KOHARA BLOG

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霊験あらたか高野山

050804a 8月3日~4日、宗教倫理学会の一泊研修会として高野山に出かけてきました。
 研究会のあと、高野山大学の山陰加春夫先生より「中世高野山の歴史と信仰」と題した講演をしていただき、中世高野山の大学事情や真言宗の信仰について学ぶことができました。
 高野山大学ができたのは816年のことで、初代学長は弘法大師空海ですから、それだけでも驚きです。
 山陰先生は、フランシスコ・ザビエルと同じくイエズス会修道士であったルイス・フロイスの記した『日本史』についても言及してくださいました。これは、信長・秀吉の時代を知る上で非常に貴重な資料なのですが、そこでは紀伊国は「国を挙げて悪魔に対する信仰と信心に専念している」と記されています。高野山をはじめとするこの地方で、神仏信仰が盛んであったことを指しています。当時のイエズス会修道士から見れば、それだけ、多くの参拝者を集める高野山は驚異に映っていたと言うことでしょう。

 山陰先生には重要文化財が密集している伽藍のあたりを歩きながら解説してもらいました。右の写真はその一こまです。

050804b 今回は、明王院という僧坊に宿泊しました。2年前には常喜院という宿坊だったのですが、それと比べると明王院の建物は非常に新しく、普通のホテルと変わらない設備でした。従来の僧坊のイメージとは大違いで、明王院に限らず、多くの僧坊で改築・改装が行われているそうです。左の写真が明王院です。置くに見えるのがお堂で、翌朝6時からの勤行に参加しました。とは言うものの、眠かったので、わたしが出かけていったのは、勤行が終わりかけの7時くらいでしたが。(^_^;)

 僧坊で出される精進料理は、何とも言えない味わいがあります。決して豪華ではないのですが、一品一品を楽しむことができます。高野山名物のごま豆腐にも舌鼓を打ちました。

050804c 4日の朝、弘法大師廟塔のある奥の院に出かけました。ここでは無数のお墓が、巨大な杉並木の間に所狭しと並んでいます。空気がひんやりとしており、奥の院を歩くのは、わたしにとっては高野山お気に入りコースの一つです。

 下界より気温が低いとはいえ、高野山も日中はきわめて暑かったです。しかし、下山し、難波に着いたときには、高野山の涼しさをあらためて実感しました。

 その後、京都にいったん戻り、夕方からは、民医連中央病院倫理委員会に出席しました(いそがしい~)。
 今日は、「終末期の苦痛緩和を目的としたセデーションに関するガイドライン」を確定することができました。近々、倫理委員会のページに掲載されると思います。
 今晩の議論では、ターミナル・セデーションと安楽死の違いをどのように表記すべきか、をめぐって熱い議論が交わされました。

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