世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1530信(2020.05.18)

  • 新型コロナに対抗、子どもを力づける米国の日曜学校教師たち
  • 米教会が『Zoom』提訴、オンライン聖書勉強会で性的虐待動画流れる
  • 中国当局が河南省で高齢司教の葬儀を規制
  • 北朝鮮、韓国ドラマ流布や聖書所持していた住民を"処刑"
  • ≪メディア展望≫

 

◎新型コロナに対抗、子どもを力づける米国の日曜学校教師たち
 【CJC】「パンデミック」(新型コロナウイルス感染症の世界的大流行)下で重要視されて来たのが、「こころの健康維持」。米国のキリスト教会は、先の見えない中にあっても、信徒が日常の生活リズムを守れるよう配慮している。
 コロナウイルスが、米国中に見られていた日常生活をひっくり返し、教会やキリスト教指導者たちは、自宅から出ることもならず退屈しながら不安にさらされている子どもたちを慰め力づける方法を探している。
 その中で、特に子どもを慰め、力づけよう、と「日曜学校」(教会学校)の教師が、信徒宅で「電子版」を展開するオンラインサービスを始めた。
 中部ミズーリ州ジェファーソンシティーの第一バプテスト教会ブライアン・ケイラー牧師は、教会のオンラインサービスで日曜学校の教師が毎晩、寝物語を小学2年生の息子ケイガン君(8)に語り掛けると、手製のヤシを振って答えているのを見るまでは、自宅待機要請、学校閉鎖、や社会的距離戦略(ソーシャル・ディスタンシング)など「パンデミック」がどのように子どもに感情面で衝撃を与えていたか分からなかった。
 インターネット「フェイスブック」や「Vimeo」に映し出された、ビデオで、日曜学校の教師が悲しみと怒りについて話していた。
 「どうやって、先生は僕の心の中が分かるの」と、ケイガン君。
 ケイガン君は、「友だちに会わない」という苦痛と闘っている。そしてビデオは心地よく、力づけられるのだ、とケイラー牧師。彼は、バプテスト派の雑誌『ワード&ウエイ』の発行人兼編集長。
 日曜学校の教師が、子どもたちに向けてメッセージをすると、ケイガン君はテレビの大型画面前に走って行く。何よりも、ネット上で居合わせた友だちにレゴを組み立てた近作を見せたいのだ。
 「私たちの教会が示していた社会的交流と心地よさを、息子が私自身より今必要としている、と思う」と、ケイラー牧師。
 宗教専門『RNS』通信が、首都ワシントンの『国立大聖堂』(聖公会)始め全米各地、各教派の実例を、動画と共に紹介している。


◎米教会が『Zoom』提訴、オンライン聖書勉強会で性的虐待動画流れる
 【CJC】新型コロナウイルスの流行で利用者が急増しているビデオ会議『Zoom』(ズーム)を、米カリフォルニア州のキリスト教会が訴えた。オンラインの聖書勉強会をハッカーが乗っ取り、子どもの虐待動画を流すなどしたため、と英公営放送『BBC』が報じている。
 米サンフランシスコで最も歴史ある教会の一つ、セイント・ポーラス・ルーテル教会は5月13日、『Zoom』が本社を置くカリフォルニア州サンノゼの連邦裁判所に提訴した。
 5月6日の聖書勉強会で、ハッカーが『Zoom』利用者のパソコンを乗っ取り、「気分が悪くなる不穏な動画」を流したという。
 『Zoom』広報は、「恐ろしい出来事」を非難する声明を出し、セキュリティー対策を拡大している、と強調した。
 勉強会の参加者は8人で、多くは年金生活者。参加者たちはパソコンを操作できなくなると、ハッカーがポルノ動画を流した。
 参加者たちはテレビ会議をいったん終了させ、再開した。すると同じハッカーが再び攻撃してきたという。
 同教会がズームを相手に起こしたのは集団訴訟。同社に過失や暗黙の契約違反、不正な利得行為、不公正な商行為があったとして、不特定の損害賠償を求めている。


◎中国当局が河南省で高齢司教の葬儀を規制
 【CJC】中国政府当局は、河南省南陽市で5月9日行われたジョセフ・朱宝玉司教(98)の葬儀に規制を課した。朱司教は7日に老衰のため死去した。香港に本拠を置くカトリック専門『UCAN通信』が報じた。
 葬儀の参列者は40人に制限され、遠隔地からの移動を制限、教区民が葬儀の写真を撮ることを禁止した。
 後任のピエトロ・ジン・ルガン大司教が、同省安陽市のチャン・インリン大司教とともに葬儀を執行した。
 朱司教は、1957年に司祭叙階後、共産党当局に投獄され、20年近く「強制労働による改造」に苦しめられた。73歳で南陽教区の副司教に非公然に叙階された。2002年11月21日、81歳で南陽司教に就任した。
 当局は、あたかも南陽教区が存在しないかのようにふるまっていることから、非常に尊敬されていた司教の死についてのニュースも伝えたくなかったのだ、とある教区民は匿名を条件に語った。
 当局は、教区民がプライベートな写真やビデオを撮ることを許可しなかった。携帯電話は没収されたり、写真は削除されたりした。しかしカメラの使用を2人に認めた。1人は教区関係者、もう1人は正体不明だった。
 朱司教の後を継いだジン司教は、2018年9月にバチカン(ローマ教皇庁)と中国が司教の任命に関する合意書に署名して以来、中国政府が公式に受け入れた初の「地下司教」となる。
 ジン司教が1月30日に就任した際にも、今回のように当局が会場の人数を制限し、写真撮影は許可しなかった。
 南陽教区には司祭20人強、修道女約50人、2万人以上の信者がいる。


◎北朝鮮、韓国ドラマ流布や聖書所持していた住民を"処刑"
 【CJC】北朝鮮の住民たちは、韓国ドラマを流布したり、聖書を所持したという理由で裁判を受けずに処刑されるなどの事例が発生している、ことが韓国の情報サイト『WOW・コリア』で明らかにされた。
 韓国の統一研究院が5月12日発表した『北朝鮮人権白書2020』で「北朝鮮では依然として住民たちの生命権がきちんと保障されていないものとみられる」とし「特に拘禁施設内で超法的、略式または恣意的に処刑がなされていると把握された」と伝えている。
 白書は「最近の数年間、麻薬取引行為と韓国録画物の視聴・流布行為に対する死刑事例が増加している」とし「麻薬が北朝鮮全域に拡散していて、住民たちが韓国の録画物を視聴・流布する事例が増え、北朝鮮当局は取り締まりと処罰を強化しているものと判断される」と説明している。
 2018年には平安北道(ピョンアンプクト)で聖書を所持していたという理由で2人が公開処刑されたのを目撃したという証言も収集された。


《メディア展望》
 =カトリック新聞(5月17日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
★「すべてのいのちを守るための月間」=司教協議会=教皇来日に応え 定める
★「世界広報の日」=教皇メッセージ=真の姿を照らし出す物語が必要
★コロナ禍に生きる在日外国人=沖縄、福岡、東京 結び=国際開発学会がオンラインセミナー
★「日ごとの福音・テレビ」=宣教目指しミサ配信=チャット機能で新たなつながりも=北海道
★教皇庁大使が緊急入院=脳梗塞で「危険な状態」

 
 =KiriShin(5月11日・既報)=https://www.kirishin.com

 
 =クリスチャン新聞(5月17日・臨時休刊)=https://クリスチャン新聞.co

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