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世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1652信(2022.09.19)

  • 教皇、カザフスタン司牧訪問に出発、宗教指導者会議へ
  • 教皇「キリストの十字架から憎しみではなく愛を学ぼう」=カザフスタンで信者らと共にミサ
  • 教皇、宗教の政治利用に警鐘。ロシア正教会批判か
  • 教皇、カザフスタン訪問終え特別機中で記者会見
  • バチカンが教皇と中国習主席との会談打診、中国側は謝絶
  • ヨーロッパ初の世界教会協議会総会、「キリストの愛が世界を和解と一致に導く」
  • 《メディア展望》

 

◎教皇、カザフスタン司牧訪問に出発、宗教指導者会議へ

 【CJC】バチカン・ニュースによると、教皇フランシスコは9月13日、カザフスタンへの司牧訪問に出発した。
 教皇は、ローマのフィウミチーノ国際空港から同日午前7時36分、カザフスタンの首都ヌルスルタンに向けて特別機で出発した。
 訪問は3日間にわたるもので、同地で開催される「第7回世界伝統宗教指導者会議」への出席を主な目的としている。
 同時に、教皇はこの訪問を通し、カザフスタンの全人口およそ1900万人中、1%に満たないカトリック信者たちの「小さな群れ」を励ますことを望んでいる。
 カザフスタンへの旅は、現教皇にとって38回目の海外司牧訪問(イタリアを除く)。カザフスタンへローマ教皇が訪れるのは、2001年の聖ヨハネ・パウロ2世の初訪問以来、今回で21年ぶり、2度目。
 特別機は、現地時間同日午後1時にヌルスルタン・ナザルビイエフ国際空港に到着した。空港では各界指導者が出迎えた。
 教皇は、今回の司牧訪問の始めとしてカシムジョマルト・トカエフ大統領表敬に向かった。


◎教皇「キリストの十字架から憎しみではなく愛を学ぼう」=カザフスタンで信者らと共にミサ

 【CJC】バチカン・ニュースによると、教皇フランシスコは、カザフスタン訪問2日目、9月14日午後、首都ヌルスルタンでミサを捧げた。
 ミサは、2017年の万博会場跡地を利用した総合施設のグラウンドで行われた。
 カザフスタンのカトリック信者は全人口の1%に満たない「小さな群れ」だが、同国におけるカトリック教会の起源は、フランス王、聖ルイ(ルイ9世)が、宣教師たちをモンゴルを目指して派遣した13世紀にまでさかのぼる。
 14世紀初頭、ヨハネ22世はチャガタイ・ハン国に手紙を送り、キリスト教徒への寛容に感謝を表している。しかし、同世紀半ばから迫害が始まり、19世紀、カザフ地域がロシア帝国の下に入るまでは、同地のキリスト教徒についての情報はない。
 1991年、ソビエト連邦構成国から「カザフスタン共和国」として独立後、92年、教皇庁との国交関係を樹立。2001年には、聖ヨハネ・パウロ2世が同国を訪問した。
 教皇フランシスコの今回の訪問によって、21年ぶりにローマ教皇を迎えたカザフスタンの信者たちの喜びは大きい。
 教皇はミサの説教で、「キリストの十字架から、憎しみではなく愛を、復讐ではなく赦しを学ぼう」と呼びかけ、広げたイエスの両腕に神の優しさと受容の愛を示しながら、兄弟愛のもとに共に生きることの大切さを強調した。


◎教皇、宗教の政治利用に警鐘。ロシア正教会批判か

 【CJC】AFP通信報道によると、教皇フランシスコは9月14日、カザフスタンで開催中の「世界伝統宗教指導者会議」で、宗教の政治利用に警鐘を鳴らした。ロシアのウクライナ侵攻を支持しているロシア正教会の最高指導者、キリル総主教を批判したものとみられる。
 会議には50カ国から100人近くが参加したが、キリル総主教は欠席した。
 教皇は会議で、紛争を擁護したり権力を支えたりするために信仰をもてあそんではならないと警告。「暴力を決して正当化してはならない。聖なるものは俗なるものに利用されてはならない」と述べた。
 さらに「聖なるものが権力を支援する側に回ってはならない。権力の側も聖なるものを支援してはならない」と語った。教皇の発言を受け、会場からは拍手が起こった。
 教皇は以前、ウクライナ侵攻について「残酷で無意味な戦争」だと非難し、和平を呼び掛けていた。これに対しキリル総主教は、ロシアは「邪悪な勢力」と戦っているとし、侵攻を擁護している。
 ただ、ロシア正教会としては、総主教が教皇と会談する用意はあるとしている。


◎教皇、カザフスタン訪問終え特別機中で記者会見

 【CJC】教皇フランシスコは9月15日、訪問先のカザフスタンからローマに戻る教皇特別機中で記者会見し、バチカンと国交がない中国やウクライナに侵攻したロシアとの対話が必要だとの考えを改めて示した。共同通信によって紹介する。
 教皇は、中国について、宗教の自由が脅かされているとの懸念があることを踏まえ、極めて複雑な国だとしつつ「理解するために対話の道を選んだ」と述べた。「理解するには1世紀かかる」と述べ、ロシアに関しては「戦争を始めた国々との対話は常に難しい」と指摘したが、それでも話し合いを放棄してはならないと強調した。


◎バチカンが教皇と中国習主席との会談打診、中国側は謝絶

 【CJC】教皇専用機内から9月15日、ロイター通信が報じるところでは、バチカンが中国に対し、教皇フランシスコはカザフスタンの首都ヌルスルタンに滞在中に習近平国家主席と会談する用意がある旨を伝えたが、中国側は十分な時間がないとして会談を謝絶していたことが、バチカン関係者の話で明らかになった。
 バチカンがいつ、どのような形で中国側に接触したのかなどの詳細は不明。関係者によると、バチカンは「会談が可能」という表現で伝えたが、中国側は感謝の意を示した上で、習主席のスケジュールに空きがないと答えたという。
 教皇と習主席はともに14日にヌルスルタンに滞在していた。


◎ヨーロッパ初の世界教会協議会総会、「キリストの愛が世界を和解と一致に導く」

 【CJC】8月31日から9月8日まで、キリスト者数千人がドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州カールスルーエに集まり、1968年のウプサラ以来、ヨーロッパで初めての世界教会協議会(WCC)総会が開催された。
 第11回総会は、「キリストの愛が世界を和解と一致に導く」というテーマで、多くのメッセージを世界に向け発信した。
 アグネス・アブオム中央委員会議長(ケニア聖公会司祭)が開会を宣言した。
 「WCCとエキュメニカル運動の絶対的な基本は、人間関係」とアブオム議長は言った。「それが、この集会のような経験を貴重なものにし、形成する。私たちは、すべての独自性において互いに出会い、見知らぬ人の中に隣人を認め、私たちの多様性の中に一致を見出す」。
 総幹事代行のイオアン・サウカ牧師は、気候危機、COVID―19(コロナ禍)、ウクライナ戦争など、世界における多くの課題に触れた報告を行った。
 ドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー大統領が基調講演を行った。大統領は、1948年にアムステルダムで開催された第1回WCC総会にドイツの教会が出席を許され、対等な立場でメンバーとして迎えられたことを感謝しつつ振り返った。大統領は、ウクライナでの戦争について、何度も考え、祈り、そしてそれを"侵略戦争"と呼んだ。
 地元ドイツの「ホスト教会」は、3500人以上の人々をカールスルーエに迎えた。週末には、ドイツ国内およびフランス、スイスへの小旅行が70以上企画された。カールスルーエでは、文化・情報イベントが200以上行われた。


《メディア展望》
 
 =カトリック新聞(9月18日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
ヨハネ・パウロ1世列福=「神の善良さを示した」
教皇、枢機卿団とミサ=宣教の使命を忘れないで
教皇の一般謁見講話=いのちの園か死の砂漠か
入管法政府案=再提出反対キャンペーン=市民団体が19日まで
寄稿=シグニス世界大会に参加して(土屋 至=シグニスジャパン会長)
 
 =KiriShin(9月11日既報・再送)=http://www.kirishin.com
カルト教団に命奪われた父(卓志雄)=検証"協会"の実相と教会の課題
台湾基督長老教会による安倍元首相の評価(松谷洋介)
改革派西部中会で8・15集会=「侵略する側に回ってしまう愚かさ」
統一協会への注意呼び掛け=立教大学チャプレン団が「緊急メッセージ」
キリスト教書店大賞2022に奥田知志著『ユダよ、帰れ』
 
 =クリスチャン新聞(9月18日)=http://クリスチャン新聞.com
関東大震災 第99回記念 追悼=合同早天礼拝で李氏=「共につながり、生きる」
土浦でウクライナ支援コンサート=本紙オクサーナさん記事きっかけに実現
横浜で朝鮮人虐殺追悼集会=差別なくすためともに行動
気候変動で子どもら危機=「キッズ環境プログラム」教会、WVJ協力で
ウクライナ、気候問題に危機感=「和解と一致」WCC総会=独で開催

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