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第4回「仏教と一神教」研究会

080126  1月25日(金)、佛教大学で以下のように、京都・宗教系大学院連合の第4回「仏教と一神教」研究会が行われました。

◎テーマ:仏教と一神教における救済
◎発表者:
安達俊英(佛教大学)「浄土宗と浄土真宗における救済観の違い」
安永祖堂(花園大学)「仏の慈悲と神の愛」
四戸潤弥(同志社大学)「イスラームにおける救済」
◎コメンテーター:大田利生(龍谷大学)、室寺義仁(高野山大学)
司会者:山極伸之(佛教大学)

 今回、私にとって興味深かったのは、安達先生による浄土宗と浄土真宗の比較でした。安達先生は、法然と親鸞を比較して、前者を「具体的救済」、後者を「観念的救済」と位置づけていました。「観念的救済」は少々ネガティブなニュアンスを含みますので、コメンテーターの大田先生は浄土真宗の立場から疑問を呈しておられました。
 浄土宗と浄土真宗の関係は、自力と他力のバランスの視点から見れば、カトリックとプロテスタントの関係に非常によく似ています。より広い視点からは、他力を強調する浄土系仏教は、プロテスタント(「信仰のみ」)に似ています。このことは、発表者やコメンテーターからも、たびたび言及されていました。
 私も質疑応答の際に、ドイツの神学者カール・バルトがプロテスタントと浄土宗との類似性を指摘したことを紹介した上で、他力本願の教えが後の歴史において、解釈のレベルで問題を引き起こしたことはないか、ということを尋ねました。
 また、浄土宗の研究者の間でかつて論争になった、浄土の「非神話化」の議論は、現在どうなっているか、ということも聞きました。

 質疑応答の時間が30分程度しかなかったのが残念でしたが、京都・宗教系大学院連合ならではの複合的な研究発表となり、おもしろかったです。

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