KOHARA BLOG

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「宗教多元主義モデルに対する批判的考察」

 小原克博 On-Line に「宗教多元主義モデルに対する批判的考察――「排他主義」と「包括主義」の再考」(『基督教研究』第69巻第2号)を追加しました。
 400字詰め原稿用紙換算で60枚ほどある、ちょっと長めの論文です。実際に書き出すと文字数が足りなくて、規定の文字数に収めるのに苦労しました。

 論文の要旨は下記のようになっています。関心のある方は、ご一読ください。
 「宗教の神学」に関しては、古屋安雄先生が日本の先駆者ですが、昨年暮れに古屋先生と話したとき(→2007.12.27記事)、この論文をかなりおもしろかった!と言ってくれましたので、そこそこの水準には達していると思います。

(論文要旨)

宗教の神学あるいは宗教間対話において広く用いられてきた類型に、排他主義包括主義多元主義がある。宗教多元主義の立場からは、しばしば、排他主義や 包括主義は克服されるべき前時代的なモデルとして批判されてきた 。本稿では、このような宗教多元主義モデルが前提としている進歩史的な価値観を「優越的置換主義」として批判すると共に、その問題は現実の宗教界や政治の 世界などにおいても反映されていることを、西洋および日本における事例を通じて考察する。その上で、排他主義や包括主義に分類される宗教や運動の中にも、 評価すべき要素があることを指摘する。また、これまでもっぱら西洋の神学サークルの中で議論されてきた多元主義モデルが、非西洋世界において、どのような 有効性を持つのかを、イスラームや日本宗教の視点を適宜織り交ぜながら、批判的に検討する。最後に、西洋的価値を中心とする宗教多元主義を積極的に相対化 していくためには、宗教の神学と文脈化神学を総合する必要があることを示唆する。

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