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世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1633信(2022.05.09)

  • プーチン大統領、ウクライナ侵攻「正しい決定」と演説
  • 教皇、キリル総主教にプーチン氏の「侍者になるな」と叱責
  • 「ヒトラーにユダヤ人の血」=ロシア外相発言でイスラエル反発
  • ロシア元首相、マリウポリ訪問 プーチン氏の側近、支配を誇示
  • EUがロシア正教会キリル総主教への制裁検討
  • 教皇、岸田首相と会談
  • 教皇が右膝の痛みがひどく車いすを使用
  • 《メディア展望》

 

◎プーチン大統領、ウクライナ侵攻「正しい決定」と演説

 【CJC】ロシアのプーチン大統領は5月9日午後4時、第2次世界大戦の対ドイツ戦勝記念日にあわせて、モスクワの「赤の広場」で開かれた軍事パレードに出席して演説し、ウクライナ侵攻について「正しい決定だった」と述べた。戦争宣言はしなかった。
 プーチン氏は「NATOは我々の話を聞こうとしなかった」と述べ、NATOによるウクライナへの軍事支援も非難、ウクライナ政権とナチスを同一視する持論を繰り返した。


◎教皇、キリル総主教にプーチン氏の「侍者になるな」と叱責

 【CJC】米メディアCNNは、教皇フランシスコが、ロシアのウクライナ侵攻に関連しロシア正教会の最高指導者であるキリル総主教に対しプーチン大統領の「侍者になるな」と叱責する発言を示した、と報じている。
 一方、ロシア正教会の対外関係部門は、教皇の今回の発言は、総主教との会談内容を描写する上で「間違った観点からとらえている」とし、「遺憾である」との声明を発表。「ローマ・カトリック教会とロシア正教会の建設的な対話の構築にも寄与しない。特に現在の情勢の中では」と苦言を呈した。
 教皇は、イタリア紙コリエレ・デラ・セラとの5月3日の会見で、自らがキリル総主教とオンライン会議システム「Zoom」(ズーム)を通じて今年3月16日に約40分間話し合ったことに言及した。
 教皇は同紙に、キリル総主教は最初の20分間、戦争を全て正当化する発言をしたとし、「私は耳を傾け、彼に一切理解出来ないと告げた」と説明。「兄弟よ、我々は国家の聖職者ではなく、政治の言葉でなく神の言葉を使うべきだ」と伝えたとした。「総主教自身がプーチン(大統領)の侍者に変身することは出来ない」とも説いたという。


◎「ヒトラーにユダヤ人の血」=ロシア外相発言でイスラエル反発

 【CJC】イスタンブール発時事によると、ロシアのラブロフ外相が5月1日、イタリアのテレビとのインタビューで、ユダヤ人を弾圧したナチス・ドイツの独裁者ヒトラーに「ユダヤ人の血が流れている」と発言し、イスラエルで反発が高まった。ベネット首相は2日、「極めて深刻だ」と指摘。ラピド外相は「許せるものではない」と述べ、ロシア大使を呼び抗議する姿勢を示した。
 ラブロフ外相は、ロシアが軍事作戦を展開するウクライナを批判する文脈で「ゼレンスキー大統領がユダヤ系だからといって、ウクライナでのナチスの存在が否定されるわけではない」と主張。その上で、ヒトラーとゼレンスキー氏を「ユダヤ系」として同一視した。
 ロシアのプーチン大統領は5日、イスラエルのベネット首相と電話会談を行い、ラブロフ外相の「ユダヤ人の血が流れている」発言について謝罪した。イスラエル首相府が発表した。
 ロシアが2月24日にウクライナへの本格的な軍事侵攻を開始して以降、国際社会の非難に対して強気の姿勢を保ってきたプーチン氏だが、この問題ではロシア側の非を認めた形だ。
 プーチン大統領の謝罪について、ベネット首相は受け入れる考えを表明し、「プーチン氏は、ユダヤ人や第2次大戦中のヒトラーによる)ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の記憶に対する自らの態度を明確にした」と評価した。


◎ロシア元首相、マリウポリ訪問 プーチン氏の側近、支配を誇示

 【CJC】キーウ発共同通信が、ロシア元首相のキリエンコ大統領府第1副長官と政権与党幹部のトゥルチャク上院第1副議長は5月4日、ウクライナ南東部マリウポリを訪問したと報じた。トゥルチャク氏が通信アプリに投稿したもの。2人はロシアのプーチン大統領の側近。激戦が続く中でのマリウポリ訪問は、ロシアの支配強化を示す狙いがありそう、としている。
 トゥルチャク氏は、マリウポリの港や、ロシア側が設置した「人道支援センター」を訪問、ウクライナ側部隊が抵抗を続ける製鉄所近くの住民とも交流したとしている。ウクライナ側は、ロシア統合に向けた動きの可能性があるとして警戒している。


◎EUがロシア正教会キリル総主教への制裁検討

 【CJC】ブリュッセル発AFP通信は、4日に確認したリストによるとして、欧州連合(EU)欧州委員会がロシア産石油の段階的禁輸を含む対ロシア経済制裁の一環として、ロシア正教会のキリル総主教に対する制裁を検討している、と伝えた。
 制裁者リストにはキリル総主教を含め58人の名前が記載されていた。ロシア軍人のほか、ドミトリー・ペスコフ大統領府報道官の妻、娘、息子も含まれていた。


◎教皇、岸田首相と会談

 【CJC】教皇フランシスコは5月4日午前、一般謁見の前に、日本の岸田首相と会談した。バチカン・ニュースが報じた。
 バチカンのマッテオ・ブルーニ広報局長によれば、教皇と岸田首相のおよそ25分間にわたる会談では、核兵器問題をめぐり、核兵器の使用と保有がいかに理解しがたいものであるかが話された。
 岸田首相は、教皇との出会いに続き、バチカン国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿および外務局長ポール・リチャード・ギャラガー大司教と国務省で会見した。
 国務省で行われた会談では、バチカンと日本の国交樹立80周年を背景に、両国の協力関係に満足の意が表された。
 また、こうした中、日本の社会の様々な分野におけるカトリック教会の貢献が評価された。
 続いて、国際的テーマでは、特にウクライナにおける戦争をめぐり意見が交換された。ここでは対話と平和構築が急務として強調されると共に、こうした目的のために核兵器のない世界の実現が願われた。


◎教皇が右膝の痛みがひどく車いすを使用

 【CJC】バチカン市発ロイター時事によると、5月4日に岸田文雄首相と会談したばかりの教皇フランシスコ(85)は5日、バチカン市内で行われた行事に車いすに乗って現れた。右膝の痛みがひどく、歩けないという。
 4月中も痛みを理由に行事の中止や短縮が繰り返された。壇上で10メートルを歩くのに側近の助けを借りる姿も目撃されていた。


《メディア展望》
 
 =カトリック新聞(5月1日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
教皇=復活祭のメッセージ=平和への希望は「幻ではない」
教皇=聖木曜日「主の晩さん」=受刑者の足を洗う
ミャンマー国軍兵士=マンダレー大聖堂に乱入=3時間にわたり家宅捜索
教皇=聖木曜日「聖香油ミサ」=司祭職の恵みは「民のため」
ローマの十字架の道行=ウクライナとロシアの女性=共に十字架を担う
 
 =KiriShin(5月1日)=http://www.kirishin.com
日本聖公会北海道教区=初の女性主教誕生=笹森田鶴司祭が按手
NCC、平和ネット、正平協の祈祷会=松浦悟郎司教と中野晃一氏が対談
日本カトリック映画賞に和島香太郎監督『梅切らぬバカ』
教皇、復活祭メッセージ=「キリストの平和が勝るように」
ウクライナ侵攻で正教会の混乱=孤立するキリル総主教
 
 =クリスチャン新聞(5月1日)=http://クリスチャン新聞.com
有志牧師らウクライナ第二期支援へ=ルーマニア、ポーランド報告=霊的な糧も提供
失われた映像を発見=5月末までに映画「塩狩峠」「海嶺」高画質化事業に支援急募
被災者・地元中心、協働が支援の三原則=社協と宗教者の連携・協力を=全キ災第5回会合で園崎秀治氏
第17回結祈「ロシア、ウクライナのための祈り」=ロシアにも戦争に心痛め祈っている人たちがいる
ウクライナ危機に寄せて=もう涙は残っていない=米ジャーナリスト フィリップ・ヤンシー

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