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世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1473信(2019.04.15)

  • 宗教観に関する米調査で「無宗教」との回答が初めて首位に
  • 香港、「雨傘運動」の活動家9人に有罪判決
  • 教皇、南スーダン大統領と反政府勢力指導者らの足にキス
  • 教皇歓迎式典でエザンと賛美歌の同時朗詠にムスリム学者が抗議
  • 43カ国の若者1600人参加、レバノンでテゼ共同体青年大会
  • 奴隷子孫への償いに米ジョージタウン大生らが基金設立
  • 「最後の晩餐の部屋」をデジタル加工で当時の姿再現
  • 《メディア展望》

 

◎宗教観に関する米調査で「無宗教」との回答が初めて首位に

 【CJC】米国人の宗教観に関する調査で「無宗教」との回答がカトリック教徒やキリスト教福音主義派を上回って23・1%を占め、初めて首位に立ったことがわかった。

 イースタン・イリノイ大学の政治学者でバプテスト派の牧師でもあるライアン・バージ氏が、長年実施されている総合的な社会状況調査を新たに分析した結果、と米メディア『CNN』(日本語電子版)が4月14日報じた。調査参加者は2000人を超しているが、個別での面談にそれぞれ応じていたという。

 「無宗教」23・1%に次いでカトリック教徒23・0%、福音主義派22・5%。これら3グループの数値は回答率の誤差の範囲内にあり、統計学的には同一の数字、とバージ氏は見なしている。

 同調査では44年間にわたって信奉する宗教に関する同じ質問をしているが、今回のような数字の並びは初めてという。

 無宗教層の激増は1990年代初期から始まった。91年以降では266%も伸びたという。今後4~6年間は明白な最大勢力になるとも推測している。

 無宗教と答えた層は、無神論者、不可知論者、心霊主義者や特定の組織的な宗教には組みしないとする人々などさまざまなグループから成り立っている。

 無宗教層の増加の背景要因については、専門家の間でもさまざまな見方が出ている。無神論者の団体責任者はインターネットの存在が要因と分析、ネットは無信仰者が同様の思いを抱く者を見出せる場所を提供していると指摘している。


◎香港、「雨傘運動」の活動家9人に有罪判決

 【CJC】香港の選挙制度の民主化を求めた2014年の大規模デモ「雨傘運動」関連で起訴されていた民主派の活動家リーダーら9人の裁判で4月8日、全員に有罪判決が言い渡された。AFP通信は、中国が強硬姿勢を強める香港で、政治的自由の縮小が懸念される判決と報じた。

 9人は英植民地時代の法律に基づき公的不法妨害などの罪に問われ、全員少なくとも一つの罪状に問われている。

 9人のうち特に著名な人物は、香港大学の社会学教授、陳健民氏(59)、同法学准教授の戴耀廷氏(ベニー・タイ=54)、キリスト教バプテスト派牧師の朱耀明氏の3人。香港の政治改革を求めた2013年の抗議運動「オキュパイ・セントラル」(中環を占拠せよ)の共同発起人で、1年後に学生が主導した「雨傘運動」にも参加した。

 裁判官は、香港の主要交差点を数週間にわたり占拠した2014年の雨傘運動を、香港法が定める言論の自由の枠外にあるとの判断を下し、「妨害行為の不当性は深刻で、そのようなデモを行う権利は守られるべきではない」「雨傘運動は法律で保障される範ちゅう外だ」と述べた。量刑の言い渡しがいつ行われるかは明らかにされなかった。


◎教皇、南スーダン大統領と反政府勢力指導者らの足にキス

 【CJC】教皇フランシスコは4月11日、バチカン(ローマ教皇庁)を訪れた南スーダンのサルバ・キール大統領と、反政府勢力を率いるリヤク・マシャール氏と会見し、ひざまずいて両者の足にキスをした。

 これに先立ち教皇は、同国における和平合意実行の一助となるべく、2日間の瞑想(めいそう)を行っていた。

 南スーダンは2011年の独立後、内戦が続いたが、2018年9月に和平合意を結んだ。キリスト教徒が多く、教皇は和平問題の解決に関わりたいとの強い意向を示していた。


◎教皇歓迎式典でエザンと賛美歌の同時朗詠にムスリム学者が抗議

 【CJC】教皇フランシスコは、モロッコ司牧訪問で3月31日、首都ラバトにある『ムハンマド6世・イマーム・導師研究所』を訪問した。その際、エザン(祈りの時刻を告げるモスクの朗詠)がオーケストラの演奏によりキリスト教とユダヤ教の賛美歌とともに朗詠されたことに、世界ムスリム学者協会が、抗議の書面を発表した。トルコ放送協会(TRT)のニュースサイト(日本語版)が報じた。

 同協会は、イスラム社会が置かれている分断状況と神聖な価値に向けた侵害を、大きな懸念と悲しみを抱いて注視していると述べた発表で、寛容は悪の克服においても考慮されるものの、イスラムの価値とぶつかってはならないと伝えられた。

 また、イスラム世界の優先的な義務はクドゥス(エルサレム)を守ることであると述べ、クドゥスで他の一神教の礼拝が行われているとはいえ、クドゥスはアラブとイスラムの土地であると強調した。


◎43カ国の若者1600人参加、レバノンでテゼ共同体青年大会

 【CJC】「神に従う人はなつめやしのように茂りレ バノンの杉のようにそびえます」(詩編92・13)をテーマに
超教派の男子修道団体「テゼ共同体」青年大会が3月23~25日、レバノンの首都ベイルートで開催され、43カ国から1600人の若者が集まっ参加した。中東や欧米から多くの青年クリスチャンが集まり、実り豊かで活気あるエキュメニカルな交流を行った。世界教会協議会(WCC)ニュースが4月2日付けで報じた。

 大会は、多くの点で他の国際的な青年大会と違っていた。大会はレバノンの若いキリスト者のイニシアチブにより開催されたもので、自らの所属教会の指導者を説得し、「テゼ共同体」のブラザーや世界中の若者をベイルートに招いて大会を開き、共に祈るようことを認めさせた。中東教会協議会(MECC)も開催を後援した。

 18カ月間にわたり、120人の若者が毎週会合し、中東諸国や欧州、レバノン国内などから1600人の参加者を集める計画を立てた。交通手段や食事、ワークショップの開催場所確保、会場の飾り付け、テキストや讃美歌・聖歌付きパンフレットの印刷、宣伝、「テゼ共同体」の歌のCDなどの手配を行った。
5日にわたる滞在期間中、国外からのゲストを受け入れてくれるホストファミリーを探した。

 運営委員会のリマ・ナスルッラーフ牧師(ベイルート福音教会=NECB)は、次のように話す。

 「多くの若者にとって、エキュメニカルな状況で動くのは初めて」と語るのは運営委員のリーマ・ナスラッラー牧師(ベイルート福音教会)。「他の教会の人たちの祈り方や聖書の読み方が違うことを学んだ。また、エキュメニカルな協力には多くの努力と多くのエネルギー、そして多くの忍耐が必要だということを経験した。一人一人がこの大会を自分のものにするなら、すべての努力が報われるということを学んだ」と言う。

 海外からの参加者は、多彩なエキュメニカル経験をした。エジプト・コプト教会信徒のメナ・シャウキーさんは、「レバノンの伝統や生活を学び、体験できる素晴らしい機会でした」と言う。「テゼ共同体のブラザーたちと祈るのは初めてでしたが、とても楽しい体験でした。わたしたちは皆、同じ言葉と同じ心で祈っていたのです」。

 中東諸国の多くの若者にとって、他の教会の伝統や異なる宗教的背景を持つ人々と話したり、祈ったりするのは初めての経験。1600人の参加者の中には、エジプト、ヨルダン、そして長年にわたる内戦で人々が苦しんでいるイランからのグループもあった。パレスチナからは30人の若者が参加した。シリアのアレッポからも30人の若者が参加した。彼らの所属教会は、8年続く紛争の大きな影響を受けた。多くの教会員が爆撃で死亡したり、西側諸国に移住したりしている。

 西欧諸国から参加した400人の大半は、中東のキリスト者と初めて出会った。彼らはワークショップで、エキュメニカルな交流が実り豊かなことを経験した。大会のテーマに沿って語り合うことを通して、参加者たちは自分のルーツや信仰の養い方を考察し、水平に成長するスギの枝のように他者に手を差し伸べる方法についても深く考えた。

 大会の最終日には、キリスト教とイスラム教の対話が計画された。レバノンでは数年前から「受胎告知の日」である3月25日が休日となっている。キリスト教徒もイスラム教徒も、この日にマリアの受胎告知を祝う。コーランにおいても、マリアが重要な人物として描かれているからだ。

 「テゼ共同体」は、内戦中だった1982年にブラザーたちがレバノンを訪問して以来、強いつながりを持っている。「わたしたちはレバノンのキリスト者の深い信仰を称賛する。それと同時に、彼らがイスラム教コミュニティーと対話できる点も評価している」と、「テゼ共同体」院長のブラザー・アロイスは言う。「わたしたちは、レバノンが東西間の相互理解の窓であることを確信している。この東西間の理解は、教会だけではなく、人類にとっても必要なものだ」と。


◎奴隷子孫への償いに米ジョージタウン大生らが基金設立

 【CJC】AFP通信が米名門とするジョージタウン大学で4月11日、同大を設立したカトリック修道会イエズス会に売られた奴隷たちの子孫に対する償いを目的とした基金の設立が、学生協会の投票で承認された。同大学学生協会(GUSA)によると、結果は賛成2541票、反対1304票。この種の基金の設立は米国で初めて。

 首都ワシントン近郊のジョージタウンにある同大は1789年にイエズス会により設立されたが、イエズス同会は1833年、借金を返済するために奴隷272人を売却した。基金は、この272人の子孫の教育支援や慈善活動などを目的とし、同大の学生と奴隷の子孫たちで構成された理事会が運営する。資金は学期ごとに学生1人から27ドル20セント(約3050円)を徴収して賄う。

 大学側は学生投票の結果に拘束される義務はないが、トッド・オルソン学務担当副学長は「本学の学生による合意を尊重する」と述べた。

 ジョージタウン大には学部生7000人以上が在籍。学部生の2019会計年度の授業料は5万3520ドル(約600万円)。


◎「最後の晩餐の部屋」をデジタル加工で当時の姿再現

 【CJC】ロイター通信は、キリストが最後の晩餐をしたとして信者に崇拝されているエルサレムの石造りの広間が、最新技術を使ったデジタル加工により、当時の姿をよみがえらせた、と報じている。

 城壁に囲まれたエルサレム旧市街近く、「シオンの山」にある「最後の晩餐の部屋」は老朽化で表面がすり減り、照明が暗いため研究に困難をきたしている。そこで、イスラエルや欧州の研究機関の考古学者らが、レーザースキャナーや高度な写真撮影技術を利用し、2016年から部屋の詳細な3Dモデルを作成、確認しづらくなっていた芸術品などを再現した、とロイター通信。

 この部屋で実際に最後の晩餐が行われたかどうかは、専門家の間でも見解が分かれている。

 
《メディア展望》

 =カトリック新聞(4月14日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★教皇の「自発教令」公表=未成年者保護の新法と指針=バチカン市国と教皇庁に
★シノドス使徒的勧告=教会には 若者の熱意が必要
★髙見大司教=性虐待告発者に「敬意」=問題解決への覚悟伝える
★神学校 新たなスタート=東京・福岡で開校ミサ
★第53回中国ブロックカトリック高校生大会=仲間との祈り・交流=新たな宣教の場へ=広島教区

 

 =KiriShin(4月11日)=http://www.kirishin.com
★「性的指向」は矯正の対象?=いま向き合うべき2作品=『ある少年の告白』=『サタデーナイト・チャーチ』
★教皇がイスラム教国モロッコ訪問=「敵意持たず兄弟として生きる」
★教皇訪問へ実行委発足=長崎大司教区
★東京神学大学の現役学生=ハラスメント調査委に訴え
★「知る権利」の侵害許さない=宗教者ネットが賛同呼びかけ

 

 =クリスチャン新聞(4月14日)=http://クリスチャン新聞.com
★ローザンヌ・EA YLG開催=韓国・済州島に東アジア各地から220人以上、日本から60人が参加="どんな犠牲を払っても福音伝える"
★「和協分離」から83年=主流・本流意識超え="私たち"の宣教の歴史へ=ホーリネス教団年会で長内和頼氏、小平牧生氏
★「戦争に関する第5回証言集会」で津村俊夫氏=「神社参拝は宗教じゃない」にノーを
★『ふたりの異邦人』出版記念トークイベントで久米小百合さん=芸能界で"異邦人感"あった
★クリスチャントゥデイへの見解 総会で承認=真偽明らかにする努力表明=ウェスレアン・ホーリネス教団


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