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世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1591信(2021.07.19)

  • 教皇が入院先で正午の祈り、「すべての人にアクセス可能な医療を」
  • 結腸手術の教皇フランシスコが退院
  • カナダで「墓標のない」墓地発覚は人種差別の深刻さ露呈と中国外交部
  • インドネシアで新型コロナウイルスの新規感染者数が5万人超す
  • 韓国首相、首都圏以外は「5人以上の集まり禁止」で統一を要請
  • 韓国裁判所「ソウル市内20人未満の宗教集会可能」決定、防疫指針をめぐる議論も
  • ハーバードは「知的・精神的破綻」、とC・ウエストが辞表で指摘
  • 3100年前の土器片がイスラエルで出土、「士師記」関連の文字確認
  • カンヌ国際映画祭で浜口竜介監督新作に国際批評家連盟賞とエキュメニカル審査員賞
  • 《メディア展望》

 

◎教皇が入院先で正午の祈り、「すべての人にアクセス可能な医療を」

 【CJC】教皇フランシスコは、結腸の手術から1週間後の7月11日、入院先であるローマ市内のアゴスティーノ・ジェメッリ総合病院のバルコニーから、入院中の子どもたちと共に姿を現わし、日曜正午の祈りを唱えた。
 バチカン・ニュースの伝えるところでは、教皇が公の場に姿を見せたのは、ちょうど1週間前の4日正午の祈り以来。同日午後から、教皇は結腸の手術のためジェメッリ病院に入り、術後の日々を過ごしてきた。
 病棟の下には、大勢の市民が詰めかけ、教皇を温かい歓声で迎えた。
 「お告げの祈り」を唱える前の説教で、教皇は、入院生活の中で多くの人から寄せられたお見舞いや祈りに深い感謝を述べた。
 入院先から行われた「お告げの祈り」の際、教皇は次のように述べた。
 ミサで示された福音は、イエスによって派遣された弟子たちが、「油を塗って多くの病人をいやした」(マルコ6・13)と語っています。
 この「油」とは、魂と体に慰めをもたらす、病者の塗油の秘跡を思わせます。
 しかし、それは同時に、病者の世話にあたる人の、耳を傾ける態度や、寄り添い、思いやり、いつくしみでもある。それは病者に元気を与え、苦しみを和らげ、慰める、優しさのようなものです。
 わたしたちは皆、いつかはこの「塗油」を必要とします。そして、わたしたち皆が、支えを必要とする人に対し、会いに行ったり、電話したり、助けの手を差し出すことで、その油を与えることができるのです。
 マタイ福音書25章にあるように、最後の審判で、病気の人たちを見舞ったかどうかが問われることを思い出しましょう。
 ここ数日の入院生活で、イタリアや他の国々にある、すべての人がアクセスできる良い医療サービスが、いかに重要かを体験しました。
 時に、教会系の医療施設でも、経営難のために最初に思い浮かぶことは、売却することです。しかし、教会系の病院には召命があります。それは、お金のためではなく、奉仕のためです。無償性あるシステムを守ることを忘れてはなりません。
 医師たち、また、すべての看護師や、病院で働く人々に、わたしの尊敬の念を表し、励ましをおくりたいと思います。
 そして、最も難しい状況にある人々をはじめ、すべての病者のために祈りましょう。


◎結腸手術の教皇フランシスコが退院

 【CJC】ローマ発AFP通信によると、7月4日に結腸の手術を受けていた教皇フランシスコが14日、ローマ市内のアゴスティーノ・ジェメッリ大学病院を退院した。AFPのフォトグラファーが伝えた。
 教皇は、窓にスモークフィルムが張られた車で病院を出て、バチカンに向かった。
 バチカンのマッテオ・ブルーニ広報局長によれば、教皇は、お住まいであるサンタ・マルタ館に戻る前に、ローマ市内の聖マリア大聖堂(サンタ・マリア・マッジョーレ)を訪れた。
 教皇は、同大聖堂に伝わる聖母子画「サルス・ポプリ・ロマーニ(ローマ人の救い)」の前で祈り、ご自身の手術が無事行われたことを感謝すると共に、入院期間に出会った患者たちをはじめ、すべての病者たちのために祈りを捧げられた。
 教皇は正午少し前に、サンタ・マルタ館に帰着した。


◎カナダで「墓標のない」墓地発覚は人種差別の深刻さ露呈と中国外交部

 【CJC】カナダ・ブリティッシュコロンビア州のペネラクト部族は現地時間7月12日、ペンラカット島(旧クーパー島)の先住民寄宿学校の跡地から、「墓標がなく、記録もない」墓160基あまりが発見されたと発表した。この5月に入った後、カナダで発見された4カ所目の「墓標がなく、記録もない」墓地となる。
 CRI(中国国際放送)が伝えたところでは、外交部の趙立堅報道官は15日、「この発表に衝撃を受け、激怒を覚える。カナダの深刻な人種差別問題が次々と明るみに出ている」と述べた。
 そのうえで、「これに先立ち、国連人権理事会の専門家らが共同発言の中で、寄宿学校の先住民遺骨問題を徹底的に調査するようカナダに促してきた。しかし、動かぬ証拠を前にしながらも、カナダ政府は言い逃ればかりをし、ひいては、カトリック教会に責任をなすりつけようとしてきた」と指摘している。


◎インドネシアで新型コロナウイルスの新規感染者数が5万人超す

 【CJC】 インドネシアのジャカルタで7月14日、新型コロナウイルスの新規感染者数が5万4517人と、1日当たり5万4000人を超え、アジアにおける新たな感染ホットスポットになった、とAP通信が15日伝えた。
 ジャワ島とバリ島では、感染力がより強いデルタ株による感染拡大で、礼拝所や教会、ショッピングモール、公園、レストランなどが閉鎖されている。
 政府は2022年3月までに、人口2億7000万人のうち1億8100万人以上のワクチン接種を目指していたが、目標達成に十分なワクチンの確保が困難になっている。これまでのところ、完全にワクチン接種されているのは人口比で5%弱だという。


◎韓国首相、首都圏以外は「5人以上の集まり禁止」で統一を要請

 【CJC】ソウル発聯合ニュースによると、韓国の金富謙(キム・ブギョム)首相は7月16日、中央防疫対策本部の会議で、新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることを受け、首都圏以外の地域の私的な集まりの人数制限を4人までで統一する案を議論するよう各自治体に要請した。
 韓国の首都圏では現在、午後6時までは5人以上、午後6時以降は3人以上の私的な集まりが禁じられている。首都圏以外の私的な集まりの人数制限は4人、6人、8人までと地域により異なる。このため首都圏の在住者が首都圏以外の地域を訪れ会食をするなどの事例が起きている。
 対面礼拝を計画している一部の教会に対しては「共同体を危険に陥れかねない行為は自粛してほしい」と協力を求めた。
 注=韓国の「首都圏」は、ソウル特別市、仁川広域市全域と京畿道31市郡を含む地域。京畿地方とも呼ぶ。人口は2596万人(2020年現在)で、韓国総人口の過半数を占めている。


◎韓国裁判所「ソウル市内20人未満の宗教集会可能」決定、防疫指針をめぐる議論も

 【CJC】ソウル行政裁判所は7月16日、ソウル市内の7教会と牧師がソウル市を相手に出した行政処分効力執行停止申請を認めた。
韓国の電子メディア「WoW!コリア」が報じた。
 牧師たちは、ソウル市が教会での対面礼拝を禁止した措置を取り消しを求めて今回の申請を出した。裁判所の決定に基づいて、ソウル市内の宗教団体は20人未満の範囲内で礼拝・ミサ・法要などを行える。全体収容人員の10%が19人以上いる場合、19人まで参加することができる。ただし裁判所は、宗教集会時のソーシャルディスタンスの確保、マスクの着用など防疫上の注意の徹底遵守を条件とした。
 裁判所は「対面宗教行事の全面禁止は基本権の本質的侵害にあたる恐れがある」と説明した。


◎ハーバードは「知的・精神的破綻」、とC・ウエストが辞表で指摘

 【CJC】今年初めにハーバード大学神学部を辞めると発表した、人種問題を歴史学的分析を用いて論じ、熱心な社会活動家としても知られるコーネル・ウエストが、6月30日に同大神学部長に宛てた書簡を公開し、辞任の理由を説明するとともに、同大関係者の「ナルシスト的な学問的プロフェッショナリズム」を非難した。宗教専門RNS通信が7月13日報じた。
 7月からニューヨークのユニオン神学校に「テニュア」(教授として終身在職する権利)を持って在籍することになったウエストは、2月にハーバード大学が「テニュア」申請が認めないなら、ハーバードを去ると脅していたという。3月にはユニオン神学校への移籍が発表された。
 書簡の中で、ウエストは、パレスチナ人に対するイスラエルの扱いを公然と批判したことが、大学が「テニュア」申請を拒否したことに一役買ったと考えている、とツイッターで述べた主張を繰り返した。ウエストは、「教授陣がテニュア候補者を熱心に支持した後、ハーバード大学の政権がパレスチナ人の大義を敵視していることを理由に、臆病にも拒否するのを目の当たりにして、うんざりした」と指摘している。
 ウエストは、アメリカにおける黒人問題を経済史、政治史、宗教史、倫理学の視点から論じた代表作「レイス・マターズ」は全米で35万部を売り上げた。そのほかにも多くの著作がある。


◎3100年前の土器片がイスラエルで出土、「士師記」関連の文字確認

 【CJC】AFP=時事通信が7月13日伝えるところでは、イスラエル南部キリヤットガット市近郊のキルベット・エル・ライ遺跡でこのほど、約3100年前の土器片が出土した。
 土器片には、カナン語で「ジェルッバール」とインクで書かれていた。聖書「士師記」の時代のもので、こうした発見は初めてという。
 土器片は、ヘブライ大学、イスラエル考古学庁(IAA)、豪シドニーのマッコーリー大学による発掘調査で見つかった。


◎カンヌ国際映画祭で浜口竜介監督新作に国際批評家連盟賞とエキュメニカル審査員賞

 【CJC】カンヌ国際映画祭で、浜口竜介監督の新作「ドライブ・マイ・カー」が国際批評家連盟賞とエキュメニカル審査員賞を受賞した、と共同通信が現地から17日報じた。両賞は映画祭の審査員が選ぶ正式な賞とは異なり、外部団体が独自に贈る賞。
 エキュメニカル審査員賞は、カトリックとプロテスタント双方のキリスト者の映画製作者、映画批評家たちにより、1974年にカンヌ国際映画祭の独立部門として創設された。双方が参加した組織「シグニス・アンド・インターフィルム」の審査員6人によって「人間の内面を豊かに描いた作品」に贈られる
 「キリスト教国」とはされていないアジア諸国からは、いままでに6人が選出されている。日本からは青山真治(2000年『EUREKA』))、河瀨直美(2017年『光』)が選ばれていた。


《メディア展望》
 
 =カトリック新聞(7月18日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
教皇、術後順調に回復=病院から「昼の祈り」
教皇フランシスコ=9月にハンガリーとスロバキアを訪問へ
人々が出会い 支え合う場に=カリタス会見附地域支援センターが竣工=新潟教区
耳の不自由な司祭=聞こえないことは「文化」=障害とは考えずに司牧奉仕
「わが命つきるとも」-神父たちのヒロシマと復活への道-国立の祈念館が企画展=広島教区平和行事でも
 
 =KiriShin(7月11日・既報)=http://www.kirishin.com
「賛美歌工房」=2014年以来2冊目の歌集発行=日本語を意識した歌詞と曲で賛美を
ワールド・ビジョンがオンライン企画=シリア危機10年で難民の窮状を共有
ミャンマー「祈りと連帯の集い」=全国の宗教者が祈りのリレー
カナダ中部でも無名の墓数百基=先住民寄宿学校跡地で発見
寄宿学校生徒140人=ナイジェリアで拉致
 
 =クリスチャン新聞(7月18日)=http://クリスチャン新聞.com
モデルはエマオ途上のイエス=アジア福音同盟女性委員会「グリーフケア」セミナー
土石流現場の支援活動開始=熱海市伊豆山で=神戸国際支縁機構
「南北の"恒久的平和 共存時代"を待望」=韓国キリスト教総連合会
第7回結祈=在韓日本人宣教師が韓国の現状報告=政府政策で対面での礼拝出席20%に制限=でも負けないように
ミャンマー拘束の経験=ジャーナリスト北角裕樹氏=CMIM「祈り会」で=国軍の暴力、拷問横行が明らかに

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