KOHARA BLOG

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ゴム(Qom)訪問

080228_1.JPG  今日(2月27日)は、富田先生、日本大使館の中村明日香さんとゴム市に出かけてきました。ゴムはテヘランの南135キロのところにある宗教都市です。巡礼の町として知られています。

 ゴムに行く途中、エマーム・ホメイニー霊廟(右写真)に立ち寄りました。あのイラン・イスラーム革命(1979年)の中心的指導者のホメイニー師が眠る巨大な霊廟です。
080228_2.JPG 国家としても重要な意味を持つ建物なのですが、なぜか、全体が建築途上のままで、「本当に完成させる気があるのか?」と心配になるほどです。
 しかし、ホメイニー師を慕う人にとっては、建物などどうでもよいのかもしれません。左の写真のように、たくさんの生徒たちが霊廟を訪れていました。遠足の定番の行き先になっているのだと思います。

080228_3.JPG テヘランは巨大都市ですが、そこから離れていくと広がるのは荒涼とした土地です。イランの国土のかなりの部分をこうした土地が占めています。
 ごつごつとした岩山がところどころに見えるだけで、他は目立ったものがないのですが、騒々しいテヘランでは得難い、落ち着いた気持ちにさせてくれます。
080228_4.JPG 左の写真は、途中で降車して、小さな山の上にのぼって撮影したものです。

 1時間半ほどでゴムに到着して、あちこち回った後、ハズラテ・マアスーメという霊廟(聖域)を訪ねました。
080228_5.JPG この場所は、聖地なので本来ムスリム以外の人が足を踏み入れることはできません。が、ゴム在住のイラン人の方が私たちの身元を保証してくれ、担当者に交渉してくれたおかげで、普通は入れないところまで入ることができました。
 貴重な写真をたくさん撮りましたが、とりあえず全体の雰囲気がわかる一枚を右にあげておきました。たくさんの巡礼者が来ていることがわかると思います。

080228_6.JPG この後、バーゲルアルオルム大学のヴァエズィー学長を訪ねました。ヴァエズィー先生は、昨年10月のCISMOR国際ワークショップに来てくださり、また、私が2月19日の記事で言及している方でもあります。
 宗教的には保守派に位置しながらも、西洋の思想や哲学に開かれた姿勢を持っており、シーア派の考え方と西洋の考え方の橋渡しができる人物であると思います。
 ヴァエズィー先生は担当の授業があったため、長時間話すことはできませんが、現在の関心事や授業でどのようなことをしているかについて話してくれました。直後の授業では解釈学を扱っており、ガーダマーやP・リクールなどの名前をあげていました。
080228_7.JPG リベラル・デモクラシー批判を展開したり、日本の米国一辺倒の外交政策を批判したりしながらも、それがきちんとした学問的土台の上でなされていることに感心せざるを得ません。

 このようにゴムに到着してから、ほとんど休む間もなくあちこちに行っていたため、結果的に、お昼ご飯を食べ損ねてしまい、4時過ぎにようやく空腹を満たすことができました。
 右の写真は、ゴムのレストランで食べたチェロウ・ケバブです。ライスのことをチェロウと言います。ライス付きケバブはイランの定番料理です。私はケバブが大好きなので、中東料理は全般的にOKなのですが、人によってはケバブ(基本は羊肉)が口に合わないという人もいます。

080228_8.JPG 左は、ゴムを去る際に撮った記念写真。右端が中村明日香さんですが、チャドルがさまになっています。中村さんはペルシャ語がぺらぺらなので、チャドルをかぶっていれば、ほとんどイラン人との区別がつかないほどです。

 イランでは、外国人に対しても服装規定がありますので、日本人女性であっても、髪の毛や肌を露出するのは厳禁です。
 近年、服装規定は厳しくなっているらしく、いいかげんな格好をしていると治安警察に呼び止められるそうです。ちなみに、イランには交通警察と治安警察の二種類があります。

 ゴムから高速に乗って、途中まで順調に進んでいたのですが、テヘラン南部で大渋滞に巻き込まれました。前に進みません。6時前にゴムを出発したのですが、テヘランのホテルに到着したのは、何と10時でした。
 明日、お祭りがあることも多少関係しているとは思うのですが、テヘランの渋滞のすごさを身にしみて感じさせられました。

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