世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1632信(2022.05.02)

  • 「平和が可能であることを表す勇気を」=教皇、東方教会の復活祭に
  • ウクライナ側、民間人退避へ停戦交渉をロシア側に提案=マリウポリで交戦継続
  • グテレス国連事務総長、ウクライナ侵攻の仲介役としては限界
  • 《メディア展望》

 

◎「平和が可能であることを表す勇気を」=教皇、東方教会の復活祭に

 【CJC】バチカン・ニュースによると、教皇フランシスコは4月24日、バチカンで行われた日曜正午の祈りの集いで、東方教会の復活祭にお祝いを述べると共に、復活祭の停戦を改めてアピールした。
 先週の日曜日、4月17日にグレゴリオ暦で祝われた復活祭に続き、24日は、正教会、東方典礼カトリック教会、などの共同体が、ユリウス暦における復活祭を祝ったことに教皇は言及。
 ユリウス暦に従い復活祭を祝うすべての人々にお祝いを伝えつつ、復活されたキリストが皆の心を希望で満たし、戦争の野蛮に侮辱された平和を取り戻してくださるようにと祈った。
 戦争の開始から24日で2カ月が過ぎたが、それは止まるどころか、激化している、と教皇は述べた。すべてのキリスト者にとって最も神聖で荘厳なこの日々、主の復活を告げる鐘の音ではなく、死をもたらす武器の轟音が勝り、また、言葉よりも、武器がとって変わりつつあることは悲しい、と話された。
 教皇は、平和を望む意志の目に見える最低限のしるしとして、復活祭の停戦を行うようにと改めて訴え、苦しみ疲弊した人々を助けるために攻撃を止め、「あなたがたに平和があるように」という、復活した主が弟子たちに繰り返した言葉に従順に、戦いをやめるよう呼びかけられた。


◎ウクライナ側、民間人退避へ停戦交渉をロシア側に提案=マリウポリで交戦継続

 【CJC】ウクライナ西部のリビウ発共同通信によると、ロシア軍が制圧を宣言したウクライナ南東部マリウポリでは、東方正教会の復活祭(イースター)を迎えた4月24日も交戦が続いた。
 ウクライナのアレストビッチ大統領府長官顧問は同日、残る民間人らの避難に特化した停戦交渉をロシア側に提案していると明らかにした。
 マリウポリの製鉄所に立てこもる内務省系「アゾフ連隊」の副司令官は同日公開したビデオメッセージで「罪のない子どもたちを空爆している」と述べ、攻撃継続を非難した。国営通信「ウクルインフォルム」が伝えた。


◎グテレス国連事務総長、ウクライナ侵攻の仲介役としては限界

 【CJC】国連のグテレス事務総長がロシア、ウクライナを歴訪、ウクライナ侵攻を続けるロシアのプーチン大統領との会談では、民間人の避難について一定の合意を得たが、かねて呼び掛けてきた人道目的の停戦には踏み込めず、侵攻をめぐる仲介役としての限界を印象付ける結果となった。ニューヨーク発時事通信の観測を紹介する。
 「有益な会談だった」。グテレス事務総長はプーチン大統領との会談から一夜明けた4月27日、米CNNテレビのインタビューでこう振り返った。ウクライナ南東部マリウポリの製鉄所からの民間人退避に国連が関与することでプーチン氏と原則合意できたと成果を強調した。一方で「戦争は会談では終わらない」とも語り、今回の訪問が事態進展の突破口にはならないとの認識を自ら示唆した。
 グテレス事務総長は、侵攻を「国連憲章違反」と断じ、ロシア非難の立場を明確にしている。対してロシア側は「(事務総長の)立場と権限にそぐわない」(ネベンジャ国連大使)と態度を硬化。プーチン氏はこれまで電話会談に応じず、グテレス氏が24日のキリスト教東方正教会の復活大祭(イースター)に合わせて提案した停戦要請も一顧だにしなかった。
 ウクライナのゼレンスキー大統領も、ロシアに対して身動きの取れない国連に不信感を抱き、侵攻開始後、グテレス氏との電話会談は2月の1回だけだった。グテレス氏は28日、ゼレンスキー氏との協議後の記者会見で、機能不全に陥る安全保障理事会が「大きな失望と不満、怒りの源だ」と指摘し、配慮を見せた。


《メディア展望》
 
 =カトリック新聞(4月24日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
教皇、停戦を訴える=負の連鎖を愛で打ち破る
教皇、機中記者会見=ウクライナ訪問を検討=自身の健康問題も説明
3宗教の祭日重なる=聖地で平和への希望
独マルクス枢機卿=同性愛についての教え帰るよう呼びかける
ウクライナ危機で学習会=信仰を持つ市民の役割
 
 =KiriShin(4月21日・既報=再録)=https://www.kirishin.com
ウクライナ危機=内外のYMCAが連携=再会望む家族を支援=日本での避難民受け入れ相談相次ぐ
『教誨師』佐向大監督がハビエル・ガラルダ神父と対談=「社会は人を生かすため」
対面による「イフタール」の効用(小村明子)
「政治の年は受難の年」(佐藤千歳)
ウクライナ・ブチャリの殺りく=教皇「恐ろしい非道さ」と非難
 
 =クリスチャン新聞(4月24日)=https://クリスチャン新聞.com
キリスト全国災害ネット(全キ災)ウクライナ難民支援報告・祈り会開催=活動想定こえるが緊急実施
「『罪』という言葉は有害」に(検察官)=信仰者が無罪獲得(フィンランド国会議員)
インドで牧師殺害=部族宗教からの脅迫と排斥が横行
ウクライナ・ブチャ教会で集団墓地=戦争で民間人を大量虐殺か
日本CGNTVドキュメンタリー番組「路上の隣人」=ICVMクラウン・アワード外国作品部門銀賞

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