小原克博 On-Line

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世界宗教者平和会議 最終日

 世界宗教者平和会議の最終日に参加してきました。
 最後の全体会議では、7、8名の人が比較的短めのスピーチを次々としていったのですが、けっこう楽しめました。中でも一番興味深かったのは、ユダヤ教のラビとパレスチナの代表者の意見が真っ向からぶつかったことでした。
 最初にユダヤ教のラビが、モーセが十戒を授かるときに神から履き物を脱ぐようにと言われたエピソードを紹介しました。つまり、履き物を脱ぐことによって、人は熱い砂の感触や痛みを感じるように、人の痛みを感じることが大切だ、ということでした。
 そこまではよかったのですが、そのあと、イスラエルは神によって与えられた国であることを語り、また、よりにもよって、コーランの中にもそれは書かれていると主張するに至っては、これは内心煮えくりかえっているムスリム参加者がたくさんいるだろうな、と思いました。

 そういう心配をしながら、その何人か後にパレスチナ代表の人のスピーチが始まり、怒り心頭のメッセージを聞くことになりました。コーランの引用が間違っている、という指摘があったのは言うまでもありませんが、イスラエルによる犠牲者のこと、分離壁がどれほどパレスチナ人に対する「暴力」となっているか、ということを熱く語りました。

 最後には、やはりエルサレム在住のキリスト教指導者のメッセージがあり、何とか両者を調停しようと努力していました。
 もちろん、簡単に調停することなどできませんが、ユダヤ教ラビとパレスチナ・ムスリムとの激しい衝突を見ることができたのは、(日本の)聴衆にとってはよい経験になったに違いないと思います。

 欲を言えば、こうした緊張感あるスピーチを初日にして欲しかったです。そうすれば、抽象的な平和論ではなく、具体的な葛藤や衝突をどのように引き受けていくべきかを、もう少し突っ込んで世界の宗教者は考えることができたと思います。具体性を欠く、緊張感のない平和論ほど退屈なものはありませんから。

 閉会式は、少し長ったらしかったですが、沖縄の民謡・舞踊などを織り交ぜながら、工夫を凝らしていました。

 会期中、わたしは他の研究会や会合などに参加したり、かなりハードスケジュールの中での参加でしたが、海外の宗教指導者と出会い、話をすることができたのは貴重な経験となりました。

 全体を通じての感想については、後日触れることにいたします。

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