に注意を払うよう訴えた7ページにわたる書簡を手渡すため10月29日から11月1日までバチカン(ローマ教皇庁)を訪問した。

 陳枢機卿は8日、『UCAN』に、司教任命問題でバチカンとの暫定合意後、中国の地下教会の神父らからの「叫び」が届いている、と語った。「神父たちは、地下から出て、中国天主教(カトリック)愛国会に加盟し、暫定合意に教皇が署名したことを理由に、司祭認定を受けるよう当局に強制される」という。

 枢機卿は、合意の中のいくつかが公表されていないので、地下教会の兄弟姉妹はどうすべきかが分からない、と述べた。

 枢機卿は、中国の教会は新たな迫害に直面しており、『聖座』(バチカン)は中国共産党が地下共同体を抑圧するのを助けている、と語った。「わたしは今回も教皇に話そうとした。彼がもう一度考えてくれると期待した。しかしこれが最後かもしれない」と言う。

 書簡で、枢機卿は、どのようにして地下教会が資金を没収され、親族の中に、信仰を理由に投獄されたり、生命まで奪われた聖職者もいる、と伝えた。「しかし『聖座』は聖職者を支持しないで、彼らを問題だとした。問題を起こし、一致を支持しないと見ている。このことが彼らを最も苦しめている」と枢機卿。

 書簡は、中国の教会には司教を選出する自由もないとも指摘している。「教皇は、中国教会の会員は預言者であるべきで、時には政府を批判する、と語った。教皇が中国教会の事情を理解していないことに、非常に驚かされた」と枢機卿。

 9月26日、暫定合意への署名4日後、教皇は中国教会とさらに全教会に向け、合意に署名した理由を、福音宣教を推進し、中国のカトリック共同体に一致をもたらすためだとするメッセージを著わした。

 さらに9月2日から25日までリトアニア、ラトビア、エストニアのバルト3国に司牧訪問を行った際、教皇は専用機内でのメディア会見で、「信仰のために苦難にさらされた人たちに敬意を払うべきだ」、特にナチと共産党に残酷に踏みにじられた今回訪問した3国を、と語った。

 陳枢機卿は、『UCAN』に、教皇の言葉は「彼が3国の歴史が中国教会の歴史と現状でもあることを知らないのだ」と感じさせられたと語った。

 枢機卿は、中国教会の直面している実情を話さない周囲の人たちに教皇がだまされている、と推測する。

 枢機卿は、中国政府との交渉に当たったバチカン国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿を批判した。

 「彼は非常に経験豊かだ。中国の醜い面も見ており、彼らが妥当でないことも分かっている。実際、中国側を信頼していない。外交関係樹立という目的を達成するために利用しているだけだ」と陳枢機卿。

 枢機卿は、教皇ベネディクト16世の在位下に中国教会に送られた書簡(複数)が、文脈を無視したものであり、特に地下教会の存在についてはその通りだった、と強調する。

 「ベネディクト16世は、地下教会自体の異常性について語ったのではない。中国の状況が正常ではなかったのだ。政府介入の意味は、教会が潔白ではありえず、異常な状況に導かれる。そうなれば、司教、司祭、信仰者は地下に行くことになる」と陳枢機卿。

 中国政府が教会に介入し続け、教会員が信仰を純粋に守ろうとするなら、公認教会と地下教会の合同は不可能だ、と枢機卿は語る。

 「わたしたちが死守すべきは教皇だ。彼を攻撃は出来ない。今回、教皇が誤っているなら、彼が過ちを認めてほしい。もしも認めないのなら、未来の教皇が過ちを指摘してほしいと思う。しかし、結局は教皇の最終決定だ。もしもあなたが従えないのなら、無原則が残るだけ。本土の兄弟たちは反抗すべきではない」と枢機卿。

 陳枢機卿はこの1月にもローマを訪問、教皇に書簡を手渡している。今回の懸念の焦点は、中国で公認教会の「違法司教」2人を承認するため、『聖座』が教皇が認知している司教2人に退任を求めたことにあると見られる。


◎マザーテレサの修道会がインドの養子縁組制度に復帰

 【CJC】カトリック通信『UCAN』が11月5日報じたところでは、マザー・テレサが創設した女子修道会『神の愛の宣教者会』がインドで運用されている「養子縁組斡旋制度」への復帰で合意に達した。

 『神の愛の宣教者会』が東部ジャルカンド州ランチーで運営する施設で、女性職員1人と修道女1人が7月初め、乳児の売買に関わった疑いがあるとして逮捕された。

 英語メディアの報道によると、同州の児童福祉局が州都ランチにある同修道会の施設を検査した際に事件が発覚した。施設の職員が生後2カ月の男児を、養子を希望する子どものいない夫婦に、約1750ドル(約20万円)で売ろうとしていたという。

 インドでは合法的な養子縁組には煩雑な手続きが必要なため、慈善団体や病院に賄賂を払うなど違法な手段に頼る人々もいる。

 同修道会は、「ランチーにある施設で起きたことにショックを受けている。あってはならないことだ」として、「このようなことはわたしたちの道徳的信条に反している。この問題について慎重に調査し、このようなことが二度と起きないようあらゆる必要な措置を講じる」と述べていた。

 同会は内部検証の結果、方針を改め、政府が制定した「養子縁組斡旋制度」に参加することにした。

 シスター・メアリー・プレマ・ピアリックなど同会代表団は10月29日に当局側と会見、施設の育児担当者を全員、所轄する州政府に届け出ることに合意したことを明らかにした。


◎バチカンが2018年のクリスマス切手発売

 【CJC】バチカン(ローマ教皇庁)郵便局が、2018年のクリスマス切手を発売する。カトリック通信『ZENIT』が11月10日報じた。

 近年、北イタリア・ミラノのオペラ刑務所で起きている「切手収集」熱の高まりがバチカン郵便局に伝染したためか、今年のクリスマス切手は、受刑者マルチェロ・ダガタさんがデザインした。ダガタさん自身にとっても最善のプレゼントとなった。

 刑務所に収容されている受刑者は世間からは見捨てられ、それほど考慮もされないが、その状況は自らの思いに近い、としばしば述べていた教皇フランシスコ。「切手収集」熱の高まりも、希望という目標があってこそ、との思いが今年のクリスマス切手に結実した。

 「受刑者は、犯した誤りのための刑に服している」と教皇は昨年12月24日に語っていた。「しかし、服役を有益なものとするためには、希望という目標がなければならないことを忘れないようにしよう。そうでなければ、服役は単なる拷問となり、それは有益ではない」という。


◎逆転無罪のアーシア・ビビさん、拘置所から他所に移送

 【CJC】パキスタンでイスラム教への冒とく罪により死刑を言い渡され逆転無罪となったキリスト教徒のアーシア・ビビさんが、拘置所から国内の別の場所に移送されたことが分かった。パキスタンの情報機関筋が11月8日、米メディア『CNN』に明らかにした。

 ビビさんは有罪判決を受けた後、8年間にわたり死刑囚として勾留されていた。無罪となった後も、身の安全をめぐる懸念から同じ拘置所にとどまることを余儀なくされていた。

 ビビさんが先月に逆転無罪となったことを受け、イスラム主義運動のTLPは一時、暴力的な抗議行動を展開した。ただ、TLPが政府との間で最高裁への再審請求に反対しないとの合意を取り付けたため、抗議は収まっている。

 パキスタン政府はまた、ビビさんの出国禁止を求めるTLPの要求に反対しないと誓約。抗議行動に関連して拘束された全ての人を釈放することにも同意した。


◎カメルーンで拉致された生徒78人解放、校長と教員なお拘束

 【CJC】米メディア『CNN』によると、アフリカ中部カメルーン北西州の学校が武装集団に11月5日襲撃されて生徒や教員が誘拐された事件で、生徒78人と運転手は6日に解放され、学校へ戻った。しかし校長と教員1人は戻っておらず、解放に向けた取り組みが続いている。学校や軍の関係者がCNNに明らかにした。

 この事件では、北西州バメンダにある中学校が5日に武装集団に襲撃され、女子生徒42人と男子生徒36人、校長、教員1人、運転手が連れ去られた。女子生徒1人は脱出して無事だった。

 交渉を仲介している現地の長老派教会によると、校長と教員は拘束されたままになっている。

 犯行声明は出されていない。しかし軍の広報は、分離独立を求める英語圏の武装集団が関与していることは間違いないとの見方を示した。

 これに対して『アンバゾニア防衛軍』など分離独立派の2集団は事件への関与を否定している。


◎米外交誌編集者がウイグル報道で情報提供者行方不明伝える

 【CJC】米外交誌『フォーリン・ポリシー』の上級編集者ジェームス・パルマー氏が10月29日、ニューヨークで開かれた国際パネルディスカッション「アジア社会」に出席、西側諸国で新疆ウイグル自治区における人権侵害の取材により現地の情報提供者が行方不明になっていると述べた。ニューヨークに本拠を置く中国語メディア『大紀元時報』が報じた。


◎ナザレ・イリトはナザレの一部じゃない、と市名変更へ

 【CJC】イエス・キリストゆかりの地ナザレとしょっちゅう混同され、閉口した近隣の町ナザレ・イリトが、市名の変更に動き出した。

 ナザレ・イリトは、有名なナザレからわずか3キロ、車で10分の距離にある。市の広報担当者は11月7日、「住民は、観光客など多くの人々が地元をナザレの一部だと誤解している現状にうんざりしている」とAFP通信に語った。

 市名変更を積極的に推進しているのは、ローネン・プロット市長。「ナザレを目指す外国人が私のオフィスに来てしまう事態は、今年のクリスマスで終わりにする」と述べたという。

 有名な近隣都市の影から抜け出したい──プロット市長は、11月21日に市議会に市名変更を提案する予定。

 
《短信》

〇ダライ・ラマ14世が来日
 チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世が来日する。ダライ・ラマ法王日本代表部事務所が発表した。10月14日以降、横浜市や福岡市で講演、20日に日本チベット国会議員連盟総会に出席する。(CJC)

 
《メディア展望》

 =カトリック新聞(11月11日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★あらゆる召命を忠実に=教皇の一般謁見講話
★各大陸代表の司教団が共同署名=気候変動へ緊急行動を
★誰もが生きやすい教会へ=第13回カ障連全国大会=750人以上参加=横浜
★「武器をアートに」展=内戦の銃など素材に 平和訴え=東京・聖心女子大学
★囚人のために祈りを=受刑者のためのミサ=東京・麹町教会

 

 =KiriShin(11月11日)=http://www.kirishin.com
★『キリスト新聞アーカイブス』全5巻=11月10日刊行開始=全紙面をデータ化="戦後日本"の姿克明に
★「ピューリたん」作者sonoさん=救世軍作成の新パンフにイラスト
★功労者に稲冨昭、戸田安士、長山篤子の3氏=日本キリスト教文化協会が顕彰
★東京基督教大学福祉専攻の学生=『ありがと音頭』で健康体操を考案
★ダビデ張グループ問題=韓国メディアCBSがニュースで本紙報道を紹介

 

 =クリスチャン新聞(11月11日)=http://クリスチャン新聞.com
★「心の内面」への介入に警戒=「道徳」の教科化=日基教団で共催講演会
★「特別の教科 道徳」を考える─公立学校の現場から─=「評価」を拡大させないことが大切=全国キリスト教学校人権教育関東セミナー
★三浦家書斎が文学館に移設=文学館20周年に協力・合流◯旭川で三浦綾子読書会全国大会
★2億1500万人が迫害=世界のクリスチャンの12人に1人=迫害下にある教会のための国際祈祷日
★バイブル&アートミニストリーズ公募展開催=ジャマイカ大使夫人も出品

 
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