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世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1519信(2020.03.02)

  • 韓国新宗教の教祖が謝罪、新型ウイルス感染拡大で
  • 韓国、大邱の『新天地大邱教会』信者全員に検査実施へ
  • 『新天地イエス教会』を英国では危険視、と『テレグラフ』
  • 教皇フランシスコ、「風邪」で四旬節の黙想を欠席へ
  • 教皇が2人? 退位から7年、バチカンを悩ます前教皇
  • ベルリン国際映画祭「エキュメニカル賞」に想田和弘監督の「精神0」
  • 《メディア展望》

 

◎韓国新宗教の教祖が謝罪、新型ウイルス感染拡大で

 【CJC】韓国で新型コロナウイルスの流行の中心となっている秘密主義の新宗教団体『新天地イエス教会』の教祖が3月2日、感染を拡大させたことについて謝罪した。

 韓国保健福祉省は2日午前、新型コロナウイルスへの感染が新たに476人確認されたと発表した。感染者数は合わせて4212人で、死者は22人になった。新宗教団体信者たちの集団感染が6割を超え、南部の大邱を中心に感染者数の増加が止まらない。4000人を超した新型ウイルスの感染者のうち、半数超が『新天地イエス教会』の信者。

 教祖のイ・マニ氏(88)は同国北部の加平での記者会見で、報道陣を前に土下座し、声を震わせながら、「教会員を代表して、私から国民に対して心からのおわびを表明したい」と述べた。「意図的なものではなかったが、多くの人が感染してしまった」と言う。

 AFP通信はイ教祖が「わたしたちは最大限の努力を傾けたものの、防ぐことはできなかった。国民の許しを乞う」「政府に対してその努力を非常に感謝している。政府に対しても許しを乞う」と述べた、と伝えている。


◎韓国、大邱の『新天地大邱教会』信者全員に検査実施へ

 【CJC】韓国疾病予防管理局(KCDC)は2月25日、新型コロナウイルスの国内の感染者が新たに144人確認され、累計977人になったと発表した。感染者の多くは南東部大邱市で確認された。死者は10人となっている。集団感染が起きた新宗教団体『新天地イエス教証しの幕屋聖殿』(新天地)大邱教会の20万人を超えるとみられる信者にウイルス検査を実施する。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は感染が明らかになって以来初めて大邱を訪れ、状況は深刻で今後1週間がウイルス封じ込めの鍵になるとの認識を示した。

 教団の主宰者は25日、信者全員の名簿を当局に提出することに同意したと明らかにした。信者数は21万5000人と伝えられる。

 これまでに確認された感染者の約68%が教会での集団感染に関連している。


◎『新天地イエス教会』を英国では危険視、と『テレグラフ』

 【CJC】英有力紙『デイリー・テレグラフ』の電子版『テレグラフ』が3月1日、新型コロナウイルス感染症流行の中心地となった韓国が、厳重な警戒態勢に入った事情を紹介すると共に、韓国での感染者の半数以上が新宗教団体『新天地イエス教会』とつながりがあったことを注視すべきだとしている。同教会は徹底した秘密主義で、信者は友人や家族に対して所属を隠すよう圧力をかけられているとも伝えている。

 『新天地イエス教会』は1984年にイ・マンヒ教祖(88)が創立。以後、英国や米国、ニュージーランド、オーストラリア、欧州各国、アフリカ、インド、中国にまで広がった。同教会は、イ氏がイエス・キリストの役割を引き継ぎ、審判の日に信者14万4000人の肉体と精神を天国に連れていくと主張、論議の対象となっている。

 『テレグラフ』の取材に応じたある英国人家庭は、『新天地イエス教会』の活動によって影響を受けた実態として、ある日突然、息子が教会の信者になったことを知らせる電話があったという。4年経った今でも、なぜ心優しく聡明な息子が家族とのすべてのつながりを断ったのか、理解できないと訴えた。

 『新天地イエス教会』は20代前半の若者を標的とし、頻繁に主流派の教会や大学の構内で勧誘しているようだ。従来の教会より「優れた」真実を伝え、確立された教義を変えて「終わりの時」に焦点を当てている。

 英国国教会は2016年、ロンドンにある500の教会に対し、『新天地イエス教会』の関連団体「パラクリスト」に関する正式な警告を発した。「パラクリスト」は英国の慈善団体として活動しており、教会に通う人たちを熱心に勧誘していた。

 同教会は全国にある施設を閉鎖し、ネット上でミサを開くとしているが、秘密主義で専門家からカルトと批判される団体に対処するのは、新たな試練だ、と同紙は見ている。


◎教皇フランシスコ、「風邪」で四旬節の黙想を欠席へ

 【CJC】教皇フランシスコは3月1日、「風邪」のため、ローマ南郊での6日間にわたる四旬節の黙想に今年は参加しないことが明らかになった。

 この日は風が強く、曇り空。バチカン(ローマ教皇庁)のサンピエトロ広場での日曜礼拝では、83歳の教皇が咳込み、手で口を覆って聴衆に背中を向ける場面が2度あった。

 伝統の「お告げの祈り」の後で教皇は「残念ながら、風邪を引いたので今年は参加できなくなった」と述べた。毎年恒例の黙想は予定通り8日から行われるが、教皇は自室で静養する。

 イタリアでは、新型コロナウイルスの流行が欧州でも最も拡大しており、感染者数は3月1日までの累計感染者は1128人、死者は34人出ている。

 教皇は2月26日から体調不良とみられ、公務を減らしていた。バチカンは、教皇が新型ウイルスに感染したとのうわさを否定した。

 アルゼンチン出身の教皇は、若い頃に肺の一部を摘出、座骨神経痛を患っているが、これまで健康を維持してきた。ただタイと日本に連続して訪問するなど激務が続いていることは確か。


◎教皇が2人? 退位から7年、バチカンを悩ます前教皇

 【CJC】7年前に退位した前教皇ベネディクト16世(92)は、加齢によって体は衰えているものの知的には今も健在で、後継者の現教皇フランシスコの陰に隠れていることはできないようで、その結果、「2人の教皇」が対立するような状況となっている、とAFP通信が報じている。

 2013年2月11日、当時85歳だったベネディクト16世がラテン語で、教皇退位の意向を表明した時、存命中の教皇の退位は約700年ぶりで、枢機卿たちをがくぜんとさせた。

 さらに、ドイツ出身の知識人で博識な神学者でもあるヨゼフ・ラッツィンガー枢機卿(ベネディクト16世の本名)は、教皇退位後も「名誉教皇」としてカトリック教会の主要な問題について執筆活動を続けており、摩擦が起きている。

 教会内部では最近、既婚男性が司祭になることをめぐる議論が起きた。遠隔地での聖職者が不足している南米アマゾン地域の司祭たちが昨2019年10月、先住民の既婚者の任命を例外的に認めるよう教皇フランシスコに提言、「アマゾン・シノドス」と呼ばれた特別司教会議はそれを採択した。

 今年に入り、シノドスの結論を酷評し司祭の独身制を擁護する書籍が出版されたが、ギニア出身のカトリック保守派の急先鋒ロバート・サラ枢機卿とベネディクト16世の共著だった。

 仏日刊紙『フィガロ』が報じた同書の抜粋が衝撃的で、教皇フランシスコはこの出版に強くいら立っていたという。

 一方、ベネディクト16世は共著による出版を認めたことはないとし、個人秘書であるドイツ人のゲオルク・ゲンスヴァイン大司教を通じて、同書の出版を差し止めようとしたが、既婚司祭をめぐって現教皇が公式見解を発表する前に、前教皇が司祭独身制の重要性を説いたことによる影響は既に広がっていた。

 ベネディクト16世は2019年4月にも、教会内で起きた児童性的虐待は1960年代の性革命と現代社会の神の不在に問題があると、する長文を発表している。

 一方、教皇フランシスコは、児童性的虐待の原因は教会自身の内部にあるとして「聖職権主義」を批判し、聖職者としての優越感が加害者の司祭らを信仰から遠ざけたと主張した。

 独バイエルン州の地元テレビ局は今年1月のドキュメンタリー番組で、車いすに座り、か細い声で話す前教皇の姿を映し出した。

 ベネディクト16世秘書のゲンスヴァイン大司教は、ドキュメンタリーで「歩く姿を見れば、彼(ベネディクト16世)の力が衰えていることが分かる」と述べている。

 そのゲンスヴァイン大司教は3年前、「教皇が2人いるのではなく、事実上の拡大教皇庁だと言える。1人は現役で、1人は瞑想的なメンバー」と説明していた。これは、教皇フランシスコの正統性を認めず、ベネディクト16世が記すものはすべて後継者批判だと解釈するバチカン内の非主流派である保守派を刺激した。

 だが2月初め、バチカン内で教皇に次ぐ地位にある国務長官(首相)のピエトロ・パロリン枢機卿は、フランシスコ教皇こそがただ1人の教皇だと述べ、この問題の決着を図ろうとした。「2人の教皇による統治といった言い方は終わりにしよう。なぜならば、教皇はただ1人しかいないからだ。それは教皇としての権限を与えられているフランシスコ教皇だ」と。AFP通信報道が伝えたかったことに関心が集まっている。


◎ベルリン国際映画祭「エキュメニカル賞」に想田和弘監督の「精神0」

 【CJC】世界3大映画祭の一つ、第70回ベルリン国際映画祭は、授賞式が2月29日開かれ、コンペティション部門の最高賞「金熊賞」にイラン出身のモハマド・ラスロフ監督の「そこに悪はない」が選ばれた。

 同部門に日本からの出品はなかったが、気鋭の監督作品を紹介するフォーラム部門で、想田和弘監督のドキュメンタリー映画「精神0」がキリスト教関連団体の選考委員たちが精神性の高い作品を選ぶ「エキュメニカル賞」に選ばれた。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(3月1日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★2020年度定例司教総会=教皇訪日を受け環境・平和取り組みを具体化=性虐待問題で修道会管区長らと「集い」も
★バチカンと中国外相=ミュンヘンで初会談
★教皇フランシスコ=バチカン外交官候補生に=1年間の宣教義務づける
★カトリックスカウト東京大司教区支部=カテドラルでミサと交流
★名古屋教区殉教者祭=名古屋市内仏教寺院で開催=17世紀に200人が処刑

 

 =KiriShin(3月1日)=http://www.kirishin.com
★新型コロナウイルス感染拡大=カトリック教会では「ミサ中止」も=「注意喚起」相次いで発表
★「憲法と建国の日を考える」=日韓の"壁"「取り払うための努力を」
★天皇制とバアル宗教との類似性=『新改訳2017』翻訳の津村俊夫氏が指摘
★キリスト教企業・団体が就活生にアドバイス=東京基督教大学で初の合同説明会
★明治学院大学とユニセフがインターンシップ協定締結

 

 =クリスチャン新聞(3月1日)=http://クリスチャン新聞.com
★日中韓と「神の国」の"架け橋"に=第10回を開催=東アジア青年キリスト者大会
★「香港社会とキリスト教会」講演会に香港人研究者=社会矛盾の蓄積が運動に発展
★白浜バプテスト基督教会で高校開校=明誠高校和歌山白浜SHIP
★"聖霊による変革で世の光に"=第59回日本ケズィック・コンベンション
★宣教チーム10カ国から78人来日、30カ所訪問=私たちにできないことをしてくれた=ラグビーワールドカップ伝道報告=ナショナル・キックオフ大会

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