世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1677信(2023.03.20)

◎北朝鮮に拘束されたキム・グクキ牧師の妻「生存確認だけでも」
◎教皇、台湾の仏教の僧侶たちと会見
◎「DKZ」のギョンユン、"カルト宗教信者"めぐる物議に謝罪
《メディア展望》


 

◎北朝鮮に拘束されたキム・グクキ牧師の妻「生存確認だけでも」

 【CJC】北朝鮮で宣教活動中に逮捕され、8年間拘束されているキム・グクキ牧師の妻、キム・ヒスンさんが夫に送る手紙を公開した。米政府系放送局「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)が3月10日報じた。キム牧師の家族がメディアに心情を明かしたのは初めてだと、VOAは伝えた。韓国メディア「東亜日報」(日本語版)によって紹介する。
 キムさんは手紙で、「寂しくても頑張ってください。今年、あなたは70歳です。一緒に迎えたいです」とし、「健康はいかがですか。あなたが生きていることだけでも確認できればいいのに」と切ない気持ちを表した。また、「国内だけでなく世界の多くの国であなたが無事に釈放されて戻ってくることを祈っています」とし、「あなたは一人ではない。多くの人があなたのために努力している」とメッセージを伝えた。
 大韓イエス教長老会合同に所属するキム牧師は、国内でホームレスなど社会的弱者を支えていたが、2003年に宣教のために中朝国境地帯である中国遼寧省丹東に派遣された。キム牧師は脱北者や「コッチェビ(浮浪児)」など北朝鮮住民のための「脱北者シェルター」を運営し、北朝鮮に医薬品や農機具などを送り、宣教活動をしたという。15年に北朝鮮当局に逮捕され、スパイ罪と国家転覆陰謀罪の疑いで無期労働教化刑を宣告された。
 キム牧師夫妻の知人が、「権寧世(クォン・ヨンセ)統一部長官が7日、拘束者の家族に会って励ました。米国務省もキム牧師の釈放に関心を示し、キム・ヒスンさんが勇気を得たようだ」と伝えたと、VOAは報じた。
 米国務省は1月、全世界の政治犯釈放キャンペーンでキム牧師を紹介し、「キム牧師をはじめ、すべての政治犯の釈放を求める声に参加してほしい」と呼びかけた。
 北朝鮮には現在、キム牧師のほかにもキム・ジョンウク、チェ・チュンギル氏や脱北者出身の韓国人6人が拘束されている。


◎教皇、台湾の仏教の僧侶たちと会見

 【CJC】バチカン・ニュース(日本語版)などが伝えるところによると、教皇フランシスコは3月16日、台湾からローマを訪れた仏教の僧侶たちに挨拶を送った。
 教皇が会見したのは、台湾の「人間仏教」を掲げる仏教関係者とカトリック教会関係者からなるグループで、このたび諸宗教対話と教育的な「巡礼」を目的にローマを訪れた。
 この出会いで教皇は、同グループのバチカン訪問は、仏教とキリスト教のそれぞれの信者が自らの信仰に根差しつつ育んだ、友愛と協力の精神を証しするもの、と述べた。
 また、教皇はこの席で、仏教教団「仏光山」の開祖で慈善団体「国際仏光会」の創始者、仏法の教えを人の世で実践する「人間仏教」の推進に尽力した星雲法師=俗名李国深=が2月5日、95歳で死去したことに触れ、星雲法師の諸宗教対話への貢献を思い起こした。
 星雲法師は晩年病に苦しみ、2011年と16年の二度にわたり脳梗塞を発症していた。
 今回の訪問は「出会いの文化」を育てるためのまたとない機会である、と述べた教皇は、出会いを通して他者に自らを開くことで、その中に友情や兄弟愛を見出し、それによって自分自身をもより良く知ることができる、と語った。
 また、出会いの文化は橋を築き、他者が精神的より所としている宗教的価値や原則に対し、窓を開かせる、とも話した。
 人類と地球がスピードをもって変化し続ける今日、出会いのオアシスがより必要となっている、と教皇は指摘。
 かつてそうであったように、今日もまた、伝統宗教が持つ叡智と人間性をもって、新たな教育活動に刺激をもたらし、世界に普遍的な兄弟愛を育てることができるようにと願った。


◎「DKZ」のギョンユン、"カルト宗教信者"めぐる物議に謝罪

 【CJC】韓国のボーイズグループ「DKZ」ギョンユンが、"カルト宗教"をめぐる物議に謝罪した。
 ギョンユンは、ネットフリックス(Netflix)「すべては神のために=裏切られた信仰」でチョン・ミョンソク総裁による女性信者への性的暴行が暴露された「キリスト教福音宣教会(JMS)」の信者だったとして波紋を広げた。韓国メディア「ワウコリア」によって紹介する。
 最初に疑惑が浮上した際、「両親が通っていた(JMS)教会は、正常な信仰の場所だと思っていた」と説明したギョンユンだったが、自身がJMS音楽団出身だったことが明らかとなり、その後「自分は2世信者であり、脱会した」と説明を一転させて再び物議を醸した。
 以下、ギョンユンが発表した謝罪文要旨。
 
 まず、僕のせいで一番驚き、失望したであろうファンに心から謝罪します。
 僕を見守り応援し、愛してくださった方々にいつも良いニュースを伝えようとしましたが、僕の至らなさによって、つらい時間を過ごさせてしまったと思います。
 ファンの方々の前に出る勇気がありませんでした。とても強い恐怖を感じました。
 誰よりも僕を大切に思い、応援してくれた方々だからこそ、愚かなことに、さらに躊躇(ちゅうちょ)しました。
 それで、どのような言葉で話し始めるべきか、どのように謝罪すべきかを悩み、これ以上、遅くなってはいけないという思いから、こうしてここに来ました。
 僕の未熟な対処によって、多くの方々を失望させてしまいました。過去に悩むことなく言及したことが、より大きな誤解を呼び、時間を戻したいと思うくらいの反省と自責の念にかられています。
 最後に、失望させてしまった方々に改めて謝罪申し上げます。


《メディア展望》
 
 =カトリック新聞(3月12日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
▼「アジア大陸別シノドス」=参加型の教会へ議論深める
▼教皇フランシスコ=挙行の規制を明確化=公会議前の「特別形式」ミサ
▼被災地訪問の教皇特使=シリアへの経済制裁は「誰のためにもならない」
▼入管法「新政府案」に反対全国一斉デモ
▼日本ダルク創設者=近藤恒夫さん逝去から1年=追悼ミサ・しのぶ会
 
 =KiriShin(3月11日)=https://www.kirishin.com
▼「狭山事件」から60年="再審の扉開く最後の大詰め"=キリスト教諸教派・団体代表ら東京高裁へ要請
▼「信教の自由を守る日」=櫻井義秀氏が講演=「統一協会問題、法律では解決不可能」
▼中国が全人代開幕=23年成長率目標「5%前後」
▼ミュンヘン会議でウクライナ大統領=兵器供与の加速呼びかけ
▼米マイアミ=胎児は無実と妊婦の被告が保釈要求
 
 =クリスチャン新聞(3月12日)=https://クリスチャン新聞.com
▼「オープン・ドアーズ」世界迫害状況2023=76か国が依然深刻な迫害下
▼トルコ・シリア大地震=被害深刻 現地JCFが視察
▼14階建てアパート一瞬でがれきの山に=レポート イスタンブールJCF 末富敦子
▼ロシアのウクライナ侵攻から1年=紛争の影響、子どもらに色濃く=WVと連携団体がインタビュー調査
▼「グリュックスクレー」バレンタインコンサート=神に愛されて生きる幸せをシェア

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