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世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1482信(2019.06.17)

  • ロシア正教会代表団が訪朝、駐北朝鮮ロシア大使らが出迎え
  • カトリック福建省ビントウ教区で公認教会への参加めぐり緊張高まる
  • キューバ福音派7教団が「連盟」設立
  • 仏ノートルダム大聖堂が火災後初のミサ
  • 「メッシを神と呼ばないで」と教皇がサッカーファンに注意
  • 《メディア展望》

 

◎ロシア正教会代表団が訪朝、駐北朝鮮ロシア大使らが出迎え

 【CJC】ロシア正教会のフェオファン大主教率いる代表団が6月14日、北朝鮮の首都平壌に到着した。共同通信が、朝鮮中央通信によるとして報じるところでは、平壌国際空港に朝鮮正教委員会の柳英龍委員長やマツェゴラ駐北朝鮮ロシア大使らが出迎えた。

 代表団はこの日『万寿台の丘』に立つ故金日成主席と故金正日総書記の銅像に献花した。

 平壌には2006年に完成したロシア正教会の教会『貞栢寺院』があるが、北朝鮮人の信徒がいるかどうかは不明。


◎カトリック福建省ビントウ教区で公認教会への参加めぐり緊張高まる

 【CJC】「中国政府公認の『カトリック』天主教愛国会へ参加するように」と、全カトリック教区の完全掌握を目指す中国共産党から最後通告と脅しを受けるなか、参加を拒んだ司祭たちは、なお抵抗を続けている。中国における信教の自由の迫害と人権に関するサイト『ビターウインター』(日本語版)が報じた。

 南東部福建省のビントウ教区には9万人を超えるカトリック教徒がいる。その大半を占める約8万人は「地下教会」と呼ばれる教会に所属している。最近まで、同教区では国の認可を受けていない57人の神父が活動していた。しかし2018年のバチカン(ローマ教皇庁)と中国との合意により、教区の力のバランスが大幅に変化した。

 合意の結果、バチカンと中国は互いの権限を認めた。中国政府は、全てのカトリック教徒が中国天主教愛国会に参加する必要があると解釈し、バチカン側は教皇と中国政府の双方に忠誠を誓う「新しい」教会が出現すると思い込んでいた。

 昨2018年12月13日、クラウディオ・マリア・セリ大司教が教皇フランシスコの特使として北京を訪れ、ビントウ教区司教のモンシニョール・ビンセント・郭希錦(グオ・シージン)の辞表を「認めた」。郭司教は補佐司教として引き続き働くことを求められた。また、以前バチカンから破門され、2018年の合意後にバチカンから復帰を許されたモンシニョール・ビンセント・詹思禄(ジャン・スールー)が同教区を引き継ぎ司教になった。同司教は中華人民政治協商会議のメンバーであり、中国天主教愛国会副会長。

 中国の宗教を統括する関係当局は圧力をかけ続け、郭司教に中国天主教愛国会への参加を求めた。しかし郭司教は、参加申請書の内容がカトリックの教えと相反していることを挙げて参加を拒否し、内容訂正を求めたという。

 申請書は、カトリック司祭の義務と条件を挙げている。国の憲法と法律に従うこと、政府の統括者に従うこと、愛国組織(中国天主教愛国会)の指導を受け入れること、法律と規制に従って宗教活動を実行すること、独立及び自立し、自主的に設立された教会の原則を受け入れることなどだ。

 郭司教は、神の命令に従い、純粋な教えを守るという前提条件が満たされている場合に限り、カトリックの信者は国の指導に従うことができると主張した。郭司教は、補佐司教の職を解くと脅されても、信仰への裏切りと見なす行為を拒否した。この4月17日、政府職員は郭司教に会い、申請書の内容を修正することに同意した。

 この変更の真の意図はすぐに明らかになった。当局は他の司祭を愛国会に参加させるため、郭司教が署名した修正済みの申請書の内容公開を拒否し、司教が署名した事実のみを積極的に宣伝した。別の数人の司祭が申請書の変更を要請したところ、当局は1語でも変えることを拒絶した。

 4月22日、中国天主教愛国会に所属していないビントウ教区の司祭たちが寧徳市で行われる会議に招集された。会議で、司祭たちは再び愛国会への参加を強要された。その中には、福安市渓潭鎮のカトリック系介護施設で暮らす80代の既に引退した司祭もいた。この元神父は、2日前、数人の政府職員が介護施設を訪れ、愛国会への参加申請書への署名を求めた際に、拒否していた。そのため、強制的に連行され、会議に参加させられていた。なお、訪問時、政府職員らは命令に背いた場合は、教会が運営する会議施設を取り壊すと脅していた。

 司祭は脅しに負けず、迫害は続いた。4月26日、約80人の武装警官が、司祭がかつて務めていた教会の小礼拝堂を取り壊した。高齢の司祭は体調を崩し、入院した。現在も治療を受けている。

 政府職員は、司祭に圧力をかける命令は中央政府が下していると主張し、司祭が申請書に署名するまで圧力をかけ続けると宣言した。「生きている限り、書類に署名しなければならない。署名すれば何も問題は起こらない。署名を拒めば、介護施設を取り壊す」と職員の1人は司祭に告げた。

 「私たちは中国共産党とは異なる道を歩んでいます。以前から白黒がはっきりしている問題です。政府は教会の実務に干渉し、政府の管理下で信者が宗教活動を行うようにしたいのです。最終的な目標は、宗教ではなく、マルクス=レーニン主義のみを信じさせることです」と福安市の司祭は説明する。

 教区の天主教愛国会に所属していない司祭の1人によると、これまでのところ57人の聖職者のうち25人が愛国会に参加し、3人が脅されて司祭職を辞め、1人は教区から追放されたようだ。残りの20人を超える司祭は抵抗をやめていない。そのため、引き続き圧力を受けており、カトリック系『アジアニュース』の報道によると、最高で20万人民元(約314万円)の賄賂をちらつかされ、誘惑された司祭もいるという。

 「政府は意外にも郭司教による申請書の訂正を認めました。恐らく、ビントウ教区に新たに建てられた教会で、6月29日に式典が行われることが影響しているでしょう。当局は『地上』と『地下』の2人の司教に一緒にミサを行わせたかったようです」と神父は説明した。「中央政府、省政府及び地方市政府の指導者がこの式典に出席するため、政府はこの機会に愛国会に所属していない司教が申請書に署名し、中国天主教愛国会と中国政府の命令に従う意思があることを対外的に宣伝したいのでしょう」と言う。

 この司祭は、政府がビントウ教区の例を用いて、二つの教会が政府の指導の下「団結」し、今では一体となって活動していることを外部に示そうとしていると加えた。

 団結しているように見せかけるため、福州の公安局は29日の除幕式を控え、愛国会に所属していない司祭に申請書に署名するよう要求した。また、同局は統戦部(国務院統一戦線工作部)から、要求に応じず、申請書に署名していない全ての司祭を取り締まる命令が出ていると指摘した。中国共産党の強硬的な弾圧に直面し、辞職し、逮捕される準備はできていると大勢の司祭が話した。

 郭司教は先日、信者に対して、さらに大きな困難が待ち受けていると伝えた。そして、聖職者及び教会の信者の信仰が試されると語った。郭氏は、補佐司教を辞め、抵抗する司祭側に加わり、政府の弾圧に立ち向かう意思がある、と言う。

 ある信者によると、郭司教は5月24日、声明を作成、中国天主教愛国会への参加申請書を撤回し、申請無効を主張した。郭司教はこの声明を福建省の統戦部、寧徳市の「国保支隊」、福安市の公安局と民族及び宗教事務局とモンシニョール・ビンセント・詹思禄に送った。

 声明のなかで、郭司教は「理由は簡単。政府は、要求に応じず、申請書に署名していない司祭を攻撃する決断を下した。わたしには司祭たちを守る力がない。わたしは恥じており、司教として働く資格がありません。神父たちと共に弾圧を受けることしかできない」と綴っている。

 郭司教は、中国天主教愛国会への参加を強制するビントウ教区の手法が功を奏すと、同じことが中国全土で行われる、と考えている。その後、地下教会の一部であった全てのカトリック教会が中国天主教愛国会に参加を強要されることになろう。バチカンの反応は現時点では不明。

※注=「ビントウ」の「ビン」は門構えに虫、「トウ」は東。


◎キューバ福音派7教団が「連盟」設立

 【CJC】キューバの福音派7教団が「連盟」を設立した。7教団の代表が6月11日、サンタクラーラ市のメソジスト・カナーン・センターに集まり、『キューバ福音教会連盟』(AIEC)を結成した。ニュースレター『エバンジェリカル・フォーカス』によるとしてアシスト通信(ANS)が報じている。

 新連盟は、最初の声明で「権威とキューバの人たちを前にしてキューバ教会協議会(CIC)が、キューバ福音連盟(LEC)、西バプテスト大会、東バプテスト大会、福音教会、メソジスト教会、神の教会、べテル福音教会の7教派を代表している、とは感じられなくなった」と述べている。

 CICは福音派諸教団の協議会として1941年発足、数回の再編を経た。1970年代、エキュメニズムが紹介され、1989年には協賛団体の形を採ってではあるが、ユダヤ人団体やヨガ協会など非キリスト教団体の加盟も認めた。

 CICがキリスト教界の信用を失ったのは、実体としてキューバ政府の監督下に置かれるようになったため。

 各教派がCICと絶縁し、新しくAIECを結成したのは、聖書的な価値観を護るために協働しようと励まされたから、と見られる。


◎仏ノートルダム大聖堂が火災後初のミサ

 【CJC】パリ中心部の世界遺産ノートルダム大聖堂で6月15日、2カ月前の4月15日に発生した大火災から初のミサが開催された。

 パリ大司教区のミシェル・オペティ大司教によるミサは、安全上の理由から非常に小規模で行われた。大司教は「大聖堂は今も生きている」と世界に訴えた。安全上の理由で参加者は聖職者ら約30人に限定された。

 ミサは、被害を免れた小聖堂で行われた。依然、建物の保全作業は続いており、参加者は全員作業用ヘルメットを着用。カトリック系の放送局がテレビとインターネットで生中継した。終了後、オプティ大司教は記者会見で「感動的で、希望を感じさせる時間」だったと述べた。

 一方、寄付金については、フランス国内の著名な実業家や一般市民から総額約8億5000万ユーロ(約1030億円)の申し出があったが、実際の寄付金額は約10%にとどまっている。

 AFP通信が公共ラジオ『フランス・アンフォ』によるとして報じたところでは、寄付されたのは8000万ユーロ(約97億円)で、募金活動が成功したとみて、申し出た寄付金の一部のみを支払った実業家や、寄付の約束を撤回した個人もいるという。


◎「メッシを神と呼ばないで」と教皇がサッカーファンに注意

 【CJC】教皇フランシスコは、サッカーファンがメッシを「神」と呼ぶことに対し「神への冒涜」とし、その呼び方はしないよう注意した、と英メディア『スカイニュース』が伝えている。

 発端は、FCバルセロナのファンがリオネル・メッシを、背番号10になぞらえ、しばしばスペイン語で神という意味に当たる「ディオス」をもじって「D10S」と呼んでいること。

 スペインのテレビ『ラセクスタ』とのインタビューで、教皇は「理論上は冒涜になる。そう呼ばれるべきではない」とコメントしたという。

 番組司会者のジョルディ・エボルが、自分はメッシが神だと信じていると語ると、フランシスコは笑いながら「私は信じません」と答え、崇拝されるのは神のみだとし、メッシについては「彼は見ていて素晴らしいが、神ではない」と語った。

 教皇はサッカーファンとして知られており、ブエノスアイレスのチーム『サン・ロレンソ』のクラブメンバー。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(6月16日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★天安門事件30周年=犠牲者追悼の祈り
★民主主義を脅かす不平等=教皇 法曹界に訴える
★宗教の垣根超え平和と非核を訴える=2019年度ソフィアシンポジウム
★ロゴス点字図書館 第18回文化教室=「言葉」を深める=批評家・随筆家 若松英輔さんを講師に
★東京教区=現場から"提言"募集し宣教司牧方針の策定へ

 

 =KiriShin(6月11日・既報)=http://www.kirishin.com

 

 =クリスチャン新聞(6月16日)=http://クリスチャン新聞.com
★汚染土再利用問題=教会と地域が動いた=福島・二本松
★志学会主催=柳沢正史氏「『眠り』―その謎に挑む」テーマで講演=睡眠不足で効率低下 GDP3%ロス
★クリスチャンビジネスマンのライフストーリーを朗読劇で=葛藤演じる俳優 水澤心吾さん
★人工知能(AI)は神を信じられるか=宗教者、美術家、数学者ら議論=稲垣久和氏も登壇
★中国が思想統制強化=「聖書」と「神」教科書から消える

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