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世界キリスト教情報 第1585信(2021.06.07)

  • カナダの先住民寄宿学校跡で215人の遺体=支援団体は「全国的な捜索」要求
  • 遺体が発見された子どもたちを追悼しオレンジ色のシャツ並ぶ
  • 教皇、教会法を改正、聖職者の児童性的虐待に処罰
  • ミュンヘンのラインハルト・マルクス枢機卿が早期辞任を教皇に要請
  • 「国連生態系回復の10年」の開始に教皇メッセージ
  • 香港から消える「天安門」の歴史=米紙報道
  • 韓国仏教「曹渓宗」関係者、"釈迦誕生日"行事妨害した「プロテスタント信者」を「告訴」
  • イスラエル南部のヘロデ王時代の遺跡公開、大理石の柱や劇場も
  • 《メディア展望》

 

◎カナダの先住民寄宿学校跡で215人の遺体=支援団体は「全国的な捜索」要求
 【CJC】カナダで先住民同化政策の寄宿学校跡地から未成年215人の遺体が発見された問題を受け、同国の先住民支援団体「ファースト・ネイションズ連合」は5月31日、犠牲者の集団墓地がほかにもないか全国で捜索するよう政府に要求した。英BBC放送が伝えた。
 カナダでは19世紀から20世紀にかけ、政府とカトリック教会当局が先住民寄宿学校を運営し、同化政策を行っていた。カナダ政府は2008年、この同化政策について正式に先住民に謝罪している。
 5月27日に遺体が発見されたのは、西部ブリティッシュ・コロンビア州カムループスの先住民寄宿学校の跡地。遺体の中には3歳児も含まれていた。
 同校は1890年にカトリック教会の運営で開校し、1950年代には最大500人もの生徒が入学していた。1969年には中央政府が運営するようになり、78年に閉鎖されるまで地元学生の学生寮として続いた。
 ジャスティン・トルドー首相は記者会見で、「父親として、子どもを無理やり取り上げられたらどう感じるのか、想像すらできない」と話した。その上で、「首相として、先住民の子供をコミュニティーから奪い引き離すなどという、恥ずべき政策にショックを受けている」と説明。支援と「確固とした措置」を行うと述べたものの、詳細は語らなかった。
 プリンス・エドワード島のシャーロットタウンでは今回の発見を受け、カナダの初代首相ジョン・A・マクドナルドの銅像が撤去された。マクドナルドは、同化政策や寄宿学校の設立で大きな役目を果たしたため、抗議者の標的になっている。


◎遺体が発見された子どもたちを追悼しオレンジ色のシャツ並ぶ
 【CJC】バンクーバーのブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)近くの道路に215枚のオレンジ色のシャツが並べられている。同州カムループスの先住民族寄宿学校の跡地で遺体が発見された215人の子どもたちへの追悼の意が込められている、と周辺のニュース報道に特化する「バンクーバー経済新聞」(日本語)が6月6日報じた。
 カナダでは先住民族の人々に対する同化政策の元、1880年代から1990年代まで各地で主にカトリック教会が寄宿学校を運営。15万人以上の子どもたちが家族と離れての生活を強制された。寄宿学校在籍中に行方がわからなくなった子どもについては記録もなく不明とされてきたが、先住民族の人々は校内での死亡事例も含めて調査を求めていた。今後、全国にある寄宿学校跡地での調査が進めばさらに遺体が見つかる可能性もあるという。
 オレンジ色のシャツを着ることはカナダで寄宿学校に対しての意識を高めるための方法とされており、「オレンジシャツ・デー」は、1973年に寄宿学校に入学したフィリス・ウェブスタッドさんが着ていたお気に入りのシャツを記念して名付けられた。


◎教皇、教会法を改正、聖職者の児童性的虐待に処罰
 【CJC】教皇フランシスコは6月1日、「教会法典」を改正し、活動家が長年求めてきた聖職者による未成年者性的虐待への処罰指示を盛り込んだ。バチカン・ニュースなどが報じた。改正の目的は「正義の回復と加害者の更生、そして汚名をそそぐこと」としている。改正法は12月に施行される。
 教皇は2013年の就任以来、世界各地で数十年に及ぶ聖職者の性的虐待問題の解決に向けて積極的に取り組んできた。
 バチカンが近年、聖職者による虐待の根絶と透明性の向上を図る施策を講じているが、子どもを守るには不十分だとの指摘も一部の被害者から上がっている、とAFP通信報道。


◎ミュンヘンのラインハルト・マルクス枢機卿が早期辞任を教皇に要請
 【CJC】カトリック教会首脳の中で注目される1人、教皇にもっとも近く、また影響力も強いと見られていたミュンヘンとフライシンク大司教のラインハルト・マルクス枢機卿が6月4日、教皇フランシスコに、辞任を認めてほしい、と要請した。独立カトリック日刊紙「ラ・クロワ」が報じている。 マルクス枢機卿は67歳で、退任が通例とされている75歳にはまだ8年ほどある。 彼はバチカンが聖職者の性的虐待問題に取り組むために時間と資源を割くように仕向ける原動力の1人だった。 以前から、教会の利益やイメージを守ることよりも、被害者のニーズに焦点を当てることを提唱、内外の教会が勇気を持って教会内の性的虐待に対処するように務めた、率直で優れた司教の1人だった。 バチカンが3月15日、同性婚を祝福することはできず、司祭による祝福は無効との公式見解を発表した。 教皇の最高顧問の役割にあるマルクス枢機卿など2人の高位聖職者が「素朴な」祝福に賛意を示していたことなどに、ドイツの保守派カトリック教徒の警戒が強まり、今回の「早すぎる辞任」につながった可能性もある。


◎「国連生態系回復の10年」の開始に教皇メッセージ
 【CJC】教皇フランシスコが「国連生態系回復の10年」の開始にあたり、メッセージを送った。バチカン・ニュースが報じた。 「国連生態系回復の10年」が記念されるのは2021年から30年まで。気候上の危機と闘い、食料保障、水の供給、生物多様性保全の諸問題を改善するための対策として、荒らされた、もしくは破壊された生態系の回復をより有効な方法で促進することを目標とするもの。 「国連生態系回復の10年」の開始に当たり、教皇は、この取り組みの先頭に立つ国連環境計画と国連食糧農業機関に宛てメッセージを送った。要旨次の通り。 教皇は、6月5日記念される「世界環境デー」は、同日より開始される「国連生態系回復の10年」によって、特別に意味あるものになった、と述べ、全世界で生態系の破壊をくい止め、生態系回復への関心を高めることが、人類の「共通の家」へのいたわりとなることを期待された。 環境をめぐる今日の状況は、被造物を責任をもって守り、長い間破壊し搾取した自然を取り戻すことを急務として呼びかけている、と教皇は記し、さもなくば、わたしたちは自分たちが依存する基礎そのものを破壊し、水害や飢餓を招き、現在はもとより未来の世代に深刻な影響を与えることになる、と警告された。 こうした中、教皇は、長いビジョンを通して、自然への配慮と、貧しい人々に対する正義、社会における取り組み、内的な平和といったものの不可分性を明らかにし、あらゆるレベルでのエコロジー的な調和を回復する、「統合的エコロジー」の推進の必要を強調された。 多くの差し迫った問題の中で、特に新型コロナウイルスによるパンデミックと、地球温暖化を挙げた教皇は、来る11月にグラスゴーで開催予定の国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)が、環境対策と意識向上を通して、生態系回復に貢献することを希望された。 また、教皇は、生態系の荒廃は、経済の機能不全の明白な結果である、とも述べ、「経済の意味とその目的についての新たな深い考察」の必要を説かれた。 破壊された自然を取り戻すとは、第一に、われわれ自身を取り戻すこと、と教皇は述べ、わたしたちが「回復の世代」として正しい役割を果たすことができるようにと願われた。


◎香港から消える「天安門」の歴史=米紙報道
 【CJC】米経済専門メディア「ウォールストリート・ジャーナル」(WSJ)が、毎年6月4日に行われる天安門事件の追悼集会を香港警察が昨年禁止したことから、今年はさらに控えめになりそうだと予告した。告知ポスターには天安門事件に関する言及はなく、「さまざまな理由から多くは語れないが、どうか歴史を忘れないでいよう」と記されている。
 この暗号めいたメッセージは、香港市民の間で言論統制への警戒が広がっていることを浮き彫りにする。香港では「国家安全維持法(国安法)」が施行されて以降、反体制派の声はかき消され、数十人の民主活動家が投獄された。香港のビクトリア公園(維多利亜公園)で毎年開催されてきた天安門追悼集会には数万人が参加し、何十年にもわたり中国の領土で唯一、追悼イベントの開催が認められていた場所だった。だが、香港警察は新型コロナウイルス関連の制限措置として、昨年に続き今年もイベントを禁じた。学生集会といった他のイベントも行われていない。
 民主派の間では、国安法の導入を受け、パンデミック(世界的な大流行)が収束しても、追悼集会が認められないのではないかとの不安が広がる。
 香港市民支援愛国民主運動連合会の李卓人会長は4月に行ったインタビューで、追悼集会は香港と中国本土との極めて大きな違いを象徴するものであり、非常に重要だと語った。李氏はその後、別の抗議デモに参加したとして投獄された。
 李氏はイベントが禁止されても、市民は夜に姿を現すだろうが、1カ所には集まらないだろう、との見方を示した。「キャンドルの灯りがないことが象徴的な意味合いを持つだろう」と。


◎韓国仏教「曹渓宗」関係者、"釈迦誕生日"行事妨害した「プロテスタント信者」を「告訴」
 【CJC】韓国仏教界最大の「曹渓宗」所属の職員たちは、5月19日の釈迦誕生日にソウルの曹渓寺の前で、「神の御心を伝えに来た」として讃美歌を歌い、仏教を侮辱する掛け声を叫んだプロテスタント信者たちを告訴した。ネットメディア「ワウコリア」が報じた。
 6月2日午前、曹渓宗中央宗務機関の職員56人は ソウルの鍾路(ジョンノ)警察署に、現職の教会牧師と信者25人を、礼仏妨害・業務妨害などの嫌疑で告訴した。
 プロテスタント信者たちは、釈迦誕生日に礼仏・奉祝法要式が行われていた曹渓寺の前で、拡声器を使って大声で業務を妨害した嫌疑を受けている。曹渓宗側によると、「仏教は偽物だ」、「目覚めよ、天国は近づいた」などと、一方的な宣教行為を行なったという。マスクもきちんと着用せず、防疫規則にも違反していたという。


◎イスラエル南部のヘロデ王時代の遺跡公開、大理石の柱や劇場も
 【CJC】イスラエル考古学庁(IAA)は、イスラエル南部の都市アシュケロンにある、2000年前の遺跡を公開した。この遺跡は、エルサレムを支配し、聖書にも登場するヘロデ王の時代のもので、バシリカ(法廷や市場などが入った建物)とされる。
 遺跡の発掘をしている考古学者らによると、バシリカには高さ13メートルの大理石の柱に囲まれたメインホールや、劇場があった。


《メディア展望》
 =カトリック新聞(6月6日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
教皇フランシスコ=新たな行動計画を提唱=被造物をケアする7年間
ミャンマー=ボ枢機卿が緊急声明=教会が攻撃受け4人死亡
教皇の承認でバチカン=シノドスの過程を改定=信徒の意見聴取から開始
エルサレム総大司教=ミサ献金をガザの教会へ
典礼秘跡省の新長官に英国のロシュ大司教任命

 
 =KiriShin(6月1日)=http://www.kirishin.com
日本学術会議「任命拒否」の芦名定道氏が警鐘=〝軍事研究に道開く〟=西南学院大学神学部オンラインで講演会
福音主義3団体が連携協力=6月7日に覚書を締結
イスラエルとパレスチナの衝突=YWCA・YMCAが解決求め要請
不要不急の世界と神学(與賀田光嗣)
イエズス会の周守仁神父を教皇が香港司教に任命

 
 =クリスチャン新聞(6月6日)=http://クリスチャン新聞.com
第8回首都圏宣教セミナー=山崎龍一氏「実務は教会に潜み入るこの世性との戦い」=せめぎ合いの地で生きる
「めぐみさんの帰還を!」=拉致被害者のための祈りのコンサート
問題共有しネットワーク作りへ=入管職員のためにも祈りを=ズームセッション:入管収容者を覚えて
世界YMCA=イスラエル・パレスチナスタッフらと連帯=公正な平和活動はこの時こそ
「この神学校が大好きです」=神戸ルーテル神学校=校長に石崎伸二氏

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