世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1465信(2019.02.18)

  • 「バチカン聖職者の8割は同性愛者」=仏社会学者が新著
  • 性的虐待疑惑で米マカリック名誉大司教の聖職剥奪=バチカン発表
  • 性的虐待疑いの聖職者189人公開=米ニュージャージー州5カトリック教区
  • バチカン大使に性的暴行疑惑、フランス検察が捜査
  • 教皇、ベネズエラのマドゥロ大統領に書簡=条件付きで仲裁も
  • ペンス米副大統領がアウシュビッツを訪問
  • 台湾基督長老教会牧師・高俊明さん死去
  • ≪メディア展望≫

 

◎「バチカン聖職者の8割は同性愛者」=仏社会学者が新著

 【CJC】バチカン(ローマ教皇庁)の聖職者層に同性愛が広がっており、このことが「あらゆる側面から教会をゆがめている」、と論じる新刊書が2月20日、欧米など各国で発売される。

 フランス人のジャーナリストで社会学者フレデリック・マルテル氏が新著『バチカンのクローゼットで』(仮訳)のため、4年がかりで1500人への聞き取り調査を実施した。枢機卿41人、司教・モンシニョール(高位聖職者)52人、大使・使節45人も含まれる。

 調査の結果、バチカンの聖職者の8割は同性愛者と判断した。

 マルテル氏はAFP通信に、「バチカンのほとんどが同性愛者だという事実を取り巻いている秘密主義の文化」は、教会が過去50年間に取ってきた「道徳上の立場」の大部分を読み解くカギであるとともに、「教会をあらゆる側面からゆがめている原因」だと指摘する。「教皇フランシスコは教会の中心にうそ、二重生活、偽善があるようになってしまったと言ったが、私はどうしてそうなったのか解明しようと試みた」と説明、また、こうした教会の体質が、家族計画への反対から児童虐待まで「重大な結果を招いている」との見解を示した。

 聖職者による性的虐待と隠ぺい問題への対応を協議するため、教皇が全世界の司教協議会会長を招集する会議が、21日から24日まで、バチカンで開かれる。

 マルテル氏の新著は、会議直前の20日、英語など8言語版が20カ国で出版される。


◎性的虐待疑惑で米マカリック名誉大司教の聖職剥奪=バチカン発表

 【CJC】バチカン(ローマ教皇庁)は2月16日、教皇フランシスコが、性的虐待疑惑を持たれていた米国人のセオドア・マカリック米ワシントン名誉大司教(88)の聖職を剥奪した、と発表した。AFP=時事通信が報じた。

 マカリック氏は2018年7月、聖職者としての活動を禁止され、バチカンの枢機卿会を辞任。今年1月にバチカンの法廷で10代の未成年への性的虐待の罪により有罪とされ、2月には教皇もその判決を認めた。

 マカリック氏は「職権を濫用し、未成年および成人と第6戒(姦淫してはならない)を破る罪」を犯したという。同氏は現在、米カンザス州に居住している。


◎性的虐待疑いの聖職者189人公開=米ニュージャージー州5カトリック教区

 【CJC】米ニュージャージー州内の5カトリック教区は2月13日、少年少女らに性的虐待を加えた疑いのある元聖職者のリストを一斉に公開した。

 現地邦字紙『デイリー・サン』によると、同州内にある全5教区がそれぞれのリストを公開、合計で189人に上ったている。司祭とこれに次ぐ助祭の名前、出生年と執務に当たった教会名の他、告発の数が複数あったかどうかを一覧できる。リスト内の全員が教会執務を退いているか、既に死亡している。

 5教区のうち最多の63人の聖職者を公開したのは、州最大の都市にあるニューアーク教区。ジョセフ・トービン枢機卿は「この開示が、人生を深く傷つけられた人を癒す一助になればと心から願う」との声明を発表。「カトリック教会の運営への信頼を取り戻す1歩になってほしい」と述べた。

 他の4教区のリストに記載された聖職者は、カムデン教区57人。州都トレントンの教区30人、パターソン教区28人、メアチェン教区11人。

 ガーバー・グレウォル司法長官はリスト公開を「全容解明につながる第1歩」として歓迎。刑事処分も視野に、捜査の結論を出す意向を明かした。


◎バチカン大使に性的暴行疑惑、フランス検察が捜査

 【CJC】フランス検察当局は2月15日、バチカン(ローマ教皇庁)の駐仏大使ルイジ・ベントゥーラ大司教(74)による性的暴行疑惑を捜査していることを明らかにした。AFP通信が報じた。

 ベントゥーラ大司教は1月17日、パリのアンヌ・イダルゴ市長が市庁舎で外交官や宗教指導者、市民団体関係者らに対し行った新年の挨拶の場で、男性職員に対し痴漢行為に及んだ疑いが持たれている。

 カトリック紙『ラクロワ』は15日、教会に関係する他の若い男性らもベントゥーラ大司教から体を触られたと証言したことを伝えた。

 同大司教は、2009年から駐仏教皇大使を務め、外交特権で保護されている。


◎教皇、ベネズエラのマドゥロ大統領に書簡=条件付きで仲裁も

 【CJC】ベネズエラで独裁的な反米左派のニコラス・マドゥロ大統領と反体制派のフアン・グアイド国会議長の対立が深まっている問題で、教皇フランシスコはマドゥロ大統領に送った2月7日付の書簡で、政権側を暗に批判しながらも、同氏から要請のあった仲裁に条件付きで応じる構えを見せた。イタリア紙『コリエレ・デラ・セラ』が13日報じた。

 教皇は書簡で「紛争当事者が公益を全てに優先させ、結束と平和のために努力する」試みであれば支持すると強調、「いかなる形の流血も避けなければならない」と訴えた。


◎ペンス米副大統領がアウシュビッツを訪問

 【CJC】マイク・ペンス米副大統領は、中東の安全保障問題を扱う国際会合出席を主要目的として、2月13日から16日までポーランドを訪問した。

 ペンス氏は滞在2日目の14日、第2次大戦中にユダヤ人がドイツ軍に抵抗したワルシャワ蜂起の記念碑で献花した。15日には、ポーランド南部のアウシュビッツ強制収容所の跡地をアンジェイ・ドゥダ大統領と共に訪問、ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の犠牲者を追悼した。

 アウシュビッツでは、第2次世界大戦中にナチス・ドイツによってユダヤ人を中心に少なくとも百数十万人が虐殺された。ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産に登録されている。

 トランプ政権は親イスラエル色の強いキリスト教福音派を支持基盤としている。ペンス氏は2017年12月、イスラエルの首都としてエルサレムを承認する政策を主導するなど福音派の信頼が厚い。


◎台湾基督長老教会牧師・高俊明さん死去

 【CJC】台北発中央社通信によると、台湾基督長老教会牧師の高俊明氏が2月14日死去した。89歳。高氏は慈善活動に生涯を捧げ、長きにわたって台湾の民主化運動に身を投じた。

 1929年生まれ、台南出身。玉山神学院院長や長老教会総会総幹事、総統府資政(顧問)などを歴任した。教会総会総幹事在任中の1977年に発表した「台湾基督長老教会人権宣言」では台湾を新しく独立した国家にすると主張し、世間を驚かせた。国民党政権が反体制デモを弾圧した「美麗島事件」翌年の80年には、デモ指導者の逃亡を手助けしたとして逮捕、投獄された。

 
《メディア展望》

 =カトリック新聞(2月17日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
★教皇=UAE(アラブ首長国連邦)を訪問=「信教の自由」拡大求める
★修道女への性虐待に言及=教皇の機上記者会見で
★長崎教区・五島=司祭団マラソン大会=沿道の声援を力に
★セミナー「核と基地」=不都合な被ばく隠す政策=講師2人が沖縄の問題を解説=NCCと正平協が共催
★春節弥撒(ミサ)で新年祝う=先祖供養する式典も=東京・イエズス会中国センター

 

 =KiriShin(2月11日・既報)=https://www.kirishin.com

 

 =クリスチャン新聞(2月17日)=https://クリスチャン新聞.com
★象徴天皇制の課題 憲法学者・笹川紀勝氏が講演="特権的存在"生む構造を直視
★2・8独立宣言記念資料室拡張移転=宣布の地 在日本韓国YMCAで100年記念行事
★福音派、日本基督教団、ペンテコステ教会=3者が連携し災害対応=東海キリスト者災害ネット
★「ゆるくつながり合う」で災害対策ネットの輪広げ=名古屋防災カフェ2019
★日本キリスト者医科連盟が声明・抗議文採択

 
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