小原On-Line

戦略研究所とテヘラン大学に

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080227_1.JPG  今日(2月26日)は、午前中、戦略研究所を、午後はテヘラン大学神学部を訪ねました。

 戦略研究所(Center for Strategic Research)は、テヘランの北の外れにあり、右の写真でもわかるように雪をいだいたアルボルズ山のふもとに位置しています。
 このあたりまで来ると、市内中心部と異なり、空気がおいしいです。テヘラン北部は高級住宅地が広がるエリアになっているのも納得できます。

080227_2.JPG そのような環境の中、ひときわ目立つ建物が左の戦略研究所です。ごっつい建物です。ここの副所長のMahmood Vaezi氏や、以前、同志社でイランの核問題について講演をしてくれたNasser Saghafi-Ameri氏に会いに行きました。

080227_3.JPG Vaezi氏は、昔、イランのテレコミュニケーション会社(日本で言えばNTT)の社長だったとのことで、その当時、イランのインフラ開発のために、日本、ドイツ、フランスなどの関連業者ともやりとりしてきた話をしてくれました。日本からはNECが関係していたそうですが、意志決定が非常に遅く、事業計画が決まって2年後にようやく社長がやってきたことを笑い話として話してくれました。
 Vaezi氏の経験からは、日本はのんびりしている国だというイメージが強く、我々との関係においても、まあ、のんびりいきましょう、という感じでした。
 ところが、Saghafi-Ameri氏の方はえらく積極的で、せっかく日本から来たのだから、戦略研究所の外国人研究者などを交えて、小さなシンポジウムを開催しましょう、という提案をしてこられ、結局、土曜日に、私も話をすることになりました。何の準備もしていませんし、また、これから準備する時間もありませんので、アドリブで話すことになりそうです。どうなることやら・・・ (^_^;)

080227_4.JPG 戦略研究所をお昼前に発って、テヘラン大学神学部を目指したのですが、迷いに迷いました。テヘラン大学は複数キャンパスを市内各地に有しており、2回間違えて、ようやく目的地にたどり着きました。
 途中、乗車していたタクシーが交通違反でつかまったというアクシデントもありました。

 テヘラン大学神学部のザルヴァーニ先生を訪ねました。正門あたりで、右往左往しているところをザルヴァーニ先生が見つけてくれました。ザルヴァーニ先生は、昨年夏に国際交080227_5.JPG流基金(Japan Foundation)の関係で京都に来られ、京都・宗教系大学院連合の第3回研究会で「仏教とイスラーム・シーア派との比較研究」というテーマで話をしてくださったり、CISMORの研究会でも話をしてくださりました。左上の写真は、ザルヴァーニ先生の研究室から撮した風景です。
 右の写真は、神学部の建物の一つ。テヘラン大学の神学部は、もちろん、イスラーム神学を中心にしていますが、比較宗教学科も中に含まれており、他の宗教の研究もなされています。
080227_6.JPG 驚いたのは、その規模の大きさです。学生はおよそ1400人、教員はおよそ80人、五つの学科で編成されています。男女比についても聞きました。何と、女性が7割以上だということ。これも予想外の多さでした。

 ザルヴァーニ先生や、その他の先生との長い話を終えた頃には夕方になっていました。キャンパスに出ると、女子学生たちがいたので、なぜここで勉強しようと思ったのか、何を勉強しているのか、等々、あれこれ聞いてみました。めったいにない機会ですからね。
 イランも実学指向が強いらしく、神学を勉強する決意をしたときには家族から反対されたとか、意外と日本に近いような状況があることが新鮮に感じられました。でも、いずれの方も、宗教を勉強することに、すごく生き甲斐を感じており、将来のことよりも、今、納得できる勉強ができることに満足を感じられているようでした。短い会話の中で、いきなり「近代化」をめぐる議論が出てくるあたりにもお国柄を感じました。
 彼女たちのような学生が、日本の学生と交流できれば、おもしろい発見がお互いにあるだろうなと、つくづく思いながら、将来の可能性に思いをはせた次第です。

コメント(2)

小原さん

 テヘランからの更新、どうもありがとうございます。ここ数日において更新して頂いた内容に、随分と楽しませて頂いています。ビジネス上の小話には勿論笑わせて頂いたのですが、テヘラン大学の神学部に在籍する学生の7割以上が女性であることに始まる件に、素直に胸に落ちるものを感じさせられました。

 イランの人たちも、自国における宗教的な複雑さは認知されているはずです。その上で生きて行くことを考えればこそ、実学指向の勉強をすることと同様に、社会の前提となる宗教に一体どのように取り組むのかを学ぶ機会を得ることは貴重なことと思います。

 イスラム圏における近代化において、近代化に対する宗教者の視線は、極々一般の人たちを含めて大切ですからね。7割以上にも上る女性たちとしては、恐らく、その認識があるのでしょう。その話を聞くだけでも、尊敬してしまいます。

 自分たちに真に迫った生活を変えて行く上で、男性中心の解釈で成り立つ社会を変えて行く必要があり、そのためには、女性側の解釈も成り立つ社会へと一歩であれ近付ける必要がある。そしてそのためには、世に問われる宗教について学び、きちんとした対応をすることが出来なくてはならない。その認識が、「近代化」をめぐる議論が出て来る背景には、あるのでしょう。

 結局のところとして、国を変えて行くことが出来るのはその国民ですし、その努力が実を結ぶ方向に世界が動いて行くことが、私としても望ましいです。多分に、欧米の首脳陣も分かっているはずなのでしょうけれど、イランにおける宗教事情同様、世界も複雑奇怪と言えばそうなのでしょうし、こればかりは、難しいですよね。

 最後になりますが、「土曜日に開催されることになった小さなシンポジウムでは、アドリブで。」とのことですが、それは先方も御承知のはずですし、アドリブであろうとはいえ、通じる言葉でお話になれば、分かって下さると思います。少なくとも私個人としては、変に取り繕ったようなことは、お話にならない方が良いように思います。

 僭越な内容とは思いましたが、コメントを寄せさせて頂きました。不快に思われましたら、申し訳ありません。

大和さん
 いつも丁寧なコメントをありがとうございます。
 土曜日のことについては、ご指摘の通り、取り繕うことなくストレートな話をしたいと思っています。そもそも、取り繕うにも準備の時間がありませんしね。
 お互いの考え方(の違い)に向き合う機会になればと願っています。

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このブログ記事について

このページは、小原克博が2008年2月27日 00:54に書いたブログ記事です。

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