KOHARA BLOG

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宗教教育をめぐって

 今日は、今週土曜日に予定されている公開講演会の案内をさせていただきます。お近くの方は、どうぞお越しください。同日同時間に、何と、川口外相が同志社で講演をされるので、こっちは少し寂しくなりそうな・・・ (T_T)
 テーマはアメリカの公教育における宗教の取り扱いをめぐって、です。
 このテーマは、実は日本の最近の状況とも深く関係していると思います。教育基本法に宗教教育をどのように位置づけるかが、あれこれ議論され、結局、先送りされました。
 宗教教育を導入しようとする推進派の中には愛国心の向上とセットに考えようとする人たちもいますから、戦前の教育の復活だ、という批判が出るのはやむを得ません。しかし、そうした危険性に十分批判的な距離を取りながらも、宗教教育のあり方について考え続けることは、とても大事だと思います。
 情操教育とか、そのレベルで考えるのではなく、まず必要なのは「宗教知識教育」です。これは宗教系学校だけでなく、公立学校でも教える必要があります。それなしに、21世紀の国際社会とうまく付き合っていけるはずがありませんからね。
 宗教教育を考える際の論点を整理し、必要な議論は継続し、具体的な教育カリキュラムを作っていくために、他国の取り組みは大いに参考になります。どこも苦労していますが、その苦労から学べることは少なくないはずです。

公開講演会
アメリカの公教育と宗教-「戦場」を「共通の基盤」に変えるために-

■講 師
Marcia Beauchamp マルシア・ビューチャンプ
(アメリカ宗教学会「公立学校における宗教」研究部会 座長)

アメリカの公立学校は価値観を巡る「文化戦争」の「戦場」となっている。宗教的価値観を持った父母と、世俗的価値観を持った父母の対立の戦場である。日本とは対照的に、アメリカは公立学校を非宗教的な場とするのではなく、無宗教を含めて、それぞれの宗教的立場を尊重するための「共通の基盤」を求めている。公教育における宗教についての日米比較の手がかりを探りたい。
※通訳あり。

■コメンテーター
森 孝一 (同志社大学神学部教授・一神教学際研究センター長)

■日 時
2004年1月17日(土)午後 2:30-4:30

■場 所
同志社女子大学 今出川校地 静和館(4階)ホール

■共催:同志社大学 神学部・神学研究科
    一神教学際研究センター(CISMOR)
問い合わせ:神学部・神学研究科事務室
Tel. 075-251-3330

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