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研究活動

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山極寿一・小原克博『人類の起源、宗教の誕生──ホモ・サピエンスの「信じる心」が生まれたとき』平凡社新書、2019年

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●対談

第1章 人類は「物語」を生み出した

人間が生きる意味/犬に祈りはあるか/仲間を信じて食物を食べるということ/宗教の起源は「共同体のエシックス」/秩序を重んじ、不公平を甘受するニホンザル/「物語」が世界の外に人類を導いた/想像力こそホモ・サピエンスの力/集団に再び帰れるという人間の特性/集団に依存する生存戦略の理由/多産こそ集団形成の原動力/死者はいつか帰ってくる/魂はいつ現れたのか/ジャングルの未知のコミュニケーション/「言葉で空間を再現する」という能力の獲得

 
第2章 暴力はなぜ生まれたか

宗教は農耕牧畜より以前に生み出された/おばあさんザルの紛争解決/富の収奪、土地の価値が武器を人に向けた/共感能力の暴発と、暴力の頻発/儀式が「仲間」という共感能力を育てる/人口爆発に追い付けない人類の社会性/コミュニケーションの限界は一五〇人/「抵抗勢力」として始まった世界宗教/宗教の強大化が「犠牲」を求める/人類は「未来」をいつから信じ始めたのか

 
第3章 暴走するAIの世界

資本主義化したキリスト教/歴史と哲学を重んじるヨーロッパの伝統/キリスト教の暴力性はなぜ生まれたか/価値の一元化とキリスト教の分裂/貨幣が宗教を追い越していった/「ヒューマニズム」の発明/人間中心主義のもとにある「孤立した人間理解」/欲望を放置する利己主義/解体される人間と魂の問題/「ホモ・デウス」、人間から神へのアップグレード/AIは人間を「排除」する/AIが人間を評価する愚

 

第4章 ゴリラに学べ!

今西錦司と西田幾多郎/人間が「ルール化されたロボット」になる日/身体なきリアリティの幻想/生の身体行動からしか得られないもの/スマホ・ラマダーンで、データから脱出せよ!/なぜ宗教に「断食」があるのか

 
第5章 大学はジャングルだ

コミュニティが救う自己不安/新たな社会力を生み出す場として/ジャングルではつねに新しい種が生まれる/「知のジャングル」の未来像

 

●補論

◎人間、言葉、自然――我々はどこへ向かうのか  山極寿一

言葉、人間と動物を分かつもの/集団化するチンパンジー、孤独を好むゴリラ/人間にはなぜ言葉が必要だったか/子供を守るためのコミュニケーション/重さを持たないコミュニケーションの道具/身体を離れてしまった「言葉」/想像の欲求が人間の心を蝕む/超越者、神、神殿の始まり/西田幾多郎の「無の哲学」と生命の本質

 

◎宗教が迎える新しい時代  小原克博

霊長類研究と宗教研究/「宗教」の歴史/家族・社会の来歴/人間の言語的特徴と宗教/動物と人間/動物観・自然観の違い/自然と人工物/ロゴスと肉(身体)/食と新たな社会性/不在者の倫理