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日本においてクリスチャンが増えない理由?

 少し前になりますが、読売新聞(大阪版)に「日本のキリスト教徒 増えぬ理由」という記事がありました。リンク先は消滅する可能性がありますので、関心のある方は早めに読まれることをお勧めします。

 ここでは、日本におけるキリスト教の土着化を論じたマリンズ氏の近著『メイド・イン・ジャパンのキリスト教』が紹介されています。これは、欧米宣教師に由来する教派ではなく、日本生まれの教派に焦点を当てたユニークな本です。
 マリンズ氏が言うように、「土着化」したからといって、キリスト教が広まるわけではないことが、よくわかります。

 もう一つ、日本ではキリスト教はインテリ層に入ったから広まらなかったのだ、という古屋氏の見解が紹介されています。古屋氏は、他のところでも、キリスト教の社会的影響力を増すためには、人口の10パーセントは必要だと語ります。量(大衆化)も大事だ、ということでしょう。

 これに似た議論を、最近、韓国から来ているキム・ヒョップヤン先生としました。彼は、日本のクリスチャンは人数は少なくても、昔から、知的影響力を社会に及ぼしてきたではないか、というのです。わたしは、昔はそうだったかもしれないが、今は違う、と答えました。
 社会の問題を先んじて洞察したり、今ある問題を深くえぐり出すような知性、鋭利な刃物名ような知性は、今の日本のキリスト教世界に継承されているとは思えないからです。

 したがって、質すらも十分に危ういのに、量的拡大が必要だ、という古屋氏のような主張には簡単にはうなずくことができません。もちろん、少数精鋭がよい、ということを言いたいわけではありません。ただ、かつてあった貴重な知的財産を食いつぶしてきたのではないか、という不安と反省とがあります。

 記事中、「韓国では今や人口の4分の1、中国も5~10%がキリスト教徒といわれる。「韓国や中国は、まず庶民から広がっていったために着実に増えている」」とあります。
 しかし歴史は、それほど単純ではありません。むしろ、なぜ庶民がキリスト教を必要としたのかを考えるべきでしょう。中国のクリスチャン人口に関しては諸説があります。10%もよく聞く数字ではありますが、これは多く見積もりすぎだと思います。日本の人口に匹敵する1億人ものクリスチャンが中国にいるとすれば、社会の様子は、もっと違った風に見えるはずですが、まだまだ政府により弾圧される対象です。5%(これでも十分多いですが)に達するかどうか、というところではないでしょうか(裏付け根拠なし)。

 アメリカだけでなく、日本でもリベラル派の教会の落ち込みが激しいですが、原因はかなり似たところにあります。これについては他人事ではないので、いろいろな角度から考えてきましたが、このBLOGでも、その思考の一端を少しずつ紹介していければと思っています。

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