世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1584信(2021.05.31)

  • ホロコースト生存者の腕の囚人番号入れ墨に教皇がキス
  • 教皇、バチカン広報省を訪問、メディア関係者と会見
  • ホーチミン市の福音団体と病院関連で新型コロナ疑陽性者12人
  • ジョンソン英首相が結婚、ウエストミンスター大聖堂で少人数で
  • サグラダ・ファミリアがコロナ禍で収入減り26年の完成見込めず
  • 聖書を信じた考古学者エイラート・マザール死去
  • 《メディア展望》

 

◎ホロコースト生存者の腕の囚人番号入れ墨に教皇がキス
 【CJC】教皇フランシスコが5月26日、バチカン宮殿で行われた水曜日恒例の一般謁見後、アウシュビッツ強制収容所の生存者リディア・マクシモビッチさん(81)が教皇と対面、服の袖をたくし上げて囚人番号を見せると、教皇はその入れ墨に口づけした。マクシモビッチさんは教皇を抱擁した。AFP通信が伝えた。
 教皇はマクシモビッチさんの頭に手をかざし、中庭を離れるまで数分間、言葉を交わした。
 強制収容所を出た後、ポーランド人の家庭に引き取られたマクシモビッチさんは18歳の時に、囚人番号が連番だったことから実の母親が見つかり、再会を果たしたという。


◎教皇、バチカン広報省を訪問、メディア関係者と会見
 【CJC】「バチカン・ニュース」によると、教皇フランシスコは5月24日、バチカン機関紙「オッセルバトーレ・ロマーノ紙」創刊160周年、「バチカン放送局」開局90周年を機会に、バチカン広報省を訪問した。
 教皇は、最初に「オッセルバトーレ・ロマーノ紙」編集部を見学、続いて広報省内の礼拝堂で祈られた後、「バチカン放送局」番組制作部を訪れ、スタジオで生放送に参加したほか、技術部関係者、「バチカン・ニュース」をはじめとするWEBメディア編集者たちと会見した。


◎ホーチミン市の福音団体と病院関連で新型コロナ疑陽性者12人
 【CJC】ホーチミン市疾病管制センター(HCDC)は、新型コロナ・ウイルス感染症に関し、5月28日昼過ぎまでに同市で計12人の疑陽性者を確認している。ただし保健省の正午までの感染者数のデータには含まれていない。ベトナムに関する日本語総合情報サイト「VIETJO」(ベトジョー)が明らかにした。
 12人のうち8人は、ゴーバップ区3街区グエンバンコン通りに拠点を置くキリスト教福音団体「リバイバル・エクレシア・ミッション」(REM)関連。うち3人は団体メンバー、4人は団体牧師の近隣住民、1人は牧師の義理の息子。
 他の4人は、同市フーニュアン区ファンシックロン通りにあるホアンミー・サイゴン病院で受診した夫婦で感染源は不明。「リバイバル・エクレシア・ミッション」とも関連がないという。同病院は28、29日の患者受け入れを停止した。


◎ジョンソン英首相が結婚、ウエストミンスター大聖堂で少人数で
 【CJC】ボリス・ジョンソン英首相(56)が5月29日、ロンドンのウエストミンスター大聖堂で婚約者のキャリー・シモンズさん(33)と結婚式を挙げた。BBC放送が伝えた。
 結婚式には親族や近しい友人だけが招かれたという。在任中に結婚する英首相は1822年以来。
 複数メディアが報道した後、首相官邸は「ささやかな式」で29日午後に首相とシモンズさんが結婚式を挙げたと発表した。シモンズさんは今後、「ジョンソン」姓を名乗ると明らかにしている。
 日曜紙メイル・オン・サンデーは、結婚式には直前になって30人が招かれたと伝えた。これは現在、英イングランドで実施されている新型コロナウイルス対策で認められる最多の出席人数。
 ウエストミンスター大聖堂での準備も少人数で行われ、カトリックの結婚式はダニエル・ハンフリーズ神父が執り行った。
 ジョンソン首相は過去に2回結婚し、離婚しているものの、カトリック教会は以前の結婚がカトリックのしきたり内で行われたものでなければ、離婚経験者の再婚を認めている。


◎サグラダ・ファミリアがコロナ禍で収入減り26年の完成見込めず
 【CJC】バルセロナ発ロイター通信が5月25日、同地にある世界的観光スポット、サグラダ・ファミリアの完成予定時期が、新型コロナウイルスの影響を受けて2026年からさらにずれ込むことになった、と伝えている。
 ユネスコ世界遺産のサグラダ・ファミリアは、海外観光客の急減で大きな打撃を受けた。建設の主な資金源である収入が激減し、作業は9カ月間停止している。
 施設責任者のザビエル・マルティネス氏は、ロイター通信に「26年の完成を見込んでいたが、残念ながら不可能だろう」と指摘、正確な時期は言えないとし、コロナ禍前の収入水準を回復し、建設ペースが戻るには時間がかかると述べた。


◎聖書を信じた考古学者エイラート・マザール死去
 【CJC】米福音派メディア「クリスチャニティ・トゥデー」などの報道によると、イスラエルの著名な考古学者エイラート・マザールが5月25日死去した。マザールは1956年9月10日にイスラエルで生まれた。有名な考古学者である祖父ベンジャミンの指導を受け、11歳から発掘を始めた。祖父は、「イスラエル建国」の父の1人として、彼の発掘によってイスラエルがユダヤ人の祖国であるという考えが広まったとされている。
 「エルサレム考古学の女王」と呼ばれたマザールは、聖書を歴史的なテキストとして受け止め、聖書に注目しすぎるのは非科学的だと考える学者たちとの論争でも知られている。
 マザールは50年間にわたって聖地を発掘し、ダビデ王のものとされる宮殿跡、ソロモン王のものとされる門、ネヘミヤが建設したとされる壁、預言者エレミヤを捕らえた者の名前を記した粘土印二つ、ヒゼキヤ王の名前を記した印、預言者イザヤのものとされる印などを発見した。
 マザールは「聖書には本物の歴史的現実が書かれている」と言って、聖書を繰り返し読んでいた。時には文字通りの指示を受けることもあった。1997年には、サムエル記下5章17節に、ダビデが宮殿から要害に下っていく様子が書かれていることを紹介した。その記述が正しいと仮定して、エルサレムの地形を調べ、ダビデの宮殿があるべき場所を特定した。2005年にはその場所で発掘を開始し、自分の考えが正しかったこと、そしてサムエル記が正しかったことを証明している。

注=聖書名の表記は、日本聖書協会新共同訳によっている。


《メディア展望》
 =カトリック新聞(5月30日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
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パンデミック終息を願うロザリオの祈り=長崎カテドラル浦上教会被爆マリア小聖堂から配信
パレスチナ問題はなぜなくならないのか(金子由佳=カリタスジャパン・プログラムオフィサー)
 
 =KiriShin(5月21日・既出)=https://www.kirishin.com
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 =クリスチャン新聞(5月30日)=https://クリスチャン新聞.com
JEA調査「コロナ禍の影響と福音派の教会開拓の現状」
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