KOHARA BLOG

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言語と文化について

 ドイツに限らずヨーロッパでは、英語でたいていの用を足すことができます。しかし、英語に加えて、もう一つくらい外国語ができると、世界の幅が広がると思います。
 今回、視察旅行を共にしている人たちの中でドイツ語をしゃべれるのは、わたしともう一人キプロスの女性だけなのですが、どの人も3カ国語程度はしゃべることができます。5、6カ国語をしゃべる人もいます。
 日本の語学教育は、英語一辺倒になりがちですが、英語と相性の合わない人は、別の言語を積極的に選択するくらいの余裕があった方がよいと思います。英語が多少苦手でも、ハングルや中国語のできる人が増えれば、東アジアにおける友好関係は、うんと深まることでしょう。
 言語と文化は一体のものですが、英語中心のグローバリゼーションに対しては、適度な距離を取っておかないと、多様な文化を残していくことはできないでしょう。
 ちなみに、ヨーロッパでは、多言語教育に対するインフラが非常によく整っています。各国のそしてEUのアイデンティティを模索していく上で、母国語以外の言語を複数学ぶことが大事だという共通認識があります。

 ドイツに限定して考えても、英語でアクセスできる範囲は自ずと限られています。
 食事を一例にあげることができます。今回旅行の中で、英語のメニューが用意されていないお店で、わたしがドイツ語のメニューを英語で説明する場面が何度もありました。しかし、わたしもドイツ料理や他の国の料理をすべて知っているわけではありませんから、何度も説明に窮することがありました。
 特に、魚料理では困りました。日本語でも魚については、よくわかりませんので、ドイツ語で理解できるはずがありません。自分の舌にあった料理をセレクトするためには、現地の言葉を知っていることが欠かせません。

 言葉は文化と表裏一体です。複数の外国語ができれば、それだけ価値観の幅、文化理解の幅が広がるわけです。確かに英語ができれば、たいていのことは不自由しません。しかし、アメリカを中心とする英語圏の価値観だけで、文化の多様性を語ろうにも、非常に抽象的になさざるを得ないのではないか、という危惧を抱かざるを得ません。
 フランスと並んで、EUのリーダー国のドイツも、自国の経済不況や失業問題で苦しんでいます。アメリカが持っている勢いとは比べるべくもありません。しかし、国内に三百万人いるイスラム系住民に対する真摯な取り組みは、未だ十分ではないとはいえ、アメリカ流のグローバリゼーションからは見えない多くのことを教えてくれます。

 かく言うわたしも、日頃は、手軽に読める英語の文献を中心に研究をし、EUの動向については必ずしも十分な注意を払ってきませんでした。今回のドイツ旅行は、そうした日頃の怠慢に対し、大いに反省を迫られる機会となりました。

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