KOHARA BLOG

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医療現場の悩み

 今日は、わたしが委員長をつとめている京都民医連中央病院の倫理委員会のことを紹介したいと思います。この病院は、ある事件(細菌検査の虚偽報告事件)をきっかけに倫理委員会を設置したのですが、きっかけはともかくとして、この委員会では医療現場の生々しい葛藤が報告され、わたしも、いろいろと考えさせられています。
 判断に悩むようなことは、どの医療現場も抱えているに違いありませんが、その悩みが特定の人々の間だけでとどめられるよりは、悩みが表現されたり、共有される方が医療の改善に寄与するに違いありません(プライバシーの保護は大前提として)。
 今週、この倫理委員会が行われるのですが、議題の一つは、産婦人科における出生前診断の運用をめぐって、です。いたずらに出生前診断をしない、という病院側の原則と、出生前診断をしてほしいという患者の欲求とが、ぶつかり合う中で、どのような妥協点を探るべきか、これはなかなかの難問です。
 まだ第1回目の記録しか掲載されていませんが、下に京都民医連中央病院のアドレスを紹介します。左にメニューが出てきますので、「倫理委員会」をクリックすると議事録などを見ることができます。
 委員の一覧も見ることができますが、その一人にわたしが前々から一目置いていた立岩真也氏(立命館大学)もいます。委員会の中でも、彼の社会学者としての冷静な分析にはしばしば感心させられています。ついでに、立岩氏のHPも紹介します。膨大なコンテンツがあり、どこから見たらよいのか迷うほどです。

■京都民医連中央病院
https://kyoto-min-iren-c-hp.jp/

■arsvi.com (立岩真也氏HP)
https://www.arsvi.com/

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