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世界キリスト教情報 第1472信(2019.04.08)

  • 聖職者の性的虐待、日本カトリック司教協議会も調査へ
  • 中国共産党が賄賂で地下カトリック教会の分裂狙う
  • 「神聖なものを汚す」とポーランドで神父らが「ハリポタ」書籍など焼却
  • 『サグラダ・ファミリア』がバルセロナ市に建築許可申請
  • 《メディア展望》

 

◎聖職者の性的虐待、日本カトリック司教協議会も調査へ

 カトリック聖職者による未成年者への性的虐待問題が世界で相次ぎ発覚していることを受け、日本カトリック司教協議会(会長高見三明・長崎大司教)は4月4日に開いた常任司教委員会で、長崎をはじめとする全国16司教区を通じた内部調査を、早期に実施する方針を決めた。具体的な方法や開始時期は今後詰めるが、外部に協力を求めることも検討する。

 高見三明・長崎大司教は7日、被害を訴える男性らが東京・渋谷で被害者たちが開いた集会に参加、国内のカトリック教会における児童性的虐待の調査に乗り出すことを明らかにした。

 調査のきっかけとなったのは東京都公務員、竹中勝美さん(62)の告発。幼少期を過ごした小平市の児童養護施設「東京サレジオ学園」で日常的にドイツ人神父から性的虐待を受けていた記憶にさいなまされた竹中さんが、事実を公にした。

 日本での虐待例は竹中さんが発表してから実施された司教へのアンケートで5件の被害申告が出されたことを把握しているという高見氏はカトリック教会が十分な対応をしてこなかったことを竹中さんに謝罪した。(CJC)


◎中国共産党が賄賂で地下カトリック教会の分裂狙う

 【CJC】中国天主教(カトリック)愛国会への参加を拒んだ地下教会の神父たちが当局に逮捕されているが、中国共産党中央統一戦線工作部(統戦部)は、さらにカトリック地下教会の神父に賄賂を渡し、信者を公式の教会に参加させようと試みているようだ。中国における信教の自由迫害と人権に関するメディア『ビターウインター』(日本語版)が報じた。

 中国のカトリック教会(天主教)司教任命に関するバチカン(ローマ教皇庁)と中国による主導権争いは2018年に双方の間で暫定合意が実現して以来、中国共産党は、この合意により、カトリック地下教会の神父と司教は国が管理する『中国天主教愛国会』への参加が求められるようになったと解釈している。

 中国人民政治協商会議の会員であり、中国天主教愛国会の副会長であるミンドン教区の詹思禄(ザン・シル)ビンセント司教は3月3日、公認教会への参加を拒むカトリック地下教会の信者は、個人的な利益を基に決断を下していたと述べた。また、同司教は、地下教会の信者は中国天主教愛国会への参加を強制されるべきではないというバチカン(ローマ教皇庁)の見解を知り、驚いていると話した。

 匿名希望の信者が『ビターウインター』に伝えたところでは、中国北西部、甘粛省蘭州教区のジョセフ韓志海(ハン・ジハイ)司教に対して、中国共産党中央統一戦線工作部(統戦部)が金銭的なインセンティブを用いて神父に中国天主教愛国会への参加を「促す」よう命じたという。

 その神父は、張掖市四号村のカトリック教会に所属している陳竜(チェン・ロン)氏。この教会は文化大革命当時に中国共産党に破壊され、1983年に信者からの寄付により再建された。現在、教会には神父1人、信徒の管理者12人、信者600人がいる。

 2018年3月、韓司教と統戦部のロビイストが四号村教会の信徒管理人の陳氏と協議を行い、統戦部は、陳氏に対し、中国天主教愛国会に参加した暁には月収1500人民元(約2・5万円)を保障、さらに信者を1人連れて来るごとに報酬を与えることを約束した。この取引に乗った。応じた陳氏は教会で多くの尊敬を集めており、四号村委員会の理事でもある。

 カトリック系『エイシア・ニュース』(イタリア語版)は、韓司教が当初バチカンからは司教として認められていたものの、中国政府には認定されていなかったようだ、と報じている。しかし2017年11月10日、蘭州市の聖心大聖堂で行われた式典で、政府から正式に蘭州教区の司教に任命された。

 司教を引き込むことに成功すると、続いて、統戦部は楊鐸(ヤン・ドン)神父を誘惑する策略を開始した。

 韓司教は楊神父に数回電話をかけ、「中国天主教愛国会への参加を約束しない場合、統戦部は教会を閉鎖し、さらに破壊するでしょう。あなたや頑固な信者は全員逮捕され、投獄されることになります」と述べ、圧力をかけた。

 それを知ると、教区の信者の多くは神父に従い、純粋な教えを守り抜くと話した。信者たちは、中国天主教愛国会には参加せず、政府と韓司教と戦って、神父を守ることも厭わないようだ。

 しかし、数名の信者は「腕は太腿には敵わない」という中国の古い慣用句を挙げ、当局の威圧的な作戦に懸念を評した。この慣用句は「弱者は強者には勝てない」ことを意味するものだ。

 楊神父は中国天主教愛国会への参加に消極的ではあるものの、司教の怒りを買うことも望んでおらず、ジレンマを抱えている。


◎「神聖なものを汚す」とポーランドで神父らが「ハリポタ」書籍など焼却

 【CJC】AFP通信によると、ポーランド北部グダニスクで3月31日、カトリック教会の神父らが英作家J・K・ローリング氏の人気児童小説「ハリー・ポッター」シリーズの書籍などを「神聖なものを汚す」として焼却し、論議を呼んでいる。

 カトリック系団体『天国からのSMS』のフェイスブックページに掲載された写真には、神父らが祈りの言葉を唱え、教会の前にある野外のかまどで本などを燃やす様子が写っている。吸血鬼が登場する人気ロマンス小説「トワイライト」シリーズや、「ハローキティ」が描かれた傘、ヒンズー教の小立像なども焼却された。

 焼却が行われたグダニスク教区のヤン・クハルスキ神父は4月1日、焼却は春の清掃活動の一環として行ったもので、神父らが秩序を正すために持ち寄った「オカルトや魔術に関連するもの」を処分したと述べた。グダニスク教区の公式ウェブサイトによると、クハルスキ神父は悪魔払いの祈祷師(エクソシスト)の肩書を持っている。

 『天国からのSMS』が拠点を置くコシャリンコウォブジェク教区の広報担当ボイチェフ・パルフィアノビッチ神父は、ポーランド通信(PAP)に対し、「オカルトや魔術が精神にもたらす真の危険から注意がそらされる恐れがある」としてグダニスク教区の書籍焼却は「不適切」だと述べた。


◎『サグラダ・ファミリア』がバルセロナ市に建築許可申請

 【CJC】スペインの建築家アントニオ・ガウディ(1852~1926年)が設計し、1882年から建築が進められているバルセロナの『サグラダ・ファミリア大聖堂』が4月3日、同市に建築許可を申請した。これで1世紀を超える「違法建築」状態が解消される。

 現地紙『エルパイス』などによると、1885年にガウディは地元自治体に建築許可を申請していたが、自治体が97年にバルセロナ市に吸収合併されるまでに必要な再申請を怠ったとされている。「1世紀以上も誰も要求してこなかった」と教会側は反発していたが、建造物が歩道にはみ出たり、建築に関する市税の未納などの問題も生じていた。

 解決のため、教会側が3600万ユーロ(約45億円)を市に支払うことで合意が成立し。市は3日、教会から建築許可申請があったことを現地メディアに明らかにした。

 『サグラダ・ファミリア大聖堂』が教会として認定されたのは、2010年、教皇ベネディクト16世による。完成はガウディ没後100年にあたる26年に予定されている。

 
《メディア展望》

 =カトリック新聞(4月7日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★教皇=モロッコを訪問=諸宗教対話促進の旅=平和と寛容、信教の自由 国王と共に訴える
★教皇、9月上旬にモザンビークとマダガスカル、モーリシャス訪問へ
★教皇=チリの枢機卿の退任願いを受理
★「性虐待被害者のための祈りと償いの日」=頂いた命 生かすため=大阪教区
★「津和野の証し人」列聖調査を開始(広島教区 公示)

 

 =KiriShin(4月1日・既報)=http://www.kirishin.com

 

 =クリスチャン新聞(4月7日)=http://クリスチャン新聞.com
★K2インターナショナル出版記念セミナー=「生きづらさ」に届く教会とは =教会も一歩踏み込むことが必要
★「女性という美について─プロローグ─」=雑司ヶ谷のカフェで林美蘭さん個展
★被災を振り返り、未来を展望=福島=東日本大震災8周年記念セレモニー
★年配者と若者が手を携えた時教会は不思議な御業を見る=「TORCH」春の陣開催
★南半球で過去最大級=被災者170万人に=ハンガーゼロ=被災者緊急支援呼びかけ

 
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