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世界キリスト教情報 第1468信(2019.03.11)

  • 「宗教の中国化」堅持と李首相が全人代で政府活動報告
  • 中国「教会の分裂、融和に向かっている」と「カトリック司教団」副主席
  • 東日本大震災8年、米英の教会で在留邦人らが追悼
  • バチカン秘密文書館にある第2次世界大戦時の文書を来年3月公開
  • 仏枢機卿、性的虐待の隠蔽で有罪判決
  • 《メディア展望》

 

◎「宗教の中国化」堅持と李首相が全人代で政府活動報告

 【CJC】中国の李克強(リー・クォーチャン)首相は2月5日開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で政府活動報告を行い、少数民族問題で「民族の団結・進歩に向けた教育を強化する」と指摘するとともに、キリスト教やイスラム教などを念頭に、「宗教の中国化」を堅持する方針を示した。

 政府系英字紙『グローバル・タイムズ』(環球時報)によると、中国当局はイスラム教協会を中心に、イスラム教を中国化する5カ年計画を進めており、モスク(イスラム礼拝所)に社会主義の価値観や中国の法律、伝統を教える講座などを開設しているという。ウイグル族らの収容措置も「宗教の中国化」の一環とみられる。

 国連人種差別撤廃委員会などは昨2018年夏以降、「新疆ウイグル自治区でウイグル族らイスラム教徒100万人以上が再教育施設に強制的に収容されている」と指摘したが、中国政府は「職業訓練のためだ」と主張、強制収容を否定している。

 キリスト教の中国化も進行中。カトリックについてはバチカン(ローマ教皇庁)との関係を改善する一方、政府非公認の「地下教会」を強制閉鎖し、政府管理下にある「中国天主教愛国会」の拡大を図っている。


◎中国「教会の分裂、融和に向かっている」と「カトリック司教団」副主席

 【CJC】昨2018年9月のバチカン(ローマ教皇庁)と中国の和解について、中国政府公認の「中国天主教主教(カトリック司教)団」の方建平副主席が、北京で毎日新聞の取材に「教会の分裂状態が融和に向かっている」と認識を述べた。バチカンに忠誠を誓う非公認の地下教会への抑圧を否定し、習近平指導部が掲げる「宗教の中国化」を地下教会も受け入れるべきだとの考えを示した。

 北京で開会中の全国人民代表大会(全人代=国会)に、河北省選出の代表(議員)として出席している方氏が7日、毎日新聞の取材に応じたもの。方氏は「バチカンも教会の統合を呼びかけている。多くの地下教会が考えを変え、協力を始めている」と主張。当局が地下教会に政府系教会組織の傘下に入るよう迫っているとの指摘には、「すべての聖職者に加入を求めてはいない」と反論。十字架の撤去や教会の閉鎖を念頭に「行政法規に違反したためだ」と述べた。


◎東日本大震災8年、米英の教会で在留邦人らが追悼

 【CJC】東日本大震災発生から8年を迎え、ニューヨークやロンドンの教会で犠牲者の追悼する催しが開かれた。共同通信などが報じている。

 ニューヨークでは、『ファーストチャーチ・オブ・クライスト・サイエンティスト』で追悼式典「トゥギャザー・フォー・3・11」が開催され、在留邦人ら約400人が参加した。毎年この時期に開催されている式典で、今年で8回目。

 被災の経験を伝える語り部の活動をしている三浦七海さん(19)=宮城県名取市出身=も参加し、世界の役に立つよう「生きている限り『語り部』を続ける」と話した。

 当時小学校5年生で、自宅を津波で失った三浦さんは、避難所の生活はストレスが大きかったことや、被災者であることを理由に中学校でいじめられたことを紹介。一時は被災したのは「恥」だとまで感じたと振り返った、と共同通信が報じている。

 ロンドンでは『聖マーガレット教会』で、日本語英国教会の主で催追悼行事が開かれ、参列した在留邦人や英国人、観光客ら250人以上が被災地の復興を祈り、犠牲者を悼んだ。

 参列者は、震災で犠牲者が出た地域名を記した花びら形の紙を、教会中央に設置された小さい木に飾った。記帳簿に「被災地の皆さんを忘れません」「一緒に頑張りましょう」と書く人もいた。

 愛知県出身で、ワーキングホリデーでロンドンを訪れている女性(30)は、震災で友人を亡くしたのを機に悔いのないよう生きると決めた。「目標実現に向けて渡英したことを今日友人に報告できた」と語った。


◎バチカン秘密文書館にある第2次世界大戦時の文書を来年3月公開

 【CJC】教皇フランシスコは3月4日、秘密文書扱いとなっていた第2次世界大戦当時の教皇、故ピウス12世に関する文書を、来2020年3月に公開すると発表した。これで、ナチス・ドイツの「ホロコースト」(ユダヤ人大量虐殺)に当時のカトリック教会が断固とした対応をとらなかった理由が明らかになる可能性が出て来た。

 AFP通信などは、ピウス12世(在位1939~58年)に関しては、「ホロコースト」をめぐってナチスに対し強い態度で臨まなかったとみなされていると報じ、受動的な態度は大量虐殺への共謀に当たると非難されてきたという。

 これに対し、教皇フランシスコは、ピウス12世の教皇就任81周年に当たる2020年3月2日にバチカン(ローマ教皇庁)の秘密文書館を公開すると発表。「カトリック教会は歴史を恐れない」と述べ、ピウス12世が「20世紀の最も悲しく暗い時期」にカトリック教会を率いることになったのだと指摘した。

 AFP通信は、秘密文書公開の決定について、教皇が、本格的な史実調査によって、ピウス12世が教皇に就いたその時から直面してきたさまざまな困難、苦悩を伴う決定、キリスト教や人道主義に基づいた心痛について、適切な批判と共に公平な視点から評価が下されるものと理解したためと説明した、と伝えている。

 ピウス12世がナチスに対し外交的な警告にとどめたのは、ナチスの占領下にあった欧州の国々におけるカトリック教徒たちを守るためだった、とされている。


◎仏枢機卿、性的虐待の隠蔽で有罪判決

 【CJC】フランス南部リヨンの裁判所は3月7日、聖職者による性的虐待を隠蔽(いんぺい)したとして、カトリック教会の同市大司教フィリップ・バルバラン枢機卿(68)に執行猶予付き禁錮6月の有罪判決を言い渡した。

 バルバラン被告は判決の数時間後、辞職を表明した。裁判は仏カトリック教会に衝撃を与え、世界各国での虐待問題で苦境に立つバチカン(ローマ教皇庁)にとってはさらなる悩みの種となっていた。

 2003年から枢機卿を務めるバルバラン被告は、各国で勃発している小児愛スキャンダルの影響を受けたフランスの聖職者としては最高位の人物。教皇フランシスコは、このスキャンダルに対し「総力戦」で取り組むと宣言していた。

 裁判所はバルバラン被告に対し、1980~90年代にベルナルド・プレナ司祭がボーイスカウトの少年らに対し虐待を繰り返していたとの疑惑についての通報を怠ったとして、有罪判決を言い渡した。

 判決の言い渡しを欠席した同被告は「裁判所の判断をしかるべく認知する」と述べたが、弁護士は上訴する意向を示したという。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(3月10日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★東日本大震災から8年="10年後"以降見据え新たな一歩踏み出す=全ベース会議=仙台教区サポート会議
★故郷を失った被災者=手縫いを楽しみ、集う=復興ぞうきんプロジェクト=盛岡
★"いわて発"=インターネット書店=震災から8年間の取り組み
★広島キリシタン殉教者祈念祭=徒歩巡礼と祈念ミサ
★豪州のペル枢機卿=児童性虐待有罪で拘置=教理省が教会法捜査へ

 

 =KiriShin(3月11日)=http://www.kirishin.com
★教会も電気料金見直す時代=持続可能な財政へ信徒の「寄付」も
★ケズィック・コンベンション=藤本満氏「互いに助け合う連携を」
★『聖書協会共同訳』発行記念=スコポス理論の提唱者が来日講演
★2・11東京集会で天野恵一氏=「政教分離の下で即位礼は不可能」
★日本聖公会、日本キリスト教会など政教分離を訴え声明

 

 =クリスチャン新聞(3月10日)=http://クリスチャン新聞.com
★復興、まちづくり、共生へ=震災支援と過疎のまちでの教会形成=岩手・大船渡、東北宣教プロジェクト
★9条にノーベル平和賞願ってオスロに発信=神戸の「推す会」受賞目指す意義語る
★「政教分離やって即位礼」ありえない=許すな!靖国国営化2・11東京集会
★「国家神道が復古しないように」 2・11信仰の自由を守る祈祷集会=大阪
★韓国カトリック大主教=「3・1に目をそらした」懺悔

 
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