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世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1657信(2022.10.24)

  • 教皇と中国間の暫定合意延長について、国務長官パロリン枢機卿がインタビュー
  • 教皇、11月中旬にイタリア北部アスティ訪問
  • ロシア、ヘルソン市民の退避加速=ウクライナ反撃で重要局面
  • シンガポールが「社会分断の恐れ」、宗教・LGBTQの映画禁止
  • テッサロニキからストックホルムまで、ヨーロッパで数千人が自由を求めて歩く
  • 《メディア展望》

 

◎教皇と中国間の暫定合意延長について、国務長官パロリン枢機卿がインタビュー

 【CJC】バチカン・ニュースによると、バチカン国務長官パロリン枢機卿は、教皇庁と中国間の司教任命をめぐる暫定合意がこのたびさらに2年延長されたことについて、オッセルバトーレ・ロマーノ紙とバチカン放送のインタビューに答えた。
 2018年9月22日、教皇庁と中華人民共和国の政府は、司教の任命をめぐる暫定合意書に署名した。この合意が「暫定」であったのは、その時まだ実験的な段階にあったから。よくあるように、これほどにも難しくデリケートな状況には、その施行のために、またその効果や改良すべき点を見極めるために、ふさわしい時間が必要。そして、新型コロナウイルスによるパンデミックが発生し、当然それは合意の施行を注意深く見守り評価するための、両使節間の会合の妨げとなった。こうしたことから、合意の有効期間を、最初2020年まで延期し、そして今回再び、さらに2年間延長することになった。
 教皇フランシスコは、決意と忍耐強い先見性をもって、このプロセスを進むことを決定した。それは人間の規則の完璧さを追求するという幻想の中にではなく、たとえこのように複雑な状況においても、その託された使命にふさわしい司牧者の導きを中国のカトリック共同体に保証するという具体的な希望のうちにそれを決定された。
 歴史上、教皇庁が司教任命のデリケートで重要な問題において、ある国の特殊な状況を考慮し、その手続き上の合意に達したことはしばしばあった。しかし、それは優れた司教の任命という、教会にとっての本質かつ基本をおろそかにするものではない。中国とのこの合意に基づく司教任命のプロセスは、中国の歴史と社会の特徴や、結果としての中国の教会の発展を認識し、注意深く熟考されたもの。こうした中、ここ数十年、カトリック共同体が置かれた苦しみに満ちた、時には引き裂かれた状況を思い起こさないわけにはいかない。その一方で、中国当局の要求とカトリック共同体が必要としているものを考慮することは慎重で賢明なことと思う。
 暫定合意が施行されてからこの最初の4年間に、得られたものとして、主に三つの成果があったが、将来これにさらなる成果が続くことを願っている。
 一つは、2018年の「合意」と同時に、中国のカトリック教会のすべての司教は教皇との完全な交わりの中にある。そこにはもう非公認の司教の叙階はない。普通の信徒たちにとって、それはあらゆる司祭によって捧げられる毎日のミサの中で感じることができるだろう。実際、ミサ中のエウカリスチアの祈りでは、はっきりと教皇に言及する。これは数年前までは考えられなかったことだった。
 二つ目の成果は、この「合意」の精神と、教皇が最後に決定権を持つという定められたプロセスに基づき、6人の司教が叙階されたことです。
 三つ目の成果は、この期間に、最初の6人の「非公認」司教が、公的機関から司教として認められたことで、その司教としての立場を公式化することができた。
 これらは小さな成果のように見えるが、信仰のまなざしをもって歴史を見つめる者にとっては、教会の交わりが過去の出来事から受けた傷を徐々にいやすことに向けた、重要なステップなのだ。それゆえに、必要ならばもう一度強調したいと思うが、「合意」はもちろん制度・文化上の良い対話の定着に関わるものだが、とりわけ中国の教会の毎日の活動に必要な本質的要素に関するものだ。たとえば、とり行われた秘跡の有効性や、中国の数多くの信者たちが、自国に忠実な市民ではないとの疑いを持たれることなく、カトリック教会との完全な交わりを生きられる確かさに関わる問題なのだ。


◎教皇、11月中旬にイタリア北部アスティ訪問

 【CJC】教皇フランシスコが、11月19日と20日の2日間、イタリア北部ピエモンテ州アスティを訪問されることが明らかになった。バチカン・ニュース(日本語版)が報じた。
 教皇公邸管理部の発表によれば、11月19日(土)午後、教皇は自身の従姉妹の90歳の誕生日を機会にアスティを訪問。親族らと私的な出会いを行われる。
 11月20日(日)「王であるキリスト」の祭日、教皇はアスティのカテドラルでミサを捧げ、アスティ教区の人々と絆を強める。
 アスティには、教皇の父方の親族が住んでいる。


◎ロシア、ヘルソン市民の退避加速=ウクライナ反撃で重要局面

 【CJC】ロイター通信(日本語)によると、ウクライナ南部ヘルソン市のロシア占領当局は10月22日、ウクライナの進軍による緊迫した情勢を理由に、市民に直ちに退避するよう勧告した。
 同市はロシアが2月にウクライナ侵攻を始めてすぐに占領下に置かれたが、ウクライナ軍の反撃によってロシア軍はドニエプル川西岸沿いまで押し戻されつつあり、戦闘は重要な局面を迎えている。ヘルソンはロシアが一方的に併合宣言した4州の一つ、ヘルソン州の州都。
 既に数千人の市民がドニエプル川の対岸に避難しているが、当局は緊急に退避する必要性を強調。ロイターは東岸のオレシキで荷物やペットを積んだ船で到着する避難民を確認した。到着した家族は、ロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミア行きのバスを待っていた。
 ロシアが任命したヘルソン州の指導者は、ヘルソン市から1日当たり1万人の市民を退避させる計画で、ウクライナの反撃を見越し、ロシアでの受け入れを準備していると明らかにした。


◎シンガポールが「社会分断の恐れ」、宗教・LGBTQの映画禁止

 【CJC】シンガポール発AFP=時事通信によると、シンガポール当局は、宗教と性的少数者(LGBTQ)を題材にして、今夏に米国の映画祭で上映された映画について、「社会分断」を招きかねず「指針を逸脱している」として国内での上映を認めない決定を下した。
 監督官庁の情報通信メディア開発庁(IMDA)が10月17日発表した。
 映画はシンガポール人監督ケン・クエック氏が制作した「#ルックアットミー」。7月にニューヨークでのアジア映画祭で公開され、審査員特別賞を受賞した。映画では、主人公が男性牧師に対し、同性愛に関する立場を巡って「攻撃を計画する」描写がある。
 IMDAは「内容が牧師への暴力を助長している」と判断。「多民族・多宗教のシンガポールで憎悪を引き起こし、社会を分断させる恐れがある」と指摘した。これに対し制作サイドは「映画はフィクションだ」として決定への失望を表明。法的に争う構えを見せた。


◎テッサロニキからストックホルムまで、ヨーロッパで数千人が自由を求めて歩く

 【CJC】ボーンマス、シュトゥットガルト、バレンシア、ベルン、インスブルック、ソフィア、コペンハーゲンなどヨーロッパの数十都市で、「ウォーク・フォア・フリーダム2022」の行進が、現代奴隷制の隠されがちな現実を通行人に見えるようにしようと行われた。、
専門ニュースサイト「エヴァンジェリカル・フォーカス」が10月17日報じた。
 10年以上前、この活動を始めたキリスト教精神に基づく世界的な運動組織「A21」は、「世界的な影響を与えるために、それぞれの地元で行進する」ことを人々に奨励した。今では、ヨーロッパの他、メキシコ、ナイジェリア、南アフリカ、インドなどの都市でも行進が開催されている。
 今年の「ウォーク・フォア・フリーダム2022」は、何千もの人々がギリシャのテッサロニキからスウェーデンのストックホルムまでの各都市で、自由を求めて毎年恒例になった沈黙の行進に参加した。ヨーロッパでは、この数年、行進に参加した人々や団体が、強制売春やその他の性的搾取の深刻な問題を強調してきた。
 行進に参加した人たちは、黒い服を着て、「路上で物乞いをさせられている6歳の子どものために歩きます」、「家事労働の犠牲になっている70歳の女性のために歩きます」、「奴隷制度を廃止せよ、どこでも、永遠に」などといったメッセージを表示した看板を持って街の中心部を列をなして行進した。
 ギリシャのテッサロニキからストックホルムまで、ヨーロッパで数千人が自由を求めて歩いた。各国の例は次の通り。
ギリシャ=テッサロニキでは、活動家たちが海の近くを行進。
ブルガリア=数十人がソフィアを歩いた。
オーストリア=インスブルックの街頭でウォーキングが見られた。
ドイツ=シュツットガルトで現代奴隷制に反対するウォーキングが開催された。
スイス=約100人がベルンを歩いた。
スウェーデン=ストックホルム、ヨーテボリ、マルメなど9都市でウォーキングが行われた。
デンマーク=コペンハーゲンのように、ウォーキングを始める前にこの問題を取り上げるイベントが開催されたところもあった。
イギリス=ボーンマス、リバプール、ロンドンなどの都市で開催された。
スペイン=マドリッド、バルセロナ、サラゴサ、バレンシア、ムルシアなど、18都市で開催された。スペインはヨーロッパで最も性的搾取が多い国。
スコットランド=グラスゴーとエディンバラの2都市でウォーキングが行われた。
《参考サイト》https://evangelicalfocus.com/europe/19103/from-thessaloniki-to-stockholm-thousands-walked-for-freedom-in-europe


《メディア展望》
 
 =カトリック新聞(10月23日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
▼教皇「世界宣教の日」メッセージ=キリスト者は皆、キリストの証人
▼教皇、メッセージで称賛=ステラマリスの船員司牧
▼ケニア、干ばつを受けて遺伝子組み換え作物解禁=一部司教は懸念を表明
▼教皇の一般謁見講話=識別には自分を知ること
▼NPO法人マザーハウス=受刑者と共に捧げるミサと講演会を主催
 
 =KiriShin(10月21日)=http://www.kirishin.com
▼賀川豊彦記念松沢資料館」=開館40周年=時代反映し展示も刷新
▼旧・統一協会めぐる諸問題=過ちを繰り返さないために=教会地震の課題として
▼世界食料デー大会開幕=「Small Action Everyday!~小さなことから一歩ずつ」
▼国土の3分の1が水没=パキスタン洪水被害支援
▼訃報=大木英夫さん
 
 =クリスチャン新聞(10月23日)=http://クリスチャン新聞.com
▼伝団協「秋のフェスティバル」で大田裕作氏=「パンを投げれば後の日に見出す」=3年ぶり対面開催=故・小坂忠氏のステージ映像も
▼ゴスペルボックス2号完成!
▼世界と神の愛を見た漂流民=映画「海嶺」舞台の地で「聖書和訳頌徳碑記念式典」
▼講義、演習、批評、アドバイス...=説教をより実践的に学ぶ=OCC主催「若者に届く説教を目指して」
▼オリブ山病院=CPEプログラムで笹子三津留氏=「健全な神との関係に戻らなければ本当の救いはない」

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