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世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1480信(2019.06.03)

  • 中国が思想統制を強化、教科書から「聖書」と「神」消える
  • 北京でバチカン美術館所蔵の中国文物が公開中
  • 天安門事件30年記念し香港の教会で追悼式典
  • 人工中絶は「殺し屋を雇う」も同然 教皇が国際会議で発言
  • 聖墳墓教会の改修工事を3派共同で行う事に合意
  • 《メディア展望》

 

◎中国が思想統制を強化、教科書から「聖書」と「神」消える

 【CJC】「欧米の侵入」を防ぎ、学校から宗教を排除するため、中国共産党は名作文学、国語および歴史の教科書の内容を変更している。中国の信教の自由と人権について報道するオンラインメディア『ビターウインター』(日本語版)が5月30日伝えた。

 2018年、中国共産党 は中国全土で学校での信教に反対する運動を立ち上げ、宗教信仰と戦うことを約束する宣誓書への署名を生徒に強要し、クリスマスを含むキリスト教の祝日をボイコットさせていた。さらに、授業のカリキュラムが検査され、「教育と授業が政治の正しい方向性と一致」するように、「特別な支援プログラム」を通して教員の教化が行われている。

 宗教色の濃い授業を完全に排除するため、現在、中国共産党は小学校と中学校で使われている、海外の作家が執筆した作品の内容を修正している。

 河北省の学校に通う生徒の親によると、一部の本の中身が、2019年1月に人民教育出版社から出版された6年生向け教科書の新版で削除または変更されていたようだ。

 中央政府は、小中学校の教科書が国の方針と一致していること、そして、国の意志を伝える教育の方針を、統一した教科書を通じて実行することを求めているようだ。中国共産党の全体主義の支配下では、改訂は宗教の分野に制限されているわけではない。中国共産党の思想に反する表現が検閲を逃れることができる可能性は低い。

 人民教育出版社が出版した新編学生辞典の漢字「自」の項目では、「自由」が削除された。

 一部の学校は、毛沢東の個人崇拝を復活させる取り組みまで行っている。2018年12月26日、河南省の小学校に建てられた毛沢東の新たな像を披露する式典で、村の党の書記が毛沢東を「中国人の守り神であり、偉大な精神の象徴」と呼んでいた。

 教科書の検閲は、生徒の無神論及び共産主義の教化に沿って行われる。若い世代の習慣を活用し、モバイルアプリが学校で用いられている。新しい世代を共産党の忠実な後継者、そして、新たな「偉大な指導者」習近平の信奉者に仕立て上げることが目的だ。人民日報少年網アプリは「新しい考えを学び、優れた後継者になる」というテーマの下、記事を読み、質問に答える読書活動への参加を全生徒に要求している。青年大学習構想では、「学習強国」アプリを用いて、習近平主席のスピーチの学習を推奨している。


◎北京でバチカン美術館所蔵の中国文物が公開中

 【CJC】北京の故宮博物院とバチカン博物館(美術館)が共催する「美が心をつなぐ・バチカン博物館所蔵中国文物展」が5月28日、故宮神武門の展示ホールで開幕した。バチカン美術館が所蔵する中国由来の文物78点が、7月14日まで北京の故宮博物院北部の神武門で展示される。

 出展されているのは、カトリック芸術や仏教芸術、世俗芸術の3分野をカバーしている。故宮博物院はバチカン博物館からの展示品と関連する文化財12点を共同展示している。その中には日本の国宝に相当する国家一級文物も2点含まれている。


◎天安門事件30年記念し香港の教会で追悼式典

 【CJC】北京で民主化を求める学生らが武力弾圧された天安門事件から6月4日は30年、香港各地のキリスト教会で5月31日夜、犠牲者を追悼する礼拝やミサが行われた。日本では、現地の状況を毎日新聞などが報じた。

 中心部のプロテスタント教会には信徒たちが多数集まり、犠牲者を悼むと共に中国の民主化を願い、祈りをささげた。2014年に学生たちが民主的な選挙制度を求めた「雨傘運動」の提唱者の1人、朱耀明(しゅようめい)牧師たちが主催した。流血する若者など事件当時の写真が大画面に映し出されると、涙を流す信徒もいた。

 カトリック教会では追悼ミサが行われた。香港教区の元司教、陳日君(ちんにちくん)枢機卿は「香港人は勇気を奮い起こして不正義に抵抗すべきだ」と訴えた。


◎人工中絶は「殺し屋を雇う」も同然 教皇が国際会議で発言

 【CJC】教皇フランシスコが5月25日、ローマ市内で開かれた人工妊娠中絶反対の国際会議で講演し、人工中絶を「ヒットマン(殺し屋)を雇う」行為になぞらえて強く批判した。米テレビCNNなどが報じた。

 教皇は講演の中で、たとえ胎児が重い病気にかかっていたとしても、中絶は決して容認できないと力説、医師に対し、女性が出産するまで支え続けるよう促した。

 「問題を解決するために人の命を絶つことは正しいのか。問題を解決するためにヒットマンを雇うことは正しいのか」と教皇は問いかけ、「決して問題解決のために人の命を絶ったり、ヒットマンを雇ったりしてはいけない」と訴えた。

 会議はバチカン(ローマ教皇庁)がスポンサーとなって開かれ、司教協議会などの代表者や医師など70カ国から約400人が参加した。

 教皇はさらに、現代社会は子どもの障害に対する「恐怖と敵意」をあおる文化に支配され、それが結果として中絶を選ばせていると批判。「生きることと相いれない人間など1人としていない」と訴え、「女性の子宮に宿った子どもは全て贈り物だ」と強調した。


◎聖墳墓教会の改修工事を3派共同で行う事に合意

 【CJC】イスラエル紙『ハーレツ』が報じるところでは、エルサレムの聖墳墓教会の改修工事をギリシャ正教会、カトリック、アルメニア正教会が共同で行う事で5月27日同意した。工費は約1千万米ドル(約10億円)の見通し。

 ヨルダンも出資の予定。カトリックは50万ユーロ(6000万円)を拠出するという。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(6月2日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★食料の浪費・廃棄は「人間を捨てること」=教皇 フードバンク関係者に語る
★イタリア司教団が新指針承認=虐待の警察通報は「道義的責任」
★気候変動を身近に=ファッション産業の影響も展示=聖心女子大学グローバル共生研究所
★東京大司教区アレルヤ会=創立50周年記念ミサ
★高齢者の受洗に配慮=歩み尊び 準備から当日まで=福岡・小郡教会

 

 =KiriShin(6月1日)=http://www.kirishin.com
★第2回 福島宣教ネットワーク会議=放射能汚染に向き合う教会=原発事故、支援・宣教における連携を模索
★日本同盟基督教団「教会と国家」委員会=明仁天皇の伊勢神宮参拝報道に訂正求める
★日本聖書協会=現役職員が懲戒処分の無効訴え提訴
★「世界召命祈願日」に=教皇が19人の新司祭を叙階
★ニューメキシコ州ラスクルーセス=「新求道共同体」の教区司教誕生

 

 =クリスチャン新聞(6月2日)=http://クリスチャン新聞.com
★「クリスチャンITキャンプ」開催=アイデアとスキルを教会へ
★前橋ハレルヤブックセンター オープン・ミシン店がキリスト教書店に
★24条改正は「国体」の回復を意図する=「教会と政治」フォーラムで吉川直美氏発題
★聖書と中国古典文化の出会い=小説や対比の形式で=梁フゥイ氏が立教大学で講演

 
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