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世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1558信(2020.11.30)

  • ベルリンに3大宗教結ぶ「一つの家」構想
  • 新枢機卿13人を教皇叙任、初のアフリカ系米国人も
  • 教皇のウイグル族「迫害」発言に中国外務省反発
  • CIA元長官がイラン核科学者暗殺を「犯罪」と非難
  • 米最高裁が「コロナ対策の礼拝制限を違憲」と早くも保守色
  • カンタベリー大主教が来年夏に約3カ月の「サバティカル」
  • 英大学ダーウィン帳面紛失=盗難か、進化論の考察メモ
  • ≪メディア展望≫

 

◎ベルリンに3大宗教結ぶ「一つの家」構想
 【CJC】キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の3大宗教を結ぶ「一つの家」構想が、ベルリンで進んでいる。この「宗教間プロジェクト」は、すでに個人や企業、国レベルまで様々な寄付者からの支援を受けているだけでなく、独政府内務省と環境省が1000万ユーロ(約12・5億円)支援し、ベルリン市、欧州連合大学エラスムス・プログラムなどの公的機関、シンクタンク、財団などもスポンサーになる見込み。欧州情勢をキリスト教の視点で注視する『エバンジェリカル・フォーカス』が報じた。
 構想のシンボルと言える建築「一つの家」が2023年完成すると、教会、シナゴーグ、モスクが皆、中央のロビーで結ばれる。
 「一つの家」理事会は、現ベルリン市長ミヒャエル・ミュラー氏、元ドイツ連邦大統領クリスティアン・ヴルフ氏、ドイツ連邦自動車道路局長のグンター・アドラー氏と言った有力者で構成されている。3宗教の神学者や霊的指導者もこの「宗教間プロジェクト」に参加している。
 最初の活動は、平和のための宗教間の祈りのイベントと、宗教間の一致を目指す指導者たちのオンラインワークショップが検討されている。
 ヴルフ氏は、教皇フランシスコが10月発表した回勅「フラテッリ・トゥッティ」に言及し、「教皇は、神がどの宗教に属していようと、すべての人を愛していることを暗示している」と述べた。
 この「宗教間プロジェクト」は、「社会、家庭、学校、企業で、何世紀にもわたって慣習化されてきたような宗教ではなく、それらを超えたより大きな多様性の中で形成される役割を果たす」ことを目指している、と言う。

※画像参考=「一つの家」完成予想模型。https://cms.evangelicalfocus.com/upload/imagenes/5fbbf1746e951_houseofone940.jpg


◎新枢機卿13人を教皇叙任、初のアフリカ系米国人も
 【CJC】教皇フランシスコは11月29日、バチカンで公開枢機卿会議(コンチストーロ)を開催、新しい枢機卿の叙任式をとり行われた。
 サンピエトロ大聖堂で開かれた叙任式で、教皇は新たな「教会の君子」一人一人の頭に緋色のビレタ(聖職者用の角帽)をかぶせた。
 公設バチカン・ニュースによると、教皇フランシスコにとって7回目にあたるこの公開枢機卿会議は、新型コロナウイルスのパンデミック(大流行)による世界的危機を背景に開催された。
 こうしたことから、今回の枢機卿会議は、一般参加者の人数が抑えられたほか、枢機卿団でも、パンデミックを取り巻く諸事情により、自国に留まりインターネット中継を介して参加した枢機卿が少なからず見られた。
 この日、新たに叙任された13人の枢機卿のうち、フィリピンのホセ・アドヴィンクラ枢機卿、ブルネイのコルネリウス・シム枢機卿は、同様の事情で儀式には参加できなかった。両枢機卿には、日を改めて、教皇の代理使節により、枢機卿の象徴である緋色のベレッタ(帽子)と、指輪が届けられる。
 新枢機卿の出身地は、イタリア、マルタ、フィリピン、チリ、ブルネイ、メキシコ、米国などで、信者13億人を抱えるカトリック教会の顔ぶれが変化していることだけでなく、聖職者に対するフランシスコ教皇の考えが世界の貧困に重点を置いていることが反映された、とAFP通信は伝えている。
 米ワシントンのウィルトン・グレゴリー大司教(72)は27日、アフリカ系米国人として初の枢機卿になるのは「象徴的」なことだと述べた。


◎教皇のウイグル族「迫害」発言に中国外務省反発
 【CJC】教皇フランシスコが12月1日発売の本の中で、中国新疆ウイグル自治区の少数民族ウイグル族について「迫害されている」と言及していることが分かった。
 教皇は「私はよく迫害されている人々のことを考える」と述べ、ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャやイラクのクルド民族少数派ヤジド教徒と併せ、ウイグル族を例として挙げたという。教皇によるウイグル自治区の人権状況への懸念表明は初めてと見られる。
 中国外務省の趙立堅副報道局長は11月24日、北京での定例記者会見で「ウイグル族に関する発言は事実ではない。新疆ウイグル自治区は歴史上最も発展している時期にあり、社会は繁栄のうえ安定し、各民族は生存権、発展権を享受し、法によって宗教信仰の自由を保障されている」と反論した。
 この発言は現地メディアによって報道されているが、公式サイトでは該当部分が削除されている。公式サイトで記者との一問一答が掲載されるが、一部の内容が削除されることも、とハフポスト(日本版)。
 中国とバチカン(ローマ教皇庁)は、長年対立してきた司教の任命権の問題をめぐって、バチカンが譲歩する形で2018年に暫定合意し、この10月に2年間延長を決めたばかり。
 伊スタンパ紙が「暫定合意が更新されるまでずっと、ウイグル族を支持する発言を控えてきた」として、教皇が対中関係の節目を越えたことで、踏み込んだ発言をした可能性を指摘した、と朝日新聞は報じている。


◎CIA元長官がイラン核科学者暗殺を「犯罪」と非難
 【CJC】米中央情報局(CIA)のジョン・ブレナン元長官は11月27日、イランの著名核科学者モフセン・ファクリザデ氏が暗殺された事件について、地域紛争をあおる恐れのある「犯罪」行為だと主張した。イラン政府は同氏の暗殺について、イスラエルの関与を指摘している。
 AFP=時事通信の報道によると、ブレナン氏は事件に関する一連のツイートで、「これは犯罪行為であり、非常に無謀だった。死者を出す報復や、新たな地域紛争につながる恐れがある」と主張。「外国政府がファクリザデ氏の暗殺を承認あるいは遂行したかは分からない」と断った上で、「国が後押ししたテロ行為は重大な国際法違反であり、外国の当局者を殺害する政府が増えるようになる」と批判した。
 一方でブレナン氏はイラン政府に対し、報復したいという衝動に耐え、「信頼できる米国の指導者が国際舞台に戻るまで待つ」よう求めた。同氏は、ドナルド・トランプ大統領には批判的な立場を取っている。


◎米最高裁が「コロナ対策の礼拝制限を違憲」と早くも保守色
 【CJC】米最高裁は11月25日、ニューヨーク州が新型コロナウイルス対策で、宗教施設での礼拝に集まる人数を制限した措置を違憲とし、差し止めを命じた。最高裁は5月と7月に同種訴訟で合憲判断をしたが、トランプ大統領の指名で10月に加わった保守派エイミー・コーニー・バレット判事が「違憲」に回ったことで判断が覆った。早くも保守色が強まったことを印象付けた、とワシントン発の共同通信が伝えている。
 ニューヨーク州のクオモ知事は10月上旬、感染拡大の状況に応じて礼拝参加人数を10~25人に制限する措置を講じた。これに対し、カトリック教会とユダヤ教のシナゴーグが撤回を求め、提訴していた。
 今回の最高裁は「パンデミック(世界的大流行)の最中でも憲法が忘れ去られてはならない。制限は多くの人の礼拝参列を禁じ、信教の自由を保障する修正第1条の核心部分に打撃を与えている」と指摘した。
 最高裁は現在、バレット氏を含む6人が保守派、3人がリベラル派。今回はロバーツ氏が再び合憲としたが、バレット氏が違憲と判断した。


◎カンタベリー大主教が来年夏に約3カ月の「サバティカル」
 【CJC】英国国教会とその世界的組織『聖公会』(アングリカン・コミュニオン)の最上席の聖職者カンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビー氏が、コロナウイルスのパンデミック(大流行)のため延期している「サバティカル」(使途に制限がない職務を離れた長期休暇)を2021年に約3カ月取ることになった。
 ウェルビー氏は、「内省、祈り、霊的革新」のために「サバティカル」を取ったと、ランベス宮殿(カンタベリー大主教のロンドン公邸)が確認した。
 「サバティカル」の発表は11月21日のカンタベリー教区会議で行われた。ウェルビー氏は2021年5月から7月までケンブリッジか米国での研修の予定。「和解の概念」を追究するのでは、と見られている。
 ウェルビー氏の「サバティカル」は、今年の「ランベス会議」の後に予定されていたが、コロナウイルスのパンデミックのため延期された。


◎英大学ダーウィン帳面紛失=盗難か、進化論の考察メモ
 【CJC】英ケンブリッジ大図書館は11月24日、保管していた19世紀の英自然科学者チャールズ・ダーウィンのノート2冊を紛失したと発表した。現地メディア報道として共同通信が伝えた。
 図書館によると、ノートを撮影するため2000年に保管庫から取り出した後、返還されていないことが01年の定期点検で判明したが、「誤った場所に戻した」のが原因と考えて通報はしなかった。だが捜索しても所在が分からず、最終的に「盗難の可能性が高い」と判断したという。


《メディア展望》
 =カトリック新聞(11月29日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★教皇フランシスコ来日から1年=残された言葉に応えて=髙見三明大司教がメッセージ
★教皇の一般謁見講話=マリアに学ぶ主への信頼
★ドイツとスイスの教会=クリスマスは自宅で礼拝を
★プロテスタントとカトリック=コロナ禍での諸宗教連帯呼び掛ける共同文書=日本語訳を同時公表
★バチカンの公用車オール電化を計画

 
 =KiriShin(11月21日・既報)=http://www.kirishin.com

 
 =クリスチャン新聞(11月29日)=http://クリスチャン新聞.com
★コロナ禍の国家朝餐祈祷会第20回開催=この時期だからこそ祈りを=十字架語らずしてキリストの平和はない
★「あなたに会えてにゃんたる幸せ」=勝間としをさん「幸せ猫展」
★伊藤晃氏「『天皇代替わり』でできたこと、できなかったこと」=天皇制支える国民から脱却を=NCC靖国神社問題委員会=天皇代替わり問題総括集会
★全国基地引き取り緊急連絡会=全国都道府県知事会に「米軍基地平等負担を」と要望書
★インドネシア派遣宣教師夫妻が実践報告=文化と平和をつくる=沖縄キリスト教平和総合研究所特別講演会

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