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世界キリスト教情報 第1461信(2019.01.21)

  • キリスト教一致祈祷週間=ローマでエキュメニカルな夕べの祈り
  • 500件以上の性的虐待疑惑を隠蔽する米イリノイ州カトリック教会
  • バチカン守るスイス衛兵のヘルメットを3Dプリンター製に
  • 世界初の「キリスト教航空会社」が今夏にも誕生へ
  • イスラエルでマクドナルドのマスコットが十字架に
  • 米大学生死亡遺族に賠償命じる判決文を米連邦地裁が北朝鮮に送付
  • 日本人もメンバーの修道女ロックバンドが人気呼ぶ
  • 「トレビの泉」に投げ込まれた硬貨巡り波紋
  • ≪メディア展望≫

 

◎キリスト教一致祈祷週間=ローマでエキュメニカルな夕べの祈り

 【CJC】「ただ正しいことのみを追求しなさい」(申命記16・18~20)をテーマに1月18日、今年の「キリスト教一致祈祷週間」が始まった。

 「すべての人を一つにしてください」(ヨハネ17・21)というイエスの祈りに従い、すべてのキリスト者の一致を祈る同週間は、キリスト教諸教会の参加のもと毎年1月18日から25日まで行われる。

 バチカン・ニュース(日本語電子版)は、ローマの城壁外の聖パウロ大聖堂(サン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ)で、教皇フラシスコがエキュメニカルな夕べの祈りを行ったと報じている。

 この祈りには、ローマのキリスト教諸集会の代表らをはじめ、フィンランドのエキュメニカル使節、またローマを訪問中の世界教会協議会(WCC)「エキュメニカル研究所」(スイス)の研究生らが集い、一致の賜物を共に神に祈り求めた。

 教皇は説教で、インドネシアの教会が選んだ今年のテーマ、「ただ正しいことのみを追求しなさい」には、競争論理にかき立てられた経済成長が、ごくわずかの人を大いに富ませる一方で、多くの人たちを貧困の中に置き去りにしていることへの憂慮や、様々な民族・宗教の人が互いに責任を分かち合って生きる、調和ある社会が脅かされていることへの危機感が反映されている、と述べた。

 社会が連帯や共通善といった基本原則を持たなくなった時、わたしたちは極端な貧富の差というスキャンダルを目にすることになると話した教皇は、連帯と共同責任は「キリスト者家族」を支える掟でなくてはならないと強調した。


◎500件以上の性的虐待疑惑を隠蔽する米イリノイ州カトリック教会

 【CJC】米イリノイ州のリサ・マディガン検事総長が2018年12月19日発表した報告書によれば、同州では、カトリック教会の司祭500人以上が性的虐待で告発されたが、申し立ては事実上無視され、司祭の名前は公表されていないという。ニュースサイト『バズフィード』が報じた。

 報告書は「(検事総長)事務局は情報を精査した結果、イリノイ州の教区には聖職者の性的虐待事件を自ら解決する意思はないという結論に達した」と記している。

 シカゴ大司教ブレイス・キューピック枢機卿は声明で、「聖職者による性的虐待という惨劇に対処しなかったことについて、教会全体の深い遺憾の意を、改めて表明する」と述べた。

 枢機卿は同時に、現職の聖職者や、教会に雇用されている人物が、性的虐待スキャンダルとは無関係であることを強調している。

 教会は以前、「確実な」性的虐待で告発されたイリノイ州の聖職者140人の名前を挙げていた。検事総長事務局が調査を開始した後、教会はこのリストに45人を追加した。

 しかし、検事総長事務局が教会の記録を調べた結果、690人の聖職者が性的虐待で告発されていたことが判明した。検事総長の報告書によれば、教会は、告発を無視するか、あるいは、根拠がないと一蹴するかのどちらかだったという。


◎バチカン守るスイス衛兵のヘルメットを3Dプリンター製に

 【CJC】バチカン市国を守るスイスの衛兵の正装は、500年以上前からの伝統を引き継いでいて、現代風とはかけ離れたデザイン。しかし技術的には、時代の波に乗っている。何と最新の兜は3Dプリンターで製造されている。

 スイス紹介のニュースサイト『SWI』によると、衛兵の装備は隣国オーストリアで手作業で生産され、これまではヘルメットも同じで、重さ約2キロもする鉄製だった。

 3Dプリンターが作り出すヘルメットはプラスチック製。製作を請け負うのはスイス中央部シュタンス近郊にある『3d・プロトティプ』社。マルクス・リシ社長は、新ヘルメット作りに企画段階から関わった。

 16世紀、初期バロック時代のオリジナルをスキャンし、データをコンピューターに取り込む。最後に「印刷」して仕上げが完了するまで、新ヘルメット製造にかかる時間はわずか1日。

 出来上がったヘルメットは重さ570グラム、UV防止、風通しも良い。決しておもちゃではなく、安いとは言え1000スイス・フラン(約11万円)もする。それでも約130時間かけて鍛造されていた従来品に比べれば時間は6分の1となり、ずっと安い。

 バチカンは、今年120個上のヘルメットを注文した。資金は寄付を募った。

 1月22日、衛兵に98個のヘルメットが渡される。


◎世界初の「キリスト教航空会社」が今夏にも誕生へ

 【CJC】米テキサス州の日刊紙『ヘラルド・デモクラット』が1月17日、同州デニスンにある宣教団体『ジュダ1』が早ければ今夏にも、世界初の「キリスト教航空会社」になると報じた。

 『ジュダ1』は最近、プライベートジェットの民間事業者から航空会社への変更申請を米運輸省連邦航空局が受諾したと発表した。「キリスト教航空会社」と言っても、定期便を運航するわけではない。宣教団体の要請に応え、世界各地に臨時便を飛ばすという。

 『ジュダ1』創業者で最高責任者(CEO)のエベレット・アーロン氏は、宣教のために海外に渡航する米国人は毎年40万人と推定する。『バプテスト・メディカル・アンド・デンタル・ミッション・インターナショナル』は年間4000人の宣教師を世界各地に送り出しており、『キッズ・アゲイインスト・ハンガー』は毎週食料8トンを配布している。

 「宣教団体は宣教師の荷物や医療用品、援助物資をコンテナで輸送する。その半分が盗難、輸送中の事故、損傷などで不着になる」としてアーロン氏は、一般の航空会社で旅する宣教師の負担を取り除くことが『ジュダ1』の願いだと話す。

 当初は、ハイチ、中央アメリカ、南米北部などへの便を構想している。


◎イスラエルでマクドナルドのマスコットが十字架に

 【CJC】イスラエルのハイファ美術館前で1月11日、芸術家ヤニ・ライノネン氏の彫刻「マック・ジーザス」(2015年)に反対するアラブ人キリスト者などのデモが行われた。デモ隊による博物館の扉の破壊が試みられ、投石された警察官3人が頭を負傷した。抗議行動の前夜には、火炎瓶が博物館の建物に投げ込まれた。

 「マック・ジーザス」は、現在開催されている「消費品の聖化に捧げる」展覧会の一環として設置された。十字架に磔(はりつけ)にされたイエス・キリストをテーマに、米ファストフードチェーン『マクドナルド』のマスコットであるドナルド・マクドナルドを磔にしたもので、イエス・キリストと同様、腰に黄色い布をまとっている。2018年、フィンランドの美術館から貸し出されたという。

 イスラエルのミリ・レジェブ・スポーツ・文化相は、美術館の館長に彫刻を展覧から撤去するよう要請し、「芸術的抗議行動としての提示が宗教の神聖なシンボルを軽視している」と非難した。しかし、博物館側は彫刻の撤去を拒否した。芸術は暴力への衝動としてではなく、「マック・ジーザス」を展示した展覧会は「多国籍企業による宗教的シンボルのシニカルな使用」を表現したものという。

 しかし展示に抗議する動きが広がり、博物館側が18日、展示中止を発表した。撤去の具体的な日時は明らかにしていないが、もともと月内に返還することになっていた。


◎米大学生死亡遺族に賠償命じる判決文を米連邦地裁が北朝鮮に送付

 【CJC】米ワシントンの連邦地裁が北朝鮮に対し、同地に約1年半拘束され昏睡状態で解放された後に亡くなった米国人大学生、オットー・ワームビア氏の遺族に5億113万ドル(約548億円)の賠償を支払うよう命じる判決文を送った。米政府系放送VOA』が1月18日報じた。

 米連邦地裁は判決から3週間後の16日、北朝鮮外務省に国際便で判決文を送付した。受取人は李容浩(リ・ヨンホ)外相で、到着予定日は30日、と韓国の『聯合ニュース』は伝えている。


◎日本人もメンバーの修道女ロックバンドが人気呼ぶ

 【CJC】チリ、日本、エクアドル、中国、コスタリカ出身の若手修道女たちのロックバンド『シエルバス』が、動画投稿サイト「ユーチューブ」や音楽サービスの「スポティファイ」「アイチューンズ」でヒット曲を飛ばし、人気を呼んでいる。

 「これは、福音の教えを伝え、私たちの強さを示す新しい手段です。ロックは私たちが好きな音楽で、私たちがどういう人間かについて多くを表現してくれるのです」とメンバーの1人、シスター・イボンヌ(37)が話した、とAFP通信は伝えている。

 ペルーの首都リマで高層ビルのヘリパッドを舞台に演奏するミュージックビデオ「トラスト・イン・ゴッド」は口コミで広がり、ユーチューブで約200万回再生された。


◎「トレビの泉」に投げ込まれた硬貨巡り波紋

 【CJC】ローマにある世界的名所「トレビの泉」に観光客が投げ込む硬貨を、ローマ市が回収し財源に充てる方針との報道に波紋が広がっている。

 年間約150万ユーロ(約1億9000万円)に上るとも見られ、これまで硬貨を拾い集め慈善活動の資金にしてきた救援団体『カリタス』が困惑している、とカトリック系紙『アベニーレ』が報じたことから、反発する声が上がり、ヴィルジニア・エレーナ・ラッジ市長は釈明に追われている。

 市長は、金額を把握したいだけだとして、硬貨は今後も『カリタス』に寄付すると述べたものの、市長が当初方針を撤回するまでに追い込まれた、との見方も出ている。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(1月20日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★教皇フランシスコ=外交使節団に年頭演説=国家主義が平和脅かす
★祈りで神の子どもになる=教皇の一般謁見講話(1月2日)
★状況を変える祈りの力=教皇の一般謁見講話(1月9日)
★いのち守る知恵を共有=東北支援担当者の研修会と全ベース・サポート会議=宮城・南三陸
★神父らによる性虐待 二度と繰り返さない=対応マニュアル部分改訂

 =KiriShin(1月11日既報)=http://www.kirishin.com

 =クリスチャン新聞(1月20日・休刊)=http://クリスチャン新聞.com

 
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